あおみ労務事務所
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「経営」という言葉を辞書で引いてみますと、「計画に基づいて事業などを行うこと。又そのためのしくみ」 とあります。畢竟、経営とは「経営指針(経営理念、経営方針、経営計画)を作成し、それを誠実に実践していくこと」ではないでしょうか。
このページでは、その時々の経営にかかわる情報を取り上げ、発信していきます。
2014.9.14(San)
異業種交流会での川柳 その十四

今日は、中部地区川柳大会(中日川柳会主催)に参加のため名古屋市新栄町まで。
絵に描いたような秋日和の中、高浜川柳会の仲間三人と勇んでの出陣。

198名の出席はこの会ならではの収穫だが、多人数ゆえ入選にありつけないのもこの大会。
競吟である以上、仕方のないことだが、呼名できないのはいささか辛い。

結果は合点7点の12位。7位から13位まだが合点7点だったと記憶するが、順位が違うのは、同点の場合は受付順により順位付けをするからで、このやり方が一番簡単なのだろう。

今日の入選句。

 鉛筆の尖ったほうがわたしです             「鉛筆」(共選いずれも入選)

 響くまでワインセラーに寝かされる           「響く」

 卓袱台をひっくり返すとき 素顔             「素顔」(共選いずれも入選)

 トンネルの少し向こうにある素顔              〃

 担がれた日から哀しくなる背骨             「担ぐ」


さて、異業種交流会の広報誌(通算35号 10/1発行)が出来上がった。
川柳コーナーは依然好調(筆者がいうのはおかしな話だ)。

会員に配布される前に、このページの読者には報告しておこう。
事前に漏れたからといって誰にも迷惑のかからないのが川柳だ。


 川柳 〜東奔西走〜

今回のお題は「空気」。

「空気」は、地球を包んでいる大気のうち地表に近い部分の気体のこと。
また、雰囲気、あたりの気分を指すこともあります。

最近では、「空気が読めない」「空気を読め」など普段の会話でよく使います。
しかし、空気を読むのはとても難しい。


色々な「空気」を皆さんからいただきました。

ふるさとの 空気宅配 便で来る 茶助
息殺し 見つめるほどに 客逃げる プリン体
指針から 社長が香らす 空気吸う  〃
肩車 された空気は うまかった          僕ちゃん
あなたとの 関係空気に なりたくて ばそきや
赤とんぼ 空気読んだか 秋の空 シグナル
読めないよ 空気と芝目 難解だ  〃
深呼吸 森林浴を しています 愛知県
空気読む たび悲しく なってくる ゆうちゃん
マチュピチュの 空気はちょっと 薄そうだ 遊覧船


 虫食い川柳

「虫食い川柳」とは、川柳作品の中の一部を虫が食ったように文字を抜き取った形で出題される、いわば「頭の体操五・七・五」です。


これにより、川柳のリズム感やことば使いなどを学ぶことができ、作句力を高めていきます。
ぜひ挑戦してください。(解答は下)


@ 怒ったら怖い笑えばなお


A 読めない見えないからと人に聞く

B いい日だな机の上にもない

C いいかげん覚えてくれと辞書が

替りのメニューのような恋をする

均であって回転寿司で会う

F 大切な□□をアゴで使う嫁

G 借りに来た嘘へ貸せないを言う

H 追があまり長くて書き直す

I おみくじの凶引き当てる強い

J 我が家では父は大事な味役

K とりあえずを出すと医者は言う

L 分と言うのに母は山に盛り

解答 @怖 A字 B何 C言 D日 E百 F息子 G嘘 H伸 I運 J毒 K薬 L半



いとう良一 色鉛筆画・一人旅



2014.6.01(San)
異業種交流会での川柳 その十参

 川柳 〜東奔西走〜

東海地方も梅雨入り。今年の梅雨は女性的と予想されています。
しとしと降る雨が多いのでしょう。

「しとしと」には次の三つの意味があります。
@雨が静かに降るさま。A物事をもの静かにするさま。B湿っているさま。

さて、今回のお題は「しとしと」。
時節柄、四月から始まった消費税増税を静かに降る雨に例えた川柳が目立ちました。


大雨で なくとも私の 地を固め バソキヤ
しとしとの 内はよかった 妻の乱 青嵐
増税が しとしと響く 吸血鬼 作業服
しとしとと 雑草笑顔 草むしり  〃
しとしとと そぼ降る雨も 明日の糧 シグナル
青空に しとしと感が ある旅路 風の旅人
夢に出る 止まぬしとしと 増税雨 プリン体
定時だと しとしと続く グチ茶の間  〃
雨降りは いいねきれいな 傘の花 愛知県 


 虫食い川柳

「虫食い川柳」とは、川柳作品の中の一部を虫が食ったように文字を抜き取った形で出題される、いわば「頭の体操五・七・五」です。


これにより、川柳のリズム感やことば使いなどを学ぶことができ、作句力を高めていきます。
ぜひ挑戦してください。(解答は下)


@ もうみんな知ってる
をひた隠す

A 見てみたい黄門様の
□□

B 怒らない
が近頃怖くなり

C 熱燗は湯気の分だけ減って

D 本音にも女はをちりばめる

E 価値観がピッタリ合って離婚

F 同郷と知ってほぐれる対面

G 吊り革が空いた一人の年日

H 避暑地など□□地図から消えました

のない一日を過ごす安息日

J 記憶力悪い人には貸せぬ

K カーリング見ながら励む掃除

解答 @歳 A万歩 B妻 C損 D嘘 E印 F初 G定 H日本 I眉 J金 K床



2014.1.26(San)
異業種交流会での川柳 その十弍

一月が駆け足で過ぎる。
どの年も同じなのだが、今年はことの他速く感じられた。

とにかく忙しかった。仕事は勿論だが、家庭の事情というやつが大きかった。
我が家でも「介護」という問題がのしかかった。

妻の母が今年90歳。昨年までの健康な体が、年末の「便秘騒動」で衰弱。
真夜中に救急車を呼び、朝まで介抱したのはまるで昨日のようだ。

あれから、少し元気にはなったが、気力が失せている。
「おばあちゃん元気でいてね」が、今では我が家の合言葉となった。

その中で、異業種交流会の広報誌(通算34号 2/1発行)を編集しなければならず、川柳も詠まなければならない。一夜漬けもいいところ。それもよしだ。

ということで、今回は
川柳 〜添削コーナー」は中止。
その代わりに、かって書いた「川柳鑑賞」を載せた。



 川柳 〜東奔西走〜

東北の震災から間もなく三年。震災後の川柳大会で「鬼」という課題が出された。
その時の秀句を鮮明に思い出す。


 
鬼はまだ棲んでいたのか海の蒼   浅利猪一郎

忘れてはならない句である。

七年後の 話に鬼が 笑います 東京五輪
鬼の面 妻が取る日は 給料日 恋女房
安倍総理 鬼より怖い 独裁者 シグナル
スマホ鬼 親は楽しみ 子はおびえ          〃
鬼嫁と 呼んでいるのに 子沢山 バソキヤ
夢多き 俺には見えない 笑う鬼 プリン体
なぜ鬼は 悪役ばかり かわいそう シグナル
外面が いいので鬼と わからない 小肥りじい
鬼ごっこ していたおかげ 怖くない 鬼っ子
よく笑う 嫁が来てから 鬼が出ぬ 愛知県

 川柳鑑賞

柳友のTさんから手紙を貰った。
「私の好きな川柳作家」として、高橋康夫さんのことが記してあった。


高橋康夫さんは、亡くなった時実新子さんの弟子で、常に新しい視野で川柳に取り組んでいる作家。 いくつか川柳が紹介され、「比呂志さんならどのように鑑賞なさいますか」と結んであった。

返信に、次のような鑑賞文を書いた。

【作品鑑賞】高橋康夫句集より

*夕暮れの深さで流れくる未来
夕焼けの赤から闇の黒へと流れゆく夕暮れ。人は、一日の仕事を終え、安堵に満ちた深い時間の中にいる。それはまた、明日への活力を培う時間でもあるのだ。

*虚言癖パセリの種をどっと蒔く
虚言癖のある自分を変えたい。どうしたらこの癖を直せるか。いっそパセリの種をどっと蒔いてみよう。芽の出てくる時分に、虚言癖は消えているかもしれない。

*死ぬ死ぬと蛍光灯の馬鹿
死ぬといったところで、人は簡単には死ねない。この蛍光灯のように、消えそうで消えないのが人というもの。ならば、生きていこう、辛くても。

*閉じる時我が胸内に散れ こぶし
早春を告げるこぶしの花。他の木々に先駆けて白い花を天に向けている。何と眩しいことか。散るまでは思いっきり咲け。散り際を見届けてやるから。

*雨傘の黒黙黙と月曜日
連休明けの月曜日。ただでさえ憂鬱な日に雨が降っている。カラフルな傘を差せば少しは気が晴れるが、私の傘は黒色。何も語ろうとはしない。仕様がないね、こんな日もある人生は。


 
編集後記

オリジナル川柳カレンダー(あざみ通信)を貰った。
川柳と写真のコラボレーションが楽しいカレンダー。

「風おこす順番が来た立ち上がる(竹井紫乙)」(1月)
「自転車にはじめて乗れた日のように(高橋かずき)」(3月)

「二人ならできるふたりだからできる(青砥たかこ)」(4月)
「遠雷や会わない奇跡会う奇跡(山口亜津子)」(6月)

「輝いてキリンの涙落ちてくる(大西俊和)」(8月)
「ほらそこに夢のしっぽが光ってる(田村ひろ子)」(12月)

コラボの時代。企業と企業の相乗効果を期待したい。



2013.10.07(Mon)
異業種交流会での川柳 その十壱

十月というのに暑さがまだ残る。
時折ひんやりした風が吹き、背の汗を乾かしていく。

3年前の川柳大会で秀句になった川柳がよみがえる。

 大遅刻して来て秋は知らん顔         佐藤弘子

あの年の秋は確かに暑かった。
それを思えば、これくらいの暑さは堪えられる。

土曜日は、大垣市で行われた岐阜県川柳作家協会川柳大会に参加。
初めての岐阜の大会。(結果は、後日報告します)

記念講演「私の名句鑑賞」(吉崎柳歩)までの時間を利用して「大垣城」(下が写真)へ行った。
時間がなかったので、早足の見物。小ぶりだが中々の名城だった。

柳友のC子さんをお誘いしたが、記念講演には数分遅刻。
C子さんには申し訳ないことをした。

さて、異業種交流会の広報誌(通算33号 10/1発行)が出来上がった。
川柳コーナーは依然好調(筆者がいうのはおかしな話だ)。

さあ、幕を上げよう!


 川柳 〜東奔西走〜

 リハビリへ迎えのバスも顔馴染         瓜生晴男

超高齢化社会の日本。
疾病率の高さに比例して、身体機能の回復であるリハビリも盛んになってきました。

リハビリに行くバスの中にも顔馴染がいっぱいいます。
幸せな風景のようにも見えます。

ジールでは リハビリできぬ 我が財布 シグナル
病院の 友リハビリで うらめしく 一期一会
経営の リハビリはここ 同友会 バソキヤ
リハビリで クラブ握って 悪化させ   〃
エロ本を 読んでリハビリ しています たまむし
恋心 リハビリ通い うっきうき いずみっこ
リハビリと 言葉にごして 喫茶店   〃
最終日 リハビリ延ばし 遼観戦 プリン体
骨完治 リハビリ兼ねて 栓を抜く   〃
リハビリで 首を吊っては いけません 愛知県


 川柳 〜添削コーナー

今回のお題『リハビリ』で没句となった川柳を紹介します。
まずは、一期一会さんの原句から。


 リハビリ 自然に身をおき 我休む

一期一会さんの「リハビリ」のあり方は、自然の中に我が身を置くことのようです。
そうして心を癒していくのでしょう。次のようにすると、リズムもよく、解かりやすい句となります。


 せせらぎを 聴いて心を 取り戻す

次は、シグナルさんの句。

 
オリオンの 肩の痛みか 流星雨

「オリオン座が流星雨を降らしたのはオリオン(ギリシャ神話に登場する狩りの名人)の肩の痛み」という発見は新鮮です。ここは課題に忠実に。

 肩の凝り ほぐしてくれる 流星雨

最後は、たまむしさんの句。

 リハビリを してスタミナが 元通り 

中年になると体力の減退は避けられないところ。体力を回復することも「リハビリ」の内。
具体的な方法を句の中に入れると、読者の共感が得られます。

 
リハビリに 一番効いた まむし酒



大垣城


2013.09.29(San)
大磯屋製麺所

地元の異業種交流会でご一緒している(株)大磯屋製麺所の磯貝賢一社長をお邪魔した。
若干36歳。大正15年創業の焼きそば麺製造会社の4代目。

     
大磯屋製麺所ホームページ   http://www.oisoya.jp/

9月10日、午後2時。工場内の製造を終え、デスクワーク作業中に訪問。
いつも感心するのは姿勢の良さ。これは「経営の姿勢」にも繋がっている。


入社後、一番嬉しかったことと、一番悲しかったことは?)

「同友会の共育研究会に社員と共に参加し、社員を褒められた時が一番嬉しかった」

「法人化を控えて第1期経営指針発表会の準備等で社員との温度差が出てしまい、社員との距離が離れてしまった時が悲しかった」

法人化する前後に「社員との関わり方」を多く学んだようだ。そこで得た結論は、

「経営者は社員の目線で関わることも大事だが、経営者の目線も持つべき。そのバランスが必要」


(経営理念「おかげさん〜感謝〜」を実現させるために、日常心がけていることは?)

「嬉しい事や、楽しいことだけではなく、苦しい時や辛い時こそ、その原因を作ったのは自分と戒め、改善する機会をもらったと感謝の言葉を口にする」


急成長とは言えないまでもここ数年、確実に販路を拡大(集客)している。
動画配信、スーパーマーケットトレードショーへの出展、碧そば、等。

(「
手作り」に特徴があると思うが、販路拡大を考えた場合、さらなる機械化は?)

「機械化による品質低下もある。品質を落とさずにどこまで機械化できるか、バランスが大事」


(5年後の会社のイメージは?)

「売上高は倍増、社員数は正社員の割合を高め、1.5倍、新工場の建設を視野に入れている」

「今後、一番残していきたいものは?」

六代目(孫)が入社したいと思わせる社風」


(「ノミの法則」とは?)

「1m跳べるノミを30
cmの箱に入れておくと30cmしか跳べなくなる。そのノミをもう一度1m跳べるようにさせる方法がある。それは、1m跳べるノミの仲間を一緒に入れて、また見せること。自分の可能性に気づいたとき、人は成長する」

同友会の学びの輪に入っていくことは、自分の可能性の幅を広げていくこと。
そうすることで会社も発展していくことを「「ノミの法則」を通して語られた。




磯貝賢一氏



大磯屋製麺所社員さん



2013.08.15(Thu)
特性要因図(魚の骨)

「鈴鹿川柳会」の会報誌を読んでいたら、「特性要因図(魚の骨)」なる言葉が出てきた。
二十年前に一時期学んだQCの手法である。正直懐かしい。

そもそも、「特性要因図(魚の骨)」とは何か?
一言で言えば、品質管理のための道具である。

製品の品質を維持することは、企業にとっては至上命題である。
ところが、不確定要素が存在するのが世の常、100%の品質維持は難しい。

例えば「不良」。そこで、不良の原因を皆で考え、思いつくままに言ったものをまとめるための方法が、「特性要因図(魚の骨)」なのである。

「川柳すずか」の会報誌では、こんなふうに書かれている。

(鈴鹿市民川柳大会を企画するにあたり、何をすべきか?)
私はまず、サラリーマン時代の経験を生かして大会運営の「特性要因図(魚の骨)」を作った。

物事を成し遂げるのは、「段取り八分仕事二部」と言われる。
つまり事前の準備の良し悪しが成否を決定するのである。

特定要因図から洗い出した準備項目を細部まで明らかにし、時系列的に潰していった・・・・。

この当事者は、現在の三重県川柳連盟理事長の吉崎柳歩さん。
私も川柳の師として仰ぐ人。何事につけ、応用のできる人なのだろう。

魚の骨とは、こんな感じになります。






2013.05.26(San)
異業種交流会での川柳 その十

麦がだいぶ色づいてきた。
小麦色になり、収穫される頃が梅雨入りだ。

バラの見頃もやや過ぎて、静かに待ち構えているのはアジサイか?
季節の花が次から次へ、まるで雪崩のように押し寄せてくる。

さて、異業種交流会の広報誌(通算32号 6/1発行)が出来上がった。
川柳コーナーも依然として続いている。

長く続いているだけが取り柄のこのコーナー。
応募してくれる人はありがたいが、川柳を本格的にやろうとする人はいないのか?


 川柳 〜東奔西走〜

 六月の花嫁だって風邪を引く          東川和子

六月に結婚した花嫁は幸せになれるというのは、ヨーロッパからの伝承。
日本では、六月の花嫁だって風邪を引くのです。

梅雨入り前のうるわしい季節。
絵葉書のように残しておきたいものです。

今回のお題は、『残る』。皆さんからの佳句を紹介します。

安倍総理 弱者残して したり顔           シグナル
本当に 残りものには 福がある?          〃
雨に濡れ 桜しぶとく 今輝く ひねくれ小僧
あの世へは 持っていけない 懺悔録 閻魔大王
後悔が 残るあなたに 言えなくて バソキヤ
残尿感 他人ごとでは なくなった   〃
がんばっている 抜歯したとなりの歯 歯磨き粉
福がある 売れ残りにも 明日の夢 プリン体
残ってない 名刺交換 冷や汗が    〃
残高はゼロです あたま空っぽです 愛知県


 川柳 〜添削コーナー

今回のお題『残る』で、没句となった川柳を紹介します。
まずは、シグナルさんの句から。


 初恋が 脳裏に残る 妻の顔

誰しも初恋は美しい思い出。実った恋ならなおさら。
実らなかった恋でも心の引き出しを開ければ、青春がよみがえります。

妻の顔を見て、初恋の人を思い出すこともあるでしょう。
原句を次のように直すと、意味がよく通ります。


 妻の顔 見て初恋を 思い出す

次は、ひねくれ小僧さんの句。

 戦略で 残る会社 にこやかに

経営指針がモノをいう時代。
指針がなければ生き残りも難しい。

社員と共に先を読み、戦略・戦術を駆使して経営に当たらねばならぬのは言うまでもありません。次のように直しました。


 戦略で 残る会社に ある笑顔

最後は、進境著しいバソキヤさんの句。

 左手に 残る温もり 懐かしむ

ムードのある句です。
意味を読者に想像させるという点はいいのですが、手掛かりが乏しく意味不明。

頼みの綱は「左手」。左手に残っているものとは何でしょうか?
次のようにするといいでしょう。


 君の手の温もり 左手に残る



2013.03.31(San)
プチ贅沢

アサヒグループホールディングスがまとめた意識調査の結果によると、日常生活でのちょっとした贅沢(プチ贅沢)を楽しむ傾向は、男性よりも女性の方が強い。

また男性にとって主なプチ贅沢は「アルコール」、女性にとっては「スイーツ」
であることが分かった。

全国の20歳以上の男女782人にプチ贅沢をすことがあるか尋ねた。
その結果は・・・合計75.3%がプチ贅沢をすると答えた。

「よくプチ贅沢をする」 8.2%
「ときどきプチ贅沢をする」 67.1% 

同社が実施した別の調査では92.7%が節約を意識していると答えており、これらの結果から多くの人々が節約を心がけつつもプチ贅沢を楽しんでいる様子が窺える。

男性でプチ贅沢をすると答えた割合は69.5% 女性は82.3%

具体的なプチ贅沢の内容は?

男性の1位は「お酒(ビール、ワインなど)」(49.3%)
女性の1位は「お菓子・デザートなど」(68.1%)

男性の自由回答には「ヴィンテージのワインを開けて、いつもよりワンランク上のお酒で乾杯する」といった意見があり、女性からは「デパ地下で高いケーキを買って食べる」などの意見が寄せられた。

また、男女とも2位は「外食(高級ランチ・飲み会など)」(男性48.6%/女性49.3%)。

どんなときにプチ贅沢をするか?

1位が「楽しいこと、嬉しい事があった時に」(39.6%)
2位が「ストレス、イライラが溜まっている時に」(37.5%)

ポジティブ型とストレス発散型の理由がトップ2を占めた。

「特に理由はないけど、そんな気持ちになった時」(33.4%)が3位。

特別な原因や動機がなくてもその日の気分でプチ贅沢をする人も多い。



2013.02.02(Sat)
異業種交流会での川柳 その九

足早で2013年が駆けていく。
春もこの勢いで来るのだろうか?

節分の前日としては、今日は暖かな日。
三月半ばの陽気のせいか、体がつい緩んでくる。

また寒くなる時が、注意時なのだろう。

さて、異業種交流会の広報誌(通算31号 2/1発行)が出来上がった。
川柳コーナーも依然として続いている。

何の取り柄もないコーナーなので、読み飛ばしてください。


 川柳 〜東奔西走〜

「胸襟を開く薬を酒という」という川柳があります。
酔うにつれ気が大きくなり、本音がついポロリ。

「赤ちょうちん串一本にぐち十本」になりかねません。
しかし、百薬の長はやっぱり良いもの。

そして美しく酔いたいものです。


今回のお題は、『酔う』です。皆さんからの佳句を紹介します。

酔うほどに 一攫千金 ふところに           いずみっこ 
酒借りて 酔った勢い 本音かな    〃
酔いたくて 綱渡りなど してみます 愛知県
同窓会 酔ってあなたに 逢いたくて バソキヤ
飲み会で どこまでいいの 無礼講          
酔うとまた 妻がほとけに 見えてくる     よいしょ
減らしても 数字に酔っちゃう 棚卸し プリン体
いい朝だ 夕べの酒が 機嫌良い とんてき
二日酔い 反省できず 三日酔い シグナル 
同じ酔い 天国地獄 酒と船    


  虫食い川柳

「虫食い川柳」とは、川柳作品の中の一部を虫が食ったように文字を抜き取った形で出題される、いわば「頭の体操五・七・五」です。

これにより、川柳のリズム感やことば使いなどを学ぶことができ、作句力を高めていきます。
ぜひ挑戦してみてください。(解答は下)

@ □□□□にされた惨めなプロポーズ

A 定年と聞かれ□□□□とも言えず

B □□した時はほんとにうまかった

C 好きな物食べよと□□が言う不安

D コンサート美女のは肩が凝る

E 全国を似たにした化粧品

F 百均の□□□で離婚片付ける

G 美人のあんなに長く居たのにね

H 結婚をなさい□□するけれど

I に合うが財布に合わぬ試着室

J 自販機でふるさとの買っている

K ノーメイクから風邪をひきました

L □□の胸離れたくない聴診器


解答 @セクハラ Aリストラ B試食 C医者 D隣 E顔 Fハンコ 
    G湯 H後悔 I身 J水 K顔 L美女



2012.09.23(San)
異業種交流会での川柳 その八

知らぬ間に秋になった。
彼岸が過ぎ、ようやく暑さが和らいできた。

事務所の窓を開けていると、涼しい風が吹いてくる。
稗田川の堤防にもあちらこちらに彼岸花が見られる。

「小さい秋」もずいぶん大きくなってきたのだろう。

  小さい秋どんな袋に入れようか

さて、異業種交流会の広報誌(通算30号 10/1発行)が出来上がった。
担当する川柳コーナーを紹介します。

 川柳 〜東奔西走〜

七月、愛知中小企業家同友会創立五十周年記念式典が盛大に開催されました。
会員がともに笑い、泣き、励まし合ってきた半世紀。

中小企業は、これから、「中小輝業」として、再出発します。

様々な『半世紀』を皆さんから投句頂きました。

馳せるなら 未来の方の 半世紀           プリン体 
半世紀 この顔さらし 生きてきた あっぷりけ

手が届く 距離にあなたが 半世紀

バソキヤ
半世紀 妻に言いたい ありがとう シグナル
北の空 金環食で 金婚式  〃
A4の いちまいきりの 半世紀 江ノ電
マドンナを こんなに変えた 半世紀 こすもす
夢叶う わが人生の 半世紀 いずみっこ
半世紀 変わらぬ笑顔 いつまでも  〃
五十歳 生命線の どのあたり 愛知県


 川柳雑感

鈴鹿川柳会のネットに『言いたい放題』というコーナーがあります。
会員とその周辺の伝言板のような役割を持ち、文字通り、言いたいことを発信できるコーナー。
私も、川柳の勉強に大いに覗かせて貰っています。


ある日、「困ったときの観覧車」という文句を見つけました。
川柳のネタに困った時には、観覧車を詠めば一句できるというのです。


確かにそうです。観覧車はとても絵になるし、密室の二人きりの心理も容易に想像できます。
ゴンドラに人生を映すのもいいでしょう。


また、観覧車は、遊園地の遊具の中であまり進化のない乗り物。
どの世代にもイメージが共有できます。


「観覧車」の句を少し並べてみます。

 観覧車の哀しみ少しだけわかる

「哀しみ」の内容が意味不明ですが、雰囲気は出ています。
すべてを言い切らずに、読者の想像に任せようという潔さがあります。


 観覧車ひと回りしてまだこの世

この世にいながら、この世を俯瞰する目。
その目の奥底には、この世の愛惜とともに諦観があります。


 観覧車一生なんてそんなもの

頂点を過ぎると寂しくなるのは、人生も同じ。
観覧車に乗ると、これからの行く末が見えます。


 観覧車揺らして風はあのひとへ

不安定な心を纏いながら生きているのが人というもの。
一度でいいから風になってあの人に逢いにいきたい。

このように「観覧車」は、句の体裁を整えやすい、いわばもたれやすい単語。
それゆえ、類想句を生む原因にもなります。

新鮮な句想がなければ使わない方が賢明なのかもしれません。


 観覧車キスもせぬうち降ろされる



2012.07.01(San)
異業種交流会での川柳 その七

七月になった。今日は、生憎の雨。

梅雨最中に、そんな言い方も可笑しいが、今のところ大人しい梅雨だ。
けむるようにしとしと降る雨が、自己主張せぬ女のようで、何となく愛しい。

異業種交流会の広報誌の「川柳コーナー」を眺めている。
作品と呼ぶにはまだまだ稚拙だが、皆うまくなっている。

五・七・五が様になってきた。題意を汲んで、自分の言葉で書いている。
今回のお題は、「さらさら」。


 川柳 〜東奔西走〜

オー・ヘンリーの小説に、男性が女性に髪に飾る櫛をプレゼントするのに金時計を売ってしまい、彼女は男性の金時計の鎖を買うために髪を売ってしまった、という話があります。

それを思い出して作句したのが

 さらさらの髪をときどき売りに出す


色々な「さらさら」を皆さんからいただきました。

この香り さらさら髪を 思い出し      バソキヤ
達筆な 文字で来ました 離縁状 ぶーちゃん
隠し事 さらさら無いと さらに汗 プリン体
悩み事 さらさら流せる 強心臓  
悲しみが 渇きだしたよ さらさらと てら
さらさらと 水の流れに 藻がゆれる いずみっこ
さらさらの 髪の匂いに 振り返り   〃
皿々と お菊とカッパが コラボする シグナル
砂時計 逆さにしても 戻らぬ日    〃
一生なんて さらさらさらと 終わるよね ゆうちゃん 

次号のお題は 『半世紀』 です。投句をお待ちしています。

 半世紀妻のレールで鳴る汽笛



 川柳 〜添削コーナー

今回のお題『さらさら』で没句となった川柳を紹介します。
まずは、プリン体さんの句から。


 不景気が 晴れてさらさら マネー川

金融の流れを川に例えた着想のいい句です。
「天下の回りもの」というように、好景気になるとお金がうまく循環します。

バブル期のように「マネー川」とまではいかないでしょうからここは、さらっと詠みたいもの。


 さらさらと 水が流れる 好景気

次は、シグナルさんの句。


 笹の葉に 復興の願い ゆれている

中八が気になりますが、笹の葉がさらさら鳴る様子が目に浮かびます。
東日本の復興もまだ半ば。今年も七夕の短冊には、多くの願いが飾られるのでしょう。

少し視点を変えて・・


 復興は いつになります 笹が鳴る

最後に、ぶーちゃんさんの句。

 夏野菜 酸っぱいサラダで 血サラサラ

夏野菜がてんこ盛りになっているような楽しい句です。
早いもので、今年も初夏。夏野菜が生育する時期ですね。

中八とゴロの悪さが気になりましたので、次のように直しましたが、原句の方が魅力あるかも?


 サラサラの血 分けてあげましょ 夏野菜



水彩画・竹海悠悠



2012.04.29(San)
巻頭対談

異業種交流会の広報委員長を務めて1年が経過した。
今年度は会長交代による新しい船出があったから、広報誌の巻頭に会長インタビューを載せた。

会長と広報委員長の対談形式としたが、結果、インタビューに始終した。
硬い話ばかりだが、良い内容になっているのでご覧ください。


   
鈴木学地区会長インタビュー聞き手 広報委員長 柴田比呂志)
 

         広報委員長                    鈴木会長


柴田
:遅ればせながら地区会長就任おめでとうございます。臨時総会から5ヶ月。その間、地区総会、支部総会、定時総会と愛知中小企業家同友会の総会日程がすべて終了しましたが、この間はとても長かったと推測します。率直に今どんな気持ちでおられますか?

鈴木:ご心配ありがとうございます。気負いもなく、平常心でやっています。前号の「あすに向かって」の中で言ったように、「普段着で一生懸命に!」を心がけています。素の自分でいいと思っているので、特に心の負担はないですね。

柴田:今年度の「会長所信」の中で、同友会で得た学びを会社で実践するには「覚悟」が必要だと言っておられますが、会長が言われる「覚悟」とはどんなものなのでしょうか?

鈴木:会社経営を考えた場合、「変えたくない」のが本音です。変えずに、永久に利益が出るのなら、これに越したことはない。しかし、変えていかなければ将来が不安です。そのために経営指針の勉強もしています。会社を変えるということは、「自分を変える」ことだと思います。「覚悟」というのは、自分を変える覚悟です。

柴田:鈴木会長は、長年剣道をやってこられて、趣味は「剣道」と言われています。かつての武士がいつでも命を捨てる覚悟を持っていたように、学びの実践における覚悟も、この武士の覚悟に相通ずるものがあると思うのですが、いかがですか?

鈴木:現在、剣道五段です。その上を目指していますが、昇段試験に何度も落ちました。それはなぜかというと、自分のスタイルを崩せないからです。今までと同様のスタイルで上を目指しているからです。今までのスタイルが崩せたときに、昇段があるのだろうと思います。そのためには、「自分を変える」こと。会社経営と同様の覚悟が必要だと思っています。

柴田:もう少し、「剣道」のことについて質問させてください。「剣道」が鈴木会長の人間形成にどんな役割を果たしたか、また、現在の会社経営においてどんなふうに役立ったと思われますか?

鈴木:剣道には、理念があります。「剣道は、剣の理法の修練による人間形成の道である」というのがそれです。これが、具体的にどんな役割を果たしたかはうまく説明できませんが、人間形成に役立ったことは間違いありません。そして、会社経営が「人」による営みである以上、個の人間形成は、会社経営にも大きく関わっているはずです。

柴田:会長所信のもう一つの柱として「交流」と言われました。異業種の経営者が積極的に交流することで、経営者が持つ悩みや経営課題を解決するヒントを得ようとおっしゃっていますが、「交流」する上で、大切なことは何でしょうか?

鈴木:「答えを求めない」ことだと思っています。異業種交流すれば、すぐに会社経営が良くなるものではないと思います。じっくり人と関わることで、ジワジワ効いてくるのが「交流」です。いわば漢方薬のようなものでしょうか。

柴田:愛知中小企業家同友会では、現在、「同友会らしい黒字企業づくり」の方針が確認されています。「人」は資産であり、経営者は雇用を守るという覚悟をもって経営に取り組み、その結果として黒字企業にしなければならない、というものです。ここでも「覚悟」という言葉が出てきていますが、鈴木会長としては、この「同友会らしい黒字企業づくり」にどんな計画を持って取り組んでおられますか?

鈴木:まず経営指針作りから始めました。社員と同じ意識、目線で計画を立て、実践しています。昨年末に、関係者を巻き込んでの指針の発表会もしました。また、「共育講座」「共同求人」など同友会を大いに活用しています。同友会で言う「三位一体」の経営実践(指針成文化、採用、社員との共育ち)の中で、ようやく土台が固まってきたような気がします。

柴田:24年度の地区例会がこれから順次始まりますが、役員会での討議などから、確実な手ごたえを感じられていると思います。現幹事の皆さんに期待するものは何ですか?

鈴木:各幹事が、「こんな例会をしたい」という目標が明確になっていて、意識の高さを感じます。この意識のもとで、それぞれが同友会活動を全うして欲しい。私も今年度は、役員研修大学を受講します。幹事の皆さんも同友会の語り部となって欲しいと思います。

柴田:最後に、碧南・高浜地区会員の皆さんへ、会長からのメッセージを。

鈴木:同友会には多くの学びの場があるので、積極的に掴みとってください。アンテナを高くし、感度を良くし、気づきを得ることから始めましょう。経営課題の解決に繋がるヒントがたくさん見つかるはずです。

柴田:今日は、ご多忙の中、貴重な時間を割いていただきありがとうございました。



2012.04.01(San)
太り気味の彼女を痩せさせる方法

昨日は、雨の上がった夕方に稗田川の散策。土が柔らかい。
芽吹いたばかりの草木が、どんどん丈を伸ばしていく予感。

堤には、土筆や蓬がいっぱい。東の空には大きな虹が架かっていた。
まだ少し寒いが、確実に春になっている。

ある雑誌を覗いていたら、「太り気味の彼女を痩せさせる方法」という見出し。
最近彼女(または妻)がだんだんぽっちゃりとしてきた…・

気になるけれど、どうやら本人には痩せる気がない。
どう伝えれば痩せる気になってくれるのか?というもの。

経営をしていると、大小さまざまな問題が舞い降りるから、こんな設例は、頭の体操になる。
そして、解決策はやがて他の問題にも応用できるだろう。

さて、雑誌を読んでいくと・・・・

質問者は、付き合って2年になる彼女が太った(+5キロ)ことが気になっているようだが、当の本人に痩せる気は感じられず、

「特に下半身が太く、水着になるような所には絶対に行きたくないです。彼女のことは、好きです。性格はすごく良いです。…別れたくありませんが、太っているのを見るたびに彼女を想う気持ちが薄くなっているような気がします」

とのことで、一度思っていることを全部伝えたところ、彼女の方でもダイエットを始めたそうだが、それも2週間で終了…。

これに対して寄せられたのは・・・・

「痩せるかどうかは彼女が決めることです。痩せたいと思っているなら応援してあげてください。ただ、彼女に痩せるつもりがないのなら仕方のないことです。その現実を受け入れるべきです。外見の問題はお互いさまです」(Aさん)

「太った時は、むしろ暖かく見守っていてほしいですね。女性は毎日体重を測っています。自分が一番わかっています。5キロで愛情が薄れるなら、今すぐ別れるべき」(Bさん)

という、「彼女の体型を認めるべき」という意見と、

「一度、本当に別れてみたら?そうしたら、彼女も目が覚めるかもしれません」(Cさん)

という“荒治療”派に大きく分かれた。

一方で、彼女をやる気にさせる工夫についても色々と具体的な意見が寄せられている。

「『○○ちゃんにすごく似合いそうだなぁと思って買っちゃった!今度のデートの時に着てきてね』とか言って、気持ち小さめのサイズの服をプレゼントしてみたりしたらいかがでしょう? それを繰り返せば確実に痩せていきますよ。誰でも、手に届くレベルの目標がないと努力はしないものです」(Dさん)

「私は今の彼と付き合い始めて15キロ太りました。ここまでくると詐欺ですよね(笑) ですが、最近がんばってダイエットを始めて、半年で8キロ痩せました♪ 彼のご褒美作戦のおかげです♪ ○キロ痩せたら○○してくれる…など、色々決めてみたらどうでしょう?」(Eさん)

「彼氏さんが今日から彼女のダイエットコーチになることをお勧めします。デートは体を動かすような所に行く。一緒に食べるご飯も低カロリーなものにするなど、彼氏さんが気をつけてサポートしてあげる」(Fさん)

ポイントは、男性が親身になって一緒に頑張ることと、“ご褒美”を用意すること。
質問者は、実際にこれらの回答を参考に話し合い、ダイエット方法をいろいろ提案したそうだ。

「その結果、彼女は寝る前に腹筋を20回弱とその他色々をやっています。たまに、散歩かランニングに行ってるみたいです」



2012.02.12(San)
折り畳み可能なヘルメット

立春を過ぎて幾分寒さも和らいだ。
寒い日もあるが、春を待つ喜びの方が大きい。

三寒四温、まだそこまで行かなくとも、気分は晴れやかだ。
青い大きな空が、両手を広げて迎えてくれる。

先週の日経新聞に、注文殺到のヘルメットが取り上げられていた。
その名は、「タタメット」。

折り畳み可能なヘルメットなのだそうだ。
開発したのはデザイン会社のイエロー(群馬県館林市)。

そもそものいきさつは、イエローの社長が、ある地震でビルの窓ガラスが割れて歩道に降ってくる映像を見たことに始まる。社長は自宅にヘルメットを置こうと考えた。

4人家族だから4個。これが意外にかさばる。
「畳める仕組みはないものか?」これが発想の原点。

それからは強度との戦い。強度に問題がなく畳めることができればいい。
畳める仕組みをひねり出す試行錯誤がここから始まった。

従来の既存品は、「硬い樹脂で衝撃をはね返すもの」。
折り畳み可能のヘルメットは、その発想では永遠にたどり着けない。

ならば・・・・。
「柔らかい樹脂と頭頂部の部品で衝撃を吸収する」構造にすれば、と。

3年かけて発売にこぎつけたが、価格が5倍することもあって、さっぱり売れない。
ところが、東日本大震災の翌日から注文が相次ぎ、今や納品まで5ヶ月待ち。

震災による特需は皮肉なことだが、ニーズに応える商品であることに間違いない。
「邪魔にならず家や職場で万一のときに身を守れる」が、最大の特徴。

従来のヘルメットの「かさばる」という欠点を、見事に発想転換したことが勝因。
ヒット商品は、“困った”ことが起点となり成長していくのだろう。



2012.01.08(San)
異業種交流会での川柳 その六

ガラス越しの冬の日差しが暖かい。
早足で過ぎていく季節の移ろいの中で、暖かい日差しに絡まっていられるのは幸せだ。

目を閉じて、耳をふさいで、柔らかな温もりを感じていたい。
風のない日、そうした小さな幸せを転がしていくだけでいい。

異業種交流会の広報誌の原稿ができた。
飽きもせず投句してくれる人がいるから成り立つ「川柳コーナー」。

決して上手いとはいえないが、ありがたいことだ。
続けているだけが価値と言えるだろう。


 川柳 〜東奔西走〜

寒を過ぎて、いよいよ節分。
あちこちで福豆をまく掛け声が聞こえます。

「鬼は外 そのまま妻が帰らない」(水野奈江子)という川柳を思い出しました。
妻を「鬼」に仕立て上げるなど、いい愛嬌を出しています。

今回のお題は『愛嬌』。
会員の皆さんから味のある句をいただきました。


失恋やかなわぬ夢も・・・愛嬌か てら
愛嬌があるだけいいよ 君の嫁  バソキヤ
愛嬌で釣りあがるのは雑魚ばかり シグナル
はるな愛 愛嬌だけでバカ売れに  〃
愛嬌の絆ができる 雨上がり とんてき
階段を一段はずす ご愛嬌 いずみっこ
ご愛嬌 若さ振りまく 余裕かな  
風雪にたえて愛嬌わすれない 膝小僧
料理酒も大吟醸と ご愛嬌  榊原隆典
川柳のなかみはどうぞ ご愛嬌  〃

次号のお題は 『さらさら』 です。投句をお待ちしています。

  さらさらの血液ながし咲く桜



説明: クリックすると新しいウィンドウで開きます説明: ssNEC_0259.JPG
ピェンツァ村                    熊野古道


 川柳 〜添削コーナー


今回のお題『愛嬌』で没句となった川柳を紹介します。
まずは、シグナルさんの句から。


 愛嬌とつり合ってるのは若さかな

「愛嬌で済ませられるのは、若いうちだけ」といった意味でしょうか?
年輪を重ねた中高年では、失敗は愛嬌だけでは済ませられません。

次のようにすると、リズムも出てきます。


 失敗も愛嬌なんて若い内

次は、いずみっこさんの句。

 愛嬌 持って生まれた 人徳か

川柳は己の喜怒哀楽を詠むのを常としますから、いずみっこさんの自画自賛の句といってもいいでしょう。具体的な言葉を添えるとイメージが膨らみます。
  
 
愛嬌は天性 空気を丸くする

最後に、とんてきさんの句。

 かあちゃんの愛嬌たまに飛び火する

「飛び火する」は、好からぬ事件に発展するの意味がありますから、妻の愛嬌で思わぬ誤解を招いたことが日常生活であったのでしょう。

しかし、「かあちゃん」では、事件性に乏しく、興味も半減。
ここは若く詠みたいもの。


 
新婚の妻の愛嬌 飛び火する



2011.12.18(San)
市場開拓と人財育成

今朝は、ちょっと遠出の散策を楽しんだ。
車を気の向くままに走らせ、雰囲気のある地で止める。

それから、これまた気の向くままに歩くという寸法だ。
妻の作った弁当持参。昼は、風のない暖かいところで弁当を食べた。

冬の寒い日とはいえ、枯れ葉を残した木々がいい味を出していた。
まだ鮮やかな紅葉も見えて、いくぶん夢心地。

弁当をくるんだ「中小企業家しんぶん」(中小企業家同友会全国協議会発行)を読んでいる。
2011.11.25発行とあるから、1ヶ月近く前のものだ。

エイベックス(株)会長の加藤明彦さんの顔が見える。
愛知中小企業家同友会では、大変お世話になった方だ。

加藤さんが言うには、社長にとってやらなければならない大きな仕事が2つある。
1つは、「市場創造」。もう1つは、「人財育成」。

今の仕事というのは常になくなるという前提のもとで、新しい仕事を確保しなければならない。
それから、人は必ずいなくなるという前提で、人財育成を常にやっていかなければならない。

それには、常に危機感を持つこと。危機の「危」は、「危険」の意味。
「機」は「機会」「チャンス」という意味。

危機感をもって危ない状況を認識しながら、「ここはビジネスチャンスとして乗り切っていこう」と強い決意を持つことが大切と説いている。

よくわかる話だ。半世紀という単位で考えてみれば理解しやすいだろう。
半世紀でどれほど仕事の中身が変わったかの推移を見ていけばいい。

半世紀前の仕事に固執していれば、当然仕事はなくなっていたはずである。
同様に、社員も半世紀という単位で考えていけばいい。

半世紀先、今の社員はまずいない。
ならば、今の仕事に代わる新しい仕事の開拓・・・「市場開拓」

今の社員の役割を承継する新しい社員の創造・・・「人財育成」
が欠かせぬことは、容易に理解できる。

暖かい冬日の下で、弁当を食べながら、こんな小難しいことを考えている。
本当は、頭を空っぽにして、冬日に当たっていたいのに・・・・。



2011.11.13(San)
販売研修

(株)ジェイックの知見寺常務から、メールをいただいた。
ある会社での研修の一コマだが、なるほどと思わせる内容だ。

何ごとにもポイントがあり、工夫が要ることがよく分かる。
以下、販売研修の全文です。


さて、今回は、先月10月に、あるリース会社P社にて実施させていただいた研修をご紹介します。

研修の対象者は、来年4月に入社する内定者、32名です。研修は、2日間で行われました。
やったことは、1,000円と1,500円のお茶を、法人へ飛び込み訪問で売りに行くことです。

初日は、自分達で売り方を考えさせ、3時間、飛び込みで営業をします。
結果、3名が売ってきましたが、ほとんどの内定者は売ってくることができませんでした。

みんな、ガックリと肩を落としてして、しょぼくれて、落ち込んで研修会場に戻ってきます。
「心が折れました・・・」と、発言をする内定者もいました。

そこで、講師が講義をします。

@受付に行って、最初の声掛けは、ごく短くて目的が伝わるようなトークを使う。
A譲歩をしながら、3回はお願いをする。

などのポイントを解説して、実演します。

「私、株式会社○○○の営業実習生の××と申します。
本日は、お茶の販売でお伺いしました。」

「間に合っているよ。」

「少しだけで結構ですので、お時間をいただけないでしょうか。」

「いらないよ。」

「では、1分だけで結構ですので、お話を聞いていただけないでしょうか。」

また、商談の仕方もレクチャーします。

@相手の話を否定しない。
A
説明するんじゃなくて、質問する。

などです。

これらの指導をした上で、宿題として自宅で練習するように指示します。
すると、夜中2時、3時まで、練習をする内定者がでてきます。

2日目も3時間、飛び込み営業をしたのですが、今度は、22名が売ってきました。
研修参加者は、1日目と2日目で顔つきが見違えるように変わります。

研修参加者のコメントです。

「お茶くらい簡単に売れると思ったけど、全然、売れなくて、厳しさを感じました。」
「もう、諦めようかと思ったけど、あと1件だけまわろうと思って頑張ったら、売れました。」

「売れたときに、こんなに嬉しいんだと思いました。」
「1個しか売れなくて、めちゃくちゃ悔しいです。4月までに取り戻します。」

「これが、学生気分ってことなんだなって分かりました。」

この研修の目的は、内定者の頭にある営業活動と、実際の営業活動とのGAPを実感してもらい、その結果、頭で理解していることと、現実をすり合わせてもらうことです。

また、この研修では次のメッセージも含まれています。

難しいと思っていたことも、工夫をすれば売れるようになった、という成功体験を通じて、目標達成の大切さ、目標達成することによる、面白さ・やりがいを感じてもらいます。

目標達成のためには、仕事時間以外の過ごし方が重要。
これは、社会人になっても一緒なので、忘れないでください。

尚、一番売ってきた内定者は、9個です。
初日に1個販売して、2日目は8個売ってきました。すごいですね。

仕事上で、目標達成をして自信をつけることが本筋だと思いますが、少し目先を変えた商品などで、成功体験を積ませることも、一つの方法かと思います。

特に、内定者や若手社員などには効果的だと思います。




2011.10.16(San)
ワンタッチタイプは救世主

牛丼チェーン「すき家」の強盗からの狙われ方が半端ではない。

今年9月までに発生した牛丼チェーンの強盗・強盗未遂事件の実に9割が「すき家」なのだそうだ。昨年も8割以上を占めた。

原因は、指摘されているところでは、次の二つが大きい。

@夜間は通常一人勤務 
Aレジが出入り口に近い

要は、“隙”のある店なのである。
強盗に入られやすいシステム(仕組み)ができあがっている、と言ってもいい。

経営に大切なことは、実はこのシステム作りなのだ。
すき家の場合は、悪い方のシステムが出来上がっているが、それを逆転させればいいのだ。

私的な例だが、私は朝、髭をそった後に妻の乳液を塗る。乳液は瓶タイプのもので、キャップを外して、乳液を塗って、またキャップを閉めるという作業が必要になる。

ところが、このキャップを外したままにしておくことがたまにあり、妻によく叱られる。
何度叱られても懲りずに、また忘れる。故意にしているわけではない。

いっそ洗面所の鏡に、「キャップは必ず閉めること」と、張り紙をしようか考えた。
そこへ救世主が現れた。

それは、乳液の新タイプのもので、瓶とキャップが一体(ワンタッチタイプ)となっている。
キャップを外しても、固定部が瓶と繋がっているので、キャップを閉め忘れることがない。

つまり、これがシステムなのである。
すき家の場合、原因がはっきりしているのだから、そのデメリット部分を替えていけばいい。

どうするかは、経営者が現場からの意見を吸収して、真剣に考えることだ。
経営とは、かくあるべきなのである。


               なめらか本舗 乳液



2011.09.14(Wed)
異業種交流会での川柳 その五

異業種交流会の広報誌「あすに向かって」川柳コーナーの原稿ができた。
相変わらずの構成で、何一つ変化がない。

変えないことに徹すると理念もなければ、変える勇気もない。
ただ愚直に、今あるべき姿を追い求める・・・・。

そんな気迫も到底ないが、好きだからやっているだけだ。
ともあれ、こんな感じです。

皆様、ご意見ください!


 川柳 〜東奔西走〜

五月に亡くなった俳優の児玉清さんが、エッセーの中で「出た切り老人になろう」と書いていたことを思い出しました。「寝た切り老人」ではなく、「出た切り老人」なんて、いいですよね。

「出た切り」のキーワードは『ヘルシー』。
ヘルシーの秘訣を、会員の皆さんから投句いただきました。

ヘルシーな首相になってね どじょう汁 とんがり帽子
ヘルシーと よりそい歩く ダイエット てら
週三が 休肝日です ヘルシーです 飲んべい
ヘルシーの 話題に群がる 乙女かな シグナル
今は昔 ヘルシーさもない 元乙女  
ヘルシーになろうと 一食抜いている  老年期
ヘルシーな家系で 坂の上に住む 甚平さん
ヘルシー料理 すぐに消化し 腹ヘルシー なんとか・・・
稼ぎ減り 我が家の食卓 肉ヘルシー  
ヘルシーな雲だ いわしのかたちして 愛知県



水彩画・竹富島

次号のお題は『愛嬌』です。ご応募お願いします。

  悪役は無理愛嬌で降ろされる


 川柳 〜添削コーナー〜

今回のお題『ヘルシー』で没句となった川柳を紹介します。
まずは、シグナルさんの句。


 青春だ 健康そのもの 甲子園

内容から高校野球の句だと推測できます。
しかし、高校野球は「健康そのもの」ですから、あえてそれを言う必要はありません。

こんなふうに詠むと青春らしい情緒が出ます。


 バット振る 青春の汗こぼれ散る

続いて、なんとか・・さんの句。

 また野菜 俺の前世は 青虫か

食卓に野菜料理が並びます。妻が健康第一を考えて丹念に作りました。
それなのに、夫は悲しみを野菜に投げつけます。「肉が食べたいんだけど・・」。

野菜を食べられる悦びに目を向けると、句に輝きが出ます。


 悦びを 有機の野菜からもらう

最後に、飲んべいさんの句。

 ヘルシーな暮らし懐かし 昭和の灯

昭和へのノスタルジアを詠んだ句です。経済の発展により暮らし向きは豊かになったが、心身ともに疲れ切っている現代人への警鐘といってもいいでしょう。

力を少しだけ抜いて、軽い調べにすると佳句になります。

 
ヘルシーな体型だった 昭和の日



2011.09.04(San)
泥鰌とノーサイド

台風一過・・・・と言いたいところだが、まだこの時間(21:29)、日本列島に台風が停滞しているのか、雨風が強い。

ときどき雨が止むことがあるが、しばらくすると天は、雨を烈火のごとく降り散らす。
風が観光気分で、日本の山脈、山地の上を廻っているのだろうか?

台風の襲来と時を同じくして、日本に新しい内閣が誕生した。
野田政権は、“内向き”と野党に揶揄されながら、何とか好印象を国民に植え付けている。

「泥鰌(どじょう)」というキャッチフレーズが効いたのかもしれない。
詩人であり、書家でもある相田みつをさんの詩を、演説で引用したのが良かった。

「泥鰌」は、短い詩だ。




野田首相は、民主党の代表選の折、「ノーサイド」なる言葉を使った。

「ここに集っている皆さんとしっかりと手を携えて、心を引き締めて重責を背負っていく決意だ。
もうノーサイドにしましょう」

和製英語らしいが、「ノーサイド」の意味は、こうだ。

普通どんなスポーツの試合でも「試合終了」の合図は共通だが、ラグビーに関してはなぜか 「ノーサイド」という言葉で試合が終わりになる。

「敵味方ではなくなる」というのが、ノーサイドの意味なのだ。

さて、リーダーの分類を示した「PM理論」なるものがある。
つまり、リーダーには、

 目標達成を優先し、ぐいぐい引っ張るパフォーマンス(P)型

 人間関係や和を大事にするメンテナンス(M)型

の二つの型があるという。

野田総理は、その言動からM型に分類されようが、案外、両方の型を兼ね備え、場面に応じて巧みに使い分けていけるタイプかもしれない。

期待したい。



2011.08.28(San)
アフターサービスとは?

日がずいぶんと短くなってきた。
蝉時雨は飽きもせずに続いているが、ツクツクボウシの鳴き声が多くなってきた。

黄昏のときを過ぎると、蝉時雨が虫の音に変わる。
夏の終わりなのである。

 晩夏晩年 角川文庫 蠅たたき

俳人・坪内捻典さんのかつての句が思い出される。
蠅たたきで蠅を叩くときの音が、「バンバン」・・・・「晩夏晩年」がその擬音を結びつける。

何とも晩夏を描いてみごとである。

潟Wェイックの知見寺さんが、「アフターサービス」の事例をいくつか、メールで送ってくださった。
サービス業ならずとも、考えさせられるテーマであるので、以下紹介する。


アフターサービスとは、英語にはなく、和製英語だそうです。
このアフターサービスについて、事例をいくつか紹介しています。

1) タイガー魔法瓶の事例

電気ポットが故障して、サポートセンターに連絡をすると、同じくらいのスペックの電気ポットが送られてきます。これは、故障している期間に使ってもらう代機です。

そして、この代機が送られてきたダンボールに故障した電気ポットを詰めて、送り返します。
送り状も既に印字されていて、貼るだけで送ることができます。

そして、修理が終わるとまたダンボールで送られてきますので、今度は同様に代機を送り返します。故障したものを送るのは、結構大変ですよね。

私も以前ルーターが故障したときに、段ボール箱に詰めて送ってくださいといわれました。
しかし、適当なダンボール箱を探すところからつまづいてしまいました。

さらに、送り状を書くのも、大変で、再度問い合わせをしてやっと送ることができ、大変な手間がかかりました。

タイガー魔法瓶の対応では、この手間をほとんど必要としません。
この事例のようにしてもらえれば、確実に送りますよね。

また、代替機がありますので、実生活に困ることがありません。もし、よく使っている方ですと、修理に出している期間を不便に感じて、新しい商品を別メーカーから買ってしまうかもしれません。

車の修理やコピー機の修理では代車や代替機というものは当たり前に行なわれています。
他業界で当たり前に行なわれていることをヒントに、自業界では行なわれていないことに取り組むので、お客様は感動をするのだそうです。

2) 横浜ロイヤルパークホテルの事例

ある女性のお客様が、中華街のレストランで食事をしました。食べ切れなかったため、残ったものを持ち帰りできるようにお願いし、パッキングされたものを部屋に持って帰りました。

その後、部屋に戻り夜も更けた頃、お腹が空いてきて持ち帰ったものを温めて欲しいとフロントに依頼をしました。電子レンジがついていないので、仕方がないですよね。

すると、このホテルではただ温めるだけではなく、それに野菜を追加して、きれいに皿に盛り付けて届けたのです。

この女性は、とても感動して、このことをブログに書きました。
すると大反響で、アクセスが広がったそうです。

ホテルの外のレストランの食べ残しを温め直したことなんて聞いたことがありません。
さらに、盛り付けや野菜を追加してくれるなんて、びっくりすると思います。

今は、一個人がネットで生み出す影響は、良しにつけ悪しきにつけ、ばかになりません。

3) 全日空の事例

飛行機に乗ると、ある高度まで上がりますと、機長から挨拶がありますよね。

ある時、この挨拶で機長が、「多くの方がご関心をお持ちだと思います。日本シリーズですが、現在○回表、ジャイアンツ○点リードです。」と話しをされたそうなのです。

ちょっとしたことでしたが、飛行機を降りる際、お礼を言う乗客がたくさんいたそうです。



2011.07.24(San)
売上3倍の「オリンピック特需」を捨てたタクシー会社

(株)ジェイックの常務・知見寺さんが、経営情報を送って下さった。
長野市にある「中央タクシー」の話だが、なかなかの感動ものだ。

題して、「売上3倍の『オリンピック特需』を捨てたタクシー会社」。
「経営理念」というものを考えされられた。

以下は、その原文・・・・。

中央タクシーは、電話による依頼が売上の80%を占め、駅前で客待ちをする暇がないほどだそうです。長野市のタクシー会社は、12社ありますが、「1日当たりの運行回数」や「1台当たり月間売上」で、他社を圧倒的に引き離しての1位です。

例えば、1台当たりの月間売上で、中央タクシーは平均120万円弱、他の11社の平均は60万円ほどです。2倍も違うのです。

中央タクシーは、昭和50年に長野市で最後発のタクシー会社として宇都宮会長が、28歳のときに創業しました。それまでの業界常識やタクシー業界のあり方に疑問をもち、理想のタクシー会社作りを目指します。

創業して、間もないころに雑誌で、MKタクシーの青木オーナーのことを知り、青木オーナーに弟子入りします。中央タクシーでも、MKタクシーに倣い、ドライバーはネクタイを着用し、お客様の乗車時・降車時には、車から降りてドアの開け閉めを行ないました。

また、お客様が乗車すると自己紹介をします。雨が降っているときには、お客様が濡れないよう傘を差して乗車・降車のお手伝いをします。「ドアサービス」「自己紹介」「傘サービス」の3つのサービスを基本と定めました。

しかし、ドライバーはいろんな理由をつけて、宇都宮会長の方針を無視する状態が1年近く続きました。このとき、「ドアサービスを、自己紹介を」と何万回でも言い続けるつもりだったそうです。

そして、徐々に宇都宮会長の指示に従うドライバーが増え、多数派になるまでに5年掛かりました。創業して3年目には、1台当たりの売上で、最後発の同社が市内でトップとなっていました。更に、その後の成長を決定付けたのが1998年の長野オリンピックです。

オリンピック期間中、世界中から報道陣が押し寄せ、市内のタクシーを破格の条件で借り上げていきました。特需です。中央タクシーにも、あっという間に50台以上予約が入りました。ところが、オリンピックを1ヶ月後に控えた頃に、あるドライバーから声があがります。

「オリンピック中、毎日、うちの車で病院に通っているあのおばあちゃんはどうするんだろう?」それを聞いた宇都宮会長は、全社員を集めて、話し合いをします。 そして、出た結論は、「特需なんて捨ててもいい。いつものお客さんのところに行こう」でした。翌日から、予約のキャンセルにお願いして回りました。

中央タクシーの憲章には、「我々は長野県民、新潟県民の生活に必要不可欠であり、さらに交通弱者・高齢者にとってなくてはならない存在となる。」と書かれています。それを社員自らが実践しようと決定したのです。

長野オリンピックが開かれた1998年2月、常に営業成績が1位だった中央タクシーは、6位となります。しかし、その後は、大事にした固定客やこのとき初めて同社を使ってサービスを体験した新しいお客さん(他社のタクシーを呼ぼうとしても出払っているため、中央タクシーを呼ぶことになりました)に支えられ、今の素晴らしい業績を生み出しています。

上記の憲章には続きがあります。

「私達が接することによって『生きる』勇気が沸き、『幸せ』を感じ、『親切』の素晴らしさを知ってくださる多くの方がいらっしゃる。私達は、お客様にとって、いつまでもこのうえなく、なくてはならない人としてあり続け、この人がいてくれて本当に助かりますと、思わず涙とともに喜んでいただける。我が社はそんな人々によってのみ構成されている会社です。」

    
中央タクシー 経営理念  http://www.chuotaxi.co.jp/index.php?id=28



2011.07.17(San)
柳生家の家訓

木曜日、異業種交流会のグループ会に出席。
今月の担当者は、お笑いトリオ・「安田大サーカス」の「クロちゃん」に瓜二つのT建築のT君。

若干29歳。大工12人を抱えながら、怒涛の快進撃を続けている。
その秘策とは?

T君は、工業高校在学時から大工修行をした。
放課後、師匠の元へ訪れ、大工の基礎をみっちり学んだのだ。

卒業と同時に、師匠の会社へ就職。その後一年で独立を果たしている。
19歳での独立時、すでに1,500万の貯金があったという。

T君の作戦は、次の2つに尽きる。

 @下請けに徹する。
 A大工を3チームに分け、どんな仕事もこなす体制を作り上げる。

現在では、タマホームなど17社の下請け会社として、雇用している12人の大工に対し、仕事を切らせたことがなく、1棟を約1ヶ月で完成させる。

徹底した工期厳守は評判を呼び、最近では元請の仕事も多く入るようになったという。
このT君、遊びの方も徹底していて、キャバクラに使う金も半端ではないらしい・・・・。

さて、二次会で、T君の経営手法が話題になった。
今の快進撃は、努力の為せる業であるか、それとも天性のものか?

キャバクラ嬢からも結構、建築の紹介があるという。
それは、縁を大切にしているからだろう。

「柳生家の家訓」というのがある。

 @小才は縁に逢って縁に気づかず
 A中才は縁に逢って縁を活かさず
 B大才は袖触れ合う他生の縁もこれを活かす

小才(頭を余り使っていない人)はどんなにすばらしいチャンスに巡り合っても、気づかない。

中才(頭の使い方が並である人)はたとえ、チャンスに気がついたとしても、それは十分に活かすことができない。

しかし大才(頭を十分に使っている人)は、どんなに小さなチャンスでも、それを見逃さず、最大限に活かしていくことができる。

T君の秘策とは?
袖触れ合う他生の縁もこれを活かす
・・・・ではないか!




2011.06.18(Sat)
3Sの目的

先週の木・金曜日は、大阪府大東市にある、且R田製作所を訪れた。
異業種交流会の月例会だが、出席した40人は一様に、工場の美しさに目を見張った。

「〜3Sの実践〜で社員が変わり、会社が変わった“日本一美しい町工場”とは?」がテーマ。
「3S」の目的や効果を肌で感じるための会社訪問だ。

山田製作所とはどんな会社なのか?
例会案内から一部抜粋する。


大阪にある山田製作所は、従業員16名で、主に製缶加工や板金加工を得意とする会社ですが、何と毎年、海外企業を含めて100社以上が見学に訪れるという驚異的な会社なのです。

この会社にはこうした現在の姿からは想像もつかない過去がありました。1991年1月、売り上げが前月比95%減少、まさにどん底状態への急落でした。

そんな時、山田社長は3S(整理・整頓・清掃)に出会い、それを社員と共に徹底的に取り組んだことで、会社は生まれ変わり復活し、現在でもさらに進化し続けています・・・・(後略)。


早い話、売上高大幅減の中で、営業活動に行くも、会社の「売り」のなさゆえにことごとく断られ、そんなある日、たまたま「3S」の勉強会を知り、藁をも縋る思いで参加した。

その時、何の売りも、取り柄もない会社が「3S」に活路を見出し、これこそが我が社の「売り」になると判断、早速実践に移したのだった。

「3S活動」は、入社3年目の二十歳の社員・祐介君が担当してくれた。
山田製作所の取り組みの一つ一つを、丁寧に、胸を張って話してくれた。

そして、山田社長の報告。

「3Sの目的」は、、『守ることを決めて、決めたことを守る』社風を作り出すこと。
「3Sの効果」は、@効率 A社員教育 B心を磨く

そんなふうに受け止めた。
さらに知りたい方は、山田製作所のホームページまで!

                   
http://www.yamada-ss.co.jp/



2011.06.04(Sat)
頑固の見本

少し前のことになるが、今年のゴールデンウィークの家族旅行は、岡山、倉敷に行った。
初日は、白壁の町・倉敷の川畔と古い町並みの散策。

二日目は、岡山城と後楽園。
後楽園周辺の木漏れ日いっぱいの散歩コースが、実に気持ちよかった。

倉敷には、酒蔵が多く、地酒の試飲を大いに堪能した。
川畔の酒屋には、水槽で冷やされた「独歩」という地ビール。

地ビールが私を呼びかけているみたいだったので、一缶買った。
柳の下のベンチでゴクリと飲んだのが、「独歩」との出会いだった。

この「独歩」。作家の椎名誠さんが絶賛している。
地ビールとしての価格も良心的(333mlで500円が相場だが、それより少々安い)。

と、ここまではイントロ。
今日の話は、椎名誠さんの“交遊抄”。

今朝の日経新聞に、椎名さんが、三十年来の友人との“交遊抄”を載せている。
友人は、新宿で「池林房」という居酒屋を経営している太田篤哉さん。

太田さんは、19歳のとき、北海道から上京。
新聞配達と喫茶店とバーの仕事を毎日やってカネを貯めた。

そうして貯めた自己資金と融資で新宿に70人は入れる居酒屋を作った。
結果的にそういう店を5店作った。

椎名さんは、太田さんを「頑固の見本」と言う。
それは、こんな生き方による。

腰がひくい古風な価値観で生きる。
いまだに携帯電話を持たない。

給料は、自転車で新宿盛り場の5店を回って本人に現金で手渡す。
夏には、30年は着ているような伸びきったランニングシャツで歩いている。

本当にうまい生ビールと旨い肴を提供する。
うまい生ビールはサーバーを毎日徹底して洗うこと。

単純だが、それを貫く頑固さがある。

経営のコツは、「頑固に徹する」こと。
それを思わす椎名さんの交遊抄である。



倉敷川畔



2011.05.15(San)
異業種交流会での川柳 その四

異業種交流会の広報委員長に就任して3ヶ月。
愛知会唯一の広報誌発行地区の責任者として、その自負も責任も大きい。

と言いながら、楽しんでやることだけを心がけているので、気分は皐月晴れ。
6月号の川柳コーナーを、紹介します。


 
川柳 〜東奔西走〜

 恋は、遠い日の花火ではない─。

今回のお題は、「花火」。
花火を、さてどう仕立て上げようかと考えていた時、
突如、サントリー・オールドの昔のCMのフレーズが降りてきました。

長塚京三、田中裕子の若き日が、くっきり目に焼きついている。
みんな若かった。でも、まだ捨てたものではない。
「恋は、遠い日の花火ではない」のだから・・・。

皆さんからいただいた佳句を紹介します。


孫の足 そっくり動き ネズミ花火 シグナル
ビール腹に ずっしり響く 十号玉       
鼻膨れ 指針作りで 花火咲く  ひさしぶり一休さん
きれいだな 妻とおもいき 花火かな      
かあちゃんが切れるとねずみ花火です 一年生
落ちるなよ せんこう花火に 願かける てら
あでやかで ちょっと寂しい 冬花火      
花火上げ 老後の恋も 打ち上げる 老年期
梅雨空へ 奇襲攻撃 する花火 ともちゃん
鬼瓦 差しで飲りたい 花火の日 愛知県


水彩画・緑の木

次号のお題は、「ヘルシー」です。ヘルシーな一撃を、川柳にてどうぞ!


 川柳 〜添削コーナー〜

今回のお題『花火』で没句となった川柳を紹介します。
まずは、ひさしぶり一休さんの句。


 花火舞え 復興願い ただ祈る

東日本の震災や津波による被害は、日本中に暗い影を落としました。しかし、被災者を思いやる温かい日本中の絆に、復興の確かな手ごたえを感じた人は多かったのではないでしょうか?
原句を少し直して、明るい感じにしました。


 みちのくに 復興の花火 舞い上がる

次は、シグナルさんの句。

 自粛花火 集めて癒し 最上川

芭蕉の句「五月雨を集めて早し最上川」を彷彿とする句ですが、言いたいことがいまひとつ不明。震災による自粛ムードを憂えているとしたら、次のようにすると効果的です。

 大花火 打ち上げ明日を 迷わない

最後に、サントリー・オールドのCMから。我ながらどうしても気になりました。

 恋は、遠い日の花火ではない

このフレーズを、川柳にできないものか考えてみました。
恋はノスタルジアではなく、今ここに現存すべきもの。そんな思いで詠んでみました。


 遠い日の 花火よそおい 逢いにゆく 



2011.05.05(Thu)
徳光和夫

徳さんこと、徳光和夫フリーアナウンサーが、「24時間テレビ 愛は地球を救う」のマラソンランナーを務めることに決まった。

テレビからの感動が少なくなった昨今、大きな感動が得られそうな予感。
徳さんは、今年70歳。マラソンを承諾した理由はというと・・・・

 今までは、公私共に“こなす”ことばかり夢中で、“取り組む”ことがなかった。
 マラソンを通して、「取り組み」をしていきたい。

インタビーでは、大体こんなことを言っていたが、よくぞ決断したものだ。
元々落語家志望だっただけに、まさか洒落ではあるまいに・・・・。

さて、徳さんの人物伝であるが、この人かなり面白い。
以下、青春時代の差し障りのないところ(?)を記してみる。

趣味は、野球観戦と駅伝観戦、音楽鑑賞、落語鑑賞。
特に、野球とくれば、長嶋と巨人の熱烈ファン。

高校時代、長嶋が当時東京六大学野球新記録となる本塁打を放ち、嬉しさから小躍りしながら仲間と一緒にベースを回る姿を見て感化され「人生のすべてを長嶋に捧げよう」と決意した。

大学受験は、長嶋がいた立教大学の全学部を受験し、辛うじて社会学部に補欠合格した。
大学では、放送研究会に所属。その縁で卒業後、日テレのアナウンサーに。

日テレを受験した際、最終選考に残った2人が学生運動に関与していたことが判明、選考を辞退した影響で徳さんが採用されたという。

巨人の熱狂的なファンであったためプロ野球中継の担当にはなれず、プロレスを中心に受け持った。私が徳さんを知るに至ったのは、プロレス中継がきっかけだった。

エピソードは、数知れず。
私の仕事に関与するところをひとつ。

年金記録問題において、社会保険庁に支払い確認を行ったところ、「死亡扱い」を受けていたことが判明。「なぜ僕が殺されなければならないんだ?」と、職員に抗議したという。

2007年6月14日発行のスポーツ新聞では、「徳光和夫 社会保険庁に殺される!」のトップ記事が並んだ・・・・。

さて、長々と綴ったが、言いたいのは・・・・

 今までは、公私共に“こなす”ことばかり夢中で、“取り組む”ことがなかった。
 マラソンを通して、「取り組み」をしていきたい。

徳さんを自分自身に置き換えて、何に取り組めるか、模索していきたい!



2011.03.06(San)
試験はやっぱり素手で!

夕方、稗田川沿いを散策。
冬木立から春の匂いが・・・・と思いきや、まだまだ続く冬景色。

椿や沈丁花の蕾が、ところどころ顔を覗かせるが、まだまだ居心地が悪そうだ。
春の靴音は、まだ遠いところで微かに鳴っているというところだろうか?

今朝の中日新聞が面白かった。同志社大ビジネススクールの浜矩子教授が、「試験はやっぱり素手で」という論文を載せていた。

大学入試のカンニング問題に端を発した、入学試験のあり方が叫ばれる中、「いっそ、パソコンも携帯も何もかも持ち込み可としたらどうか」という意見があったという。

「オール持ち込み可で、その場で考える力だけを問うような試験体制にした方が、まっとうではないか」という意見だ。

浜さんは、この意見をもっともな見解だとした上で、しかし、「いくら何でもそれくらいのことはそらんじておけよ、という基礎知識はやっぱり存在する」のだと反論する。

「オール持ち込み可の勧めの論理はとてもよく分かるが、人間には、時として、素手で勝負しなければいけない場面がやはりある」というのだ。

論文の中で面白く感じたのは、別の部分で、以下のくだり。

「入試にしろ期末試験にしろ、およそ試験というものに向けて、学生たちの頭は、にわか荷車と化す。荷車の上には、突如としてありとあらゆる事実や公式やノウハウが積み上げられる。

うずたかく雑多な知識が積み込まれたその荷車を、学生たちは試験期間中、そっとそっと、運んでいく。だが、試験終了というゴールにたどり着いたそのとたん、彼らは力尽きて荷車を放り出す。

付け焼き刃で積み込んだ知識の数々は、そこであえなく、路上に散らばる。
何ら、蓄積を形成することはない」

大学入試は、遠い遠い過去のことだが、あの頃と今とで違ってきたのだろうか?
「否」という結論は出せても、それではどうすればいいか?

まばゆいばかりの知識の数々が、路上に散乱させることなく、“生かせる”仕組みが必要ではないか?



2011.01.24(Mon)
異業種交流会での川柳 その参

さて、できました!異業種交流会・広報誌の川柳コーナーの原稿。
少し齧っているとは言え、まだ青二才の分際で、添削コーナーも担当。

会員の圧倒的支持で、次号からは広報委員長に就任!
平成23年2月号(通算25号)は、次の通りです。


 川柳 〜東奔西走〜

「断捨離」(だんしゃり)がブームなのだそうです。
ヨガの「断行」「捨行」「離行」という考え方を応用し、不要なものを断ち、捨てることで、物への執着心を断ち切り、自分を見つめ直すことができるというのです。

「断捨離」に必要なツールが、「シュレッダー」。
皆さんから、たくさんの佳句をいただきました。


腹の肉 シュレッダーすればスレンダー 宇宙戦艦ヤバトん
シュレッダーすれば明日が見えますか 甚平さん
よこしまな 思いも縦に 切り捨てて てら
孫が来た シュレッダーの プラグ抜き シグナル
切りくずで ジグソーパズル 超ヒマ
いい恋もまとめて入れる シュレッダー 老年期
初ゴルフ スコアーカードはシュレッダー 036
派遣村にも置いてある シュレッダー 派遣社員
シュレッダー 色とりどりのペーパー紙 うさぎちゃん
シュレッダーにかけられている僕の過去 愛知県
                   


次号のお題は 『花火』 です。打ち上げ花火のように、投句を!


 川柳 〜添削コーナー〜

今回のお題『シュレッダー』で没句となった川柳を紹介します。
まずは、うさぎちゃんの句。


 ラブレター 記憶の扉 シュレッダー

記憶の扉にまだ張り付いているラブレターの思い出を、そろそろ断ち切ろうとしているのでしょうか?その決意の言葉があれば、思いが伝わります。そこで、こう直してみました。


 もう二度と恋などしない シュレッダー

次は、匿名さんの句。

 断捨離 マイブームなの シュレッダー

「断捨離」が自分の中でブームになっている様子がわかります。が、それと、シュレッダーとの関わりがピーンときません。次のように直すと、シュレッダーとの関わりが生まれます。

 
シュレッダー 断捨離ブームの火付け役

最後に、ハムレットさんの句。

 
リセットかシュレッダーかそれが問題だ

「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ」という、シェイクスピアの悲劇・ハムレットのパロディ。しかし、何を対象としているのかがわかりません。

こう直すと、句意がはっきりしてきます。

 
リセットかシュレッダーかで 悩む恋



2010.12.18(Sat)
冷えた4本のビール

(株)ジェイックの常務・知見寺直樹さんが、経営情報を送って下さった。
内容はというと、「流行る店とそうでない店の違い」。

その中で、印象に残った実話を紹介します。
題して、「冷えた4本のビール」。

渋谷に、とても流行っている酒屋さんと、そうでもない酒屋さんがありました。
立地や品揃え、お店の大きさなど、さほど変わらないのですが、売り上げは数倍の差。

この違いはどこから生まれるのか?
夕方4時頃、ビール1ケースの注文が入ります。

あまり流行っていない酒屋さんは、倉庫からビールを1ケース出して、配達します。
頼まれたものを頼まれた通りに届けます。

これは、事前期待=事後評価。
すなわち、当たり前です。だからこの店でどうしても買う理由はないですね。

流行っている酒屋さんも同様に倉庫からビールを1ケース出してきます。
しかし、4本だけ引き抜いて、お店の冷蔵庫でキンキンに冷えているビール4本と入れ替えます。

夕方にビールの注文があるということは、主人が帰ってくるのにビールを切らしてしまったとか、急な来客があるとか、お客さんがいてビールを切らしてしまったのか、など想像できます。

このようなことを想像して、それに合わせた対応をしてくれる。
頼んだこと以上をしてくれる。

事前期待<事後評価です。これは感動しますから、ファンになります。
「またこの店で買おう!」と思いますよね。

これは、ひとつの事例ですが、流行っている酒屋さんは、一事が万事で、あらゆることを同じような発想で取り組んでいるのです。

さて、ここからがまとめ。

買うべき理由がある会社は、顧客に選ばれる会社になり、勝ち残る会社になります。
買うべき理由は、会社によってまちまちだと思います。

品揃えなのか、品質なのか、アフターサービスなのか?
顧客が御社から購入する理由は何ですか?

御社にとっての、冷えた4本のビールは何ですか?


地ビール



2010.11.21(San)
われ、いまだ木鶏たりえず

大相撲・白鵬の連勝が63で止まった。
双葉山の69連勝を超えそうな勢いがあっただけに、残念な気がするが、ほっとする気持ちも。

前人未到の69連勝を続けていた双葉山が安藝ノ海に敗れたのが、昭和14年初場所4日目。
実に3年ぶりの黒星だが、この日の双葉山はまったくいつもと変わるところがなかったそうだ。

館内の騒ぎも意に介さず、普段通り土俵に一礼した後、東の花道を下がっていったという。
その日の夜、双葉山は知人に充てて電報を打っている。

「われ、いまだ木鶏たりえず」

さて、「木鶏」である。出典は「荘子」。


紀省子が王の命令で軍鶏を訓練することになった。

十日にして、王が尋ねた。「もう、戦えるか」と。
「まだまだです。むやみにやる気を見せているだけですから」

また、十日して王が尋ねると、
紀省子は、「いえ、まだです。ほかの軍鶏の声や姿にいきりたつ状態ですから」

さらに、十日して王が尋ねた。
「まだです。相手をにらみつけ、闘志を見せますから」

そして十日後、王が尋ねると、
「やっとものになってきました。他の軍鶏が声をあげても、いっこうに動じません。
まるで木彫りの軍鶏のようで、徳が身に付いた状態です。
もはや他の軍鶏でかなうものはなく、後をむいて逃げだすでしょう」。


「おちつきはらって物事に動じない、安らかでもとのまま変化せず平気な様子」が木鶏。

凡人には、無理というものか!



2010.10.30(Sat)
希望学

今朝の日経新聞・新書欄に、岩波新書からのメッセージ。

 
希望のつくり方 〜さよなら閉塞感〜
 
壁にぶつかっている人へ 希望学がおくる リアルでしなやかなヒント


希望学?そんな学問があるのか?さらに・・・・

 希望は与えられるものではない、自分たちで見つけるものだ!
 でも、どうやって・・・・・? すべての人たちに放つメッセージ。

早速調べると、
「希望学」は、2005年から学者たちが研究を始めているらしい。その代表格が、「希望のつくり方」(上)の著者・玄田有史(東大社会科学研究所希望学プロジェクト)さん。

この学問(?)の背景にあるのは、今の若者に希望がないこと。
働くところがない、収入がない、結婚できない、使い捨て・・・・と、暗い話ばかり。

自殺者が17,000人を超えた。こんな国、世の中じゃいけないと学者たちも思ったのだろう。
希望とは何か?どうすれば希望が持てるのか?それを研究するのが、「希望学」なのだ。

成功事例を分析・解析して、落胆のどんぞこにあった人が、いかに希望をつかんだかを紹介する。
結論としては、希望にタナボタ式はあり得ないということ。

努力なくしては、成功しないのと同じことなのだ。
ならば、大事なことは、努力できる仕組みをつくることだ。

 *好きな物をつくること
 *好きな人をつくること
 *好きな場所をつくること
 *好きな時間をつくること

これだけできたら、少しは未来に希望が持てるはずだ。
ということは、希望学とは、好きな何かを探すことなのだ!

  希望学について http://project.iss.u-tokyo.ac.jp/hope/



2010.10.09(Sat)
異業種交流会での川柳 その弐

祭りだというのに雨。
雨が少ないというのが取り柄の季節だけに、少々がっかり!

この雨で、銀杏の木のぎんなんが随分落ちるだろう。
あちこちに出向いては、もう大分拾ったが、そろそろラストスパートだ。

“ぎんなん命”になってきている。
町中を車で通るたび、銀杏の木が気になってしようがない。

ちょっとしたぎんなん病だ。
それはさておき、川柳コーナーの原稿をしたためた。

例の異業種交流会の広報誌用にだ。
経営の気休めになることを祈って、掲載させていたただく。


 
川柳 〜東奔西走〜

先日、岡崎川柳研究社の月例句会に久しぶりに出席しました。
その時のお題が、「デトックス」と「ジャグジー」。驚きました。

思わず、「ジャグジーの意味が分からず句ができぬ」とひねりました。
「ジャグジー」とは、ジェットバスを指します。

ちなみに、「デトックス」とは、体内に溜まった毒素を排出させる健康法のこと。
そのとき思い出した句があります。

「ミレニアム肉の焼き方だよ きっと」。
この作者、なかなかの人です。


さて、今回のお題は、『熱気』。熱気溢れる作品を、皆さんからいただきました。

玉の汗 熱気ムンムン甲子園 へきなんっ子
夢の中 下界眺めて熱気球   
中年の恋の熱気は腹八分 甚平さん
寒気、暖気、熱気に冷気 日本の四季 シグナル 
熱気、寒気、冷気最後は 暖気夫婦   
ハイボールに押されてビール熱気消し ハイボール党
ねっチューして寝覚めの楽しい夢を見る   036
ピカピカに光っています 今の君 一年生
横目見て 火花散らして 指針作り      一休
仕事忘れ サッカー観戦 無我夢中   
僕たちの熱気 今年は暖冬だ 愛知県



次号のお題は『シュレッダー』です。よく切れるハサミで、ぜひ投句を!(柴田比呂志)             

 川柳 〜添削コーナー〜

今回のお題『熱気』で没句になった川柳を紹介します。まずは、一休さんの句。

 うだる暑さ 人より資金が 音をあげる

今夏の猛暑を詠んだ句です。一休さんにとっては、「人より資金が」と言ったところに経営者の顔が覗きます。クーラー代がかかりすぎて、経営をひっ迫する心配の方が大きいのです。

しかし、中八(中が八音のこと)が気になります。
上下が字余りでもなんとかなりますが、中が字余りでは、句が安定しません。

そこで、こんなふうに直してみました。


 クーラー代 熱中症より 気にかかり

次は、昆虫一家さんの句。

 
夏過ぎて 熱気冷めゆく 虫取りの

息子が今年になり虫(昆虫)に目覚めて、今年の夏は蝉取り、カブトムシ、クワガタ取り(結局取れず)に暇さえあれば行きました。とても楽しい?(親は大変ですね)思い出です」と解説を添えてくださいました。

秋になり、虫取りの熱気が冷めてきたことが句から読み取れます。
次のように直すと、少し情緒が生まれます。

 
虫取りの 熱気を冷ます いわし雲

最後に、ちあき大好きさんの原句。

 我が家では母ちゃんだけが持つ熱気

良い家ではないですか。奥さんがしっかり家庭を守っているのがわかります。
しかし、これだけでは説明に終わっています。

川柳は「定型詩」ですから、詩心が欲しいものです。
「母ちゃん」がどんなふうに熱気があるのか、具体性を知らせる言葉が欲しいものです。

そこで、こんなふうに直してみました。

 大声の母ちゃんがいる風の町

熱気という言葉を入れなくても、「大声の母ちゃん」で熱気が伝わります。
そして、「風の町」で詩心を出しました。



2010.09.19(San)
我が履歴

木曜日は、異業種交流会のグループ会へ出席。
今月は、担当月であったため、「会員発表」と相成った。

会員発表は、“生い立ち”を語る場と心得ているから、自分が生まれてから今日に至るあらゆることを、一つ一つ丁寧に語っていく。

いわば、履歴の披講というやつで、これにより、「自分が何者か」を他の会員に知らしめるのである。また、過去を語ることで、未来の方向性を模索することもできる。

「因果応報」という言葉のように、すべての今ある事象が、過去の原因によって成り立っている。
ならば、過去を知ることは、未来をより良くする手立てと言えるのである。

さて、下は、自身の生い立ち(履歴)である。
振り返ると、大した生き方をしていないのが良く分かる?


 生い立ち(履歴)
昭和33年11月 高浜市春日町で生まれる。
昭和56年 3月 南山大学経営学部経営学科卒業。在学中、労働法の講義をまじめに受けた。
昭和56年 3月 敷島製パン鞄社。販売課に配属。3トントラックに乗り、呉服屋の看板を壊し退社。
昭和58年11月

上京。無限アカデミー「現代詩講座」(明治神宮外苑絵画館文化教室)会員。傍ら練馬の漬物屋に奉公。日曜日は寄席へ通う。
寡黙な生活を続けていたせいで、話し方を忘れる。                    

昭和60年 3月 帰郷。ハローワーク碧南で見つけた西三河労務管理センターへ就職。小僧として使い走りに精を出す。   
昭和61年 5月 結婚(現在までに三男一女を儲ける)
昭和62年11月 社会保険労務士試験合格。
平成 2年10月 独立開業(刈谷)。愛知県社会保険労務士会入会。
日夜飛び込み営業を続け業績をあげる。
平成 5年 5月 愛知中小企業家同友会入会。
平成 9年 2月 事務所新設(高浜)を機に事務所名称変更(あおみ労務事務所)。
平成16年 4月 愛知中小企業家同友会 碧南・高浜地区会長
平成21年 4月 愛知県社会保険労務士会 三河西支部支部長
この間、愛知県社会保険労務士会三河西支部で各部長・副支部長等歴任。又、公職として愛知労働局 家内労働安全衛生推進員、全基連時短アドバイザー等歴任。



2010.08.29(San)
巣ごもリッチ

中日新聞社発行の雑誌・Clife(シーライフ)。
新聞でよく見る用語辞典のコーナーに、「巣ごもリッチ」という用語を発見。

巣ごもリッチ?「巣ごもる」という日本語の動詞に、英語のRich(リッチ)か?
意味を調べると・・・・

レジャーや外食にお金を使わず、家の中で豊かに暮らしたいという人のこと。

例えば、ちょっと高めのワインと高級食材を使った手料理で、レストランより安価に豪華に
食事を楽しむ。

いわば、倹約生活スタイル「巣ごもり消費」の進化形。
節約だけでなく、快適さや贅沢も楽しみたい消費者の欲求の表れ。

リーマンショックのあと、消費のキーワードとして聞くようになった「巣ごもり」。
景気が悪いから、家で大人しくこもっていること。

忘年会は「家飲み」。クリスマスは巣ごもりデート。バレンタインも「彼と家で一緒にチョコ作り」。
これが2010年のトレンドだと言われていた。

ところが、どっこい。「巣ごもリッチ」が出現した。
ちょっと高値のビール「ザ・プレミアム・モルツ」が売れに売れているというのである。

不況による「節約生活」にも、どっと疲れが出てきたのだろう。
ちなみに、私の「巣ごもリッチ」は・・・・

ビールグラス片手に、インターネット落語会。
若かりし頃の円楽、志ん朝、談志の一席が心地良い!



熱帯魚



2010.08.22(San)
1年間の長期休暇?

また、やってくれた。
とある会社で、1年間の長期休暇を取れる企画が発表されたのだ。

その会社は、毎度お騒がせ(?)の未来工業。
例の、「楽して、儲ける!」の相談役・山田昭男さんをオーナーとする会社である。

さて、その企画とは?社員旅行で渡航するエジプトでクイズを出題し、全問正解者には最長180日の特別有給休暇を与えるというもの。しかも、クイズ問題は事前発表らしい。

その名も、「めざせ!世界一のQ日」。
通常の休みや年次有給休暇を合わせると、1年間の長期休暇が可能というわけである。

これは、同社創立45周年記念事業。
来年2月に社員が2回に分けて4泊6日の旅行をする。

現地では、古代エジプト文字の解読などエジプトにちなんだ計50問に挑む。
日本企業として初めて、世界遺産「クフ王のピラミッド」を貸し切り、内部に関する問題も出す。

クイズの全問正解者には特別休暇180日を支給。
ほかの成績優秀者にも1〜20日の休みを与える。

記念行事実行委員長の石井隆之さん(31)=開発部=は「日本一休みが長い会社と呼ばれる未来工業の社員が、一番望むことは何かを考えた」と説明。

山田昭男取締役相談役(78)は「製品の差別化とともに、他の会社がやらないことをやるのが会社の方針。社員が奮起して普段の仕事の効率が上がれば」と話したという。

“反常識”経営は依然、好調である!



2010.07.24(Sat)
敷き松葉

火曜日、異業種交流会の広報を担当するメンバーで「広報委員会」を開催。
月例行事ながら、毎回新鮮な気持ちでいられるのは、O委員長の努力のタマモノ。

広報誌作成の打ち合わせはそこそこで切り上げ、その後、雑談に花を咲かせて大抵は終わるのだが、O委員長が偉いのは、毎度、“旬の言葉”を委員に提供してくれるのだ。

下は、その日の言葉。松下経営塾元塾頭の上甲晃さんの文章の全文。
経営への真摯な姿に身震いする!


伊那食品工業の社長である井上修さんから、電話が掛かった。

「先日、当社の総務担当者が、地元の会合に出かけました。
その時に、パナソニックの社長(現会長)であった中村さんが来ておられました。

その中村さんが、私共の総務担当者の名札を見て、わざわざ、“いつも真々庵の敷き松葉をありがとう”と、お礼を言われて、大いに恐縮していました」

というのが、電話の用件であった。

京都・東山の裾野にある松下美術苑・真々庵。
パナソニックのトップが、お客様をお招きする時に利用する迎賓施設である。

小さいながらも、美しい庭園は、私も大いに気に入っている。
何よりも、松下幸之助が、生前、“こよなく愛した”ことでも名高い。

真々庵の名物は、冬の時期の敷き松葉である。
庭園の苔を、厳しい冬の寒さから守るために、一面に、松葉を敷き詰めるのである。

褐色をした松葉が庭園に広がる様子は、真冬の風情として、目を楽しませてくれる。ところが、昨今、敷き詰めるべき松葉が、地元の京都では中々手に入らなくなってしまっているのだ。

それを聞いた、伊那食品工業の塚越会長が、「当社の構内には、アカマツがたくさん生えていて、冬の時期、落ち葉となって降り積もります。良ければ、お届けしますよ」と、申し出ていただいた。

その話が、真々庵の支配人から、中村さんの耳に入っていたのである。中村さんは、それを覚えていて、パーティの席で行き会った伊那食品工業の総務担当者にお礼を言った次第である。

私が感心するのは、伊那食品工業さんの送り届け方である。
普通なら、敷地に落ちている松葉をかき集めて、箱に無造作に詰め込んで送るだけであろう。

伊那食品工業さんは違うのだ。社員が手分けして、松葉の長さをきちんと揃え、しかも、きれいに洗浄してから送っているのだ。真々庵の支配人は、行き届いた送り方にいつも感動している。

人にものを送るときの心遣いのあり方を、私も教えられる気がした。
大切な商品ならまだしも、たかが落ち葉だと思うと、ついつい無造作に扱ってしまいがちである。

伊那食品工業では、「同じお送りするのであれば、相手が喜んでいただけるような送り方がある」ことを心得ておられる。それにしても、中村さんも、中々立派だ。

落ち葉がどこから送られてきているかまできちんと把握していて、見も知らぬ人に向かって、わざわざお礼を言うのも、見上げた姿勢である。

そうした行き来があって、松の落ち葉にも魂が込められていくのだ。
今年の冬もまた、真々庵の敷き松葉は、一段と、存在感を増すことであろう。



2010.06.20(San)
あなただけのカレンダー

久しぶりに、伊集院静(いじゅういんしずか)の文章に出会った。
以前は、彼の小説や随筆に夢中になっていたが、少しばかり遠ざかっていた。

伊集院の文章に最初に出会ったのは、日経新聞・夕刊の「プロムナード」。
著名人のエッセーのコーナーで、2002年7月4日のことである。

その作品は、後に伊集院の随筆ばかりあつめた、『ねむりねこ』という本の最初を飾った。
「雨に光る花」というそのエッセーを読み返すと、懐かしい。8年も前なんだ。

ところで、昨日再会した文章はというと、「あなただけのカレンダー」。
難しい言葉で言うと、“これをやるんだ”という「人生の指針」を作りなさい、ということ。

経営の世界では当たり前のことだが、指針書は、個々の世界には中々下りていかない。
それを戒める伊集院の言葉。最後の部分(アンダーラインを引きました)が特に良い!


新しい人生のカレンダーを作りなさい。
若い時とはまるで違う、これからのあなたの人生のカレンダーだ。

そこにこれから自分がなすべきことを記しなさい。何をやろうか、何ができるか、ではない。
これをやろう。これをやるんだと、決意を記すのだ。

私は自分のカレンダーを四十歳の半ばで作った。勝手な夢と希望だから今もかなわぬことばかりだ。それでもないよりあった方がよかった。

あなたにも新しいカレンダーを持つ資格がある。なぜならあなたは今日まで世間の荒波を越えてきた。実はそれ自体が素晴らしいことなのだ。

十二分に何かをなしてきたと言えなくとも、ここまで十分に何かをなしているのだ。
その上、私たちは十二分に若いし、恋だってできる。

私のカレンダーの反省から一言。
夢はシンプルで欲張りすぎぬよう。

さらに言えばこれまで着ることのなかった新しいカラーを身につけるくらいのモダンさがあった方がいい。

やはり人生はお洒落でなくては。




熊谷守一 ねむりねこ



2010.05.29(Sat)
異業種交流会での川柳

異業種交流会の会報誌作りに関わって約7年。
途中、諸事情で休刊の時もあったが、創刊以来ずっと、川柳コーナーを担当している。

宗匠気取りで川柳を語るも、実力不足はすぐに露呈。
やっと、ここへきて川柳を語るに足る実力がついてきた(錯覚ですが・・・・)。

第23号の原稿ができたので、紹介します。


 
川柳 〜東奔西走〜

「サッカーのワールドカップの会場すべてが禁煙になった」という事例ひとつとっても、今や、世界の傾向としてタバコは嫌われものです。

タバコを吸うというだけで、白い眼で見られがちです。
「環境」というキーワードは、愛煙家に深い悲しみを与えました。

そこで、愛煙家の皆様のリクエスト(?)にお応えして、今回のお題は『喫煙』。
「愛煙家の悲哀」を描いた作品を多くいただきました。

 服くさい 洗濯物は 別々に          照日晴れる日さん

 火をつける 妻と子供が逃げていく        〃

 学ランの裏にマッチとセブンスター       036 

 口紅の付きし吸殻 置手紙             〃

 愛煙家 やめた途端に 嫌煙家        たばこぎらい

 禁煙中吸ってる夢見て飛び起きる        〃

 ホタル族一緒にしないで 蛍泣く       シグナル

 我先にいつもにこにこ喫煙所         一休

 けむりふき たぬききつねの ばかしあい    〃

 喫煙所 此処は異次元 玉手箱       土竜興業

 喫煙を笑わば笑え 先がない         愛知県



春の河


 川柳 〜添削コーナー〜

今回のお題『喫煙』で没句になった川柳を紹介します。まずは、一休さんの句。

 夜空の下で煙草ふかし手の平でおどる幹事みるいたずら小僧かな

ずいぶん長い句です。川柳は基本形を、五・七・五としますので、とても川柳とは言い難い句ですが、幹事を「掌(てのひら)に転がる煙草の火玉」と捉えたところなどは秀逸。

感性の良さが表れています。そこで、こんなふうに直してみました。

 
 紫煙揺れ 幹事がひとり踊りだす

次は、Kさんの句。

 タバコは心の日曜日

川柳はそのリズム感から、標語と似たところがあります。しかし、その根底に人間の喜怒哀楽を読むのが川柳ですから、標語と似て非なるものです。

五・七・五のリズムの中でどう人間を描いていくか?こう直してみました。

 煙草一服 こころの窓が開かれる

そして、最後に土竜興業さんの句。

 今度こそ決意を胸にあおぐ空

お題から推測すると、「決意を胸に」というのは、「禁煙」の決意なのでしょうか?
しかし、『喫煙』が見えてこないことには、入選句にはなりません。

そこでこう直してみました。

 禁煙の決意であおぐ空の青

さて、次回のお題は『熱気』です。碧南・高浜地区の熱気でぜひ投句を!


向日葵



2010.05.15(Sat)
旅してゴメン!

土曜の朝は、タレント・ウド鈴木の「旅してゴメン!」を毎週見ている。
旅の空の色彩が、何とも言えず良い感じの番組だ。

今朝は、「滋賀・東近江」を旅してゴメン!
小雨の中、ぶらり散策して見つけた和菓子屋「冨来郁」へ立ち寄る。

すると、店の奥から三代目の主人が驚いたように飛び出してきた。旅ゴメの大ファンで、ウドが訪れた旅先へ実際に出向き、ウドが伺った店や出会った人に会いに行ったことがあるとのこと。

この主人の座右の銘が、「出会いは、学びの出発点!」
確かにそうだ。人は、人との出会いでどれだけ多くを学んでいるのだろう。

人だけでなく、本との出会い、酒との出合い、趣味との出会い・・・・。
何かに出会うことで、人は知らず、生かされているのだろう。

先月、ある人との別離があった。その人との出会いから別れへの顛末は、ここでは語れぬことだが、出会ってからの数ヶ月は、苦しく辛い日々にそれ以上の潤いをもたせた。

出会いに別れは付物だろうが、今回の別離は、格別辛いものがある。
この項で、書くべきことではないが、少しだけ書いてみたくなった。

さて、「出会いは、学びの出発点!」良い言葉だ。
「出会いは、別れの出発点!」にならぬよう祈っていよう。

 海までの道 もう二度と逢えぬ人           やすみりえ



2010.05.04(Tue)
趣味はどこへ行った!

異業種交流の会でご一緒させてもらっているS社のNさんから、広報誌が届いた。
多彩な情報が掲載された、手作りの紙面に好感が持てる。

「趣味はどこへ行った」と社長放談のコーナー。
Nさんは、これまで“海水魚鑑賞”に始まり、“映画と音楽”“水彩画”と趣味を持ち続けた。

しかし、それら趣味に一通りのケジメをつけて、今は無趣味と言うのである。
それなら、その分仕事に邁進できたから、会社業績が上がったかというと、そうでもないらしい。

Nさんの出した結論は、こうである。
「良い経営実績は労働時間と必ずしも比例しない!」

 人と仕事との健全な関係は良い趣味を持ち、適度な気分転換をし、生活にリズミカルな抑揚を
 つける事が次への新鮮なエネルギーと、冷静な判断力を生み、結果的に実績も上がる。

かくして、Nさんは、仕事観だけでなく、人生観を見つめなおすことの大切さに気付いた。
「緊張だけでは人は折れてしまう。人は適度なしなやかさが大切」とは、S社の社員の言葉!



2010.04.17(Sat)
地力の差が不況時に出る!

夕食時に見ていたテレビが面白かった。
どん底のラーメン店主が、店再生を賭けてラーメンの開発に取り組む番組だ。

自分のラーメンに自信のない店主が、まず始めたのがラーメンの食べ歩き。
ここぞと評判のラーメン店を一日十数件食べ歩いた。

そして、それから取り掛かったのがスープ作り。
試行錯誤を繰り返すが、納得のいくスープができない。

そこで番組スタッフの紹介で、人気ラーメン店主の元で一日修行。
神業豚骨スープを手掛ける67歳の女性店主だ。

開口一番、女店主からの質問。
「あなたの作るラーメンは美味しいか?」

「美味しくない」の答えに、女店主からの一喝。
「プロというものは、少なくとも自分が自信を持つ商品を提供することだ!」

番組は、最後に自信作を作り上げるが、飲食店の経営というものは何だろう、と改めて思う。
好不況に関わらず、いつでも繁盛している店とそうでない店とがある。

それはなぜか?この答えが、今朝の中日新聞・中日春秋に書かれていた。
何度も噛み締めることが、繁盛店に繋がるか・・・・?


こんなご時世で、閉店に追い込まれる飲食店は少なくない。
だが一方、不況どこ吹く風で繁盛している店もある。多分、こういうことだ。

好況の時には、消費者の目は甘く、出費を決める合格ラインはさほど高くない。
だから、客へのアピール度「まずまず」ぐらいでもやっていける。

だが、不況になると話は別だ。
財布のひもをしめる時、合格ラインはぐっと引き上げられる。

もう、「まずまず」では来てもらえない。結果、生き残るのは、好況時には余裕で合格していたようなアピール度「抜群」の店だけとなる。

どうも不況には、店やら商品やらが持つ地力の差を鮮明にしてしまうところがある。



2010.03.13(Sat)
子供の絵本から学ぶ!

水曜日、ダイレクト出版(株)の鷲見貴人さんがメルマガを送ってくれた。
その内容は「子供の絵本から学ぶ!」。

鷲見さんの家では、娘が寝る時間には母親が必ず絵本を呼んであげるらしく、自分もその輪の中に入っていくこと、そして絵本には子供だけでなく、大人にも教育になることが多い、と告げている。

鷲見さんのお気に入りの絵本が、The DotPeter H. Reynolds
以下、少し長いですが、紹介します。


主人公のワシテは、美術が大の苦手・・・。美術のクラスが終わっても、用紙には何も描かれていない白紙のままで、イスに座ってふてくされていました。

美術の先生がワシテに近づき、『あ〜、大吹雪のなかにいる白クマね♪』
という冗談を言っても、『私には、美術なんて出来ない!』と反論するばかり。

それでも、先生はワシテに対して笑顔で、『とりあえず、ペンを紙においてみるだけでも良いんじゃない。まずはそこからスタートしたら?』と提案しました。

その程度なら出来るだろうと思い、ワシテはとりあえずペンを取り、白紙の用紙に力強くペンを押しつけました。『どうだ!』ペンを用紙に押し付けただけなので、その用紙の中央には、黒いドット “てん”が一つあるだけです。

それをみた先生は、少し考えた後にこういうのです。『じゃあ、ここにサインして・・・』
ワシテに”点”が描かれた用紙を差し出し、その用紙に自分のサインをするよう勧めたのです。

ワシテは少し困惑しながら、美術はできないけど名前ぐらいは簡単に書けると、そこにサインをしました。一週間後・・・。美術の時間に教室に入ると、ワシテは驚きの光景を目にします。

なんと、黒いドットだけが描かれたあの用紙が、アートとして金色の額縁に入れられ、壁に作品として飾られていたのです。
そこで考えました。『”てん”だけなら、もっと良いのが描けるのに・・・』

そして、今まで毛嫌いして使っていなかった絵具を取り出し、

黄色いてん・・・
緑のてん・・・
赤色のてん・・・
青色のてん・・・

いろんな色で、てんを描きはじめました。さらに、研究の結果、青と赤を混ぜると、紫のてんができることを発見し、小さなてんから、大きなてん、てんの集合でてんを作ったり、用紙の周りをてんで埋め尽くすことで、中央に白紙のてんを描いたり・・・。

数週間後、学校の美術展覧会では、”てんのアート”として、ワシテの作品が特設コーナーに紹介されたのです。その展示会で、ワシテは作品を輝いた目でみつめる少年をみつけました。

そして、その少年がワシテに近づき、こういったのです。

『素敵な作品ですね。僕もこんな風に美術が出来たら良いのに・・・』

これに対して、ワシテは答えました。
『君にもできるよ。』


すると、少年は『僕っ!?僕なんかにはできないよ。だって僕なんて、定規を使ってもまっすぐな線を引けないんだよ。』


こう言いはる少年に対し、ワシテは笑顔で答えました。
『じゃあ、みせてみて。』 

そして、白い用紙を渡すと、少年はすっかり動揺した様子で、その用紙にペンで直線を書きはじめました。
ワシテは、少年の書いたミミズが這うようなくねくねした線を眺めながら、こういったのです。

『じゃあ、ここにサインして・・・』

The Dot



2010.03.07(San)
“ひとつ”だけなら守れる!

先日、得意先の企業を訪問していた時、社長の息子の話になった。
今年、大学受験で、京都大学を受けるという。

現在は、愛知県三河地方のO高校に在学中だが、何とその高校には校則というものがないらしい。あるのは教育理念だけ。それでうまくいっているのなら、それでいいのだろう。

規則を細々並び立てるより、目指すところを単刀直入に伝えるだけで、学校が機能すればいうことはない。しかし、それは理想であって、それで通用するのは、生徒の質が元々いいのだろう。

少し前の中日新聞に、クラーク博士のエピソード(堂門冬二筆)が載せられていた。
「ボーイズ、ビー・アンビシャス!(少年よ、大志を抱け)」の名言を吐いた、あの人である。

明治初年、北海道開拓使長官・黒田清隆は、北海道を見て「米作はムリだ。この地に適する農業振興が必要だ」と考え、アメリカのマサチューセッツ州が北海道に似ていることに目をつけた。

そして、クラーク博士を招き、札幌農学校の設立を思い立った。黒田は、クラーク博士に、農業技術だけでなく、地域の指導者になる新しい農政家の育成を目指すという壮大な構想を告げる。

さらに、農学校の校則案を考え、英訳して博士に示した。博士は、黒田の構想には双手をあげて賛成するが、校則案には首を横に振った。以下、その時のやりとり・・・・

「博士はこの学校に校則はいらない、とおっしゃるのですか?」
「いえ、校則はもちろん必要です。が、この案は項目が多すぎて、生徒が守りきれません」

「では、どうなさるのです?」
「校則はただひとつです」

「ひとつ?どんな?」
「ビー・ジェントルマン(紳士たれ)」

かくして、「ビー・ジェントルマン(紳士たれ)」は、札幌農学校の教育理念になった。
そして、このスピリットは、二期生の内村鑑三や新渡戸稲造らに引き継がれていった。



2010.02.20(Sat)
運をつかむ3条件

水曜日、異業種交流会でご一緒させてもらっているKさんから、メッセージを頂いた。
そのタイトルは、「運をつかむ」。運をつかむためしなければならないことが書かれていた。

運をつかむには、運に恵まれるにふさわしい体質を作らなければいけない、というのである。
人が成功するのは、ある日突然成功するわけではない。

平素の努力の集積によって成功する。禍が起こるのも、その日に起こるのではない。
前から必ずその萌芽がある。運をつかむのも、同じこと。

運を呼び寄せ、やってきた運をつかみ取るだけの実力を養わなければならない。
それでは、どうすればその体質や実力ができるのか?

メッセージを引用させてもらう。よい運をつかむ3条件とは・・・・
 
@強く生きる・・・・強く生きるとは、「主体的に生きる」「覚悟を決めて生きる」こと

A深く見る・・・・深く見るとは本質を見抜くこと、状況を見抜くこと

B巧みに表す・・・・技術、技巧を磨くこと

これら3条件は、俳句を作る3条件でもある。技巧だけでは良いものは作れない。強く生きる信念、深く見る姿勢があって、初めて技巧は生きてくるというのである。

おそらく川柳もそうだ。こうした姿勢を貫いていけば、未熟者でも何とかなるかもしれない。
ひょっとしたら、川柳の大御所になれるかも・・・!



2010.01.30(Sat)
一成れば一切成る!

今月は、日経新聞・私の履歴書を楽しく読ませて貰っている。
元首相・細川護煕さんの生き様が、水彩画のように淡く映る。

知事や首相として大仕事を成した細川さんだが、政治家の時よりも政治を辞めた後の生き様の方に興味がそそられる。焼き物作りに没頭した日々など実に面白い。

政界を退いて間もなく、友人が開いた個展を見に行ったのがきっかけで焼き物作りを始めるようになったのだが、最初にしたことは、師匠探し。

本屋で陶芸の雑誌をめくって、自分の感性に合う現代作家を探すことだった。
たまたま目に留まった作家が、奈良県在住の辻村史朗さん。

すぐさま電話をかけて、作品を見に行くことにした。初対面の印象は、丸刈りに無精ひげで、一見無頼風な感じだが、なかなか面白そうなオッサンだと直感して、そのまま“押しかけ弟子”に。

居候を決め込んだのはいいが、辻村さんの工房はというと・・・・

 彼の窯のある山の斜面には、藪や林の中に茶碗や壷がごろごろ転がっている。
 作業場は、茶碗のかけらなどが足の踏み場もないほど散らばっている。

 若い時に奥さんとふたりで集めた材を使って組み立てたという家は、すきま風も虫もよく入って
 きた。そこに犬と野良猫が十数匹いるという野生の暮らしで・・・・

辻村さんはといえば、こんな人だ。

 権威などというものは鼻クソほどにしか思わない人で、相手が知事だろうが、首相だろうが、
 そんなものは屁とも思わない。

 ろくろの修行中、ずっと言われ続けたことは、「あほなオッサンやな」「あかん、ほかせ(捨て 
 ろ)」「しつこいオッサンやな」の3語だけ。ここで文字通り、朝から晩までろくろを挽いた。

一年半ほどたったある日、「もうこんでええやろ」と言われ、卒業証書を貰ったのだと勝手に合点して、その日を区切りに、この野生の王国を卒業したのだった。

「一成れば一切成る」。
画家・池大雅の言葉を引用して、細川さんはその日の文章をこう結んでいる。

 たとえ不器用でも、精進工夫をしつこく積み重ねていけば、何事もそこそこのところまでは辿り
 つけるものだ。

「しつこく!」。不器用者には、誠にありがたい言葉である!

   
陶芸家インタビュー  http://www.arslonga.jp/monthly/interview/interv025.html


窯のある風景


常滑・焼き物散歩道


2010.01.09(Sat)
いい物は高く!

2010年が始まった。干支は寅。悠然とサバンナを闊歩するトラの姿が目に浮かぶ。
新しい年に期待するものは多いが、期待だけでは何も変わらない。

己を変えてゆく以外にない。元旦の中日新聞・中日春秋にそれが書かれていた。
まずは、「中日春秋」から引用。

 取引の大半を占める自動車メーカーからの注文が絶え、危機に瀕したある中小企業の話を
 少し前、本誌の地方版で読んだ。

 苦しかったがその中で社員の意識改革ができ、別業種の仕事も開拓、自動車依存を脱却
 できたという。社長曰く、「大変だったが会社が強くなった」。

 俳句や短歌も字数が限られ、言葉のやりくりをするしかない条件下で発展してきた。
 余裕綽々よりむしろ、厳しいやりくりから開かれる新たな地平もあるのではないか。

「五・七・五」や「五・七・五・七・七」の制約下で、どう言葉を展開するか。
企業もまたしかり!現状ある中で、どうやって最大限のものを創造していくか。

そこに「人知」という計り知れないものが存在するのだろう。
デフレ経済が支配する昨今、「いい物を安く!」ではなく、「いい物は高く!」・・・・。

昨日の中日新聞に、敬愛するカリスマ経営者・未来工業の山田昭男相談役が相変わらずの元気さで吠えていた。これまた、引用。

 人件費でのコスト削減は大間違い。人口減でも国内需要は十分ある。
 値段を下げるから利益が上がらず、社員にいい給料を払えない。

 だから会社が伸びない。
 いい物は高くだろ!

デフレに抗する一策である!




山田相談役似顔絵



2009.12.13(San)
芸人が死ねば、芸まで持って逝く!

行政刷新会議の“事業仕分け”が、とりわけ科学と文化の関係者から評判が悪いようだ。
いずれも経済効果という面で即効性がないから、予算が削減される傾向だ。

科学のように長い目で見なければいけないものは、その価値を見出すまでには時間がかかるし、文化は、そもそも無くても生きることはできるわけだ。

それで必要ないかといえばそうではなく、文化という心の潤いは、生産性に高く寄与している。
「やるぞ!」という思いは文化があればこそ。文化が無くなれば、経済に活力が生じない。

落語芸術家協会会長の桂歌丸さんが、芸術文化振興費が「圧倒的縮減」と判定されたことに立腹していた。学校への芸術家派遣が見直しになったことに対してである。

カンボジアで子供たちに落語を披露した経験に触れ、「異国の子供も喜ぶものを日本で行うのに、国の予算を使うのがいけないのか。子供たちが本当の文化に触れる機会は大切だ」と。

「無駄を省くのは大賛成だ。でも、もっと省くべき無駄がある。狭い日本にこんなに多くの政治家が必要なのか」と怒りが収まらない様子。

「落語家が死ねば、芸まで持って逝ってしまう」
先日、三遊亭円楽さんが亡くなったとき、歌丸さんはこんなことを言っていた。

社労士もそうである。長年培ってきた「労務管理の技」というか「労務管理の勘所」は、その人が死ねば一緒に逝ってしまう。それではどうするか?

落語家が弟子を取って芸を継承していくように、社労士もその技を継承しなければいけない。
そうすることが、社労士業界の裾野を広げていくことではなかろうか。



2009.12.06(San)
酒と自殺

早いもので、12月も第一週を終えようとしている。
いよいよ来年へカウントダウンする声が聞こえてきそうだ。

忘年会、はたまた新年会の案内が八方から降るように湧いてくる。
酒量がいやがおうにも増えていく季節なのだ。

今朝の日経新聞に、「酒と自殺」について書かれたコラム(遠みち 近みち)があった。
それによると、自殺者のほぼ四分の一が、アルコール依存症だったというのである。

例えば、40、50代の商店主や中小企業経営者が借金や離婚、不眠などの悩みを抱える。
つらい気持ちにフタをして深酒をする。

思考が負の方向に引きずられ、自暴自棄になりがちになる。眠りがさらに浅くなる。
自殺者の多くは、アルコール依存症とうつ病の合併症を持った人なのである。

自殺者が1998年に3万人台に乗ったまま、今年も減る気配がなく、11年連続のワースト記録を更新しそうな現状。統計を引き上げているのは、50代を筆頭にした中高年男性である。

他人事ではない。私などはとりわけ、自殺者予備軍といったところか?
このコラムは、次のように問題解決を導いている。

 これまで我が国の自殺予防対策の中で、うつ病がクローズアップされる割には、アルコール
 対策は軽視されがちだった。

 自殺者数を引き下げるためにも、悩みを抱えたときの酒の飲み方から、アルコール依存症の
 診察・治療法までを自殺予防の総合対策に組み込むべきです。

中高年諸氏よ!「ひとり悩んで酒に逃げるな」「眠れないときも酒に頼るな」の言葉を噛み締めようではないか。大切なことは、何でも相談できる仲間を持つことである!



2009.11.14(Sat)
きどにたてかけし衣食住!

先日、(株)ジェイックの知見寺(ちけんじ)さんが、元リクルート社でトップセールスだったWさんの話をメールで送ってくれた。中々興味深いので、紹介します。


Wさんは、口数の少ない子供で、小さい頃は近所の方から、「病院に連れて行ったほうがいいんじゃないか」と助言されるくらい、言葉を発しなかったそうです。

中学校の卒業アルバムに、クラスの集合写真がありますが、そこにWさんは写っていません。
たまたま、その写真を撮る日に体調が悪く休んだら、追加の撮影もされることなく、そのまま・・・。

卒業写真に写っていないことを、忘れられてしまうくらい、クラスの中でも無口な目立たないタイプだったそうです。こんなWさんが、あのリクルート社で、全営業マン中、1位の成績を取りました。

リクルート社といえば、生徒会長をしていました、とか、○○部のキャプテンをしていました、というようにクラスで最も目立っていた人達の集まりです。

Wさんとは正反対の人達ばかりなのです。
こんな人達のなかで、どうしてWさんはトップを取れたのでしょうか?

一所懸命流暢な話ができるように訓練したのでしょうか?
素晴らしいプレゼンテーションができるように勉強したのでしょうか?

Wさんは、違いました。最初は、社内のトップセールスの方を真似して、流暢な説明ができるように、必死に練習したそうです。でも、全く売れません。

そこで、開き直って、上手く話すことを諦めて、自分は口下手なんだから、あまり話さなくても、注文がもらえるようにするためには、どうしたらいいのか考えて、工夫をしたのだそうです。

この工夫を、ひとつ、ひとつ、積み重ねていくと、気づいたら売れる営業マンになっていたそうです。この具体的な事例をいくつもご紹介いただきました。そのひとつをご紹介します。

訪問した際は、最初にアイスブレーキングをしなさいと言われます。
いきなり商談に入らずに、いわゆる、雑談をすることですね。

よく営業研修でも、「きどにたてかけし衣食住」と教えます。
雑談をするテーマの頭文字をとって並べたものです。

 き(気候)、ど(道楽、趣味)、に(ニュース)、
 た(旅)、て(テレビ)、か(家庭)、け(健康)、し(仕事)、
 衣(洋服)、食(食物)、住(住む))


Wさんも、天気の話をすれば良いと教わり、天気の話をするのですが、
Wさん「今日はいい天気ですね」。商談相手「そうですね・・・」。

Wさん「今日は暑いですね」。商談相手「そうですね・・・」。
このように会話が続かないのだそうです。

そこで、Wさんが工夫したことは、
アポイントの30分前には移動をして、いろいろと観察をしたそうです。

駅前にあるもの(噴水とか、オブジェとか、目立つお店とか)、
最寄り駅から訪問する会社までの道のりで行列ができている飲食店、
会社の周りの飲食店、ビルの外観、同じビルに入っている会社名、などです。

また、会社に入ってからも、
受付から応接までにある置物、書かれている標語、応接にある書籍、
受付からお茶を出してもらうまでの社員の方の応対を観察する。

そして、気づいたことがあれば、メモをしておいて、
その会社から近い順番で、話を振るのだそうです。

「社員の方の挨拶は気持ちいいですね」
「○○○○と書かれていましたが、ご方針ですか?」

「御社の近くに、○○○というラーメン屋がありましたが、美味しいでしょうか?」
「駅前に、○○がありましたが、初めて見ました」

営業が得意な方からすると、当たり前かもしれません。Wさんは、商談をスムーズに始めるために、今でもアポイント30分前に現地に着くことにしているそうです。

30分前に着くと、ゆとりをもって商談に臨めるのですが、時間ぎりぎりですと、落ち着いた商談ができないのだそうです。「もう習慣です」と仰っていました。



2009.10.25(San)
ウオーキングを続けるには

錦秋にはまだ日数がかかるが、秋が少しずつ深まってきた。
この小春日和は、町に歩を運ばせるのに最も適した時期だ。

暑くも寒くもない季節の透き通った風が、頬を静かにかすめていく。
そんなやさしい風をからませながら、秋桜がゆっくり揺れている。

 秋ざくら揺れてあの日の忘れ物       比呂志

昨秋の句が浮かぶ。「忘れ物」とは何だろう。あの場所に置き忘れてきた青春?
町中を歩きながら、そんなことを思い巡らせているときが一番楽しい。

昨日の日経新聞・NIKKEI PLUS 1の特集記事を眺めている。
「三日坊主」で終わらせないウオーキングの工夫が書かれている。

上手く纏められているので、紹介します。

「三日坊主」で終わらせないウオーキングの工夫

ただ歩くのは単調でつまらない
●歩く+趣味=楽しい
 ・自分の趣味と歩くことが合体できないかを考える
 例えば
 ・草花の季節の変化や街歩きで見つけた珍しい風景を撮影して写真集作り
 ・歩く途中で見つけたお気に入りの場所をスケッチ
 ・歩きながら感じたことを詠む「ウォークキング俳句」
 ・双眼鏡を持ち歩いてバードウオッチング

●音楽のリズムに合わせて
 ・好きなアーティストの楽曲を聴きながら楽しく歩く
 ・「速め」「ゆっくりめ」などテンポが違う曲を組み合わせ、歩くリズムに変化を
 ・音楽に熱中し過ぎて事故に合わないように。安全第一、音量は控えめに

いつも同じコースを歩くのは飽きる
●ウオーキングイベントに参加
 ・自治体や鉄道会社、日本ウオーキング協会などが主催
 ・景色や名所を巡る安全なコースを設定
 ・出会った参加者同士でウオーキング仲間作りも

毎日歩いていても成果がわからない
成果をチェックして記録
 ・歩数計の消費カロリー表示など歩数以外の成果をチェック
 ・定期的に体重や血圧などを計測し、健康面の改善を実感

●歩行距離を足して「日本一周」
 ・歩いた距離を地図上で足し合わせ、仮想的に目標地点まで歩く
 ・「日本一周歩こうかい」など、記録をサポートするサイトを利用

●「節約」という成果も
 ・ひと駅分歩いて節約した電車賃を貯める「ウオーキング貯金」



2009.10.03(Sat)
委託販売から責任販売へ!

土、日は仕事が休みだから、ゆっくり新聞が読める。中日新聞の一面をかざるコラム「中日春秋」や日経新聞の「春秋」などは、いつもながらに味がある。

よくもまぁいろいろなことを知っているものだ、と感心する。
何気ない市井のことを題材にしながら、すうっと本題へ入っていく。

読書量のなせる業だろうが、それに眼力が伴わなければこうは書けない。
いずれにしても、品格、見識、分析力などが突出した選ばれた人たちなのだろう。

凡人はそんなことを感心するが、「経営情報」としてもネタが転がっている。
例えば、今日のネタ・・・・


 【春秋】

定価1,000円の本を本屋さんは780円で仕入れる。
売れば220円のもうけ。売れなければ780円のまま引き取ってもらう。

だから仕入れにリスクがない。一方で中小書店は思うように仕入れができない。
半ば自動的に本が送られてくるからだ。

この仕組みを「委託販売」という。
これでは委託の名の通り、書店はただの場所貸しである。

では、1,000円の本を650円で欲しいだけ仕入れ、その代わり返品は350円、という仕組みならどうだろう。リスクはあるが、売れたら利幅が大きい。こちらは「責任販売」!

コラムでは、「委託販売」から「責任販売」に切り替えていかなければ、書店はダメになっていくだろうと警告する。リスクのないところに身を置くことが一番危険だというのである。

商品知識を磨き、売るために知恵を絞るのは、「責任販売」にするのが手っ取り早い。
ぬるま湯に浸かっていると、やがて茹で蛙になることを商売人は知るべきだろう!



2009.09.20(San)
“癒し”から“楽しみ”へ!

 秋分の日の電車にて床にさす光もともに運ばれて行く (『帰潮』昭和27)

昨日の日経新聞・夕刊をめくると、佐藤佐太郎さんの歌が目に留まる。
「光もともに運ばれて行く」という美しい朝の表情。

祭日で人もまばらな車両に、秋の朝の硬い光が立ち込めている。
そして、その光はレールを走る車両にどこまでも運ばれて行くのである。

佐藤佐太郎という歌人がちょっと気になった。
最初、若い人かと思ったが、どうやら違うようだった。


 
佐藤佐太郎【さとう さたろう】

明治42年11月13日〜昭和62年8月8日。
写生の伝統に立ちつつも、単純な生活詠ではなく、純粋な詩的感動を重視した歌を作った。

表歌集
  • 「歩道」 昭和15年
  • 「帰潮」 昭和27年
  • 「群丘」 昭和37年
  • 「形影」 昭和45年
代表作品

 薄明のわが意識にてきこえくる青杉を焚く音とおもひき (『歩道』昭和15)

 連結をはなれし貨車がやすやすと走りつつ行く線路の上を (『歩道』昭和15)

  今しばし麦うごかしてゐる風を追憶を吹く風とおもひし (『帰潮』昭和27) 
苦しみて生きつつ


佐藤佐太郎


新聞のページを繰ると、「遊べる国営公園 仕掛けてます」の見出し。
記事の冒頭にはこうある。

 豊かな自然に触れるだけではなく、楽しく遊ぶこともできる国営公園が増えている。
 木々の高さから自然を観察できる回廊や枝葉を使った工作教室など、仕掛けが満載。

そうか、公園は今や、“癒し”の場から“楽しむ”場へと変貌を遂げているのだ。
大人気の旭川市・旭山動物園などをモデルにして、楽しませる力を育もうとしている。

動物の目線、自然の目線に人を下ろすことで、おのずと生の共有を考える場になってくる。
そのための仕掛けをふんだんに盛り込むというのは、すばらしいことだ。

 秋彼岸すぎて今日ふるさむき雨直(すぐ)なる雨は芝生に沈む (『地表』昭和31)



2009.08.23(San)
思い描くことができれば、それが現実となる

異業種交流会の所属地区から案内が届いた。
送り手は、K社社長のOさん。諸種の勉強を重ねているつわものだけに、内容がふるっている。

【思い描くことができれば、それが現実となる】というタイトルの下にこう連なっている。

みなさん こんにちは!毎日雨が続きますね、雨雲の上は晴れなんですよ!
昨年9月岡崎地区創立30周年記念講演会で、植松電機の植松努氏のお話を聴いて感動
した有志で、「北海道へ行って、植松電機を見てこよう!」という企画がまとまりました。

最近出た本『死ぬ時に後悔すること25』(大津秀一著)に、「行きたい場所に旅行しなかったこと」
「夢をかなえられなかったこと」という項目がありました。

この機会(チャンス)を是非生かしてください。お待ちしています。

傍線は、0さんが特に言いたいこと。
この文章はまだまだ続くが、あとは蛇足。

しかし、いい言葉だ。「思い描くことができれば、それは現実となる」。
英訳するとこうなる。

 
dream can do , reality can do .



2009.08.15(Sat)
ワインからスコッチへ?

水曜日、親類からブドウを貰った。真夏を盛りとする大粒の巨峰だ。
今年の味はどうかと数粒食べると、天候不順の今年も良い味を醸し出している。

こんな美味い巨峰なら、さぞかし良いワインができるだろう。
しかし、不思議なことにこの地域にはワイン蔵はなさそうだ。

大府市、刈谷市はブドウの産地だから、ひと蔵ぐらいあってもよさそうだが、ワイン作りの適地ではないのだろうか?知多半島には清酒の蔵元が散在するだけに、不思議に思えてくる。

その日の夕刊に、「温暖化で仏ワイン品質低下」と見出しが出ていた。このまま、今の温暖化が進めば、ワインの原料となるブドウの品質が落ちることが懸念されるというのである。

ブドウは、土地の土壌や気候に左右されるから、このままだとブドウ栽培の適地は今世紀末には、1000`ほど移動し、一部はフランスを外れてしまう。

ブルゴーニュやボルドーなど現在の産地では良質のワインを作れなくなる恐れがある、というのは、ワインを主要輸出品のひとつとするフランスでは、国家存続の危機なのだろう。

そんなことを思うと、やはり、大切なものを守るためには、人が変わらねばならないのだろう。
温暖化を進めない対策を人知で考えていくことが必要なのだ。

仏ワインの品質を保つためには、2020年の先進国の温暖化ガス排出量を現行水準から40%減らす必要がある、ということである。

達成できなければ、ワイン需要は大幅に減り、スコッチを飲む人が増えるのではないか?



2009.07.19(San)
土用丑

今日は、土用の丑の日。土用丑といえば、鰻。
「夏バテしやすい時期に、鰻を食して精を付ける」という先人の知恵の結晶である。

ラジオでは、毎日のように「うなぎ割烹 みかわ三水亭」のCMが流れていた。土用丑に合わせるかのように、今年7月1日にオープンしたこの店は、今のところすこぶる評判がいい。

CMの最後は、「平賀源内に感謝!」で締めくくる。この意味が分かる人は、相当な知識人だ。
さて、どんな意味が隠されているのか?

物の本を開くと、こんなエピソードが。

今でも、土用の丑の日には鰻を食べる習慣があり、夏の暑い盛りに鰻屋を繁盛させているが、これは、もとはといえば、江戸時代の鬼才・平賀源内が発案したものである。

ある日、源内のもとに知り合いの鰻屋が泣きついてきた。夏になると客足がパタッととまり、商売にならない。なんとか、お客を呼び込む妙案はないかというのである。

そこで源内がひねり出したのが、土用の丑の日に鰻を食べると夏バテしないという宣伝文句だった。たちまち、その鰻屋には客が押し寄せ、商売不振を盛り返した。



2009.06.27(Sat)
五輪書

仕事がはかどらないから、中学三年の次男坊の部屋をのぞく。
試験週間とかで、机に向かっている。珍しいことだ。

中学三年ともなると、どんなにおっとりした子でも、頭の片隅に“進学”の文字が刻まれていく。
具体的な目標がなくとも、とりあえずは、机に向かわなければ落ち着かなくなるものだ。

机の下に、「三年進路だより」と書かれた紙片が、扇風機の風で揺れている。
見ると、「刈谷高校体験入学」の文字。今では、「体験入学」というものがあるんだ!

紙面の最後尾には、宮本武蔵の「五輪書」の一編。味わいのある言葉だ。

 千日の稽古を鍛(たん)とし、
 万日の稽古を錬(れん)とす。
 能(よ)く能く 吟味有るべきものを

注釈があった。

千や万は適当な比喩ではなく、技の習得に必要な具体的な数。
千日(三年)の練習をした動きは一生の技として身につく。

万日(十年)では格段に高い技と認識が得られる。
量が蓄積されると質的な変化が起こる。

質的な変化が起こる前に、反復練習を途絶えさせてしまいがちな私たちの気を引きしめ、希望を支えてくれる言葉です。



2009.05.31(San)
明日に向かって

ビワの実が食べ頃に色づいてきた。
低木の庭木はどれもみな無防備だから、もう少しすると鳥たちのかっこうの餌食になるだろう。

ビワが実ると、雨期が近い。小麦が褐色に色づくのもこの頃で、空気中の湿度がいやがおうにも増していく。それで、何となく気分がすぐれない。

異業種交流会で発行している広報誌の原稿(7月1日発行)を書いている。
もう7年、季刊で発行される会報誌・「明日に向かって」の川柳コーナーを担当している。

半ば選者を気取っての“川柳コーナー”だが、いかんせん応募がない。
よって、締め切り日が来ても、紙面が一向に埋まらない。

仕方なく自分で作句する。ペンネームを用いて他人に成りすます。
自分で作って、自分で選をするほど情けないことはない。

それに気づいたものか、今回は多くの投句をもらった。やっと張り合いが出てきた。
以下は、その原稿です。批評を下さい!

 川柳 〜東奔西走〜

かつて、七月七日はサマー・バレンタイン・デー。
女子が好きな男子に枕カバーを贈る日でした。

「七夕の夜に、私の夢を見てください」という切ない乙女心が演出されています。
不景気風が吹き荒れる現在、こうした明るい“仕掛け”が必要ではないでしょうか? 

さて、今回のテーマは「明るい」。皆さんから頂いた川柳を紹介します。

 あっ軽い 財布とついでに性格も         036

 あっ軽い お姫様抱っこは今昔            〃

 我が子には 明るい笑みで かみなりを     たけのこ

 孫の声 遊ぼのことば 明るい笑顔        〃

 プリウスに 明るい見通し 待ち侘びる     影の会長

 市民派の 世情に明るい ひがし知事      〃

  明るくて気立ても良くて鍋こがす         愛知県


次回のテーマは「ため息」。多くの投句を待ってます!




2009.05.24(San)
肉食系男子?

JAFMate(ジャフメイト)6月号が届いた。
表紙には北海道の美瑛・富良野の地平線まで続くラベンダー畑。

北海道の雄大さを描いて余りある。なんだろう、この輝きは・・・・すべての景色が、初夏の大地をわたる心地よい風を抱いて透き通る。北海道に行きたくなってきた。

ページを繰ると、今度は「眞鍋かをりの対談コーナー」。ゲストは石田純一。
石田純一の若き日のエピソードがこれまたいい。

石田さんは、まだ貧乏な劇団員だった頃、歩道橋の上から走っている車の台数を数えては、「世の中に金持ちは何と多いのか」と思ったそうだ。そして、こう誓った。

「上には上がいるけど、自分もやってやれないことはない。よし、絶対に車を買うぞ!幸せになるぞ!」。その頃の石田さんの年収は、たったの7,000円。車を持つことは、夢のまた夢だったろう。

それ以降、年収は0が毎年増えていった。それは、好きなものを追いかける石田さんの情熱なのだろう。草食系ではない、見果てぬ夢を追う肉食系の魂の成せる技だろう。

恋愛に関しても、「先に考えてどうするのよ?」という思想の持ち主だ。「明日の天気と一緒で、考えてもしょうがない。とりあえずドアをノックしてみよう」。

物事を成し遂げていくのに必要なものは、具体的な目標だ。石田さんがイタリアのフェラーリに目標を置いていたように、何かを成し遂げたいときは、届きそうな目標を持つこと。

「北海道に行く!」でもいいし、「北海道に住む!」でもいい。
「ラベンダー畑に死す!」なんて、尚いい。この紫の絨毯の上で死ねたら本望だ。



2009.05.10(San)
草食系男子

最近、「草食系男子」という言葉をよく聞く。
「肉よりも野菜が好きな若者が増えたのか?」くらいに思っていたが、どうも違うらしい。

「草食系男子」とは、「協調性が高く、家庭的で優しいが、恋愛に積極的でないタイプ」と定義されている。要は、おとなしい男の子が増えている現象を言うのだろう。

肉よりも野菜を好む人の方が、およそ穏やかであるのは間違いのないことだ。
穏やかさは、野菜の有している栄養によって得られる。

だから、激しい人は野菜を多く取ることによって穏やかさが増してくるし、穏やか人は、肉を多く取ることで多少の激しさを得られるのだ。

食べ物は、健康と密接に関わってくる。
先日、健康講座で、「健康とは、気、血、動の調和」だと聞いた。

 気・・・その人の気の持ちよう、精神生活、ストレス。
 血・・・何を食べるか、食生活と栄養素。
 動・・・適度の運動と休養

気、血、動が調和して初めて健康は維持できるものなのだ。
「草食系男子」・・・どうなのだろう。平和的ではあるが、およそ革命とはほど遠い。

激動の昨今、「草食系」だけで身が持つかどうか?
日本が確実に退化しているのかも知れない!




2009.05.03(San)
閾値を下げる

世間では、ゴールデンウィークも後半に入ったようだ。
仕事に追われ、会務に追われ、季節を顧みることがずいぶん薄れてしまっている。

高速道路を利用して遠出をする気分にはなれないから、近場で初夏の花を愛でるだけだ。
それでも豊かな気分になれるのは、よほど閾値(いきち)が低いせいだろうか?

「閾値」という言葉を初めて聞いた。
「人間が感じることのできる刺激の最小値」という意味なのだそうだ。

この季節、フジの花はかなりいい匂いがするが、フジ棚の下でずっと過ごして同じ匂いをかいでいるうちに、次第に強い匂いでないと感じなくなるのだそうだ。

この状態を「閾値が高まる」と言う。閾値が高まることは、それだけ豊かになった証拠ではあるが、幸せかどうかというとまた違った話であるらしい。

ささいなことで幸福を感じられる人は、閾値こそ低いが幸せなのではないか?
逆に、サプライズがなくては幸せを感じない人は、閾値が高くても不幸なのかも知れない。

そんなことを考えると、経済危機で困窮している現在は、閾値を下げるチャンスでもある。
小さな幸せに無限の喜びを見出すには、もってこいの時代なのだ。

足湯に足をくぐらせて、柔らかい湯の感触に幸せを満喫するなんていいじゃないか!
とれたての苺でつくったジャムの甘酸っぱい匂いは、何という幸せだろうか?

「閾値」を下げること、そんな時代の始まりである!



2009.04.26(San)
中拭きタオル

仕事柄、週に一度くらい車のガソリンを入れる。ガソリンの値段も最高値をつけてから一挙に下降して、今は大分落ち着きを取り戻しつつある。

それにしても、ガソリンの値段が店ごとに違うのはなぜだろうか?人件費を浮かせるセルフサービスの給油所が安いことは分かるが、それ以外のところが店ごとに違う。

ガソリンの質も関係しようが、おそらく価格の違いは店ごとの戦略によるものだろう。
ガソリンスタンドが売るものは、直接的にはガソリンであるが、間接的にはサービス全般だ。

例えば、給油してくれるお姉さんの笑顔見たさに、毎回訪れる客もいるだろう。
カーマニアにとっては、質の高い情報の収集のため訪れることもあろう。

要は、ガソリンそのものの値段に何か付加されるものがあれば、少し高値であっても、客はその店の価値を見出せるものなのだ。

私の行くガソリン店は他の給油所より少し高い気がするが、他所へ行かないのは、車の中拭き用のタオルを必ず渡してくれるからだ。

おかげで、車内の埃や汚れが取れて気持ちがいい。車内を清掃することのない不精な人には、給油のたびにちょっとした清掃ができるから、こんな店は重宝だ。

たかが、「中拭きタオル」ということなかれ!サービスとはこんなことの積み重ねだろう。
ちょっとしたアイデアが、企業を救うものなのだ!



2009.04.05(San)
落語家志願者増える!

景気が悪くなると、落語家志願者が増えるそうだ。
現役の落語家から聞いた話だから、確かなものだろう。

景気が悪いということは、働く場所を減少させるから、進路を狭めさせる。それで、「落語が好きだから」、「お笑いが好きだから」という理由で、安直に落語家の門を叩くのかもしれない。

「手に職を持つ」ことが強い、とよく言われる。専門職を身に付けている人は、即戦力になるから、元手がかからない。よって、企業はそんな人を大切にしようとする。

これからの若者に課されるのは、「手に職を持つ」ことだろう。じっくりと自分のやりたいことを見極め、そのために必要な「手に職」を身に付けていくことだ。

その意味で、不況期はいい時期ではないか?リストラに遭った人には気の毒だが、「手に職」を持つには、不況期は絶対の好機である。飛翔する翅を磨くチャンスなのだ。

今日の中日新聞・中日サンデー版に面白い話があった。
以下はその全文だが、落語家を志す人も胸の内に留めておいてください。


  「ごみ拾い」         小林幹夫

織田信長のこんなお話をご存知だろうか?ある日、信長が家来を自分の部屋に呼んだ。
「殿、お呼びでしょうか」「もういい、帰れ」と言って、すぐに帰してしまった。

その後も家来を一人ずつ呼んでは同じ事を繰り返した。
そのうちに、ある一人の家来が、部屋を出る時、落ちていた小さなごみを拾っていった。

それを見ていた信長が、「よし、こいつは使える」と言って、この家来を大抜擢したというお話。
この話を知ってからだよ、私が会社の中で、毎日ごみを拾うようになったのは・・・・。

まあ、残念ながら、大抜擢は、まだ、されてないけどね。



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