あおみ労務事務所
CONTENTS
事務所案内
労務記録
経営情報
随想
案内板HOME
随想     
「晴耕雨読」という言葉を、今しみじみ味わっています。
「晴れた日には畑を耕し、雨の日には読書する」すこぶる人間らしい気がします。
宮澤賢治が「雨ニモマケズ 風ニモマケズ・・・」と手帳に記したように、このページでは、心に浮かぶままの考え・感想や日常での出来事、変わりゆく景色などを、詩やエッセイなどの形で、気軽に綴っていきます。
2017.09.17(Sun)
フルートの音色またたく間に少年

九月も半ばとなり、銀杏(ギンナン)の季節到来。
ということで、今日は安城市和泉地区の八剣神社まで。

ここの銀杏(イチョウ)の木は小ぶりだが、良い実をつける。
家人によると、どのイチョウの木よりも実が大きく、剥きやすいとか。

今年の出来はどうだろうか?まだ落下には至ってないのでは?
という心配もなんのその、八剣神社のイチョウは人を裏切らない。

家人と一袋ずつ持参したビニール袋は、ものの十分ほどで一杯。
神さまに少し賽銭をはずんで、今しがた帰宅。

さて、ギンナンの香しい匂いが我が家に立ち込めるのはもうすぐ。
これもまた秋の風物詩である。


先月の川柳結果報告です。イマイチから抜け出せない・・・・


展望ネット句会(8/1発表)

俯いていては見えない時計台  「台」


岡崎川柳研究社本社句会(8/5)

逢える日の下絵小さな朱を入れる  「わくわく」 秀句

青を描く遥かな人に逢うように  「わくわく」 佳句

ハイボール飲めばこの世は宝島  「宝」

色のない風を宝にして生きる  「宝」 佳句

父母とおんなじ薬飲む日暮れ  「雑詠」 佳句

戦いがすんであいつと肩を組む  「雑詠」 佳句

八月の風をあつめる帽子店  「帽子」 軸吟


咲くやこの花賞(8/8発表)

梅雨さなか指名手配の空の青  「逃げる」 軸吟


鈴鹿ネット句会(8/17発表)

忍者にはなれそう壁を這うゴーヤ  「壁」


川柳塔ネット句会(8/23発表)

ツユクサの青やあやあと肩を抱く  「草」


鈴鹿川柳会句会(8/26)


競艇と酒と誠実さが取り柄  「ボート」 誌上互選

生きている実感三時にはおやつ  「午後」

逃避行するにはユメのない真昼  「午後」

太陽は真上たたかう貌になる  「午後」

僕のユメ伝えるためにある銀河  「伝える・伝わる」


きぬうら句会(8/27)

チャルメラの半音高くなって秋  「笛」 佳句

フルートの音色またたく間に少年  「笛」 秀句

懐手してみる武士になりたくて  「武士」 佳句

武士道がころころ笑いながらゆく  「武士」

「七人の侍」もう誰も生きてない



2017.09.10(Sun)
菜箸で突くと逝ってしまう夏

九月も三分の一が過ぎた。
秋の風が頬に心地のよい季節となった。

このまま秋日和といかないまでも、暑さの峠は確実に越えたのだろう。
稗田川の堤には、金色の彼岸花が花を付け始めた。

昨日は、高浜川柳会の句会日。句会後に納涼会という名の懇親会。
好きな川柳を語り、好きな杯を傾けるというのは喜ばしいことだ。

懇親会では、各人一句ずつ「渾身の句」を持ち寄り、その句の「真意」を披歴し合った。
句にはそれぞれ背景があり、それを語ることは「詠み」と「読み」の鍛錬になる。

肩の力を抜いて、自らの川柳を探っていくことで、思わぬ発見が得られるものだ。
深層心理というか、意識の外に漂うものが、仲間の何気ない言葉から腹に落とされる瞬間。

しみじみ酒を酌み交わしながら、川柳の良さを味わった懇親会であった。
私の一句は

 小さい秋どんな袋に入れようか

五年前の長野県の大会で秀句を得た句である。題は「袋」。
選者だった浅利猪一郎さんとはその時から交流を持つこととなった。

今日は、中部地区川柳大会(中日川柳会主催)。
私の句はすべてイマイチだったが、それでも一句が秀句に採られた。

 美しい角度であすを跳ねてみる

題は「跳ねる」。「美しい角度」とはどんなものか?日が短くなって、影が長くなってくる落日。
美しい角度で、鳥たちは遠い旅路に出るのだろうか?

大会では、隣の席に座らせてもらった豊橋番傘川柳会のYさんとお話しができた。
全日本川柳協会賞を貰ったことよりも遥かにうれしいことだった。


秋の風景



2017.09.03(Sun)
酒場放浪記

吉田類(よしだるい)の「酒場放浪記」がいい味である。ご存知、BSーTBSの月曜夜の人気番組。
「酒場という聖地へ酒を求め、肴を求めさまよう・・・」という冒頭のナレーションからしてグッとくる。

遊びの世界でしか味わえない快楽を目に見えぬ天糸蚕で手繰り寄せるときのトキメキとでも言おうか、やや時代がかったけだるさの中でふつふつと湧き上がってくるもの。モノトーンだが、人の心を擽る妖しいひと時だ。


私の家では、BSは見られないので、もっぱらインターネットの動画で見る。
リアルタイムから遅れて数日だが、一向に構わない。

お洒落とはとても言えない下町の酒場がとてもやさしい。
そこで酌む酒と肴の数々。


吉田さんは、酒場の紹介を上から目線ではなく、ただの客として自然体でとてもおいしそうに飲む。
そして、店主や女将や他の客とのふれあいと会話。

吉田さんがほろ酔いになって店を出る頃には、私もしっかり酔っている。
人間と酒場との絆がとても強く映し出されている好番組である。



ここは、熊野駅前「かわかみ」(東京都荒川区東尾久)。
日暮里・舎人ライナー線と都電荒川線とが交差したすぐのところに提灯が下がる。

西日を遮るように店へ入っていくと、人懐っこそうな主人と面倒見の良さそうな女将。もつ焼きの屋台を引いていた主人と実家がお好み・もんじゃ焼きの女将がこの地に店を構えて三十三年。屋台時代から続くタレを使った焼き鳥が人気の店だ。


まずは生ビールをグビッ。通しは「芋がら」。干した里芋の茎と細かく刻んだ油揚げを甘辛く煮つけたもの。茨城が故郷という主人の地元から取り寄せたものだ。

「牛串」と「とん串」が次に来る。皿は、かつて由美かおる似だった女将手製のもの。
肉の甘さが口中に沁みてきたところを生ビールで流し込む。これが堪らない。


二杯目は「紫蘇サワー」。常連が飲んでいたトロピカルな色彩に目が留まり、さっそくその爽やかさをいただく。口中がさっぱりしたところを今度は、「レバ」と「とりかわ」。

タレの馴染み具合が半端ではない。「周りに笑われるくらい鳥皮を食べ続けている」と常連客が話すほど、創業以来の変わらぬ味は客を惹きつけて止まない。

ここで、サワーから日本酒「万葉飛鳥」(奈良・生駒)へ。ぐい飲みも女将手製のもの。
コクとキレを併せ持つ奥深い酒は奈良酒の特徴だろうか。

次の一品は、旨い日本酒には定番の鮪の「なかおち」。これぞ下町の贅沢である。
なかおちを一切れ、万葉飛鳥をぐい飲みで一杯。これを繰り返すこと数度。そして「げそバター」へ。


料理が出来るまでの数分が常連客との挨拶時間だ。
氏素性の分からぬ同士が、家族を、仕事を、人生を語る。

利害関係のない分、そこに脚色の入り込む余地はない。たとえあったとしても一向に構わない。
酒を仲立ちにした愛しい者たちとの会話は何より楽しい。


奥の座敷には、常連客の娘が被写体となったカレンダー。
娘は歌手ということだ。

「ありがとうの笑顔も ごめんなさいの涙も あなたがあなたでいるために きっと大切なこと」
の文字が表紙には刻まれている。この景色もまた下町の人間模様である。

げそバターはどこか懐かしい味付け。
自分でもできるのではないか、料理してみようかと思うが、これができない。

酒呑みを虜にさせた三十有余年の歳月は、素人を寄せ付けぬ大きな砦となって客の前にあるのだろう。「この味は出せない」酒を喉に流しながらつくづく思う。

と、ここで再び奥の座敷へ。先ほどの歌手である娘が来店したのだ。
青いワンピースに愛らしい笑顔。乾杯の後にこんな会話。

「僕もリズム&ブルースを歌っているんですよ」
「存じ上げております」
この一言が二人の間をより近付ける。


締めは「切りいか 生姜 もんじゃ」。もんじゃ焼に合わせる酒は「鶴正宗 お酒屋さんのお酒」(京都・伏見)。創業以来扱っている酒である。

もんじゃを匙で掬い取り口へ。口中に広がるいかの香味と生姜の辛味。
そこへ鶴正宗を流し込む。その味は「ワンダーランド」へと化学変化する。


「ぐい飲みは絶対に離しませんね」と女将。もんじゃという愛情いっぱいの逸品に、ほど良く杯を重ね、店は下町のワンダーランドと化すのだった。

この日のエンディングは

 憑きものの喉より落つる紫蘇サワー  吉田類



ところで、吉田さんの本業は、イラストレーターでエッセイストのはずだが、「酒場詩人」とある。
若かりし頃に仏教美術に傾倒し、シュール・アートの画家として活動。

パリを起点に渡欧を繰り返し、後にイラストレーターに転身。
九十年代からは酒場や旅をテーマに執筆を始める。

俳句愛好会「舟」の主宰でもある。
吉田さんの俳句・・・いいなあ!


 徳利よりしろ蝶ほろと舞ひ立ちぬ

 ワンタン喰ふ春や乳房の舌触り

 人魚曳くひとすじ青き夜光虫

 定説を蜥蜴くるつと翻す

 ハイボール弾ける初夏のブルージーン

 立ち飲めば無頼の夏のよりどころ

 まどろみし酒樽ひとり言ちて秋

                                        (刈谷文協文芸誌「群生」寄稿)



2017.08.27(Sun)
あおぞらは友だち天窓を開ける

秋が目の前に迫ってきたせいか、風がとても涼しい日曜日。
昨夜は、「日本酒セミナー」があり、丸一酒造(知多郡阿久比町)の酒の“お勉強”。

「ほしいずみ 純米酒」「ほしいずみ 辛口吟醸酒」「ほしいずみ 純米吟醸酒」「ほしいずみ 純米大吟醸酒」の4種類を代わる代わる飲んだのだが、久し振りに酔い潰れる手前までいった。

今日は、「きぬうら句会」。
一夜漬けを予定していた宿題も、そんなわけでできず、朝に持ち越し。

浅漬けならぬ朝漬けで作句した川柳は、イマイチ。
最近このイマイチから抜け出せなくなった。結果は・・・・


チャルメラの半音高くなって秋  「笛」 佳句

フルートの音色またたく間に少年  「笛」 秀句

懐手してみる武士になりたくて  「武士」 佳句

武士道がころころ笑いながらゆく  「武士」

「七人の侍」もう誰も生きてない  「武士」


9月からは、「川柳 秋の陣」が始まる。
皮切りは「中部地区川柳大会」(中日川柳会主催)。

肩の力を抜き、心を入れ替えていかねばなるまい。
ネットで拾ったいい画像を眺めながら・・・・


新家完司撮影・秋の気配

  新家完司さんのブログはこちらです  
https://shinyokan.jp/senryu-blogs/kanji/


2017.08.20(Sun)
青を描く遥かな人に逢うように

木曜日、夏の家族小旅行。
妻と二人だけを予定していたが、三男が急遽合流。

郡上おどりの「郡上八幡」あたりに行こうと思っていたが、結局、「馬籠宿」へ。
ご存知、中山道の43番目の宿場だ。

「馬籠」「妻籠」と並べられるが、いずれも山あいの情緒あるしっとりした町並だ。
馬籠と言えば「水車」。これが、水力発電発祥の地を象徴している。

勾配の厳しい石畳の坂の両側に土産物屋が並び、一般の家でも当時の屋号を表札の他に掛けるなど、史蹟の保全と現在の生活とを共存させている。

午前中に五平餅一本、昼は、馬籠宿展望台脇の「恵盛庵」にて、ざるそばを二枚ずつ。
旨口の味噌だれと本場ならではの麺のコシを堪能。


馬籠宿から恵那山


続いて、「妻籠宿」。こちらはどちらかと言うと地味な町並み。
昼時ということもあったか、平日を思わせるような人出と景色。

馬籠が観光地化された「日間賀島」ならば、妻籠は、まだ鄙びた感の残る「佐久島」のようだ。
朴葉餅の和菓子屋に賑わいがあったが、結局、何も買わずじまい。



妻籠宿


さて、まだ時間は十分ある。道の駅・賤母(しずも)で見つけた資料を頼りに「苗木城跡」へ。
パンフで見る限り、風情のある見晴らしの良さそうな城跡だ。

近年、高田城跡など「天空の城」と持てはやされるところが多いが、苗木城跡もその一つ。
どんなところかと期待半分で車を走らせると、これが凄い!

まさに「天空の城」と呼ぶに相応しい格調ある城跡。
切立った崖を存分に生かした天然の要塞が垣間見えた。

天守台跡の南下に大岩があり、馬洗岩と呼ばれる花崗岩質の自然石があった。
この由来が面白い。

かつて苗木城が敵に攻められ、敵に水の手を切られた時、この岩の上に馬を乗せ、米で馬を洗い、水が豊富であるかのように敵を欺いたのだそうだ。


苗木城跡


妙に感心しながら、最後の目的地となる「岩村城跡」へ。
岩村城は、日本三大山城の一つに数えられる名城。

江戸諸藩で最も高い標高717mに城が築かれており、霧が発生し易いゆえに、別名「霧ケ城」。
女城主でつとに知られた名城だったとか。

岩村醸造の銘酒「女城主」を一瓶買って帰ってきた。
萩が花が付け始めていて、一足早い秋を見つけたようだった。



日本のマチュピチュ・岩村城跡



2017.08.13(Sun)
息継ぎを習って人の波へゆく

第2日曜日は、俳句の会である。
つい先日入会したように思うが、すでに1年が過ぎている。

近詠5句を持ち寄り、無記名にて投句。
これをシャッフルして、人数分に分け、各々が藁半紙に転記する。

10人いれば10枚の藁半紙ができる。
これを1回転させながら、各人が入選句7句(内特選1句)を選んでいく。

特段上手い人もいなければ、特別下手という人もいない。
ドングリの背比べというのが、互選の句会にはちょうど良い。

先週、我が俳句を引っ張り出したので、今日は他人の作品を紹介する。
これら作品から会の実力のほどが知れよう!


お静かに入道雲がふくらむわ   原しょう子

涼しさは四枚重ねの白き皿   清水みな子

先頭に汗の少年バスを待つ   稲垣三千代

推敲のメモ見失う秋暑し   鷲津誠次

朝ぐもり大きなプリン仕込中   二村典子

蝉時雨遣らずもがなが多すぎて   中島憲一

大あんまきコロンコロンと蝉の殻   山田隆雄

庄内は屋根瓦まで油照り   みさきたまゑ

命ある水や水母のかたちして   寺尾当卯



水彩画・鎌倉の海



2017.08.12(Sat)
初心などとうに忘れた草の丈

「川柳すずか」(鈴鹿川柳会)八月号が届いた。
今号では、「すずか路」前号鑑賞を載せてもらった。

選評とは違い、“心の赴くまま”というのが鑑賞である。
礼儀はあるが、そこには束縛も枷もなく、責任も問われない。

見よう見真似、これでいいものか、誰も教えてくれないから、自由気儘に書き殴っているが、どの世界でもやはりポイントというものはあるのだろう。


「すずか路」前号鑑賞  283号から

柳誌を捲る。新聞のチラシをちらと眺めるように、目でページを撫でてゆく。
と、そこに思いがけず素敵な一文に巡り会うことがある。

「川柳文学コロキュウム70」。
代表の赤松ますみさんが、自身の作句姿勢を書いておられる。


「水面下にまだ眠ったままの自分を掘り起こしたい」
「常に新しい表現、言葉を模索してゆく努力を惜しまない」
「作句に対する冒険心を忘れない」

こんな言葉に出合うから川柳が一層好きになる。
句を詠む気持ちがより湧いてくる。

カラオケで喉の具合を確かめる       岡ア美代子

その人なりの健康法があって、朝のカラオケもその一つ。
上手く歌えれば喉は快調、よい一日になること請け合い。
朝のカラオケはその日の準備体操だ。寝坊の人には特にお勧め。
ご婦人にとっては毛穴が開き、美容効果もありそうだ。

火葬して酒盛りをせよ僕の葬        日野  愿

若くして旅立たれた人の葬は涙が付きものだが、長寿の葬には笑いがある。
美味い酒になるのは長寿の葬だ。
だから人は永く生きねばならないと、これは酒飲みの弁。
さあ、地の酒を酌み、乾杯だ。「鈴鹿川」が飲みたくなってきた。

丹念にほどくか切るかもつれ糸       澁谷さくら

もつれた糸をどう解くかは性格にもよるが、その人の生きてきたプロセスに答えがある。
「西になし、東にもなし、来た(北)道さがせ、皆身(南)にあり」とは、一代でえびふりゃー(エビフライ)の「まるは食堂・旅館」を築いた相川うめさんの言葉。
もつれ糸、私なら切ってしまうだろうな。

トンネルを抜けるもう一人のわたし     上村 夢香

トンネルの中で自身を見つめたのだろう。そうしてこれからの行く末に思いを馳せている。
どう自分を変えられるのだろうか、と。川端康成はトンネルの先に雪国を見たが、夏のこと、比喩のトンネルを抜けると、万緑のど真ん中。

内緒です酒で転んだだけですが       前田須美代

内緒にしなくても、酒の上の失敗は笑って済ませられるもの。
いや、須美代さんは大変な酒豪だそうだから、メンツが邪魔をするのだ。
酔った振りもできず、酒豪には酒豪なりの厄介さがある。
かく言う私もそれで何度も苦労した。

痩せたかと思えばゴムが伸びただけ     西垣こゆき

川柳の面白さの一つは「落ち」。落語の落ちと同じだ。
落ち幅が大きいほど緊張が緩和され、笑いがどっと起こる。
こゆきさんの同時作「時々は深夜ドライブポストまで」も、ポストという意外な行き先が落ちとなり、笑わせてもらった。

水くれろなすやきゅうりが死んだふり    松岡ふみお

こちらも「死んだふり」に笑った。死んだふりは、生きとし生けるものの生命力だ。
表記を「ナス」「キュウリ」とせずにひらがなにしたことで、萎びた感がよく出た。
「水くれろ」とは、地獄の底の血の池から叫ぶカンダタの声だ。

ラクガキがある次のページもその次も    坂倉 広美

「ラクガキ」が書かれているのは、日記や手帳ではない。広美さんの人生そのものだ。
そして、それは自身の年輪に意識的に刻んだものだろう。
たかが落書き、されど落書き!「ラクガキ」は、生きてゆくためのメッセージでもある。

焼印を奇麗に消して恋をする        寺前みつる

焼印は、烙印のこと。「烙印を押される」とは、一生涯にわたって払拭されない汚名を受けることで、この句の「焼印」は比喩。罪深い私が生まれ変わって恋をしようというのだ。
みつるさんの同時作「妻の掌の温さ冷たさ日々変わる」にも、常温のやさしさを持てぬ人間の非情さが透けて見える。

うっすらと障子明るく今日始動       千野  力

障子のない家庭でも、障子を通して部屋に入ってくる朝の光は想像できる。
生気が漲るように、人に接吻してくれる朝の光のやさしさ。
「障子を開けてみよ、外は広いぞ!」と言ったのは豊田佐吉翁。
障子を開ければ世界が広がってゆく。

疲れたら猫をもふもふしに行こう      樋口 りゑ

帰るところがあるというのはありがたい。それを人は故郷と呼ぶが、心の故郷はどこにでもある。
愛猫のぺっとりと肌に吸いつく体温の懐かしさ。それは疲れたときの桃源郷だ。
でも、夏には毛を刈ってぼうずっくりにした方が涼しいな。

娘の古稀がとても意外な母の顔       眞島ともえ

「人生七十古来稀なり」は、中国の唐代の話で、現在の七十歳はそれは若々しい。
自分の歳も忘れてしまった母親であろうか?娘が古稀なんて信じられないというのだ。
痛ましいことだが、子へ還ってゆく母を看るのも娘の務めである。

指示はバントなのに絶好球がきた      佐藤 千四

奥様からの指示はバント。そう、走者を先の塁へ進めるための犠打。
長年の夫婦生活ですっかり信用がないからね。私には送りバントが丁度いいと言うのだろう。
ところが、投手からは打ち頃の絶好球。夫として、男として冒険すべきか?

怖いのは圧倒的な葉の白さ         青砥 英規

葉の白い植物と言えば、ドクダミ科のハンゲショウ。半夏生の頃に花を開き、葉が白くなる。
虫媒花で、虫を誘う必要から白く進化したと言われる。
ハンゲショウは半化粧とも書き、四谷怪談のお岩さんさながらのゾクッとする怖さ。



続いて、七月の川柳結果報告です・・・・

展望ネット句会(7/1発表)

蓄えた髭を損したように剃る  「損」 (6点)

岡崎川柳研究社本社句会(7/1)

しあわせを探して爆ぜる草の種  「種」

口笛が出そうな通いなれた道  「通う」 佳句

ざっそうの貌して夏を通過中  「通う」 佳句

質通いそんな時代の人が好き  「通う」 佳句

石鹸の匂い忘れたことがない  「雑詠」 佳句

表札の文字にちいさな芯がある  「雑詠」 佳句

幸せという字が少し痩せている  「痩せる」 (席題)  


咲くやこの花賞(7/8発表)

ごつごつの手触りそうか幸せか  「ごつごつ」


川柳塔おきなわネット句会(7/16発表)  

滑り台まだ人間を降りられぬ  「自由吟」

さくらんぼ命の種を吐いている  「自由吟」 佳作

川柳塔ネット句会(7/22発表)  

粗探ししてはいけない指眼鏡  「見る」  

股のぞきして美しくする未来  「見る」 佳吟


鈴鹿句会(7/22)

幸せという字が少し痩せている  「細い」 (誌上互選)

追伸の二行小骨が突き刺さる  「骨」

遮断機が上がりも一度恋をする  「自由吟」


きぬうら句会(7/23)

罪深いボクに海賊船が来る  課題吟 「舟・船」

まだ余白いっぱいあすへ舟を漕ぐ  課題吟 「舟・船」

猿山のサルからかなしみを習う  課題吟 「習う」

息継ぎを習って人の波へゆく  課題吟 「習う」

手を腰に当て牛乳を飲むマナー  「マナー」 軸吟

辻褄を合わせる力だけはある  「能力」

伸び代を信じて坂道を上がる  「能力」


みえDE川柳(7/28発表

この星で生きよう旨いもの食べて  「星」



2017.08.06(Sun)
生きてゆくため片隅に置く光

午後からは、刈谷文化協会の理事会。
何度もサボっているので、今日は真面目に出席。

と、議案書の中に「第3回刈谷文芸祭」のチラシを発見。
「あなたの一句を!俳句募集!」とあるではないか。

ちなみに、第1回は、「短歌、俳句、川柳を募集します。日常の暮らしや自然の中から感じた想いを表現してください!」。第2回は、「500字エッセイの募集!」だった。

俳句を初めて1年が過ぎたことだし、挑戦してみるのも悪くない。
果たして、この程度の地力で強豪(?)に立ち向かえるか?

丁度よい機会だから、この1年の俳句を眺めてみよう。
多数は川柳の焼回しか柳誌に発表した川柳作品。

「我が子」である川柳が、俳句として通用するかどうかを実験的にやっているので致し方ないが、これからはそんなことでは済まされないだろう。心して掛かりたいものだ。

理想とは遠いところで麦を踏む

コーヒー香るほどの贅沢椿咲く

春眠や始発のバスはとうに出て

パンジーの一鉢読み掛けの絵本

春愁や恋という字を撫でてみる

遅咲きのさくらは少しだけ無口

心地よい風よくるぶしから五月

粽解きいつしか少年へ還る

冷奴きれいな面を上にして

夕暮れの赤さをひとつ天道虫

更衣また少年の木が伸びる

夢いくつ食べたか文庫本の紙魚

逢いにゆく夏の星座を諳んじて

さようなら伐採された樹よ夏よ

遮断機の下りて夏海遠くなる

秋の星うつらうつらとまた眠り

優しい奴だったな夕焼けの絵本

平和ってトンボの目玉乾かない

逢いたくて秋を沸騰させている

秘密基地さがして秋の真ん中へ

ふるさとを想うキリンの首に秋

晩学の危うさツユクサが青い

花嫁を真ん中にコスモスの海

首筋に冬またバスを乗り換える

帽子屋の角を曲がれば冬の風

秋が逝くパラパラ漫画捲るよう

贅沢をひとつ打ち消すように冬

牙ひとつ欲しくて冬の野を駆ける

半人前が生かされている冬銀河

まだ木偶でいられる温さ冬木立

木枯らしと赤いベンチの話し合い

さかずきを干せば過激な冬銀河

あたたかな二月の画用紙を選ぶ

春が来る草木が原子語をしゃべる

ペン先はなめらか春の予定表

少年の微熱さくらはもう近い

新芽吹くポップコーンの爆ぜる音

二錠ほど春の光を飲んで行く

夜更かしは快適 春の星たちよ

空っぽの玩具箱から咲くさくら

どこを切り取っても謎のない五月

指切りの指に五月が絡みつく


紙ヒコーキ飛ぶ新緑の街にいる

逡巡の日々まだ青い夏みかん

炎天や雑誌束ねるようにして

どこまでも青春好きなラムネ瓶

万緑や一リットルの水を飲む

心太しあわせ少し痩せている 

八月の風をあつめる帽子店

水鉄砲たったひとつの空を撃つ

生きている付録のような砂糖水


2017.07.30(Sun)
まださがす青春という遺失物

第5週目ということもあって、平穏無事な土、日曜日。
そこはよくしたもので、参加しようか迷っていた国文祭の事前投句が片付いた。

明日投函すれば、一件落着である。
11月の当日はどうしようか?とりあえずは、交流会ともども参加に○。

今月は、仕事も川柳もとにかく忙しかった。「年更」「算定基礎」という定型業務は言うに及ばず、「川柳マガジン文学賞」、川柳「湖」のふるさと川柳、そして国文祭の事前投句。

その合間を縫って、例会やネット句会の作句・投句に近詠句、課題句の作句提出。
さらに依頼された鑑賞文の執筆等・・・・

昨日、川柳マガジン8月号が届いた。
「柳豪のひとしずく」は小島蘭幸(こじまらんこう)特集。

言わずと知れた川柳塔社の主幹である。
そして、今年6月、全日本川柳協会の理事長に就任された。

小島蘭幸といえば青春群像というイメージがある。
レモンライムのように口中に広がってゆくその爽やかさは、こんな感じ!


恋人の前でワントライを決める

鉛筆一本あれば私の文学よ

水平線を見ている迷い消えている

ふるさとよ大きなパンツ干してある

ライオンの風格に似て子が這うよ

妻の鼻のてっぺんにあるやすらぎよ

淋しい人が集まってくる樹になろう


三省堂「現代川柳鑑賞事典」(田口麦彦編)より



2017.07.23(Sun)
やわらかな線上にいる鳩の群れ

今日は、川柳きぬうらクラブの例会日。
課題「マナー」の選者を賜っていたので、雄々しく出陣。

共選ということもあって、もう一方の選者へは出句。
下の三句であるが、これがあろうことか全没。


人間を愛するためのマナー本

手に腰を当て牛乳を飲むマナー

群衆の中でマナーが咽(むせ)ている


日の目を見ることのなかった“我が子”であるから、この項に記させてもらった。
もう一つの課題は、「能力」。

こちらは二人の選者に二句ずつ入選。


辻褄を合わせる力だけはある

伸び代を信じて坂道を上がる


唯一、没になった句も、この際記しておこう。


無能さは柩に入ってからわかる


入選と落選(没)は、戦と同じで「時の運」。
無論、戦略や戦術、戦闘の良し悪しはあろうが、選者との相性は大きな要因だ。

そればかりに甘えていてはいけないが、それぐらいの大らかさが必要。
次のステップへ進むためには、枝葉は切り捨てるくらいが丁度よいのだ。

さて、次は川柳マガジンの文学賞作品(7/27締切)が待っている。
うかうか芋焼酎で一杯やっていてはいけない!



2017.07.16(Sun)
母さんがいて冒険がまだできる

梅雨が明けたものか、七夕過ぎから蝉しぐれが喧しい。
人はどうであれ、蝉の中では、梅雨明けは宣言されたようだ。

ここ数日は、はっきりしない天気。
夜の散歩も、星々が見えない日が続いた。

ずいぶん遅くなったが、6月の川柳の結果報告です。
明日は「海の日」。青い海原を冒険したくなる・・・・


きぬうら川柳大会(6/3)

あおぞらは友だち天窓を開ける  「開」 秀句 人位

石になるまでは戸惑い続けよう  「惑」

まっすぐに打たれる釘の世界観  「世界」

約束のようにツバメの来る世界  「世界」

詩人にはなれない恋が成就する  「自由吟」


岡崎川柳研究社本社句会(6/10)

巡る日へ時計の針は進ませて  「巡る」

逡巡の日々まだ青い夏みかん  「巡る」 佳句

裸の王様に似合いの夏が来る  「巡る」

敵対の眼は永遠の距離だろう  「視線」

失敗へモグラ叩きが止まらない  「雑詠」

まださがす青春という遺失物  「雑詠」 秀句 地位


咲くやこの花賞(6/8発表)

やわらかな線上にいる鳩の群れ  「線」 人


鈴鹿ネット句会(6/16発表)  

月一でさっぱりを買う散髪屋  「さっぱり」

厄介になる墓ていねいに洗う  「さっぱり」


東海市川柳大会(6/17)

逆上がりするとき猫の目がきれい  「猫」

靴箱に今日一日を閉じ込める  「靴」

生きてゆくため片隅に置く光  「光」 準特選

椅子ひとつ孤高の人を座らせる  「人」

素麺を啜るにんげんらしき音  「人」


川柳塔ネット句会(6/22発表)  

奪われぬように裸の王様に  「奪う」


鈴鹿市民川柳大会(6/25)


桃缶が冷え憎しみは半分に  「憎い」

炒飯の具にする苦手意識など  「苦手」

夏だから恋は薄めの睨めっこ  「自由吟A」

剃刀のようです雨の日の手紙  「自由吟B」

竹筒のようかん恋は奥手です  「筒」(席題)

捨て猫が数匹そこそこの暮らし  「暮らし」(誌上互選)

天窓を開けて暮らしの空を見る  「暮らし」(誌上互選)


みえDE川柳(6/30発表

初心などとうに忘れた草の丈  「誓い」



2017.07.02(Sun)
母さんが走る革命かもしれぬ

午後九時を回った。
世間の注目は、東京都議会議員選挙の結果と藤井聡太四段の連勝記録。

小池百合子率いる都民ファーストの圧勝は確定済みだが、将棋の方は・・・・
現在、藤井四段の劣勢が伝えられている。

連勝記録は、いつかは途絶えるもの。
また、勝負は時の運もある。

しかし、30(連勝)という数字を残したいのは地元の人の情だろう。
藤井聡太負けんなよ、劣勢を盛り返せ!と叫ばずにはいられない。

カレンダーが変わり、七月。
梅雨も後半を迎え、夏空が恋しくなる。

 夏空になるまで青を積み上げる

梅雨最中だから、青を積み上げねばならぬ。
そうすれば、少しくらいいいことが待っている気がする。



2017.06.25(Sun)
どん底も愉快にやろうパンの耳

今朝は、雨の一日を覚悟して鈴鹿市民川柳大会に出発。
無論、鞄の中には筆記用具や国語辞典の他、折り畳み式の傘。

曇り空のままなら、傘を開くこともないがどうなることやら。
人生を占うと言えば大袈裟だが、他愛のない賭けも時々は楽しい。

結果は、傘を一度も開くことはなかった。
日頃の心掛けの良さか、はたまた偶然の産物か?

鈴鹿の成績は下の通りだが、柳友との再会が格別うれしかった。


桃缶が冷え憎しみは半分に  「憎い」

炒飯の具にする苦手意識など  「苦手」

夏だから恋は薄めの睨めっこ  「自由吟」

剃刀のようです雨の日の手紙  「自由吟」

竹筒のようかん恋は奥手です  「筒」 席題


鈴鹿海岸



2017.06.17(Sat)
また負ける涙の準備しておこう

今日は、高浜川柳会メンバーで二年ぶりの東海市川柳大会。
梅雨晴れ間というより、一向に降らぬ入梅時に東海市へいざ参戦。

投句を終え、しばし柳友と挨拶、雑談の後、メンバーたちと大池公園まで。
文字通りの大きな池と深い森に身を置いて、魂が洗われる思いがした。

それが幸いしたものか、結果は5句が入選、内1句が準特選。
東海市教育委員会長賞ゲットという塩梅。

逆上がりするとき猫の目がきれい  「猫」 

靴箱に今日一日を閉じ込める  「靴」

生きてゆくため片隅に置く光  「光」  準特選 

椅子ひとつ孤高の人を座らせる  「人」

素麺を啜るにんげんらしき音  「人」


大池公園の花菖蒲


さて、遅くなりましたが、先月の川柳の結果報告です。


愛川協川柳大会(5/3)

ゆっくりと伸びればいいさ豆の蔓  「ゆっくり」

ネコの眼が光るネットの片隅に  「ネット」

シーソーが揺れるネットの裏側で  「ネット」


岡崎川柳研究社本社句会(5/6)

消えやすいとこから順に塗ってゆく  「塗る」 佳句

塗るたびに欠けたところが顔を出す  「塗る」

叱られてまだ曇天のなかにいる  「叱る」 佳句

叱られて波はいつでも聞き上手  「叱る」 佳句

青空へ歌舞伎役者が見得を切る  「雑詠」

今夜またチンで済ませている独り  「音」 軸吟


鈴鹿ネット句会(5/16発表)

また負ける涙の準備しておこう  「負ける」 秀句

負け方を覚えジャングルジムの上


川柳塔ネット句会(5/21発表)

人間の影を夕日が踏んでいる  「影」


鈴鹿川柳会句会(5/27)


横丁を曲がるとカレーだとわかる  誌上互選 6点

クセ球があるから口笛が吹ける  誌上互選 2点

父の日は父をくすぐる吟醸酒  「くすぐる」

ルビ振ると少しくすぐったい漢字  「くすぐる」

砂を噛むこれで男になれそうだ  「砂」

汗臭い男をかくす砂ぼこり  「砂」

真夏日へ狂ってしまえ砂時計  「砂」

沈黙という怖ろしいふたり旅  「自由吟」


きぬうら句会(5/28)

助っ人になってはくれぬ仁王様  課題吟「助ける」 

生きている助言をくれる空の青  課題吟「助ける」 

底辺に生き青空が好きになる  課題吟「底」 佳吟

どん底で愉快にやろうパンの耳  課題吟「底」 秀句

母さんが走る革命かもしれぬ  「母」 秀句

炊きたてのご飯に母である誇り  「母」 佳吟

母さんがいて冒険がまだできる  「母」 秀句

原色でいようスポーツ続けよう  「スポーツ」 佳吟



2017.06.11(Sun)
電池切れだろうか空が曇りだす

昨日は高浜川柳会の例会日。
高浜中央公民館から場所を変えて、ようやく吉浜公民館に落ち着いた。

仲間の句もずいぶん洗練されてきた。
コトバの選び方、表現方法、そしてリズムも申し分なし。

会員のピカリと光る一句。


新緑の風が悩みの消臭剤   康司

四十の二倍生きても日々惑う   文子

子供らのキラキラネームルビをふる   典子

四季咲きの花に男が試される   清和

噴水のベンチで父の日を過ごす   比呂志


今年から「川柳おかざき 風」の巻頭には、「川柳とわたし」が載せられている。
会員の持ち回りで、川柳に関するそれぞれの想いを綴ったものだ。

6月号は恥ずかしながら私の担当。
拙文ですが、ご覧下さい!


 レモンいれて紅茶薄るる朝から雪  内藤吐天

現代詩を齧っていた私が、短詩系文芸に触れるきっかけとなったのは、その当時、中日新聞に連載されていた岡井隆さんの朝刊コラム『けさのことば』の中の上の俳句でした。

こんなに自由に、やさしく、そして柔らかい一行詩を詠めたらいい。
破調も気にせずに、ありのままの日常を詠める俳句っていいなと思ったものでした。

その感動はいつしか萎んでいきましたが、身体の芯に残っていたのでしょう、短詩系という水を求める心の芽が、あの日を起点に芽吹いていったのです。


平成十五年、市の回覧板で高浜市文化協会主催の「川柳初心者講座」の募集を知りました。
俳句と川柳の違いはあるものの、ともに五・七・五を基調とした十七音の定型詩。

しかも川柳は、心の機微を表現する人間諷詠の詩。
これはやってみる価値はあると受講したのでした。

あれから、十四年。現在、高浜川柳会の世話人をしていますが、これからも柔らかく、やさしく、自由な目で日常(人間)を詠んでいこうと思っています。

 指メガネ覗くこの世は美しい



2017.06.04(Sun)
実像をぶれた写真が語りだす

近所の酒屋から「夏の酒だより」が届いた。
酒の専門店として市外からのファンも多い「美味良酒マルア」だ。

これまで日本酒の蔵開きツアーには何度も参加させてもらった。
一昨年は、半年にわたる日本酒講座(碧南市芸術文化事業)を事実上開催した。

さて、「夏の酒だより」の巻頭には

愛知のお酒を味わおう!日本酒セミナー

とあるではないか!
一昨年の碧南市エメラルド・カルチャークラブ講座をバージョンUPしたものだ。

6月〜11月の毎月第4土曜日 17:00〜18:30
やきものの里かわら美術館 第1スタジオ

各回2,000円(税込) 全6回申し込みの方は10,000円(税込)
もちろん、どの回のセミナーもご試飲付き!(各回とも4種類くらいの酒をたっぷり!)

初回は、「蓬莱泉・空」でお馴染みの関谷醸造・遠山杜氏による日本酒基礎知識@と試飲。
「杜氏さんから直接酒造りの話しを聞いて、お勧めのお酒を味わえる
おいしいセミナー」だとか。

ああ、前途がバラ色になってきた。
とりあえずは6月24日(土)の初回に参加してみよう。



2017.05.28(Sun)
一本の滝になるまで矢を放つ

吉田類(よしだるい)の「酒場放浪記」がいい味である。
ご存知、BS−TBSの月曜夜の人気番組。

酒場という聖地へ酒を求め、肴を求めさまよう・・・

私の家では、BSは見られないので、もっぱらインターネットの動画で見る。
リアルタイムから遅れて数年だが、一向に構わない。

お洒落とはとても言えない下町の酒場。
そこで酌む酒(日本酒が圧倒的に多いが、酎ハイやホッピーもあり)と箸を付ける肴の数々。

酒場の紹介を上から目線ではなく、ただの客として自然体でとてもおいしそうに飲む。
そして、店主や女将や他の客とのふれあいと会話。

吉田さんがほろ酔いになって店を出る頃には、私もしっかり酔っている。
人間と酒場との絆がとても強く映し出されている好番組である。

吉田さんの本業は、イラストレーターでエッセイストのはずだが、「酒場詩人」とある。
若かりし頃に仏教美術に傾倒し、シュール・アートの画家として活動。

パリを起点に渡欧を繰り返し、後にイラストレーターに転身。
90年代からは酒場や旅をテーマに執筆を始める。

俳句愛好会「舟」の主宰でもある。
吉田さんの俳句・・・いいなぁ!


徳利(とくり)よりしろ蝶ほろと舞ひ立ちぬ

ワンタン喰ふ春や乳房の舌触り
 
人魚曳くひとすじ青き夜光虫

定説を蜥蜴くるつと翻す

揚羽蝶ガラスのビルをぬけ去りし

ハイボール弾ける初夏のブルージーン

立ち飲めば無頼の夏のよりどころ

土手刈られ蟋蟀ももを露にす

酔ひ忘る路傍の闇の虫の音に

まどろみし酒樽ひとり言(ご)ちて秋






2017.05.14(Sun)
定型を崩さぬ滝がやわらかい

黄金週間が過ぎてまた日常へ還る。
思い切り羽を伸ばした分、この日常がとてもシンドイ。

ここのところ曇り空が多い。
スカッとした青空なら気分は晴れるが、そうはいかないのがこの世。

仕方ないので、餌をあさるスズメたちを眺めている。
スズメの寿命はいったいどのくらいなんだろう?

さて、先月の川柳結果です!

岡崎春の市民川柳大会(4/1)

お客様と呼ばれて膝が崩せない  「客」

善人もこころのなかに飼う刺客  「客」 佳吟

生きてゆく天動説をまだ信じ  「あべこべ」 秀句

かなしみの向こう笑っている桜  「あべこべ」 

リズムよく生きたか川という流れ  「リズム」 秀句

勝ち負けのリズムは青い空の下  「リズム」

開かねば愛は小さな痣のまま  「開く」


咲くやこの花賞(4/6発表)

深爪で恋を演じているのです  「切る」



鈴鹿ネット句会(4/16発表)

フツウとは違う何かを欠いた夜  「普通」


豊川桜まつり川柳大会(4/16)

新緑の頃のいのちがよく萌える  「グリーン」

逡巡の日々ゆっくりと書く名前  「巡る」


川柳塔ネット句会(4/21発表)

山笑うやはり大きな声だろう  「大きい」


鈴鹿川柳会句会(4/22)


電池切れだろうか空が曇りだす  誌上互選 11点

恋という魔物が胸に棲みついた  「ドキドキ」

切れ味を試され硬くなる南瓜  「試す」

蔵巡り杜氏のハナシより試飲  「試す」


きぬうら句会(4/23)

定型を崩さぬ滝がやわらかい  「滝」 秀句

銀河にも滝はあるのか星が降る  「滝」 佳句

一本の滝になるまで矢を放つ  「滝」 秀句

実像をぶれた写真が語りだす  「実像」 秀句

新緑のなかにわたしの現在地  「実像」 佳句

実像をたしかめにゆく散髪屋  「実像」 佳句


三川連川柳大会(4/29)

いい知らせ束ねて凪の海にする  「束」

桜散りくさかんむりの出番です  「チーム」

誠実に生きて畑に埋めるゴミ  「畑」

たましいを一つ畑に播いている  「畑」

古傷のせい遮断機が上がらない  「古い」

人情に飢えたライオンだっている  「自由吟」



2017.05.07(Sun)
生きてゆく天動説をまだ信じ

昨日は、岡崎川柳研究社の本社句会。
いつもより1時間ほど早く出て、本社句会の前に岡崎公園の藤棚を見物。

JRのさわやかウォーキングの日とも重なり、公園内は多くの人出。
藤は見頃で、まさに藤色の景色と香りを堪能させてくれた。

実は、岡崎公園内にある岡崎城の袂に川上三太郎の句碑がある。

 子供は風の子天の子地の子   

この句碑の建立に努力したのが、岡崎川柳研究社の創立主幹・稲吉佳晶と二代目主幹・曾田規世児である。三太郎率いる川柳研究社(東京)には、並々ならぬ恩恵を受けたのだろう。

後日談だが、岡崎川柳研究社主催の川柳大会で、ある日「碑」という題が出た。
トリの選者・曾田規世児が天に抜いた句が

 記念碑になっても邪魔にされている    青砥たかこ

曾田さんは、「これほど面白い句は初めて見た、私でも作れん」と、コメントしたそうだが、三太郎句碑がしばらく稲吉佳晶邸の庭に捨てるように放置されていた現実を思い出し、苦笑いしたのだろう。

青砥たかこさんは、現在、鈴鹿川柳会の会長。
私は、現在岡崎川柳研究社の幹事で、鈴鹿川柳会の誌友でもある。

面白おかしい関係が見えてくるではないか!



2017.05.03(Wed)
リズムよく生きたか川という流れ

我が家の食卓に苺がお目見えした。
まだ酸味の強い、相変わらずの不揃いの苺だ。

まだ、朝晩は幾分冷えるが、やはりそこは初夏。
日中、汗ばむことが多くなった分、風邪も引きやすいようだ。

世の中は、黄金週間ということで、浮かれている。
あらゆる緑が萌え、初夏の花々は咲き乱れ・・・・。

土曜日は、三重県総合文化センター(津市)にて、三重県川柳連盟(三川連)川柳大会。
この大会は、三川連に加入してなくても参加できるのでありがたい。

アットホームな雰囲気が満ち溢れ、いつもながらの纏まりの良い大会である。
吉崎柳歩会長は、留任。いよいよ長期政権の呈を帯びてきた。

入選句は以下。

いい知らせ束ねて凪の海にする  「束」 

桜散りくさかんむりの出番です  「チーム」

誠実に生きて畑に埋めるゴミ  「畑」

たましいを一つ畑に播いている  「畑」

古傷のせい遮断機が上がらない  「古い」

人情に飢えたライオンだっている  「自由吟」


今日は、愛知川柳作家協会(愛川協)の総会・大会。
こちらは、会員だけが出席できる純度の高い大会になっている。

入選句は以下。

ゆっくりと伸びればいいさ豆の蔓  「ゆっくり」

ネコの眼が光るネットの片隅に  「ネット」

シーソーが揺れるネットの裏側で  「ネット」


さて、川の流れのようにこれから多くの大会が始まる。
大会のリズムがすんなりと腹に落ちる季節になってきた!



2017.04.23(Sun)
子が巣立つ切取り線の向こう側

我が家のささやかな庭に、擬宝珠(ギボウシ)が咲いた。
斑入りの葉の間から茎が伸びて、その先に白い小花を付けている。

萌える新緑の季節に、花は身を寄せ合って何か囁いているようだ。
釣り鐘状の花を下垂らして、鈴蘭のようにどこまでも可憐な花々。

さて、遅くなったが前月の川柳結果です。
年度替わりというのは、とにかく忙しい!


岡崎川柳研究社本社句会(3/4)

光るものボクの中では足の裏  「光」

二錠ほど春の光を飲んで行く  「光」 秀句

竹光でよい人間を斬るのなら  「光」 佳句

ここだけの話が雲になっていく  「秘密」

シャボン玉 涙のわけは話さない  「秘密」 

人間の秘密が見える指メガネ  「秘密」 秀句

かくれんぼするすき焼の葱の中  「雑詠」 秀句

曇天をどう生きようか思案する  「雑詠」 佳句

狩人の眼となり家を捨てる猫  「雑詠」 


鈴鹿ネット句会(3/16発表)

過ちもしっかり包むオムライス  「黄」

水仙の黄にもしずかに加齢臭  「黄」


尾張旭川柳大会(3/20)

雑念を捨ててあしたも陽は昇る  「あさひ」

すき焼の葱の下にもあるチャンス  「チャンス」 秀句  

淋しくはないよチャンスが谺する  「チャンス」

遠い日の声が聞こえる耳の奥  「奥」

閂を掛けてこの世の奥を見る  「奥」

足跡を撫でる逢いたい人ばかり  「足跡」

足跡を見れば普段着だとわかる  「足跡」


川柳塔ネット句会(3/21発表)

目覚ましが鳴る日曜の青い空  「鳴る」

さみしさの底で背骨を軋ませる  「鳴る」


鈴鹿川柳会句会(3/25)

終電は行って眠りについた街  誌上互選 3点

悔恨の数だけぐい飲みが欠ける  「悔しい」

淋しくて点を繋いでいる星座  「点」

一点を見つめ桜が開花する  「点」

歯を磨く声が小さくならぬよう  「自由吟」

満開ってさくらにとって大仕事  「自由吟」


きぬうら句会(3/26)

飴ちゃんを配る善意の光る街  課題吟「配る」 軸吟

巣箱から巣箱へ春を編む小鳥  課題吟「巣」 秀句

子が巣立つ切取り線の向こう側  課題吟「巣」 秀句

雑魚はざこ万年床が性に合う  課題吟「巣」

相槌を打つには早い日暮れどき  「同意」

奔放な妻のかばんにガムテープ  「テープ」 秀句

青春をしている父のテーピング  「テープ」



古民家で見たギボウシ



2017.04.16(Sun)
すき焼の葱の下にもあるチャンス

4月も半ばになった。
今年の桜は花芽の開花が遅かったため、まだ八分散りを保っている。

今日は、そんな桜の麗しい桜ヶ丘ミュージアムにて、「豊川桜まつり川柳大会」。
無論、大会がメインだが、その後の懇親宴(花見)を楽しみに参加された柳人も多かったようだ。

大会は、3人の選者がちゃちゃっと披講を済ませ、すぐに表彰式。
その時間は1時間ほど。12時開会だから、1時には終了したことになる。

そして、八分散りの桜の下へ移動して、花見。缶ビールに清酒、芋焼酎が並べられ、肴は「豊川やしの実」メンバー手作りの天麩羅や旬の野菜の漬物など。

小吟社ならではの、小回りの利く大会と懇親宴。
大会の成績など誰も眼中にない、こんな会があってもよい。

懇親宴の後は、有志による三次会。場所を豊橋駅前繁華街の居酒屋「おかめ」に移し、夜が更けるまで語り合う。おかめのママもまた柳人である。

楽しい一時を過ごし、帰宅は午後11時くらいだったか?
途中社内で寝過ごし、一区間戻るハプニングもあったが、これもご愛嬌。

かくして春の一夜は過ぎてゆく!

 夜更かしは快適 春の星たちよ



2017.04.09(Sun)
青空を入れて愉快な水たまり

昨日、今日と花見には申し分のない満開の桜。
生憎の花曇りの天気が恨めしくもあるが、雨にならずよかった。

昨日は、高浜川柳会の例会日。桜の頃は吟行と洒落てもいいのだが、花より団子(酒)好きな連中だから、作句が危ぶまれて、まだまだ吟行句会はためらわれる。

まぁ、そのうち何か企画しなければならないだろう。
新緑の頃もいいし、紅葉のときでもいい、外に出ることで見えてくるものがあるだろう。

句会を終えて自宅に戻ると、宅配の包み紙。
「川柳瓦版の会」からの表彰盾が入っている。

盾には、「咲くやこの花賞 平成28年度第1位 柴田比呂志 川柳瓦版の会」と記してある。
5日(水曜日)が表彰式だったが、業務多忙で出席できずにいたものだ。

この世はたぶんに奇蹟というものが起こる。「咲くやこの花賞」という、年間を通しての誌上競吟での第1位は名誉なことだが、これが実力と錯覚してはいけない。

いいときもあれば悪いときもある、それが人生。
半世紀以上生きて、辛いことをいくつも経験して、得た教訓だ。

「咲くやこの花賞」には今年度もチャレンジするので、ここらで本当の力が分かるだろう。
今日は一人で乾杯といこうか?昨日も乾杯したはずだが・・・・。

今日は、俳句の会。
名句は生まれようもないが、こんな句を出した。

夜更かしは快適 春の星たちよ



春の大三角形


2017.04.02(Sun)
銀紙にくるんで空を持ち帰る

午後八時、稗田川沿いを歩く。西の空には、ずいぶん低くなった冬の大三角形。
ご存知、ベテルギウス、プロキオン、シリウス。オリオン座があるから一目で分かる。

そして、東の空には、春の大三角形。こちらの目印は、北斗七星だ。
北斗七星の柄の部分を伸ばしていくと、オレンジ色をしたアルクトゥールス。

またそのカーブを伸ばしていくと白色をしたスピカ。
その二つの星と、しし座の尾の先にある2等星のデネボラを結んだものが春の大三角形だ。

寒さを乗り切り、ようやく四月。
今年は桜が遅いのが玉に瑕だが、良い季節になった。

昨日は、「岡崎さくらまつり協賛 春の市民川柳大会」。
我が岡崎川柳研究社主催の唯一の大会だ。

司会という縁の下を担当したお蔭だろう、岡崎市教育委員会賞(3位)と岡崎市観光協会賞(4位)をゲット、出来過ぎ。入選句は↓


お客様と呼ばれて膝が崩せない  「客」

善人もこころのなかに飼う刺客  「客」 佳吟

生きてゆく天動説をまだ信じ  「あべこべ」 秀句

かなしみの向こう笑っている桜  「あべこべ」 

リズムよく生きたか川という流れ  「リズム」 秀句

勝ち負けのリズムは青い空の下  「リズム」

開かねば愛は小さな痣のまま  「開く」


今日は、高浜市文化協会主催の「大山さくらものがたり」。
写真撮影、文芸コンクール、茶会が行われたが、桜がまだチラホラで淋しい開催となった。

文芸(短歌、俳句、川柳)コンクールは三ケタにのぼる作品の応募があり、上々。
穏やかな青天が何よりの味方だった。




2017.03.26(Sun)
二錠ほど春の光を飲んで行く

先週の「三千盛」感謝祭ツアーから一週間が過ぎた。
その間、不思議なことに日本酒が縁を切ってくれない。

翌日の月曜日は、春分の日で「尾張旭川柳同好会創立三十周年記念川柳大会」に参加。
夕方からの懇親宴で、「純米吟醸 八海山」と「久保田 千寿」を痛飲。

日中、投句後に鈴鹿川柳会の美女二人と連れだって城山公園へ行ったものだから、懇親宴でも浮かれるように新潟の銘酒をごくんごくん。まぁ、このノリも悪くない。

火曜日は休肝日。
週二日の休肝日は、昨年の十一月以降続けている。

水曜日は、我が家で「純米大吟醸 越乃白雁」(中川酒造)。
落ち着いた吟醸香、口内でふくらむ上品な味わいが魅力の旨口タイプの酒。

木曜日は、異業種交流会のグループ会。二次会は場所を変えて、グループメンバーのお店へ。
ここで出された「一念不動 純米大吟醸原酒」(関谷醸造)がとてもおいしく、やはり痛飲。

金曜日は休肝日。
週二日の休肝日はいつまで続くか?

そして、土曜日は、神杉酒蔵の蔵開きへ。
JRのさわやかウォーキングに便乗しての無料試飲は果てを知らない。

さて、日曜日。明日は悲しい休肝日だから、今から「純米大吟醸 越乃白雁」を空けてしまおう。
そして火曜日からは、芋焼酎に切り替えるつもり・・・・!



2017.03.19(Sun)
革命を起こそう空が青すぎる

温かい春の一日。今日は「三千盛」感謝祭ツアー。
近所の酒店の主催で、マイクロバスを借り切って、蔵開きへ参戦。

行き先は、岐阜県多治見市笠原町にある蔵元・三千盛(みちさかり)。
知る人ぞ知る、超辛口の清酒を醸し出すことで有名な安永年間創業の蔵元である。

 
美味良酒マルア出発(9:00) → 刈谷駅南口(9:30) → 三千盛到着(10:30)

 → 試飲&屋台のおつまみを楽しむ(約2時間) → 製造蔵見学(約1時間) → 

 幸兵衛窯・市之倉さかずき美術館見学(約1時間) → 刈谷駅南口(4:00) →

 美味良酒マルア到着(4:30)


ざっと上の通りの行程だが、これで終わらないのが酒飲みの卑しさ。
さらに、マルア店内で打ち上げ(反省会)。午後8時、ようやくお開き。

蔵開き日和と言っても過言ではない春の彼岸の日曜日。
酒も良かったが、三千盛の女将さんと娘さんの着物姿がきれいだったのが印象的。


三千盛蔵開き風景



2017.03.12(Sun)
躓いたとこに貴方がいてくれた

この冬は日本酒に嵌っていた。普段は芋焼酎の水割りと決めているが、昨年、鈴鹿川柳会の忘年会で鈴鹿の銘酒「作(ざく)」を呑んでからというもの、日本酒が病みつきとなった。

1月以降を数えてみても、ざっと10品種くらいにはなるか?
覚えているものを書いてみる。

越乃寒梅 純米吟醸 灑(さい)
純米酒 作 穂乃智
純米吟醸原酒 尊王
吟醸 そんのう
鳴門鯛 純米 水ト米原酒
ふなぐち菊水 一番しぼり
久保田 生原酒
三河武士 純米大吟醸

よって、この春はいいさか疲労気味。
適度に呑めば百薬の長だが、呑み過ぎは万病の素だろう。

3月からは、今までどおり芋焼酎に変えている。
たまには日本酒が呑みたい。花見は「作」を持参で花の下へ行こう。

さて、恒例の川柳報告(1/28 鈴鹿川柳会以降)です。
日本酒ほど味わい深いものがないのは残念!


岡崎川柳研究社本社句会(2/4)

滑らかな朝ハミングを口にする  「滑らか」

さよならが滑らかに出る倦怠期  「滑らか」 秀句

奪い合う椅子がごめんなさいと言う  「椅子」 佳吟

冬の椅子 冬の景色と響き合う  「椅子」

孤高とは一枚残るさくらの葉  「雑詠」

煩悩を撫でる毛深くなっている  「雑詠」

逆上がり無心で蹴った日の青さ  「雑詠」 佳吟

逃げているようにも見える豆の蔓  「逃げる」 軸吟


鈴鹿ネット句会(2/16発表)

これ以上好きになってはならぬ線  「引く」


風輪の会(2/18)

これもまた縁だと思う向かい風  「縁」

躓いたとこに貴方がいてくれた  「縁」 秀句


鈴鹿川柳会句会(2/25)

冷えているのは青春の落し物  誌上互選 1点

みんな幸せかと地球儀は回る  「連続」

六感が外れた春のせいだろう  「外す・外れる」

人間がいないと完ぺきな地球  「外す・外れる」


きぬうら句会(2/26)

革命を起こそう空が青すぎる  「空」 秀句

青空を入れて愉快な水たまり  「空」 秀句

銀紙にくるんで空を持ち帰る  「空」 秀句

腹筋を鍛えています向かい風  「腹」

展望ネット句会(2/3発表)

恋をして好きという字が上手くなる  (6点)

恩返ししてくれそうな鶴が好き  (9点)



2017.03.05(Sun)
太陽は見えぬスマホという樹海

昨日は雛納め。雛の顔を吉野紙でくるみ、箱の中にはしょうのうを入れるのが由緒正しいやり方なのだが、我が家では、2月の初めに出し、3月4日に仕舞う、ただそれだけの年中行事。

雛人形の主(娘)が名古屋に就職、実家を出ているので、昨年から雛段を七段から五段にした。
余った人形を供養に出してスキッリ。人形の出し入れも、それは楽チン。

今日は、1ヶ月ぶりの名鉄ハイキング。ハイキングのメインは、「ごんぎつね」ゆかりの里山・権現山(ごんげんやま)。コースは・・・・

住吉町駅(スタート) → 新実南吉記念館 → 権現山 五郷社・植公園 → JAあいち知多植大 

→ 箭比神社 → 阿久比町勤労福祉センター(ゴール) 


「ごんぎつねの里」と言えば、半田市・矢勝川堤防の2百万本の彼岸花が浮かぶが、今日の散策は、対岸の阿久比町(あぐいちょう)の権現山。南吉の童話「ごんぎつね」の背景になったところだ。

山頂には、菅原道真の子孫によって祀られたという伝承が残っている五郷社(ごごうしゃ)が鎮座。
たかだか32bの山だが、運動不足の身にはこたえた。

権現山を後にして、もう一つ名のない山を登る。
その中腹に位置するのが、「
箭比(やひ)神社」。

深い森の中にある急な石段を登る。途中、赤い鳥居をくぐったが、後で分かったが、この赤鳥居をくぐると「おこり」にかかるそうだ。おこりとは、
発熱、悪寒などをともなう熱病。

苔むした石段を気を付けて登っていくと、やがて本殿。
一通り参拝して、帰りは石段ではなく、くの字に迂回した林に囲まれた道を歩く。

真っ直ぐに伸びたヒノキが厳かな雰囲気を作り出す。
深い森の息遣いがヒシヒシ胸に迫ってきた。

ゴールは、阿久比町勤労福祉センター。
ここでは、「お雛さまと吊るし飾り展」。

厳かな静けさから今度は、旅人で賑わうあざやかな巷へ。
家人は、ここが目当てだったらしい。

距離8`、所用時間2時間の散策は、かくして終わりを告げた!
昼食は、半田市内の有名店で、海老フライ定食。



新美南吉



新美南吉記念館



権現山



箭比神社



2017.02.26(Sun)
さよならが滑らかに出る倦怠期

「二月は逃げる」という言葉どおり、逃げていく二月。
大寒を越し、立春を迎え、冬と春とのはざまを光の速さで過ぎていく。

しかし、春などずっと先のこと。まだ冬はゆらゆら湯気を立てている。
日差しはすこしずつ強くなってきたが、暖かさはまだこれからだ。

鈴鹿川柳会の発行誌を眺めている。
昨年から、「すずか路」前号鑑賞を担当させていただいている「川柳すずか」。

半年に一度の鑑賞だが、夥しい句に出会い、視界は確実に広がっている。
拙い鑑賞文だが、春が来る前に紹介させていただく。



「すずか路」前号鑑賞  276号から

その昔、川上三太郎が愛弟子の時実新子を指導する時、三太郎は、新子が作句した川柳の頭に○×だけを添えて返したという。  

×朝からの雨コーヒーの香が恋し  
○味噌汁のどろりどろりと失意抱く 

「素顔の川柳であれ」というのが三太郎の一貫した姿勢であり、指導法。「どろりどろり」の中に新子の苦悩、本音を感じ取ったのだった。


新子の川柳は「私発」。「私の川柳は本音で読む川柳。かならず私を濾過し、自分の目で自分の言葉で自分の本心を表現している」。

訃報続いていっそう浸みる秋の冷え     北田のりこ

寒波のように賀状削除の訃報来る     加藤 吉一


好きな酒入れて別れをする柩     西野 恵子

「川柳界の巨星落つ」の訃報が続く。晩秋に尾藤三柳氏が旅立ち、今日(十二月二十四日)、墨作二郎氏の訃報に接した。お会いすることは叶わぬ二人だったが、句は脳裏に焼き付いている。

「乱世を酌む友あまたあり酌まん」(三柳)
「車座で読むアンネの日記 ビートルズ」(作二郎)

クリームを塗ってと拗ねる足の裏     鈴木 裕子

肌の乾燥する季節。「拗ねる」足の裏にクリームを塗ってあげるのも人の務め。「尊いのは足の裏」と書いたのは、詩人の坂村真民さん(故人)。一生を汚い処と接している足の裏だ。光を発するくらい丹念にクリームを塗り込んであげよう。

一瞬をフォーカスしたぞ猫パンチ     千野 力

愛猫が突然ボクサーのごと猫パンチ。その一瞬をパチリとは、力さんらしい好奇心の成せる業。しかし、猫は元々狩りをする動物。体内の襞に野性を溜めている。ここぞと思うところで猫パンチを繰り出し、生き抜いてきたのだろう。そしてその後は何事もなかったように、猫なで声を奏でている。

雪女粉雪らしいすぐ消える     小出 順子

雪女といえば、小泉八雲の「雪女」を思い浮かべるが、それも束の間、「すぐ消える」で順子さんにどんでん返しを喰らわされた。これが川柳味。レミオロメンの「粉雪」の歌詞「粉雪ねえ心まで白く染められたなら」に心のリセットを期待する私には、とうてい川柳味は身に付かない。

人類も絶滅危惧種かもしれぬ     高柳 閑雲

北極圏のトナカイの平均体重が、ここ十五年ほどで十二パーセントほど減ったという。温暖化の影響で雪が雨となり、草地が氷で覆われることが多くなったためだ。痩せ細ったトナカイだけでなく、サンタクロースもやがて絶滅危惧種となるのだろうか。

これ以上捨てると寒い不用品     西野 恵子

身の周りが不用品ばかりでは鬱陶しくてやり切れないが、かといって、すべてを捨ててしまっては場が殺風景になる。新聞、パンフ、週刊誌の類は捨てる。衝動買いした書籍も処分する。しかし、想い出多いものは本棚に大切に仕舞っておこう。冬ごもりに役立つに違いない。

間をおいてみればすんなり出るこたえ     澁谷さくら

江戸小噺を一つ。若者が昼寝をしているところに大家がやってきて「けしからん、若いうちはしっかり働け」と小言。「働いてどうなるんで」「働けば金が儲かる」「お金が儲かってどうなるんですか」「そうすりゃ、自分の店が持て、いずれ番頭を置いて、主人のおまえはゆっくり昼寝ができる」「ですが、大家さん。あっしはその昼寝を今やっているんです・・・」

落ち穂拾う時代があったミレーの絵     西垣こゆき

落ち穂とは麦の穂。脱穀の時にこぼれた麦の穂を拾い集めるのが「落ち穂拾い」。自分の労働では十分な収穫を得ることのできない寡婦や貧農の人々が命をつなぐための権利として認められた慣行だったという。この秋、朽ちた向日葵が「落ち穂拾い」の光景に見えて仕方なかったことを思い出す。

ひとり暮らしかもコンビニのおじいさん     坂倉 広美

デパートの休憩コーナーに座って漠然と人を見ていると、いつしかひとりの人を追っていることがある。あの人はどんな人なのか、どうしてあんなにうれしそうにしているのか。そばつゆを買って、やさしいお嫁さんにそばを作ってもらうのだろうか。想像の翼は次から次へ広がるばかり。デパートもコンビニも人間社会の縮図だ。

野菜高皮をむくのも惜しくなる     橋倉久美子

今年の野菜の高値は、主産地の北海道に台風が相次いで上陸した影響が大きいが、食べ残しの多い日本の食文化に一石を投じてくれたのも野菜高だった。「犯罪に近い宴の食べ残し」(新家完司)が、今更ながら胸に沁みる。野菜高の川柳をもう一句。「野菜高戦のように値があがり」(中根のり子)

百虫の王はゴキブリだと思う     吉崎 柳歩

かつて立川談志(故人)が「地球が滅亡しても蝿とゴキブリと噺家だけは生き残る」と言ったが、いつの時代も、嫌われ者が世を憚るのは同じこと。「百虫」は造語かと思ったが、カマキリ、スズメバチなどに「百虫の王」の冠をつけることがあるようだ。嫌われ者でも生きなければならないのは同じ。百虫の王よ、頑張れ!


2017.02.18(Sat)
欠けているとこがやさしさなんだろう

今日は、妙喜寺(西尾市江原町)にて、西尾川柳会主催の「風輪の会」(参加者41名)。
物故者の多い岡崎川柳研究社にとってこの数は、大健闘と言えるだろう。

「岡崎」を長年牽引してきた我が師匠・曾田規世児が病魔に倒れてから丸五年。
西三河地区に開拓した川柳教室は多い時期には10会場あったが、現在では6会場。

それぞれの教室が、独自の歩みを続けている中で、年に一度大同団結する。
その集合体が風輪の会である。

「風輪」とは、風の輪と書く。
岡崎の川柳誌「風」に寄り添う仲間の「輪」が、まさに風輪の会なのだ。

本日の入選句

 これもまた縁だと思う向かい風  「縁」

 躓いたとこに貴方がいてくれた  「縁」 秀句

結果、「躓いた・・・」が最優秀句となり、曾田さんの掛け軸をゲット。
ご本人の個性的な字で書かれている句は下。

 人生の挫折を救う母の声    規世児

大切にしようと思う。


妙喜寺にて(住職も会員)


2017.02.12(Sun)
熱燗に小指を入れるときが好き

今日は、「ねのひ蔵開き」(盛田 小鈴谷工場)を蹴って、俳句の会へ出席。
二村典子さん率いる船団愛知句会(ペンキ句会)だ。

搾りたての新酒の魅力がギリギリまで匂い立っていたが、縁あって参加させてもらっている句会だから大切にしたい、という気持ちの方が強かった。

出席者9人、投句者1人。結果は・・・・


生きるって大き目に編むニット帽 (1点)

あたたかな二月の画用紙を選ぶ (3点 内特選1)

春が来る草木が原子語をしゃべる (3点 内特選3)

ペン先はなめらか春の予定表 (4点 内特選1)

春を載せ回覧板がひとまわり (0点)


句会では、 技術的なこともさることながら、読みを中心に学んでいく。初心者にはこれが難しい!相変わらず的外れが幅を利かす。いつになったら的確な読みができるのか?


さて、恒例の川柳報告(12/23 鈴鹿川柳会以降)です。
こちらの方もピンボケが闊歩する!


咲くやこの花賞(1/6発表)

凄いでしょ化学反応後のわたし  「凄い」

ほんとうの凄さを知った空の青  「凄い」



岡崎川柳研究社本社新年句会(1/7)

罪状を告げて一番鶏が鳴く  「酉」 佳句

煩悩の深さで赤くなるトサカ  「酉」 秀句


生き下手な男のような門構え  「門」

花挟入れると消えてゆく鬼門  「門」

立ち飲み屋みんな冬木立になって  軸吟


川柳塔おきなわ(1/13発表)

熱燗に小指を入れるときが好き  「雑詠」

曇天のいつまで続く肩の凝り  「雑詠」


きぬうら句会(1/25)

地球儀をまねて洗濯機は回る  課題吟「ルーツ」

行く秋を惜しんで風の弾き語り  課題吟「弾く」

些かの憂いもなしに四捨五入  課題吟「弾く」 佳句

きれいに着飾る絶滅危惧の鳥  「酉(鳥)」  

啄木鳥のせい唇がヒビ割れて  「酉(鳥)」

大太鼓怒涛の海を呼び寄せる  「楽器」 軸吟

欠けているとこがやさしさなんだろう  「自由吟」 秀句


鈴鹿川柳会句会(1/28)

スマホ持つ少年の手が柔らかい  誌上互選 1点  

太陽は見えぬスマホという樹海  誌上互選 9点

転ばないようにいつでも腹八分  「転ぶ」

喝采を浴びるプランを練っている  「プラン」

気配りを忘れて春に来る寒波  「自由吟」




2017.02.05(Sun)
煩悩の深さで赤くなるトサカ

曇、雨、曇と、切取り線のように連ねた日曜日。
9時前からパラパラ降り出した雨をかえりみず、妻と名鉄ハイキングへ。

今日のコースはわが町・高浜市。ハイキングというより近所を散策している気分。
すべてが見慣れた景色。いつも通っている普段着のままの道々だ。

高浜港駅(スタート) → オニハウス(観光案内所) → 鬼みち → かわら美術館 →

大山緑地公園 → えびせん家族高浜店 → 中部公園 → おとうふ市場大まめ蔵 →

人形小路おいでん横丁(ゴール)

「高浜のカントリーロードを歩こう!鬼みちから人形小路おいでん横丁へ」
の呼びかけも、雨のため、いささか迫力がない。雪中行軍ならぬ雨中行軍の人出もまばら。

しかし、陶器瓦の町・高浜市の自慢はいくつもあって、一押しは、「衣浦観音」。
かわら美術館すぐ北の高台に位置し、高浜の町をやさしく見守っている。

観音寺境内にある高さ8mの陶管焼の観音像は、日本一の大きさとか。
境内へ立ち寄る人は少なかったが、ここはやはり癒しの空間。

高浜の鬼板師で「鬼長」の屋号を持つ浅井長之助氏の製作で、これを焼成したのは、陶管の窯元・森五郎作氏。歳月約4年の苦心の末、昭和34年3月完成。


衣浦観音


二押し目は、大山緑地公園内の「大たぬき」。
長い歳月、公園を行き交う老人や園内で遊ぶ子どもたちを、温かく見守ってきた。

昭和39年建立。陶管焼で高さは5.2m、胴回りは8m。
胴回りの長さは、陶管製の像としては日本一と言われているとか。

大山緑地公園は桜の名所。地元では、千本桜はつとに有名。
散り初めの桜の花びらが、大たぬきの頭に肩に降ってゆく。

今年もすぐそんな季節が来る。



大山緑地公園・大たぬき


2017.01.29(Sun)
旅人は祈りを込めて雲になる

YAHOO!ニュースから下の画像が飛び出した。
真冬のコスモス。季節はずれの色彩を辿っていくと、どうやら沖縄県。

「桃色の魅力に誘われて 沖縄・金武町 コスモス畑にぎわう」の見出し。
そうか、沖縄ではとっくに春。コスモスが咲いてもおかしくない気温なのだろう。


11月から3月までのあいだ、田んぼを休ませるため緑肥として植えられるコスモス。
それが、この時期(本土では一番寒い!)満開になっていく。

札幌の「雪まつり」や秋田県横手市の「かまくら」を思うと、やはり日本列島は東西に長い。
雪掻きで苦労している人たちとコスモスの海で縦横に羽を広げる人たち。

東西の中間地点、西三河地域はまた違う貌をする!



金武町伊芸区・コスモス祭(又吉康秀撮影)



2017.01.22(Sun)
さみしさが握る三色ボールペン

午後からは、仕切り直しの「きぬうら新春句会」。
1月下旬ということもあり、懇親宴は止めて、通常の句会だけとなった。

句会に先立ち、平成28年度「きぬうら作品年間賞」の授賞式。
各会員2句提出の応募作品全80句から秀句3句、佳作5句の推薦を6人の選者に依頼。

秀句に3点、佳作に2点を配点し、獲得合計点により年間賞を決定。
その結果は、何と、何と、最優秀句賞と優秀句一席を私が独占した。

 永遠を入れてかなしくなった箱  最優秀句賞(10点)

 お手玉をするのに丁度いい宇宙  優秀賞一席(9点)

これだけではない。平成28年度 誌上課題吟の部も第2位と健闘。
各賞状と副賞の図書券をいただいたのだった。

句会の成績はさほど揮わず、本来の実力が出た。
まだまだだ。今年は川柳を体系的に学んでいこうと思う。

句会の入選句は・・・・

 大太鼓 怒涛の海を呼び寄せる  「楽器」 軸吟

 きれいに着飾る絶滅危惧の鳥  「酉(鳥)」

 啄木鳥のせい唇がヒビ割れて  「酉(鳥)」

 欠けているとこがやさしさなんだろう  「自由吟」 秀句



冬木立



2017.01.15(Sun)
ユメのある時代を生きた正露丸

朝起きたら一面の雪景色。
雪国を思わす真っ白な光景が、まだ眠い眼に射し込んでくる。

今日の「きぬうら新春句会」は、早々に中止が決定。
楽しみにしていたが仕方ない。主催者はこんなとき本当に大変だ。

昨夜は、懇親宴用の差し入れの清酒「作(ざく)穂乃智」を買った。
準会員の身では、こんなことくらいしか役立てない。

この酒、知る人ぞ知る。
伊勢志摩サミットのコーヒーブレイクにて供された酒だ。

今晩一人でゆっくり味わおう。
川柳仲間に振る舞うのは、これからいくらでもできる。

さて、恒例の川柳報告(11/27 きぬうら句会以降)です。
我が頭上に、秀句よ降ってこい!


岡崎川柳研究社本社句会(12/3)

旅人は祈りを込めて雲になる  「浮く」 秀句

笛を吹く凡人だけがついてくる  「凡人」

凡人もたまには読んでみる聖書  「凡人」

生き下手の愛しいまでに冬の蝶  「下手」 秀句

お祭りの射的倒れたことがない  「下手」

狼にはなれない嘘が下手くそで  「下手」 佳句

欲深い街に小さな赤い羽根  「深い」 軸吟


鈴鹿ネット句会(12/16発表) 

かさぶたを剥いで夫婦になってゆく  「悟る」


きぬうら句会(12/18)

たこ焼の穴にも古きよき時代  「時代」

ユメのある時代を生きた正露丸  「時代」 秀句

温もりがレコード盤にある時代  「時代」

かけうどん一杯ユメを見る銀河  「ほかほか」

百年を生きるほっかほかの笑顔  「ほかほか」 佳吟

しあわせの在庫が増える土瓶蒸し  「ほかほか」


鈴鹿川柳会句会(12/23)

冬の風ボスにはボスの吹き溜まり  「代表」 誌上互選 5点

モネの絵をさがす印象派のとびら  「代表」 誌上互選 1点

こんなにも青い空です油売る  「売る・売れる」

体じゅう宙ぶらりんな片想い  「自由吟」

ていねいに洗った手から虹が出る  「洗う」 席題 3点

手を洗う人間臭を消すために  「洗う」 席題 3点


川柳塔(12/23発表)

さみしさが握る三色ボールペン  「持つ」 秀句



2017.01.08(Sun)
生き下手の愛しいまでに冬の蝶

茶を啜る。
寒い朝の対処法は、これに限る。

暖冬の正月から一転、寒波がこの三河地方にも来た。
雨が雪に変わることはないが、寒さが厳しくなるのはこれから。

昨日は、岡崎川柳研究社の本社句会。
新年句会ということで、いつもよりいくらか多い30名ほどの参加。

恒例の干支のお題では、二句が入選、幸先がよい。
「酉」では発想が広がらないので、やはり「鶏」。

罪状を告げて一番鶏が鳴く

煩悩の深さで赤くなるトサカ

岡崎川柳研究社の柳誌「川柳おかざき 風」1月号を繙く。
今年から、「私の好きな句」に選評(鑑賞)を載せることになった。

その第1回目は私が担当。
作句とは違う世界を作りだすのは、とても悩ましい!


私の好きな句(十二月号より)  

離れてよ皺が私によくなつく     加藤ミチエ

ご婦人にとって皺は大敵。小皺ならまだしも、パワーショベルで掘削されたような皺は「離れてよ」と言わずにはいられない。それでも懐いてくる皺は、長く生きてきた勲章。

バイキングだんだん元が取れぬ歳     加藤千恵子

「バイキング必ず元を取る自信」(青砥たかこ)「ウエストのラインが消えたバイキング」(山本鈴花)などの句を思い出す。元が取れないのは残念だが、歳相応の食欲があることを良しとしよう。

飲み過ぎか桂馬歩きの帰り道     会津庄一朗

「桂馬歩き」とは面白い表現。自分のことか、それとも酔っ払いを客観視しているものか。いずれにせよ飲み過ぎであることは確か。車道は危ないから、歩道をゆっくり桂馬歩きして下さい。

腹が減るとても呆けてはいられない     飯田 昭

ひもじさは辛いものだが、ひもじさを知らなければ呆けが進む、空腹ではとても呆けてはいられない、と昭さん。「犯罪に近い宴の食べ残し」(新家完司)が、呆けを加速させているのも事実。

三本の矢まとに当たった気がしない     小嶋 順子

アベノミクスを暗に批判した句。弓矢は的に命中してこそ価値を生むが、安倍さんが提唱した三本の矢は的に当たったのかどうか。主婦感覚では当たった気がしない、と。

毒舌がことさらはずむ快復期     瀬戸 澄女

お年寄りの毒舌は元気な印。ましてや、快復期には胸のつっかえ棒が取れた分、いっそう毒舌が冴える。家族もこれで安心だ。さて、これからは「寝たきり」老人ではなく、「出たきり」老人でいこう。

世渡り下手で信号運にめぐまれぬ     伊藤たかこ

「タイミング良く信号が青になるかどうかの運」が信号運。が、ここでの信号運は比喩。生きる運すべてを指している。世渡り下手、結構なことです。生きることが下手な人ほど神さまや仏さまに近いのですから。

たいていはコップの中で起きたこと     神谷とみ鼓

「コップの中の嵐」と言う。大した事はない、やがて落ち着く、という意味か。嵐の真っただ中にいると思えることも、振り返れば時間だけが流れていただけのこと。なるようになる、抗ってもしかたない、と作者。

野菜高戦のように値があがり     中根のり子

「戦のように」がこの句の命。今年の野菜の高値は、主産地の北海道に台風が相次いで上陸した影響が大きいが、食べ残しの多い日本の食文化に一石を投じてくれたのも野菜高。

酔うほどに知らない僕があっかんべ     黒川 利一

五代目小さんの「蒟蒻問答」を思い出した。こんにゃく屋の親父が寺であかんべえをしたのを、修行僧が『三尊の弥陀は目の下にあり』という仏教語だと勘違いをして敬服するという噺。「あっかんべ」は僕らの小宇宙。



2016.12.31(Sat)
土に還るみんなきれいな顔をして

大晦日の空が澄んでいる。
この時期は遥かかなたの山々がよく見える。

419号線沿いに車を知立方面へ走らせると、正面に恵那山。
そして、その後方右に南アルプス、左に中央アルプスの山々。

恵那山はまだ雪を冠ってないので、やはり今年は暖かいのだろう。
雪を頂いた恵那山は、革命が起こりそうなほど過激な貌をする。

中央アルプスから離れて手前左には、雪を冠った御嶽山。
西三河地方の住人には、やはり御嶽山が一番の馴染みだろう。

表題は、「川柳塔」のネット句会で秀句をいただいたもの。
お題は「みんな」。
今年の後半は、「川柳界の巨星落つ」の訃報が続いた。

晩秋に尾藤三柳氏が旅立ち、年末には墨作二郎氏も土に還られた。
お会いすることは叶わぬ二人だったが、句は脳裏に焼き付いている。

乱世を酌む友あまたあり酌まん  三柳

車座で読むアンネの日記 ビートルズ  作二郎

さて、今年の大会、句会で秀句をいただいた川柳を紹介する。
これらの句群も、冥土の旅の一里塚である。

夢をまだ探してサルは木に登る

爪を切りあすの仕種を軽くする

海原を染めるカモメという自信

招かれて今日一日をフイにする

恋は終わった黙祷を捧げよう

やわらかい人になろうと湯の町へ

やさしさを辿れば母といういで湯

メール打ちときどき少年へ還る

回り道したから解けた答案紙

その日から鴎になった旅プラン

注ぎ残しないよう今日を傾ける

カモメ舞う今が幸せならばよい

箱庭のキュウリが真直ぐに育つ

奇蹟だな一億人のなかの君

さみしさを抱えた人の来る花屋

未来へは伏流水になって行く

あおぞらのような人です謎がない

暴かれて海という名の水たまり

雨の日はすこし違った世界観

永遠を入れてかなしくなった箱

地図のない旅だ縄電車で行こう

椅子一つわたしの影を座らせる

巻き戻しすると悲しくなる時計

十七音母への想い書き切れぬ

危ないと思うきれいな底だもの

しあわせを呼ぶと返ってくる谺

ゆうやけを呼ぶ魂の泣くあたり

あすという仕切り最終便が来る

煙吐くエントツ永久という長さ

モノサシで測れぬしあわせの段差

いっぽんの滝が流れている微熱

平熱になっては翔べぬかもめーる

人柄が滲むあなたという魚拓

母に逢う靴の冷たいはずがない

激動の時代 湯舟の栓を抜く

淋しさを流そう全開のシャワー

向日葵になろう看護の目をひらく

梅干を真ん中ニッポンの文化

誤りに気づいて青いままの空

誤りを悔い一本の樹になろう

スナップを利かせる妻の言葉尻

肩車そこから明日が見えるかい

指メガネ覗くこの世は美しい

夕焼けは休み時間を知っている

さみしい街だ影だけがすれ違う

青空になるまで揺らすラムネ瓶

うれし涙は伏流水になってゆく

背伸びする踵がつくりだす宇宙

愛された日々幕切れはこんなもの

青空に頬擦りしたいいい気分

あおぞらが広がってくる読後感

旅へ行く未来の帽子取り出して

帽子屋の角を曲がれば冬の風

抽斗に仕舞った秋の日の夕陽

人間ってユメの粉末だよきっと

土に還るみんなきれいな顔をして

幾重にも覆われ明日の背が見えぬ

旅人は祈りを込めて雲になる

生き下手の愛しいまでに冬の蝶

ユメのある時代を生きた正露丸

さみしさが握る三色ボールペン


御嶽山



2016.12.24(Sat)
人間ってユメの粉末だよきっと

昨日は、鈴鹿川柳会の忘年例会。
鈴鹿へは、夏の大会とこの忘年例会には必ず出席する。

おもてなしの精神が全体に息づいていて、とても居心地がよい。
青砥会長、吉崎会長補佐、橋倉会計と、いずれもできた人たちだ。

句会は特筆することはないが、忘年会の後の「封筒回し」がよかった。
封筒回しとは、全員が選者と投句者を兼ねる句会である。

仕組みはこうだ。
全員に配られた封筒に、それぞれ自分で出題した課題を書き込み、それを右の人に回す。

課題の書いた封筒が来たら、2句を作って句箋を封筒に入れて、右の人に回す。
最終的に自分が書いた課題の封筒が回ってきたら、全員の投句が済んだということ。

忘年会とその後のカラオケでの痛飲により、酩酊状態。
そんな中で、よく作ったと思う川柳の数々。

稚拙なのは否めないが、「やればできるじゃない」というのが正直な感想。
11人の仲間で奏でた封筒回しの入選句(私のものだけ)を紹介する。

酒だけが味方と知ったリストラ日  「酒」

いい人ばかりいる人生など困る  「困る」

奪われてからが私の正念場  「奪う」

さみしさの裏側にあるヌード本  「本」

グリーンとは私の生き方の理念  「グリーン」


封筒回しメンバー(吉崎柳歩撮影)



2016.12.17(Sat)



川柳七句

曇天の向こうに生きてゆく痛み

雨天決行 竜巻だって雹だって

充電してます痛いと言いながら

牙ひとつ欲しくて冬の野を駆ける

遠吠えをせよ淋しいと言ってみよ

包み込む愛はこんにゃくだと思う

冒険がしたくて鎧戸を開ける



2016.12.11(Sun)
青空に頬擦りしたいいい気分

絵に描いたような青空。
昨日とは打って変わって、風のない穏やかな日和。

十二月も中旬に入ったというのに、この青空は何だ!
怪しいほど青い空は、まさに国宝級。

 青空に頬擦りしたいいい気分

 あおぞらが広がってくる読後感

家人は、朝から名鉄ハイキングへ。
今年最後とかで、知多郡武豊町界隈の味噌蔵・醤油蔵へ出かけた。

私はというと、午後からの俳句会のために、俳句をひねっている。
詩性川柳が俳句として通用するのかどうか?今は実験中だ。

いずれ壁に突き当たることは間違いない。
やはり何事も一から始めなければ、成就しないものだ。


夜、稗田川のいつものコースを散策。
北の空には沈もうとする夏の大三角形が見える。

そして南の空にはオリオンを含む冬の大三角形。
時刻は八時半少し前か?六つの星が同時に見えたのは初めて。

 半人前が生かされている冬銀河


さて、11月の川柳の月例報告(10/23きぬうら句会以降)。
ひと月が月光仮面より速い!


岡崎川柳研究社本社句会(11/5)

人間が呑まれてしまう秋夕焼け  「包む」

青空をもれなく映す水たまり  「包む」

青空に頬擦りしたいいい気分   「気分」 秀句 人位

あおぞらが広がってくる読後感   「気分」 秀句 地位

旅へ行く未来の帽子取り出して  「帽子」 秀句 地位

裏切りへ深く被ってゆく帽子  「帽子」 佳句

帽子屋の角を曲がれば冬の風  「帽子」 秀句 天位

指切りの文化へ青い風が吹く  「文化」 軸吟


刈谷市民文化祭川柳大会(11/19)

スマホから水平線は見えるかい  「スマホ」

淋しくてスマホの森を出られない  「スマホ」

抽斗に仕舞った秋の日の夕陽  「宝」 秀句 天

真夜中のお宝ふふふって笑う  「宝」

あおぞらに一人芝居の飛行雲  「芝居」

鉛筆と消しゴムだけでする芝居  「芝居」


国民文化祭川柳大会(11/20)

人間ってユメの粉末だよきっと  「粉」 準特選


川柳塔ネット句会(11/22発表)

土に還るみんなきれいな顔をして  「みんな」 秀句 人


みえDE川柳(11/25発表)

店頭にならぶ新刊書の気合い  「気合い」



鈴鹿句会(11/26)

凪の海これから老いが身に迫る  「迫る」(誌上互選) 2点

ラストラン花道なんかないけれど  「飾る」

形容詞だけで話せるもみじ狩り  「飾る」

意識下にある「わたくしは大丈夫」  「意識」

無意識にきれいな方へ寄っていく  「意識」

黒板を拭いたら消える現在地  「自由吟」


きぬうら句会(11/27)

キリギリス歌えよ冬が来る前に  「歌う」(課題吟)

ゆうやけへ放つあしたの応援歌  「歌う」(課題吟) 佳句

少子化へ駄菓子屋の棚やせてくる  「菓子」(課題吟)

綿菓子をふわっと乗せて陽が届く  「菓子」(課題吟) 佳句

背表紙の哀しみ少しだけわかる  「背」

君とまだ背中合わせの冬が来る  「背」

幾重にも覆われ明日の背が見えぬ  「背」 秀句 人位

あおぞらに最敬礼をしてしまう  「とびっきり」

不老不死プラス思考のとびっきり  「とびっきり」

家族写真みんなとびっきりの笑顔  「とびっきり」



2016.12.04(Sun)
旅へ行く未来の帽子取り出して

十二月に入った。
まだ、暮れという気忙しさはないが、締めくくりの月は少しだけ束縛感をもたらす。

昨日といい、今日といい、暖かな日差しに恵まれている。
柔らかい日差しは、暮れの緊張感を振り解き、旅へと誘ってくれる。

今日は、久し振りに家人と一緒に名鉄ハイキングに参加。
ほぼ半年ぶりにリュックを背にした仲間たちと、馴染みある岡崎の景色に触れた。

コースはというと・・・・

東岡崎駅(スタート) → 乙川堤防 → 東公園 → 八柱神社 → 丸石醸造 → 

岡崎信用金庫資料館 → 岡崎公園(八丁味噌グルメフェスティバル) → 

カクキュー八丁味噌 → まるや八丁味噌 → 岡崎公園前駅(ゴール)

乙川の堤防は、河津桜の名所。
岡崎では、この河津桜を「葵桜」と言うらしいが、徳川家の紋所からの命名なのだろう。

暮れの景色の中で、一樹に数枚の葉が風に揺れている。
夕焼け色の葉が柔らかい日差しを浴びて、キラキラ光る波のように輝いて見える。

東公園は、紅葉の名所だろうか?
この時期の東公園は初めてだったが、奥に入れば入るほど違う顔をしている。

紅葉の色彩、濃淡が様々な組合せで眼前に広がり、何かを語りかけてくる。
「いい詩が詠めるか?」とでも聞いてくるように。

丸石醸造では、「純米 三河武士 無濾過生原酒」300mlを購入。
岡崎公園で買ったB級グルメグランプリに輝いたから揚げを肴にちびちび。

八丁味噌蔵のカクキュー、まるやとも健在。
味噌おでんで一杯飲りたくなった。


岡崎東公園の紅葉



2016.11.27(Sun)
愛された日々幕切れはこんなもの

昨日は、妻に駆り出され、半田市の臨海地へ雑草の蔓を採りに行った。
リースを作るのが目的だが、ヒルガオ科の植物だろうか、数bの蔓を数本。

しかし、その生命力に驚いた。繁殖力は半端ではない。
地球が滅びても、この蔓植物は生き残るだろうと思わせる。

幹の太さも尋常ではない。人の首に巻きつけば、命を奪うことくらい容易なのではないか。
ともかく蔓を刈るのに四苦八苦、慣れぬ身には楽ではない作業であった。

今日は、川柳きぬうらクラブの月例会。
選者になっているので欠席はできない。

妻たちは、京都旅行。
晩秋恒例の家族総出の紅葉狩りである。

雨の一日なので、羨むこともないが、今年の京都がどんな顔をしているか?
興味のあるところではある。

さて、句会の入選句は・・・・


背表紙の哀しみ少しだけわかる   「背」  

君とまだ背中合わせの冬が来る   「背」

幾重にも覆われ明日の背が見えぬ   「背」 秀句

あおぞらに最敬礼をしてしまう   「とびっきり」

不老不死プラス思考のとびっきり   「とびっきり」

家族写真みんなとびっきりの笑顔   「とびっきり」


もうすぐ9時になる。妻たちはまだ戻ってこない。
一杯飲んで先に眠ってしまおうか!



2016.11.20(Sun)
背伸びする踵がつくりだす宇宙

行ってきました、行ってきましたよ!
第31回国民文化祭・あいち2016「川柳の祭典」。

所は、愛知県犬山市。国宝・犬山城のお膝元の名鉄犬山ホテル(前夜祭)と犬山市民文化会館(川柳大会)。

今年は愛知県が担当県であるため、前日からスタッフとして心地好い汗を流した。
前夜祭の名札を番号順に並べ、名簿とチェック、参加者の漏れをなくす作業だ。

200名の出席者となると、一つや二つ漏れが出てくるものだが、それを事前に掴みだし、あるべき姿に手直しする作業。努力が奏したものか、トラブルもなく前夜祭は無事終了。

二次会は、岩倉のホテルで宿泊する仲間とホテル前の居酒屋へ。
終了後、まだ呑み足らず、コンビニでビールを購入して、部屋で一人酒。

さて、当日は場内整理を担当。
大会会場案内や投句場所の案内、その他・・・・こちらも大過なし。

川柳会の超有名人、マドンナ、大御所にも逢えて幸せなひと時だった。
全国大会・・・・いいね!先日作った名刺を柳友にお渡しできたのもよかった。

入選句は、当日投句の一句のみ。
しかし、これが準特選。誇らしいことであった。

 人間ってユメの粉末だよきっと    「粉」



国宝・犬山城



2016.11.13(Sun)
うれし涙は伏流水になってゆく

昨日は、「春日の森 市民俳句・短歌・川柳の集い」の表彰式。
毎度のことながら、受賞作品の披講と作者紹介を担当した。

入賞者総勢119名。
短詩系文学といえど、すべての披講は骨の折れる作業である。

それでも小学生、中学生の作品を披講するのは楽しい。
特に小学生の発想には舌を巻くことが多い。↓は、小学生のピカッと光る作品4句。


はなびさくやがてしぼんでまたさいて  高浜小学校  杉浦彩香 

カブトムシ目をあわせれば戦いだ    吉浜小学校  神谷春登

秋の空さんまのほねがささります       〃     影山彩音

かきごおり青のみつだと富士山だ    港 小 学 校  水谷優杏


さて、恒例の川柳結果(9/25きぬうら句会以降)です。


岡崎川柳研究社本社句会(10/1)


憎しみが揺れるカーテン越しの風  「憎い」

憎悪などどこにもないと秋の天  「憎い」

心憎いかたちでアユが遡上する  「憎い」 佳句

逆風に耐えたいのちへ鈴が鳴る  「鈴」

煩悩にときおり鈴を付けてみる  「鈴」

マイペースを貫きとおす猫の鈴  「鈴」 佳句

青空になるまで揺らすラムネ瓶  「染まる」 秀句

草の根に生き草色が満ちてくる  「染まる」

樹海からの風はきっと母だろう  「木・樹」 軸吟


亀山市民川柳大会(10/2)

マドンナに遇い日常を裏がえす  「覚める」

眠りから覚めこれからが正念場  「覚める」

桃缶を開けるとマドンナに逢える  「缶」

恋をして箸の持ち方まで変わる  「箸」

フレンチの箸が哀しい顔をする  「箸」

秋天へなみだの乾くまで待とう  「涙

うれし涙は伏流水になってゆく  「涙」 秀句

秘密基地さがしに秋の真ん中へ  「舞台」

あの世まで妻の舞台で遊びます  「舞台」


豊橋文化祭川柳大会(10/10)

白旗を揚げて妻には甘えよう  「甘える」

愛という薬が効いている孤独  「薬」

ふるさとを想うキリンの首に秋  「自由吟」


鈴鹿ネット句会(10/16発表)

くびすじに秋を感じて仲直り  「秋」

秋風の吹くころ閉じる羞恥心  「秋」


阿久比川柳大会(10/22)

君に逢ういつも小雨のセントレア  「知多」

生きているかと新米が炊けてくる  「新米

夕暮れもおなじ歩幅のまま二人  「相性」 佳吟


鈴鹿句会(10/22)

地球滅亡救命ボートではあかん  「いよいよ」(誌上互選) 2点

いよいよの時は鎖国と決めている  「いよいよ」(誌上互選) 5点


濁点をひとつ消そうと赤い羽根  「濁る」

根を深く下ろせば奪われる自由  「根」

十年後わたしを待ち伏せる私  「自由吟」


川柳塔ネット句会(10/23発表)

ワイパーの吹きムラ雨の日の心  「こころ」


きぬうら句会(10/23)

埴輪からボクの形ができあがる  「つくる」 佳句

背伸びする踵がつくりだす宇宙  「つくる」 秀句 地位

あっけなく剥れるかさぶたも時代  「あっけない」 佳句

愛された日々幕切れはこんなもの  「あっけない」 秀句 天位

シーソーの向こうに秋の日の夕陽  「あっけない」 佳句



2016.11.05(Sat)
さみしい街だ影だけがすれ違う

今月開催される国民文化祭が近づいてきたので、パソコンで名刺を作った。
勿論、川柳大会用のものだが、できたのが↓

今まで、大会で出会ったさまざまな柳人から名刺を頂戴してきたが、お返しできずにいた。
大した書き手でもないので、名刺を作ることは憚るべきものとの意識があったからだ。

一度、「楽生会」主宰の上野楽生氏には叱られた。いや、親身になってくれたのだろう。
「名刺持ってないと仲間の輪が広がらないよ。それは自分の川柳が磨けないということ」

これで大手を振って大会に参加できる。
柳人に出会うのが楽しみになってきた。





川柳七句

許そうよ「秋穫祭」の誤字ならば

秋の天みんな案山子になっている

三文判 秋の契りを忘れない

濃厚な秋をたっぷり召し上がれ

手のひらで握ると痛い秋もある

秘密基地さがして秋の真ん中へ

ふるさとを想うキリンの首に秋



2016.10.29(Sat)
夕焼けは休み時間を知っている

川柳マガジン11月号が届いた。
今号は、第十四回川柳マガジン文学賞の発表号である。

有効応募総数256作品(氏名・住所の抜け落ち等、無効応募作品は除外)。
5名の選考者による審査を経て、大賞には鳥取県倉吉市の牧野芳光さんが選ばれた。

私は惜しくも(?)合点4点で26位。
昨年の5位(合点10点)には及ばないが、まあまあの善戦。

能力、キャリアからして、この辺りが丁度いいところだ。
猫が爪を研ぐのは、標的のうっすら見えるこの位置がよい。

応募した作品はあまり覚えていないが、表題は「月光仮面」となっている。
過去帳を繙くと、こんな作品群が・・・・


 『月光仮面』

振り逃げで月光仮面にはなれぬ

大人だと思うきれいに消してある

バラードのやさしいところまで泳ぐ

かもめにはなれず乾いた窓ガラス

追い風がまだ吹いている振り返る

冷奴きのうのことはもういいよ

生真面目を太らせてゆく湖の底

山肌をあらわにさせて立ち上がる

屯田兵になってあしたを耕そう

正義の味方一生に一度だけ


事務所の本棚に「月光仮面の経済学」(金子勝著)があるので、思いついた表題だろう。
ただ、何が言いたいのか、なにを訴えたいのか、などが一切不明。

締切ギリギリに、ただ応募するだけの目的で書き綴った川柳。
疾風のように現れて、疾風のように去っていく・・・・過ぎ去ればなんにもない作品群。

ちなみに、大賞の牧野芳光さんの作品(↓)は、とてもよい。
私と句風が似ているような。目指すはこの辺りかもしれない。


 『ニアミス』

諦めたものが大きく見えてくる

群青の何かが足らぬ空の色 

青空にあなたは何を描いたのか

オン・オフのはざまに疑問符が詰まる

それらしい顔して手探りで歩く

ニアミスになろうなろうとする言葉

手に触れた言葉が森になっていく

本心が出てしまうからほどけない

見つからぬようジャガ芋の中にいる

人間の臭いぬめりになっていく



2016.10.25(Tue)
指メガネ覗くこの世は美しい

涼しいというよりも、寒さを感じさせる朝。
比較的高温の秋を過ごしてきたせいか、晩秋の風が身に染みる。

調子に乗っていると風邪を拗らせかねない季節。
それはそうだ、落ち葉がカサコソと音を立てている。

テレビでは、ハクチョウが初飛来したニュース。
確実に冬に近づいているのがわかる。

街をゆき子供の傍を通るとき蜜柑の香せり冬がまた来る   木下利玄

土曜、日曜とも、また川柳に浸った。
晩秋の風に乗って遠出するのが楽しい時なのに・・・・

土曜日は、「阿久比川柳大会」(知多郡阿久比町文化協会主催)に参加。
この大会は参加賞として新米(阿久比米れんげちゃん)0.5`がプレゼントされる。

それを目的に行くわけでもないが、20分ほどで到着できる近い距離が魅力。
高浜川柳会の仲間を引き連れて、いざ参戦・・・・結果は3句が入選。

君に逢ういつも小雨のセントレア  「知多」 

生きているかと新米が炊けてくる  「新米」

夕暮れもおなじ歩幅のまま二人  「相性」 佳吟


日曜日は、「川柳きぬうらクラブ」の月例句会。
海(衣浦湾)一つ越した、これまた20分ほどの手頃な距離。

埴輪からボクの形ができあがる  「つくる」 佳句

背伸びする踵がつくりだす宇宙  「つくる」 秀句

あっけなく剥れるかさぶたも時代  「あっけない」 佳句

愛された日々幕切れはこんなもの  「あっけない」 秀句

シーソーの向こうに秋の日の夕陽  「あっけない」 佳句


何となく淋しいのは、しとしと降る小雨のせいか?
迷路へ迷い込んだような、底なし沼へ招かれていくような、そんな錯覚。

さて、今夜は亡くなった同業者の通夜。
もうすぐ出発しなければならない・・・・。


ハクチョウの飛来



2016.10.16(Sun)
青空になるまで揺らすラムネ瓶

夕刻の稗田川を久し振りに散策。
釣り人が数多、川面に竿を下している。

稗田川には、知多湾からボラが上ってくる頃だから、釣り人の狙いはボラだろうか?
川の堤には、今を盛りとホトトギスやホトケノザといった秋の草々。

十月も半ばを過ぎて、季候が揃ってきたようだ。
もう台風の心配はなく、これからは秋雨のたびに寒くなっていくだろう。

昨日は、岡崎川柳研究社の幹事会。
不祥続きだった会の運営を見直すいい機会を得た。

これまで幹事会らしきものは無いに等しかったが、新しい光を求めて幹事会を召集。
幹事が誰かも分からない状態から、一歩進んだことは間違いない。

新会長、組織・運営について、規約の作成、柳誌の見直し、初心者講座の開講など・・・・
本来組織が行うべきことが、初めて俎上に載せられた。

幹事会が終了して、近くの喫茶店で懇親会。
皆で話す川柳のあれこれが楽しい。

今日、川柳「湖(うみ)」第3号が届いた。昨日の懇親会の折にも話題になっていた「湖」。
私の師匠の一人・浅利猪一郎が主宰する誌上大会「ふるさと川柳」の発表号である。

課題は「霧」。
二句共に入選、「霧よ元気か・・・」の方は、佳作も得ている。

癒されにいきます霧の時刻表  (3点)

霧よ元気かラジオ体操しているか  (5点)

優秀句には届かなかったが、二句ともまずまずの成績。
今後も川柳を通して、自分の想い、自分の姿を正直に書きたいものだ。

ついでながら、「霧」の最優秀句、優秀句を紹介する。

最優秀句

一過性の霧です他意はありません  (山本 

優秀句

あれはたぶん父の日記にあった霧  (青砥 和子)

改札を抜けて私も霧になる  (小出 順子)

くるぶしの霧から舟の発つ気配  (伊藤 寿子)

くちびるのその先濃霧注意報  (佐野 由利子)

霧になるまでの助走がおもしろい  (菊池 国夫)

おとうとはすっかり霧になりました  (ひとり 静)

きっかけは霧子の猫を踏んでから  (奥野 とみ子)

霧深くチュッパチャプスが離せない  (松谷 早苗)

魂が乾かぬように霧を吹く  (錦 武志)



2016.10.10(Mon)
誤りを悔い一本の樹になろう

今日は、豊橋文化祭川柳大会に参加。
主催は、やしの実川柳会(椿陽子会長)。

豊橋までは遠い、遠いと感じていたが、4、5回参加を繰り返すと、この長さが手頃な距離に思えてくる。先日の亀山といい、岐阜、大垣も含めて小旅行を感じさせるいい長さ。

長野県の飯田もしかり。次は、静岡あたりを目指そう。
川柳行脚というほど熱は入っていないが、川柳は果てしなく続きそうな道である。

とりあえず、今日の成績。

白旗を揚げて妻には甘えよう  「甘える」

愛という薬が効いている孤独  「薬」

ふるさとを想うキリンの首に秋  「雑詠」

さて、先月の川柳結果
(8/28きぬうら句会以降)です。


岡崎川柳研究社本社句会(9/3)

ちっぽけな殻だ奥歯で噛み砕く  「殻」 

やり直すきのうの抜け殻を探し  「殻」    

さみしい街だ吸い殻のアクセント  「殻」 佳句

阿と吽が同じ電車に乗ってゆく  「乗る」 

深呼吸してから妻のてのひらへ  「乗る」 佳句

肩車そこから明日が見えるかい  「乗る」 秀句 天

風船を仲間のようにカモメたち  「風船」 

風船も逢いたい人がいて旅へ  「風船」

聖戦へ紙ふうせんを膨らます  「風船」

夕焼けを袋いっぱい詰め母へ  「袋」 軸吟 


咲くやこの花賞(9/8発表)

またねって囁くツチノコの明日  「神秘」

雷鳴はなめらかラッピング電車  「神秘」


中部地区川柳大会(9/11)

人生を語りたくなる伊達メガネ  「メガネ」

指メガネ覗くこの世は美しい  「メガネ」 秀句 天


川柳忌・みたままつり句会(9/22)

触れるまで大人しかったバラの棘  「触れる」

人間を脱いで祭りの輪のなかへ  「祭り」



川柳塔ネット句会(9/23発表)  

封をするしあわせ零さないように  「ふさぐ」 佳作


鈴鹿句会(9/24)

得意技でしたね父のモノ忘れ  「技」(誌上互選) 3点

感情を殺しひたすら回る寿司  「ひたすら」

まだ余分あります私売ってます  「余分


以下余白ガムふーせんを膨らます  「余分」

飾らない言の葉自由とはこれか  「自由吟」


きぬうら句会(9/25)

花束のなかに愛する人の文字  「紙」(課題吟) 

夕焼けは休み時間を知っている  「休む」(課題吟) 秀句 天

美しい生き方ですね 落葉樹  「休む」(課題吟) 佳吟

星降るやずっと戦のない暮らし  「星」 佳吟

未来図が描けずこの世を屯する  「危うい」 佳吟 

さみしい街だ影だけがすれ違う  「危うい」 秀句 天 

コンビニの灯り闇夜を作らない  「危うい」



2016.10.02(Sun)
母に逢う靴の冷たいはずがない

今日は、亀山川柳会主催の第12回亀山市民文化祭 川柳大会に参加。
朝8時少し前に出発。8時9分名鉄三河線 三河高浜駅を発し、8時21分刈谷駅に着。

刈谷駅からはJR東海道線。刈谷駅8時27分発、名古屋駅8時45分着。
ここからはJR関西線。9時6分名古屋発、10時6分亀山着。

亀山市文化会館までは徒歩10分弱、よって会場到着は10時15分頃か。
出席者数49名。大会としてはかなり少ない。アピール不足か、はたまた地の利の悪さか?

参加人数が少ないこともあって、10句中9句が入選。その内、1句が秀句となり、中日新聞社賞をゲット。何とも誇らしいことであった。入選句は・・・・


桃缶を開けるとマドンナに逢える  「缶」

恋をして箸の持ち方まで変わる  「箸」

うれし涙は伏流水になってゆく  「涙」 秀句

秘密基地さがしに秋の真ん中へ  「舞台」  他


電車の待ち時間が、1時間近くあったので旧東海道の亀山宿へ。
亀山宿は、東海道46番目の宿場町。

まずは、編照寺(へんじょうじ)。
阿弥陀三尊像と脇侍の勢至菩薩立像ともに三重県指定文化財に指定。

次に、飯沼慾斎生家跡へ。そして、加藤家屋敷跡。
一目で素封家だとわかる屋敷跡だが、すべてにおいて品がいい。

ここまで見て、時間切れ。それでも情緒あるやさしい町並みに癒された。
亀山宿から関宿へ、一度ゆっくり歩いてみたいと思った。


亀山宿の風景



2016.09.25(Sun)
川柳七句

追伸はフランスパンの長さほど

指切りの小指が黙ってはいない

秋風が来る頬骨のあたりから

逢いたくて秋を沸騰させている

何もない身体ひとつを残すだけ

しなやかに生き息継ぎが美しい

鎖骨から遠い海鳴り聴いている



2016.09.17(Sat)
いっぽんの滝が流れている微熱

夏の間休催となっていたJRの「さわやかウォーキング」が、九月に入り再開。
妻と一緒に、静岡県は磐田市までのささやかな旅。あのジュビロ磐田の本拠地だ。

「〜ふるさとの自然100選〜式年遷都を迎えた「鎌田神明宮」を訪ねて、が謳い文句。
まだ30℃を超える暑い中、金魚のようにゆらゆら11.7`のコースを歩いた。

磐田駅(北口) → 今之浦公園 → 福王寺 → 安久路公園 → オープンガーデン「樹」

 → 連城寺 → うさぎ山公園 → 鎌田神明宮 → 天楠神社(高根山古墳) →

ゆばの京華 → 磐田駅(北口)


印象に残ったところだけ拾っていくと、まず福王寺。

千年を超える歴史を持つ古刹で、元々は真言宗高野山の末派として建立。

後、曹洞宗に改宗。平安時代の陰陽師(おんみょうじ)・安倍晴明が諸国行脚中に祈祷をしてこの地の暴風を鎮めたという伝説から、境内には安倍晴明が風神として祀られている。

御朱印をいただきに行ったとき、可憐な花が目に付いた。
八重のピンク色の花が十房ほど。

葉の形からして、「桃」かと思い、聞くと案の定、桃の花。
狂い咲きとのこと。私の頭でなくてよかった!


福王寺


鎌田神明宮。鎌田神明宮は651年創建。鍬・鋤・鎌などが宝物。
「虫封じ」という子どもの健康を祈る、珍しい神事が伝えられている。

本殿内部の横壁上には、所狭しと鎌が供えられていて、少々びっくり。
宮本武蔵に出てくる、鎖鎌の名手・宍戸梅軒を思い出していた。



鎌田神明宮


ゆばの京華(坂口商店)。
ウォーキングの醍醐味は、その土地ならではの品に触れること。

酒蔵などは一番人気で、その蔵の自慢の銘酒を試飲することは大きな楽しみ。
ゆばの京華では、湯葉の試食。湯葉の刺身、野菜や佃煮などとの加工食品も。

どれもが美味。湯葉は、栄養価が高く、カロリーは控えめ。
健康志向の食品として、やがて家庭の食卓を彩る日が来るのではないか?


生ゆば


ゆばの京華を後にして、ゴール(磐田駅)までは1`足らず。もう少しだ。
磐田駅前の「海鮮さかな道場」で鉄火丼980円を食べてからゴール。

磐田の地味なたたずまいと初秋の風。
旅の演出をしてくれたのは、やはり季節の花・曼珠沙華だった。




2016.09.11(Sun)
平熱になっては翔べぬカモメール

昨日は、高浜川柳会の月例句会。
秋が少しずつ顔を出してきたが、まだまだ日中は暑い。

句会後に納涼会を予定していたので、全員出席。
納涼会には、全員渾身の一句を持ち寄っての出席。

その一句の背景を語ってもらうためだ。
一句を物するまでの経緯、心のありよう、想いなど・・・

他人に話す中で見えてくるものがある。
喜怒哀楽を表現する川柳には、これはとても大切なことだ。

今日は、中日川柳会主催の中部地区川柳大会。
結果は芳しくなかったが、秀句(天位)が一つ。

 指メガネ覗くこの世は美しい  「メガネ」

さて、川柳の結果(6/28発表川柳塔おきなわネット句会以降)を報告します。
気付かなかったが、2ヶ月分も溜めていた。



岡崎川柳研究社本社句会(7/2)

にんげんを洗う蛇口は全開に  「洗う」 

クワの実が熟す指切りした道で  「小指」   

いっぽんの滝が流れている微熱  「熱」 秀句 天

平熱になっては翔べぬかもめーる  「熱」 秀句 地

雨の日は雨の日なりの世界観  「深い」 軸吟 



咲くやこの花賞(7/8発表)

淋しさはこんな味だろかくれんぼ  「味」


鈴鹿ネット句会(7/17発表)  

人柄が滲むあなたという魚拓  「滲む」 秀句


鈴鹿句会(7/23)

自惚れもなくてはならぬ挑戦者  「過信」

ふところに辞表を隠し刺し違え  「刺す・刺さる


飲み放題こんな自由があるものか  「自由」 誌上互選


きぬうら句会(7/24)

炎天をほどくレモンの丸齧り  「解く」 佳吟

飴ちゃんを舐めて緊張感を解く  「解く」 

自問自答してカモメはまた迷う  「解く」 

かなしい街だね冷たい語が並ぶ  「冷たい」

母に逢う靴の冷たいはずがない  「冷たい」 秀句 地

ユメのあるはなし冷凍保存せよ  「冷たい」

腕捲りまだ青春をしています  「腕」 課題吟


岡崎川柳研究社本社句会(8/6)

激動の時代 湯舟の栓を抜く  「急流」 秀句 人

急流へメダカも一度行きたがる  「急流」 佳句   

淋しさを流そう全開のシャワー  「急流」 秀句 天

向日葵になろう看護の目をひらく  看護」 秀句 人

海を見る気持ちは同じモアイ像  「像」 佳句

この国のかたちが見えぬ竜馬像  「像」

ハチ公の前でさみしさ膨らます  「像」 佳句

いわし雲いい人ばかり先に逝く  「消える」 軸吟 


咲くやこの花賞(8/8発表)

無意識に行く喝采のあるところ  「にぎやか」


鈴鹿ネット句会(8/17発表)  

青い風あり指切りという文化  「文化」 

梅干を真ん中ニッポンの文化  「文化」 秀句


川柳塔おきなわネット句会(8/19発表)
  

誤りに気づいて青いままの空  「誤り」 秀句 地

誤りを悔い一本の樹になろう  「誤り」 秀句 天



みえDE川柳(8/24発表


誰よりも遠くへ飛ばす梅の種


鈴鹿句会(8/27)

カレーパン一個で凌ぐ崖っぷち  「ぎりぎり」

卓袱台に秋の味覚が鎮座する  「座る


三枚におろして愛を確かめる  「自由吟」


きぬうら句会(8/28)

スナップを利かせる妻の言葉尻  「利く」 秀句 地

酷使した利き腕だから温める  「利く」 佳吟 

猛暑日にウィット利かす通り雨  「利く」 

注目を浴びると角が取れてくる  「注目」

待つ人は数多「火花」の文庫本  「注目」 

夏が逝く陛下の「お心」を残し  「注目」



2016.09.04(Sun)
プレバト

今、「プレバト」が熱い。「プレバト」と突然言っても解かるはずはないが、「あの俳句の超辛口先生」と言えば知る人も多いだろう。

芸能人が俳句、生け花、料理の盛り付けなど様々なものに挑戦。その作品や料理をその道のプロが判定し、才能の有無を査定していくテレビ番組が「プレバト」である。

残念ながら、俳句のコーナーしか見たことはないが、芸能人の俳句を評して、「凡人の凡人たる所以」「才能の欠片もない」などの辛口発言が初中後飛び交う。

そうして独自の添削。かくしてズタズタに切り裂かれた俳句は、羽化した蝶のように華麗に飛び立って行くのである。

俳句の査定方式を説明しよう。事前に出された全員共通の一枚の写真を元に一句詠み、番組に提出。俳人・夏井いつきが査定し、七十点以上で「才能アリ」、六十九〜四十点で「凡人」。三十九点以下で「才能ナシ」の査定となる。

スタジオでは別室から中継を結び、解説や添削を行う(あまりに酷い場合には夏井も匙を投げることがある)。俳句の発表後、作者から俳句に込めた意味などを語ってもらうが、それらも判断材料に加味され、場合によっては減点・ランクダウンも発生する。

夏井は、超辛口先生の異名を取るとおり、俳句に懸ける情熱は本物。「芸能人にそこまで言うか」と初めは視聴者を引かせてしまうが、後に、この本気の指導が技術を磨かせ、人の心を動かしていくのだと解かる。また、着想や表現方法を褒めることも知っていて、句をさらに良くするための手解きはとても美しくみえる。

百聞は一見に如かず。事例を挙げよう。「鎌倉・紫陽花と電車の風景」で一句。今井華(モデル・タレント)の原句(車窓から迫る紫陽花待つは海)に対する句評はこうだ。

感覚のみずみずしい素晴らしい句。紫陽花の風景から海へジャンピングする映像の切替えがいい。作者が夏の海を待っている様子、さらに、もう少しすると潮の香りもしてくる様子が、「待つは海」の中にタッピングされている。惜しいのは、「車窓から」という言い方。「車窓へと」とした方が主役としての紫陽花の動きが出る。

かくして添削句は(車窓へと迫る紫陽花待つは海)。また別に、紫陽花の映像のアップから始めるやり方をも提案。(紫陽花の迫る車窓や待つは海)。「や」で一気にカットが切り替わり、海の光景が眼前に広がると言うのだ。

今井の句は、才能アリ一位の作品。これとて七十八点だから、俳句の深さが解かろうというものだ。残り二十二点をどのように埋めていけばいいのか。才能もさることながら、積み上げていく辛さ、険しさもある。指導も必要だが、己の手で掴み取ることはもっと必要なのだろう。

少し告白をさせてもらうと、この春から俳句の句会に参加している。素人としてはなかなかの善戦。これまで特選が七句。(理想とは遠いところで麦を踏む)(粽解きいつしか少年へ還る)(冷奴きれいな面を上にして)いずれも当季雑詠作品だが、夏井ならばどんな評をしてくれるだろうか。

余談になるが、俳句を長年やっている人に「あれを俳句のすべてだと思わないでね」と言われたことがある。プレバトから受ける夏井の俳句観や添削に対し、若干のやっかみからの忠言だろうが、夏井の解説や添削は、初心者にはとても解かり易いし、俳句の本質が実は映像なのだと教えてくれる。こんな指導法が今までにあったかどうか。

超辛口先生に教えられたこと。俳句は季語が主役、季語の威力は絶大であること。季語になったつもりでモノを捉えよう。「吾亦紅」であれば、あの可憐な穂状の花になり切り、地上数十センチのところで風に揺れながら秋に触れてみよう。

さて、「プレバト」のまとめ。「花火大会の写真」で一句。才能アリを獲得した二句を夏井が、どう評しどう助言したか。しっかり噛みしめようと思う。

湖に花火が照らす寂しさよ」(大鶴義丹)。

着想はどこにでもありがちなもの。しかし、花火が寂しさを照らし出すというところに、詩がある。「照らす」を「灯す」と変えることで、陳腐な表現が俄然生きてくる。湖面に灯される寂しさが映像化される。

(添削後は)「湖に花火が灯す寂しさよ」。

「大輪の轟き焼けて夏が散る」(ミッツ・マングローブ)。

花火と書かずに花火を表現したところがいい。音と匂いと視覚があり工夫がある。しかし、「轟き」が名詞なのか「轟き焼けて」の複合動詞なのかが読み手には解からない。「轟き焼けて」であれば、動詞が三つ重なり混雑感がある。誤解を避けるためにも語順を変えると映像がしっかりしてくる。

(添削後)「轟きの大輪焼けて夏が散る」 

                                    (刈谷文協文芸誌「群生」寄稿)



2016.08.28(Sun)
ゆうやけを呼ぶ魂の泣くあたり

毎月第4日曜日は、準会員として所属している「川柳きぬうらクラブ」の句会日。
岡崎川柳研究社の本社句会とは違い、全体に若々しい。

若々しさは、当然、着想にも表れていて、「これ、いい句ジャン」と叫ぶこと数多。
やはり、指導者が良かったのだろう。既読感、既視感のない句を多く目にする。

手元には、平成27年度きぬうら優秀作品。
作句する上での指標とすべき作品ばかりだ。

【最優秀句賞】

許されるたびに小さな実をつける  (今村美根子)


【優秀賞】

大根の白さ無名のままでいい  (眞島知恵)

恋といういくさマヨネーズを搾る  (柴田比呂志)


【佳作】

恋が融けるぱらぱらぱらと破線から  (伊賀武久)

知らぬ間にまた増えているかすり傷  (仲田早苗)

一滴の水になりたい汚染水  (高橋祐介)

結論は豆乳鍋になりました  (石川典子)

いい方へ道は曲がっているらしい  (堀崎みつ子)


さて、本日の入選句。

スナップを利かせる妻の言葉尻  (利く) 秀句

酷使した利き腕だから温める  (利く) 佳吟

猛暑日にウイット利かす通り雨  (利く)

注目を浴びると角が取れてくる  (注目)

待つ人は数多「火花」の文庫本  (注目)

夏が逝く陛下の「お心」を残し  (注目)



2016.08.21(Sun)
煙吐くエントツ永久という長さ

今日は、常滑焼まつりへ妻と出陣。
主要4会場の内の「イオンモール常滑会場」と「ボートレース常滑会場」へ。

イオンモールの方は、陶芸作家の個展といった風情。
趣のある焼き物が並んでいたが、それらはすべて芸術作品、貧乏人には縁遠いものだ。

続いて、ボートレース会場。こちらは、凄い。
会場の外には屋店が立ち並び、まさにお祭り。

会場内では、焼き物の展示販売の他、イベントがいっぱい。
「手揉み製茶の実演と常滑急須でお茶を楽しむ」「常滑焼の体験・実演」・・・・

中でも感動的だったのは、「常滑の地酒を常滑焼で乾杯!」
「常滑焼酒器と地酒の試飲販売!」

澤田酒造の「白老」吟醸酒と金鯱酒造の純米吟醸酒を試飲。
どちらも美味。金鯱酒造のワンカップを二瓶買った。

それにしても、こんな暑い最中にやらなくても、と思うが、理由ありのようだ。
瀬戸の陶器市も暑いときだったと記憶するが、涼しいときにやって欲しいものだ。

常滑焼まつりの光景は、こんな塩梅!





2016.08.14(Sun)
あすという仕切り最終便が来る

お盆二日目は、家人と二人で浜松までの日帰り旅。
妻は、富士の裾野の御殿場あたりに行きたかったらしいが、遠方では疲れるので止めた。

目指すは、奥浜名湖。妻の愛車を私が運転して、いざ出発。
コースはというと・・・・

 新東名岡崎東IC → 新東名浜松いなさIC → 龍潭寺 → 方広寺 → 竜ヶ岩洞

 → 浜松フルーツパーク → 新東名浜松いなさIC → 伊勢湾岸道豊田南IC

まずは、龍潭寺(りょうたんじ)。天平5年(733)、行基によって開創された古刹。
小堀遠州作の池泉観賞式庭園は江戸初期の造園だが、庭の構成が見事。

本堂の縁に座っていると、風がゆっくり流れるのが分かる。一服の茶を所望したくなる。
他には、江戸の名工・左甚五郎作と伝わる鴬張りの廊下や龍の彫像などがある。

そして、この古刹は、井伊家の菩提寺。
井伊家の歴代当主の位牌、墓、ゆかりの品などが納められている。


2017年の大河ドラマが、柴咲コウ主演による井伊直虎(次郎法師)に決定した。
直虎の生涯の舞台となる奥浜名湖、引佐の井伊谷にあるのが龍潭寺なのだ。


龍潭寺の鬼瓦


次は、臨済宗 大本山 方広寺(ほうこうじ)。後醍醐天皇の皇子である無文元選禅師が開山、国の重要文化財の釈迦三尊像、七尊菩薩堂がある。

方広寺参道入り口にある赤い大鳥居からスタート。
昔ながらの門前町で店先を眺めながら堂々とした佇まいの門(通称黒門)をくぐる。

黒門から少し進むと朱色が美しい山門(通称赤門)。
参道は深い緑に包まれ、ところどころ安置されている五百羅漢。

「哲学の道」と呼ばれる裏参道を通り、本堂へ。
釈迦三尊像も眩しかったが、赤いつり橋、朱塗りの三重の塔が印象深かった。


方広寺・五百羅漢


方広寺を後にして、少し遅い昼食。浜松とくれば、鰻、「奥浜名湖 鰻いしかわ」で鰻重の梅を注文。美味かった、やはり本場は違う!

さて次に控えしは「竜ヶ岩洞」(りゅうがしどう)。2億5千万年前の地層に形成された鍾乳洞。
落差30bのダイナミックな「黄金の大滝」がハイライトのひとつ。気温は真夏でも18度。

東海エリア最大級の鍾乳洞は、私の感覚では郡上にある鍾乳洞に良く似ていた。
神秘的な地底世界は、自然の成せる業だが、発掘した人も偉かった!


竜ヶ岩洞・黄金の大滝


旅の最後は「浜松フルーツパーク」。東京ドーム9個分の敷地を誇る大型果樹園施設。
一年を通してフルーツ狩りができるか、それは3時までの入園者だけ。

すでに4時近くなっていたので、もっぱら園内を散策。
曇天の夏には、これが快適。

りんごの並木は、姫りんごと普通のりんごの競演。
まだ青いりんごの方が多かったが、赤らんでいるのもあって、いい色彩だ。

トロピカル・ワインカーヴでワインの試飲と手作り工房の店で買い物。
試飲は、運転手であるため、黒糖の梅酒を舐める程度、残念!

噴水ショーがある時などは、園内は超満員になるとか。
もう少しこの園の良さを味わいたかったが、時間切れ。

かくして、奥浜名湖の旅は帰路を残すのみ。
また、いしかわの鰻を食べに行きたいものである!


浜松フルーツパーク・バナナ園



2016.07.31(Sun)
川柳七句

林立のビルに乾いてゆくインク

ひと眠りすれば何でもない悩み

平和ってトンボの目玉乾かない

日付印あすも誰かが泣いている

落丁というレッテルは乙なもの

余熱あり恋の教科書手放せず

引きこもり解けたか蓮の花ひらく



2016.07.25(Mon)
危ないと思うきれいな底だもの

少しずつ日は短くなっているが、まだまだ夏の始まり。
夏至のころと比較してはいけないが、それでも淋しいものだ。

「川柳すずか」7月号を繰っている。
「鈴鹿市民川柳大会号」と記されているとおり、熱気の溢れている紙面。

大会からひと月過ぎて、まだその熱気は逃げていない。
素足に纏わりつき、熱い、熱い日を語っているようだ。

この号では、私の「すずか路」前号鑑賞が載っている。
書いたのは、ちょうどひと月前の梅雨最中の一日・・・・


「すずか路」前号鑑賞  270号から

「一筆啓上火の用心お仙泣かすな馬肥やせ」は、日本一短い手紙として知られている。家康の家臣・本多作左衛門が陣中から妻に宛てたこの手紙には、家を守り、家族を愛し、忠義を尽くす思いが短い文の中に簡潔に込められている。

「川柳」は、手紙のようにメッセージ性を持った文芸であろう。一句によって救われた数多くの人たちにとっては、川柳こそ日本一短い手紙なのである。そんな想いを抱きながら前号の「すずか路」を読ませていただいた。

サングラス孫が掛けてはうれしがる     千野  力

紫外線から目を保護する「サングラス」は夏の季語。今ではお洒落の道具として一役買っているが、どちらで用いるかは本人次第。渋さを売りにする力さんにとっては、お洒落の方か。幼い子どもはこんな物珍しいものが大好き。お孫さんのうれしそうな顔が透けて見える。「外すまで美女でありけりサングラス」(末廣紀惠子)

モナリザも鑑賞しない自撮り棒     川喜多正道

ブログがこんなに幅を利かせている現代では、「自撮り棒」というけったいなものが世に出てくるのは当然だが、モナリザくらいはじっくり鑑賞したい。いや、そもそもルーブル美術館で自撮りが許されるのか。先年講演を依頼した、「赤絵」で有名な画家・斎藤吾朗さんはモナリザの公認模写日本人初。それも、あのシャガール以来五十年ぶりというから驚きだ。

お散歩は吠えない犬に許される     石崎 金矢

歩くことが好きである。とりわけ季節の草花や果実を見ながらの散歩は格別。桑の実が熟してきたとか、グラジオラスが生育してきたとか・・・。散歩ですれ違う多くの人は犬を連れている。ほとんどは大人しいが、中には凶暴なのも。犬も人を見て吠えるのだろうから、こちらの責任も半分。しかし、すれ違う犬も半分は大人の対応が求められる。

百までは身辺整理などしない     竹内そのみ

余生を安心して過ごすため身辺整理をすることが「終活」。その終活を百歳までしないという心意気は見事。好奇心、向上心ともに今なお盛んなのだろう。「孫の代実る種なら蒔いておく」。同じく「すずか路」に載せられたそのみさんの作品。百年先を見据えて、これからの人たちの幸せを考えていく、その意気やよし。

ああ言ったこう言われたを聞かされる     岡崎美代子

世の中は「親しき仲にも礼儀あり」だが、母娘の関係にはそれは当てはまらない。娘さんが姑に言われたことを正直に話したのだろう。人生の先輩としては、身につまされることもあるが、大半はどうでもいい話。娘さんとて、一晩寝れば肺腑の底に永遠に眠ってしまうもの。かくして小さなストレスは消されていく。これもまた知恵。

すくすくと願いをこめて巻くちまき     竹原さだむ

端午の節句の食べ物と言えば、関西では「粽」、関東では「柏餅」。私が育った西三河地方では柏餅だった。物の本によると、柏の葉は、新芽が出ないと古い葉が落ちないため「子どもが生まれるまでは親は死なない」、すなわち「家系が途絶えない」という子孫繁栄の意味が込められている、とか。由来も知らず、よくぞここまで生きてきた。

再婚の理由は寂しいだけでした     前田須美代

「寂しいだけ」と自嘲気味に笑うが、こんな大きな理由は他にない。古今亭志ん生の小噺を一つ。「あの旦那、少しは甲斐性でもあるのかい?」「ありゃしないよ、とんでもないろくでなしさ」「どうしてそんな奴といっしょになったの?」「だって・・・寒いんだもん」。男女の機微はかくも深いもの。私で良ければお相手します。

遮断機がアッカンベーと舌を出す     佐藤 近義

踏切を渡ろうとした時に、遮断機が下りてきたのだろう。「アッカンベーをするように」とは近義さんの感性。交通量の多い駅付近には「開かずの踏切」があって、急いでいるときは恨めしい。開かずの踏切の定義は「ピーク時の遮断時間が一時間あたり四十分以上となる踏切」。スローライフもいいが、開かずの踏切を無くす努力も必要だろう。

鴛鴦の仲が良いとは限らない     岩谷佳菜子

おしどり夫婦に見られる佳菜子さん夫婦も、内情は決して仲良しではない、ということだろう。であるなら、安心した。我が夫婦も同じようなもの。実際、おしどりのオスは、メスの産卵まではメスを守り抜くが、産卵後は抱卵や子育てを手伝うこともなく、メスから去ってしまうのだと。オスにはオスの事情がありそうだ。

「どうこうふたり」なんだとばかり思ってた     毎熊伊佐男

三年前から、霊場全九十八ヶ寺を巡拝する「歩いて巡拝(まいる)知多四国」に参加している。そこで目にするのが、巡拝者のすげ笠に書かれた「同行二人(どうぎょうににん)の文字。同行二人とは、お遍路がお大師さまと二人連れという意味。妻と二人で参加しているから、さしずめ「同行三人」といったところだろう。

打たれ続け紙風船が耐えている     瓜生 晴男

打たれるものはみな耐えている。サンドバックも紙風船も。生活のために働く私だって耐え続けなければならない。苦痛がやがて快楽に変わるものと、耐え切れずに爆発するものと、違いがあるのはそこだけだ。一読して、黒田三郎の詩「紙風船」を思い出した。美しい願いごとをするように、何度も打ち上げる紙風船があればいい。

ポストまで行けば迷いは消えるはず     青砥たかこ

恥ずかしながら初恋(?)の頃を思い出した。投函するかしないか迷ったラブレター。叶わぬ恋とわかっていたが、書かずにはおれなかったこと。ポストまで行けば投函するしかないと、清水の舞台から飛び降りたこと、など。たかこさんの迷いはそんな安直なものではないはずだが、迷った日は、振り返るといつも美しい。



2016.07.16(Sat)
巻き戻しすると悲しくなる時計

7月のカレンダーを眺めている。
イタリアのアマルフィ海岸。

青く光り輝く海から「世界一美しい海岸」とも称される
アマルフィ
急峻な斜面にはカラフルな民家やホテルが建ち並ぶ。

この光景、見せてあげたいな。
どんな言葉より美しいかも・・・・


世界遺産・アマルフィ海岸


さて、川柳の結果を報告(5/29きぬうら川柳大会以降 欠席投句の「鈴鹿句会」は、柳誌到着後の報告)します。


鈴鹿句会

人間になろうとロボットも必死  「自由吟」

青い星なぜ人間は奪い合う  「奪う」 誌上互選


展望ネット句会(6/1発表) 

「奥」で二句投句するも全没


岡崎川柳研究社本社句会(6/4)

巻き戻しすると悲しくなる時計  「時計」 秀句

しあわせか時計回りに生きてみて  「時計」 佳句    

どうせなら笑って落ちよ砂時計  「時計」 

美しきもの口コミというチラシ  「チラシ」

旅行社のチラシでさあ非日常へ  「チラシ」

あおぞらを限定品で売るチラシ  「チラシ」 佳句

十七音母への想い書き切れぬ  「短い」 秀句

一生は短距離走とおもいます  「短い」

越えられぬ海です母の水たまり  「水」 軸吟  


咲くやこの花賞(6/8発表)

危ないと思うきれいな底だもの  「底」 天


鈴鹿ネット句会(6/17発表)  

「裸」で二句投句するも全没


鈴鹿市民川柳大会(6/18)

冷奴こんないい手がありました

テキトーを許さぬ全開の蛇口

溺れてもいいかな美しい海に


みえDE川柳(6/24発表


「笑う」で二句投句するも全没


きぬうら吟行吟(6/19)

青空に遠吠えばかりしてしまう  「呼ぶ」

しあわせを呼ぶと返ってくる谺  「呼ぶ」 秀句

ゆうやけを呼ぶたましいの泣くあたり  「呼ぶ」 秀句

半歩ずつゆく夏至という折返し  「仕切る」

あすという仕切り最終便が来る  「仕切る」 秀句

生きる意味など問わぬ白鷺の舞い  「吟行吟」

煙吐くエントツ永久という長さ  「吟行吟」 秀句


川柳塔ネット句会(6/25発表)  

アジサイは手紙 小説とも思う  「思う」


川柳塔おきなわネット句会(6/28発表)
  

モノサシで測れぬしあわせの段差  「差」 秀句



2016.07.03(Sun)
椅子一つわたしの影を座らせる

七月になった。
まだまだ雨雲を纏った空を恨めしく見上げているが、もう少しだ。

 夏空になるまで青を積み上げる

今は、ただ一途に青を積み上げる時期。
しとしと降る雨の中、じっとり湿気を含ませている中だからこそ、それができる。

夕刻、妻と稗田川沿いを散策。
桑の実をを見ようと、いつもより早く、まだ明るいうちに。

樫(かし)、楢(なら)、欅(けやき)、山桜、椋木(むくのき)、椚(くぬぎ)の中に一本だけある桑。その実がどれほど熟しているか?

しかし、遅かった。枝から桑の実はすでに落ちてしまっていて、その姿を見られず残念。
六月初旬から中旬くらいまでが旬というところか?

桑の実は英語で「マルベリー」。
我が家で毎年採れるブラックベリーに良く似ている。

さて、肝心の散策の方はと言えば、突然のスコール。
コンビニの軒で雨宿りしながら、迎えの車を待つことになった!



桑の実



2016.06.26(Sun)
川柳七句

かなしみの奥で鳴いてる鳩時計

何もないのが美しく見えてくる

青空を掴むジャングルジムの上

進化論ざっそうはまだ雑草で

少年に還れば風が見えてくる

過去形のキミと終電車のなかで

引きこもり解けたか蓮の花ひらく



2016.06.19(Sun)
永遠を入れてかなしくなった箱

昨日は、「鈴鹿市民川柳大会」に参加。
選者だった昨年に比べ、今年は気楽なものだ。

宿題を句箋に写し、席題「危険」をチャチャとやっつけ、投句箱に投句。
「さて、白子の海岸にでも出よう」と思ったが、真夏のような日差し。

日焼けを避けて、柳友たちと大会会場である「東樽鈴鹿店」で専ら雑談。
一年ぶりの友たちと、共通の話題には事欠かさない。

入選句は辛うじて三句、“適当”に詠んだのがいけなかった。


冷奴こんないい手がありました  「適当」

テキトーを許さぬ全開の蛇口  「適当」

溺れてもいいかな美しい海に  「自由吟A」


今日は、川柳きぬうらクラブの「吟行会」。
蔵と運河の街として知られる半田市中村町周辺を散策し、句箋にしたためた。

発見と想いが重なった時、深みのある句になるのだろうが、そうは問屋が卸さない。
吟行句は、「見たさま」になりやすく、俳句のような句が多かった。


しあわせを呼ぶと返ってくる谺  「呼ぶ」

ゆうやけを呼ぶ魂の泣くあたり  「呼ぶ」

あすという仕切り最終便が来る  「仕切る」

煙吐くエントツ永久(とわ)という長さ  「吟行吟」



半田運河・蔵の街



2016.06.12(Sun)
地図のない旅だ縄電車で行こう

我が家のブラックベリーが実を付け始めた。
まだ青い実だが、ひと月もしないうちに収穫できるだろう。

ブラックベリーはとても強い植物とみえて、初年度から太い茎になり、夥しい実を付けた。
三度目の今年はさらに多くの実を付けるだろう、楽しみだ。

果実は、梅酒をつくる要領でホワイトリカーに氷砂糖を加え、涼しい所に寝かせておく。
半年後にはみごとな果実酒となる塩梅、これまた楽しみだ。

さて、川柳の結果報告(4/29三川連川柳大会以降 欠席投句の「鈴鹿句会」および「きぬうら課題吟」は、柳誌到着後の報告)です。


鈴鹿句会

キャンバスに何も描かないのも答え  「贅沢」

Tシャツの下から海が迫り上がる  「シャツ」

捨てぜりふ吐いて桜は散ってゆく  「自由吟」

二重線引いて元気と書き直す  「元気」 誌上互選



きぬうら課題吟

空っぽの玩具箱から咲くさくら  「箱」 佳吟

夕焼けをこっそり仕舞う玩具箱  「箱」 秀句 地位

永遠を入れてかなしくなった箱  「箱」 秀句 天位

寄り道が好きで冷たい雨もいい  「冷たい」


愛川協総会川柳大会(5/4)


いい人ができて光がやわらかい  「陽気」 

心地好い風よくるぶしから五月  「陽気」 軸吟

さみしさを抱えた人の来る花屋  「気配」 秀句    

未来まで飛ぼうよタンポポの綿毛  「未来」

未来へは伏流水になって行く  「未来」 秀句 


岡崎川柳研究社本社句会(5/7)

どこを切り取っても謎のない五月  「謎」 佳句

謎一つ抱えてシャドーボクシング  「謎」 佳句    

あおぞらのような人です謎がない  「謎」 秀句 地位

幸せになれそう長いおまじない  「長い」 佳句

文学をまだこころざす小銭入れ  「小銭」

三文の徳がようやく分かりだす  「小銭」 佳句

満天の星ですユメを買う小銭  「小銭」 佳句 

無意識に探す忘れていたユメを  「探す」 軸吟


咲くやこの花賞(5/8発表)

いい人ができたんだろう風光る  「ばれる」

暴かれて海という名の水たまり  「ばれる」 天



津市民文化祭川柳大会(5/15) 

懐かしい人にときどき逢う輪廻  「なるほど」

一手打つたびにどよめく鬩ぎ合い  「なるほど」

追伸のなかに本音がてんこ盛り  「詰める」

十七音入り切らない片想い  「詰める」

湧水を無駄にはしない村おこし  「無駄」

さようならのときも炭坑節踊る  「踊る」

母さんをまだ踊らせる過疎の町  「踊る」

柔らかな風が集まるあずきバー  「集まる」


鈴鹿ネット句会(5/18発表)  

「腐る」で二句投句するも全没


川柳なごや夏の川柳大会(5/21)

聞き流すことを覚えた通過駅  「流れる」

朝採れのホウレン草という自信  「草」

遠泳をしてもやっぱり妻の海  「やれやれ」 佳吟

海になる望みもあった水たまり  「やれやれ」 佳吟

指切りの指に五月が絡みつく  「薫る」

旬の風吹いて二人になる予感  「薫る」


川柳塔ネット句会(5/23発表)

父は子へ海の大きさ語り継ぐ 


みえDE川柳(5/27発表


雨の日はすこし違った世界観  「世界」 天


きぬうら川柳大会(5/29)

夏服を着てまた少年の木が伸びる  「衣」 

大好きなあなたを入れる袋綴じ  「衣」 軸吟 

地図のない旅です縄電車で行こう  「旅」 秀句 天

輪の中にいよう素直になれるなら  「輪」 佳吟

一本の滝になろうと輪をくぐる  「輪」 佳吟

椅子一つわたしの影を座らせる  「自由吟」 秀句 人

夏空になるまで青を積み上げる  「自由吟」 佳吟




2016.06.05(Sun)
雨の日はすこし違った世界観

今日も元気に名鉄ハイキング!
この時期恒例のコースということで、「桶狭間古戦場と有松絞りまつり」。

東海地方は昨日が梅雨入り。
そぼ降る雨を纏いながら、妻の運転する車で名鉄・知立駅まで。

知立駅からは、名鉄本線の急行で一区間、前後駅で下車。
“歴史と伝統が息づくコースの始まり始まり・・・・

前後駅(スタート) → 三崎水辺公園 → 諏訪神社 → 沓掛城址公園 → 

二村山(展望台) → 桶狭間古戦場伝説地 → 高徳院 → 有松絞りまつり会場

→ 有松駅(ゴール)


終日傘を差しながらの行軍。雨は止むようで止まない。
第1のスポットは、豊明市の「三崎水辺公園」。

市民の憩いの公園として知られ、桜の名所。
ライトアップされた夜桜は神秘的な映像を醸し出すとか。


三崎水辺公園


続いて、「諏訪神社」。沓掛城址公園の手前にあり、何かありそうでなさそうな村の社。
巫女さんが余りの忙しさに目をクリクリさせていた姿が印象的。

沓掛城址公園。沓掛城址保存会による火縄銃の空砲や太鼓演技などイベント数多。
棒ジュースをいただき、夏を実感。それにしても朝からの雨が恨めしい。


沓掛城址公園


沓掛城址公園から約2`を歩くと「二村山」。
ここも桶狭間古戦場まつりのイベント会場。

この標高71.8bの山が、歴史的な意味を持つのか分からぬまま到着。
二村山保存会による、味噌汁のサービスがあった。


調べると、この山ただ者(?)ではないらしい。「二村山」は歌枕にもなっているようで、平安時代の頃から数多くの歌や紀行文の題材にされてきた。

現在でも山頂から山麓にかけて、その長く風趣な歴史を物語る歌碑・石碑がいくつか残されているとかで、要は歴史のある山なのだ。


二村山・切られ地蔵尊


二村山を下り、「桶狭間古戦場伝説地」へ向かう途中から雨が上がり、少し楽になった。
伝説地まで3.6`。アップダウンの多い道のりをただ淡々と歩く。

「桶狭間古戦場伝説地」「高徳院」ともに、まつりのイベント会場。
高徳院は、桶狭間の戦いの時、今川義元が本陣を張った寺。

境内にはタブの木があり、歴史的に意味のある大木らしいが、省略。
いよいよ、有松絞りまつり会場が近づいてきた。

止んだかと思えばまた降る生憎の雨。
大雨でないのが救われるが、雨の中にあっても大層な人出であった。

雨でない時の画像を二つ。








2016.05.31(Tue)
川柳七句

未来など信じていない豆の蔓

危機感がわたくしを透明にする

喪失という頼りないものが好き

ザクザクと刻んであたらしい私

飯を炊くとき新緑はあざやかに

五月病きっとやさしい人に逢う

傷ついた鳥に巣箱がやわらかい



2016.05.29(Sun)
箱庭のキュウリが真直ぐに育つ

玄関先のクジャクサボテンが咲き出した。
緋の色が周りの新緑に溶けて、うっとりする。

季節の花たちは、己の出番を知っていて次から次へ咲き誇る。
人間よりも遥かに利口なのだろう。

昨日は、「歩いて巡礼(まいる)知多四国」の巡拝コースに妻と二人で参加。
曇天の中を、約9`の道のりを淡々と歩いた。

コースは・・・・

太田川駅(スタート) → 観福寺 → 弥勒寺 → 清水寺 →観音寺 → アピタ

→ 聚楽園駅(ゴール)

妻の皆勤賞に比べて、時間のある時だけの参加だが、いい刺激になっている。
元より信心などありはしないが、お参りをする群れの中にいると、心が洗われる。

自らの健康を気遣い、また身の回りの人たちの幸せを祈る善男善女たちばかりだ。
悪人もいるには違いないが、祈りを捧げるときは身の悪を忘れているのだろう。

世知辛い世の中にも、いいことが転がっている気になるから不思議だ。
以下、それぞれの寺を画像で紹介する。


第82番札所・雨尾山 観福寺



第83番札所・待暁山 弥勒寺



第84番札所・瑞雲山 玄猷寺



第85番札所・慈悲山清水寺



第86番札所・大悲山観音寺


2016.05.22(Sun)
未来へは伏流水になって行く

数日前の新聞に、落語家・柳家喜多八が癌で亡くなったことが載せられた。
人間国宝・柳家小三治門下の二番弟子で、あの学習院大出、享年66歳だった。

実は、この人、名人になるのではないかと久かに睨んでいた。
気だるそうに話す姿からは想像できないだろうが、話の深み、人間描写は見事。

混沌の闇からいつか青空へ突き抜けていくのではと思っていた。
その暁には、名人という称号が授かるのだと・・・・。

これで三度目だ。桂三木助(4代目)、古今亭右朝、そして喜多八。
いずれ名人と予感させた落語家が、いずれも若くして鬼籍に入った。

見出しは、愛知川柳作家協会の総会大会の折に秀句として採られた句。
「未来へは伏流水になって行く」(課題「未来」)

落語家に限らず、名人というものは伏流水のように長い長い歳月を要するものだろう。
その時のための準備を欠かさず、目的へ邁進する者だけが授かる称号なのだろう。

無論、天賦の才も大事だが、今は、想いの強さの方が肝心だと思っている。
三木助は自殺だったが、右朝、喜多八は癌、病苦を克服する人間力も大切だ。



2016.05.15(Sun)
さみしさを抱えた人の来る花屋

「川柳すずか」5月号が届いた。
表紙絵は「トリカブト」の花。鈴鹿川柳会の青砥たかこ会長自らの挿絵である。

トリカブトは有毒植物の代名詞のように言われるが、花は釣鐘草のように可憐で鮮やか。
根に猛毒を持つとはとても信じられない。

物事は、押しなべてそうしたものだろう。信じられないことが多発するこの世の中は、元々信じてはいけない世の中なのだろうか?

さて、この号ではエッセーを掲載してもらったので紹介する。
川柳ではなく「俳句」の話だ・・・・題して「船団の会 愛知句会」


初めて俳句の句会に参加することになった。「船団の会 愛知句会」(愛知県刈谷市)である。「船団の会」といえば、「三月の甘納豆のうふふふふ」で知られる俳人・坪内稔典さんが代表を務める会だが、坪内さんを慕う会員が大勢いて、全国各地で句会、勉強会を開催している。愛知句会の世話人は、才色兼備を絵に描いたような二村典子さん。

そもそも二村さんとの出会いは、碧南市で毎年行なわれる「大浜てらまち俳句ing」。「まちが、くらしが俳句(うた)になる」をテーマとして、港があり、寺社、路地、蔵が多く点在する歴史地区「大浜」を舞台にした俳句吟行会である。二村さんはここで選者をされている。表彰式の後に一度、句会参加のお誘いを受けたが、そのままになっていた。

あれから五年半が経過する。先月、川柳の仲間を介してメールをいただいた。安城市内にある川柳会を紹介して欲しいとのこと。二村さんは川柳も達人で、安城市のとある公民館で川柳を教えている。その初心者講座の全日程が近く終了する。その後も続けたいという会員のために、受け皿を用意しておきたいとのことだった。

早速、安城川柳会を紹介。その際、俳句への思いも捨てがたいとメールで囁いたところ、このたびの俳句会初参加と相成った次第。長年胸に燻っていた俳句への魅力が土筆のように顔を出したものか、神さまが私の淡い恋心を察したものか、「しのぶれど色に出でにけりわが恋はものや思ふと人の問ふまで」(平兼盛)を地でいく結末となった。

さて、イントロが長くなった。この日の句会は十名の出席。内容は終始一貫した互選研究である。慣れないこともあるが、息がつけない、息継ぎが難しい。当季雑詠五句を持ち寄り、清記。そこから各人七句(その内一句を特選)を入選とする互選。集計の後、入選句の合評が延々と続く。息絶え絶えの私の結果はというと・・・

理想とは遠いところで麦を踏む(5点)

春眠や始発のバスはとうに出て(1点)

パンジーの一鉢読み掛けの文庫(1点)

括弧内の点は入選句に選んだ人の数を点数付けした。「理想とは・・」の句は一人から特選に選ばれている。初回にしては大健闘である。元より川柳の学びのための俳句と位置づけているが、「ミイラ取りがミイラ」(ちょっと違うか?)になりはしないか、少々心配になる。川柳と俳句との相乗効果を秘かに期待しているというところが本当なのだろう。

句会で二村さんに学んだこと。俳句は季語が主役、季語の威力は絶大であること。季語になったつもりでモノを捉えよう。「犬ふぐり」であれば、あの可憐な青い花になりきり、地を這う目線で春の景色を見てみよう。この日、最高点(6点)を獲得した句。

啓蟄のここはあぶないここもあぶない   二村典子



2016.05.08(Sun)
奇蹟だな一億人のなかの君

黄金週間が終わった。
家族で行った琵琶湖や天王川公園(津島市)の藤まつり、いい思い出になった。

家の中でぼっとしているより何百倍もいい。
左右の足で知らない土地を踏み、見たこともない景色を見るのがいいのだろう。

この間、川柳の大会が二つ。
三重県川柳連盟の大会(津市)と愛知川柳作家協会の総会・大会(豊橋市)。

さほど遠方ではないが、日常から少し離れた距離というのが良かった。
しかし、片道二時間まで、それを越すと泊まりたい気分になってくる。

さて、恒例の(誰も期待していないが)川柳の結果報告(3/27きぬうら句会以降 欠席投句の「鈴鹿句会」は、柳誌到着後の報告)。


鈴鹿句会

案外と近いところにある地獄  「近い」

淋しくて何度も開ける自動ドア  「扉」

叶わないことは時代のせいにする  「自由吟」

人間のにおいを嗅いで逃げる蛇  「賢い」 誌上互選


岡崎川柳研究春の市民川柳大会(4/2)

カモメ舞う今が幸せならばよい  「舞う」 秀句

曇天のさくらに熱いものが舞う  「舞う」 佳句    

血圧がなんだと塩じゃけの啖呵  「塩」 

触れないで下さい噴火致します  「触れる」 軸吟 


咲くやこの花賞(4/8発表)

「噴」で二句投句するも全没


第二回「ふるさと川柳」(4/15発表)

上から目線ですね降ってくる雪も  「雪」 佳吟

いちめんの雪歯ブラシが上下する  「雪」


鈴鹿ネット句会(4/17発表)  

返り血を浴びて大人になってゆく  「血」 


みえDE川柳(4/22発表


「光」で二句投句するも全没


川柳塔おきなわネット句会(4/22発表)  

しあわせになろう哀しい順番に  「順」 佳作

順番を問わず叩いているモグラ  「順」

あきらめた順に鴎になってゆく  「順」 佳作


川柳塔ネット句会(4/22発表)
  

あおぞらを仰ぐ誰もがおなじ顔  「似る」 
 



きぬうら句会(4/24)

ぬくもりを求め老年期へ曲がる  「曲がる」 

信念もいくらか曲げて湾になる  「曲げる」 

曲折のお蔭やさしくなってきた  「曲がる」

箱庭のキュウリが真直ぐに育つ  「偶然」 秀句 天位

立ち読みの本が愛読書へ変わる  「偶然」

奇蹟だな一億人のなかの君  「偶然」 秀句 地位



三川連川柳大会(4/29)

一番になりたい桃が熟れてくる  「一番」

旅プラン鴎が一羽どこへゆく  「プラン」

あなただと思う釣り落とした魚  「惜しい」

跳びたいと願う鎖を付けてみて  「跳ぶ」

樹齢千年おとこのなかの男だな  「男」

青空を見せてやりたい土踏まず  「自由吟」

辻褄が遠いところで合ってくる  「自由吟」

疲れ目にどうぞわたしの青空を  「自由吟」




2016.05.01(Sun)
返り血を浴びて大人になってゆく

今日は、恒例の日帰り家族旅行。
連休の内の1日だけだが、何とかみんな都合をつけてくれた。

行き先は、大津を中心とした湖南地域。
琵琶湖畔をどんなコースを辿り、どんな景色に巡り合えるか?

まずは、新幹線こだまにて名古屋駅から京都駅まで。
そして在来線に乗り換えて大津へ。その後のコースは・・・・

 
三井寺(円城寺) → 浜大津港(湖南航路高速船クルーズに乗船) → 

 柳が崎湖畔公園港(  〃 下船) → 近江神宮 → 比叡山延暦寺 


「三井寺」(円城寺)に向かう途中、地図で「花登筺 誕生の碑」を発見。
花登作品大好き人間としては無視できず、コースを少し外れてみた。

しかし、何のことはないごく普通の民家に句碑が一本だけ。
花登筺も亡くなってからもうどのくらい経ったのだろう?

さて、三井寺。近江八景の1つ「三井の晩鐘」で名高い鐘楼がある。
広大な境内には、国宝の金堂をはじめ国の重要文化財が並ぶ。

境内南端には、西国三十三ヶ所第14番札所の観音堂
いたるところ新緑がまぶしい。そして琵琶湖への眺望が素晴らしい。


三井寺を流れる晩秋の琵琶湖疏水


三井寺を後にして、浜大津港まで。途中、「大津絵の町」という可憐な遊歩道を歩く。
道端の豊かな花を見ながら、ゆっくり歩くのは至福。

浜大津港で
、湖南航路高速船クルーズに乗船。
琵琶湖岸を湖上から眺めるのも乙なもの、船は柳が崎湖畔公園港を目指す

途中、風が変わったものか、体が冷えてきたのでデッキから降りて船中へ。
それでも50分ほどのゆるやかな船旅を満喫した。



琵琶湖・沖島


柳が崎湖畔公園港から一路、赤い楼門の神社・近江神宮へ。ご祭神は大津京を遷都した天智天皇。近江神宮は、百人一首かるた名人戦でも知られ、競技かるたの聖地でもある。

広瀬すず主演の映画「ちはやふる」で有名になり、境内は、大学の卒業式のとき女学生が着るような着物、袴姿のお嬢さんが群れをなしていた。

この神社の奥深いこと。
森林浴をしているようで、神々を訪ねて一億光年の未来へ行くようだった。



京阪ラッピング電車


さて、旅の最後は「比叡山延暦寺」。
京阪近江神宮駅から坂本駅下車、坂本の石積みを横目に、ひたすら「坂本ケーブル」まで。

長さ日本一の坂本ケーブルで世界文化遺産の比叡山延暦寺まで11分。
ご存知、天台宗の開祖・最澄が、山内に寺院を立てたのが始まりという延暦寺。

昨年の「書写山・円教寺」といい、良い功徳を積んでいる。
この寺の大きさは計り知れない。孫悟空がお釈迦様の掌でジタバタしているようなものだ。

じっくり見学すると3日くらいかかりそうなので、東堂地域だけで諦めて延暦寺を後にする。
坂本ケーブルで麓まで引き返し、バスでJR比叡山坂本駅まで、そして京都駅へ。


坂本ケーブル


帰路、京都駅で伏見の銘酒・招徳の吟醸純米酒を土産に購入。
土産と言っても、自分で飲むことになるのだが・・・・そろそろ、一杯飲ることにする。


2016.04.24(Sun)
カモメ舞う今が幸せならばよい

「川柳めいばん」(名古屋番傘川柳会)4月号が届いた。
「前月号近詠鑑賞」の依頼を受けて、書き上げたのは寒い頃だった。

たった2ヶ月ほどしか経っていないが、ずいぶん昔のように感じる。
時の流れの速さに抗うことなどできないのだろう。

以下は鑑賞文。何を書いているのか・・・・


前月号近詠鑑賞風が読む文庫本」

終活に夫の邪魔なコレクション   福井 悦子   

余生を安心して過ごすため身辺整理をすることが「終活」。夫のコレクションは確かに邪魔なものですが、その道でしか分からない価値があって、もしかして高値で売れるかも。

おしゃれとは無縁介護に明け暮れる   福井 佳余子

お洒落とは遠い日常生活から介護の実態が分かります。人を生かすのは大変なこと。お洒落は介護の妨げになるのでしょう。でも心のお洒落だけは欠かさずにして下さいね。

何回も曲がった場所にある我が家   小川 加代

路地の奥にある民家かと思いましたが、違うようです。「我が家」は比喩。紆余曲折を経て辿り着いた現在の境地なのでしょう。そこに作者は充実感を抱いているのです。

受けとめる憎まれっ子の決算書   近藤 塚王

「憎まれっ子世に憚る」が下敷きにある句です。憎まれてこの世を生き、過去を振り返ったとき、決して幸せな人生ではなかったと受け止めています。「決算書」が悲しい。

妻の出す服に着替えて風邪ひかず   石崎 金矢

「奥さまがハイヨと投げたものを着る 新家完司」を思い出しました。外出には奥様の選んだ服を着て行くのですね。妻の愛情を詠んだ句ですが、男の可愛さも透けて見えます。

給料日一日だけのシャボン玉   加藤 友三郎 

給料日は小遣い日でもあるのでしょう。飲みに行くもよし、趣味に費やすのもよし、存分に楽しみましょう。屋根まで飛んで一夜で消えていくシャボン玉もまたよしです。

冬という文字に似ている雪の冨士   加藤 美子

先日「東海の名城」と謳われる掛川城を訪ねました。日本初の本格木造天守閣。そこから遥か東に頭だけ覗かせた富士山。「冬」という字は確かに雪の富士を思わせます。

身に覚えあって小言の手がゆるむ   青山 良巳

どんな小言なのか気になります。色恋に現を抜かしたとか、酒の失敗とか。自身も親から散々言われてきた小言ですね。それを思うと手加減せざるを得ない。血は争えぬもの。

予算案冬のリンゴを薄く切る   松尾 忠義

戴いたりんご仏と分けて食べ   金子 匠果

同じ果実を詠んでもずいぶん視点が違います。リンゴを薄く切ったのは、乏しい予算のせい。生きる切実さが胸に迫ります。仏さまとりんごを半分こしたやさしさは、生きる壁をいくつも乗り越えてきたからでしょう。

スキー場ごめんなさいと雪の私語   重徳 光州

暖冬の今年は、雪のないスキー場が多く、豊田市稲武地区自慢の氷瀑もほとんどが解けて、ライトアップを中止したとのこと。雪が「ごめんなさい」とは、作者のやさしい感性。

今日こそは好きと言わせる勝負服   上條 隆志

勝負服があるのですね。それさえ着ていれば連戦連勝・・。まさかそんな服があるとは思えませんが、日々お洒落を楽しんでいるからこそ、恋愛だってできるのでしょう。

風が読む孫の忘れた文庫本   田鎖 市子

永い冬が明けてようやく春。空気の入れ替えに開けた窓から風が颯爽と入ってきます。机の上には孫の忘れた文庫本。風が静かに捲っていきます。まるで本を読むように。



2016.04.17(Sun)
川柳七句

満ち足りた余韻で坂道を下りる

生と死が満ちるちいさな劇場で

飲めば酔うこのひと時を輝かせ

くちびるに歌を愛しい春だから

限度額いっぱいボクを光らせる

薄皮のまんじゅうほどの予算案

約束がハズレ馬券のように舞う



2016.04.10(Sun)
注ぎ残しないよう今日を傾ける

庭にクリスマスローズが咲いた。
その名からして冬に咲くのが適切なのではと思ったが、咲いたものは仕方ない。

調べると、立春が過ぎて寒気が緩んでくると、その花の可愛らしさが目についてくる、とあるが、やはり冬の花なのだろう。、「仲冬」(ちゅうとう)の季語とか。

さて、遅くなったが、恒例の川柳の結果報告(2/26発表 みえDE川柳以降 欠席投句の「鈴鹿句会」および「きぬうら句会」は、柳誌到着後の報告)です。

鈴鹿句会

新党を立ち上げボスになった猿  「猿」

サインなど求められても困ります  「困る」

やくそくの指が困ると言っている  「困る」

つまようじ使えば満腹に見える  「自由吟」

多目的ホールに風が吹き溜まる  「多い」 誌上互選


きぬうら句会

注ぎ残しないよう今日を傾ける  「傾く」 秀句 人位

傾いて知る大地の芽吹き空の青  「傾く」

柔らかい手では取れない鬼の首  「鬼」

指切りで鬼はやさしくなってくる  「鬼」

その日から鴎になった旅プラン  「予定」 秀句 地位

夢を語ろうガスストーブの前で  「予定」 佳吟

ペン先はなめらか春の予定表  「予定」


展望ネット句会(3/3発表) 


ネクタイを直してくれる君がいる  「愛情」


岡崎川柳研究社本社句会(3/5)

湯があふれ敵も味方もない旅情  「温泉」 佳句

やわらかい人になろうと湯の町へ  「温泉」 秀句 人位    

やさしさを辿れば母といういで湯  「温泉」 秀句 地位

どうせなら亡父にも届けEメール  「メール」

メル友が増えて眠りが浅くなる  「メール」

メール打ちときどき少年に還る  「メール」 秀句 天位

子を乗せる回転木馬から春へ  「回る」 

回り道したから解けた答案紙  「回る」 秀句 天位 

しあわせへ回転ドアは故障中  「開く」 軸吟


咲くやこの花賞(3/8発表)

「怪しい」で二句投句するも全没


加藤鰹追悼ネット句会(3/13発表)

擦れ違うS字カーブの真ん中で  「印象吟」


鈴鹿ネット句会(3/17発表)  

一升瓶うれしい重さ抱いている  「酒」 


みえDE川柳(3/25発表


「たすき」で二句投句するも全没


きぬうら句会(3/27)

この星で咲こう美味しいもの食べて  「咲く」 佳吟

咲くまでのお伽噺を聴いている  「咲く」 佳吟

何でもない振りで桜は咲き誇る  「咲く」

下積みの劇を見ているパンの耳  「劇」 佳吟

一人芝居だあれもいない劇場で  「劇」

恋という劇が死ぬまで続きそう  「劇」



2016.04.03(Sun)
やさしさを辿れば母といういで湯

今日は、高浜文化協会主催の「大山桜ものがたり」に運営スタッフとして参加。
花曇りではあったが、満開の桜にうっとり。

「大山桜ものがたり」は、千本桜で知られる大山緑地公園の桜を愛でて、邦楽大会、写真撮影、文芸コンクール、市民茶会などが開催される高浜市の一大行事。

設営の準備、後片付けの他は、文芸コンクールの受付に始終したが、雨も降らず、投句箱はいっぱい。作品の出来を別にすれば、大成功であった。

夕刻、降りそうな空を片目に稗田川を歩いた。堤に植えられた花海棠(はなかいどう)が五分咲き。しっとりとしたピンクを道行く人に投げかけていた。

ライラックも少しずつ花を付けてきた。
春本番と呼ぶのが相応しい季節。

新年度は、何となくキンチョウ感が漂う。始まりはいつもそうなのだろう。
花海棠のやさしさにいつまでも癒されていたい、と思った。


花海棠



2016.03.27(Sun)
川柳七句

しあわせの半券いつも持ち歩く

ひと冬を越しまだ解けぬ答案紙

淋しくて始発電車を待っている

パンジーの黄色やさしく頼りなく

哀しみも半分埋めてゆくパズル

大らかに生きて引き算などしない

ポケットの春が零れる逆上がり



2016.03.20(Sun)
まわり道したから解けた答案紙

「川柳めいばん」(名古屋番傘川柳会)3月号が届いた。
この号では、前月号近詠の鑑賞をさせてもらった。

作者名を伏せての「同人近詠」と「誌友近詠」約420句の鑑賞。
紙面に残せたのは、その内の13句。

長いですが、どうぞご覧ください。


前月号近詠鑑賞「おなかまで満たされてくる」

うしろから見る人もいる土俵入り   吉崎 柳歩

テレビで見る土俵入りはいつも正面から。後ろから見る人のことなど考えたこともなかった。世の中は押し並べてそう。視点を変えると見えないものが見えてくる。

今更に自分を曲げて何になる   田中 五十鈴

悔しいことがあったのだろう。立ち位置の違いか、考え方の違いか。自分を曲げれば済むが、己を否定することになる。反省はするが曲げない。振り返るのも止めよう。

十七で散った桜もある知覧   重徳 光州

十七歳弾ける心秘めている   船橋 正恵

時代背景の違いがこんなにも十七歳を違ったものにする。片道燃料で弾丸になった若い命と弾力を求めて未来へ羽ばたこうとする命。どちらも美しい「いのち」である。

美しい便り小骨は抜いてある   田中 豊泉

時候の挨拶、安否を問う言葉などを織り交ぜ、手紙はいつも美しい。本文にも配慮、思いやりがいくつも感じられる。もしかしたら、追伸に小骨が刺してあるのかも。

悔しさを布団たたきに思い切り   河合 守

人生は悔しいこと、割り切れぬことばかり。つい先日も川柳界の若き風がその命を失った。もう戻らない「いのち」を思い、布団たたきで悔しさをぶちまけてみよう。

背に腹はかえられないと着膨れる   野々山 キエ子

大切なものを守るために他を犠牲にする、と言えば聞こえはいいが、犠牲にされた方の気持ちまで考える余裕が欲しい。二兎を追う方法もあるじゃないか、と作者。

世の動き少し感じてマイペース   大洞 昌子   

ひたすらマイペースで行く君よ。自分の人生は自分のものだから、それで正解だ。地に足をしっかり着け、前を向いて歩こう。世の動き?そう、少し感じるだけでいい。

迷惑を少々かけて生きのびる   金子 匠果

「知らない土地に移り住んでうまく生きるコツは、迷惑を掛けること」とは脚本家・倉本聰さん。他人に役に立っているという意識こそ人の生甲斐。もっともっと人が生甲斐を感じるように迷惑を掛けよ、と。

かごめかごめ私独りになった里   亀頭 笑子

「かごめ」は「囲む」の命令形「囲め」に由来するものとか。一人暮らしをする里で、せめて友に囲まれて過ごしたいという願望の句。そうして、子どもの頃へ帰る。

論ずまい四十八手のうちならば   牧野 主計

横綱白鵬が「猫だまし」という奇襲で勝利した。これには賛否の内、非の方が多かった。しかし、四十八手にあるならばいいのではというのが作者の思いやり。

また二人昔のように小さい鍋   安西 廣恭

夫婦で鍋を囲む。子どもたちがいた時よりも小さな鍋だ。子が巣立ち、子のために費やす時間はなくなったが、淋しいものである。あの頃を時々は巻き戻してみよう。

おなかまで満たされてくる日向ぼこ   山本 喜禄

暖冬とを括っていたところへ突然の寒波。やはり自然は侮れない。これは人生も同じ。作者は、お腹まで満たされる至福を知った。そうか、日溜りが極楽だったのだ。



2016.03.13(Sun)
メール打ちときどき少年に還る

初めて俳句の句会に参加した。
船団愛知句会。またの名を「ペンキ句会」と呼ぶようだ。

俳句はまるで素人だが、代表の二村典子さんのお誘いで顔を出させてもらった。
出席者10名。終始一貫して互選研究である。

出席者1人につき5句を持参。これを清記した上で、各人7句(内1句は特選)を選ぶ。
それからは入選に選んだ句の評と二村さんのコメント。

結果報告・・・・3句が日の目を見た。まあ、大健闘と言えよう。

 理想とは遠いところで麦を踏む  (5点 1人特選)

 春眠や始発のバスはとおに出て  (1点)

 パンジーの一鉢読み掛けの絵本  (1点)


さて、恒例の川柳の結果報告(1/29発表 みえDE川柳以降 欠席投句の「鈴鹿句会」は、柳誌到着後の報告)です。

鈴鹿句会

あの頃の耳で聴いてるカバー曲  「カバー」

壁に耳付けても何も聞こえない  「壁」

壁からの挑戦状が来るテニス  「壁」

夕暮れにやっと歩幅が合ってくる  「歩幅」 誌上互選

苦労したころの歩幅でまだ歩く  「歩幅」 〃


展望ネット句会(2/3発表) 

指切りをしたことだけは忘れない  「忘れ」


岡崎川柳研究社本社句会(2/6)

お祈りの途中にパンのいい匂い  「祈る」 佳句

また逢える小さな祈り繰り返す  「祈る」    

恋は終わった黙祷を捧げよう  「祈る」 秀句 地位

酒場へとさそう夕暮れどきの鐘  鐘」

この靴が一部始終を知っている  「靴」 

靴紐で今日一日を引き締める  「靴」 佳句 

切り株はひとつ半分ずつ座る  「分ける」 軸吟


咲くやこの花賞(2/8発表)

「裁く」で二句投句するも全没


一新豊橋番傘川柳会10年の集い(2/14)

アサッテの空を見上げる君が好き  「好き」

風速一メートル生きていく速さ  「のどか」

仏さまの次に御飯をいただこう  「順」

筆順を変えると君があたらしい  「順」


鈴鹿ネット句会(2/17発表)  

「箱」で二句投句するも全没 


風輪の会(2/20)

泣くもんか雪の下には蕗の薹  「泣く」 佳句  


川柳塔おきなわ準備室7777アクセス記念句会(2/26発表)

白紙答案まだ生き方が決まらない


みえDE川柳(2/26発表


「凍る」で二句投句するも全没



2016.03.06(Sun)
やわらかい人になろうと湯の町へ

ひと冬を越して、ホッとしている。
例年に比べ暖かな冬だったが、それでも冬は冬、他の季節にはない壮烈な時だ。

もう大丈夫かと思うが、思った途端に風邪などをこじらすのは皮肉なもの。
ちょっとした油断は、この季節にとって大敵だろう。

このひと月のプライベート・タイムを思い返している。
ざっとこんなところか?

1月31日(日) 豆まき・・・市原神社(刈谷市)
2月 6日(土) 岡崎川柳研究社 本社句会(岡崎市)
   13日(土) 高浜川柳会句会(高浜市)
   14日(日) 一新豊橋番傘川柳会10年の集い(豊橋市)
   20日(土) 岡崎川柳研究社 風輪の会(西尾市)
   26日(金) 佐布里池梅まつりと知多木綿発祥の地 岡田地区(知多市)
   27日(土) JRさわやかウォーキング(静岡県掛川市) 
          日本酒講座(碧南市)
   28日(日) 東春酒造&澤田酒造蔵開き(名古屋市守山区 常滑市) 
3月 5日(土) 大山桜里親会(高浜市)
          岡崎川柳研究社 本社句会(岡崎市)

高浜文化協会、刈谷文化協会の諸行事や愛知中小企業家同友会の諸行事、また加入する川柳会の欠席投句や誌上大会・ネット句会への投句などを加えると随分あるものだ。

記録しておきたいことも一杯あるが、なかなか捗らない。
時の方が遥かに速い時速で流れていく。これも仕方のないことだ。

掛川市・龍尾神社(たつおじんじゃ)のしだれ梅が見事だった。
酒蔵見学のことも書きたいが次回へ・・・・


龍尾神社・しだれ梅



2016.02.28(Sun)
川柳七句

青空を見せてやりたい土踏まず

幸せという字が少し痩せている

生き方がまだ決まらない答案紙

生きているかと激励の鐘が鳴る

いい日でしたと玄関に並ぶ靴

花屋まで春の呪文を買いにゆく

しあわせの方位をさがす分度器



2016.02.14(Sun)
恋は終わった黙祷を捧げよう

あまり感慨はないが、今日はバレンタインデーということになっている。
その日に、「一新豊橋番傘川柳会10年の集い」が開催された。

いろんな感情が渦巻く中での開催だったと察知する。豊橋番傘の歴史を知る人、とりわけ一新豊橋番傘の草創期の役員には、特別な思いがあったことだろう。

ここまで来るには、汗や涙は半端ではなかった、と思う。
血の滲むような辛さがあったことは想像に難くない。

いろいろあったが、しかし振り返れば時だけが流れていたのだろう。
悲しみも喜びもすべて時に埋没されていくものだ。

多くの出会いがあった。多くの再会があった。
すべてが明日へ繋ぐ糧となっていくのだろう。


さて、遅くなったが、恒例の川柳の結果報告(12/25発表 みえDE川柳以降 「鈴鹿川柳会」誌上互選および「きぬうら課題吟」は、柳誌到着後の報告)です。

鈴鹿川柳会誌上互選

ハンカチで包む君との思い出を  「記憶」 誌上互選     

鳥だった頃の記憶がよみがえる        〃


きぬうら課題吟

人間の裏を見ている本の紙魚  「紙」 佳吟

樹の上で遊びやさしい夢を見る  「遊ぶ」 

納豆の糸と遊んでいるひとり  「遊ぶ」


展望ネット句会(1/1発表) 

「遊び」で2句投句するも入選には至らず


岡崎川柳研究社本社句会(1/9)

夢をまだ探してサルは木に登る  「サル」 秀句 天

知恵の輪を解くまで猿の長い旅  「サル」    

早送りしているように陽が沈む  「送る」

しあわせは暖冬という福袋  「暖」   

暖冬のおかげ愉快なキリギリス  「暖」 

七掛けの若さでいつも咲いている  「咲く」 

未知数がいっぱい咲いている若さ  「咲く」

翔べそうな気がする酒という薬  「薬」 軸吟


咲くやこの花賞(1/8発表)

「偶然」で二句投句するも全没


鈴鹿ネット句会(1/18発表)  

爪を切りあすの仕種を軽くする  「軽い」 秀句


きぬうら句会(1/24)

マジシャンの手捌き羊から猿へ  「申(猿)」 軸吟

自信ならトカゲの尻尾ほどはある  「自信」

大吉が出て少し走ってみたくなる  「自信」 

海原を染めるカモメという自信  「自信」 秀句 天位

夜が明けるそっと卵を割るように  「自由吟」


みえDE川柳(1/29発表


招かれて今日一日をフイにする  「招く」 秀句 人位



2016.02.07(Sun)
海原を染めるカモメという自信

マルちゃんこと丸山進さんが「川柳ねじまき♯2」を送ってくださった。
丸山さんは、愛知県瀬戸市を拠点にする「フェニックス川柳会」の代表。

時実新子主宰の「川柳大学」元会員で、長身痩躯の紳士。物腰もいつも柔らかい。
だが、詠まれる川柳は「こんな紳士が!」と驚愕するような作品ばかり。

つまるところ、このギャップが魅力の人なのである。
初めてお会いしたのは、「尾張旭川柳同好会」25周年記念川柳大会と記憶する。

そのときの発表誌を繙くと、平成24年3月20日(火・祝)。
いや、この時は実際にはお会いしていない。呼名の声を聞いただけだった。

その後、どこで巡り会い、初めて話したのはいつだったのか。
丸山さんのブログ「あほうどり」には、毎日のように接していたのに。

さて、川柳ねじまき♯2である。
感度の鈍い私には、とうてい理解できない作品ばかり。

どう、読み解いていけばいいのか。
さながら古文書の解読をしているようなもの。

丸山さんの作品を二つ。

燃えにくい人の背中を擦ってる

沈着冷静といえば聞こえはいいが、燃えにくい方だと自覚している。
大抵は夢中になれず、冷めている。それで面白みのない奴だと判を押される。

苦しい時、悲しい時に背中をさするように、誰か私の背をさすってくれぬか。
背をさするとは、相手に心地よい安心感を与え、情緒を安定させる無言の愛情表現。

そうすれば背に羽が生え、空を自由に飛べるかも。

全身に切手を貼って家を出る

手紙は書くだけ書いた。そしてポストへ出すだけ出した。
しかし、埋まらないこの気持ち。恋心は相手に届いたのか。

よし、それなら私自身に切手を貼って、私自身を投函しようではないか。
並みの郵便料金では間に合わぬ。全身に切手を貼ろう。

馬鹿な奴だと相手も折れるに違いない。


丸山さん、ありがとうございました。



2016.01.31(Sun)
爪を切りあすの仕種を軽くする

昨日は、名鉄ハイキングで、岩倉市と一宮市へ。
雨のち曇りの天候で、今一つ乗り気はしなかったが、妻とともに出陣。

コースには酒蔵もなく、メインは「♪漬物みつ〜い♪」の三井宮蔵(三井食品工業)。
数種類の漬物の試食ができ、お茶の振る舞いを受けた。

さすが、漬物専門店、いい仕事をしている。
白菜漬けが美味、たくあん漬けも旨口、血圧を気にしながらの試食であった。

コースを紹介しよう。

 
岩倉駅(スタート) → 岩倉市史跡公園 → 岩倉市自然生態園 → 三井宮蔵

 → 多加木緑道 → 妙興寺 → 一宮市博物館(ゴール) → 妙興寺駅


全長9.5`、雪を頂いた鈴鹿山系の山々(?)がよく見えた。
一番心に残ったのが「妙興寺」。

駅名に冠されているのを見てもわかるが、山門、仏殿、鐘楼といい立派なものだ。
脈々と歴史を刻んできた息吹きが感じ取れる。

妙興寺
貞和4年(1348)滅宗宗興を開山とする臨済宗妙心寺の寺院。伽藍は、貞治4年(1365)に完成したとされ、南北朝時代、尾張の北朝勢力の拠点として隆盛を極めた。



妙興寺・山門



2016.01.24(Sun)
川柳七句

目薬を差すしっとりと冬の色

綻びた時代ミシンで縫ってみる

歯を磨く悔しいことの繰り返し

軽く笑みこぼして坂道を上がる

銃爪に手をやる冬はまだ来ない

しあわせの順路どおりに歩けない

閂を掛けたこころがさがす空



2016.01.17(Sun)
失踪をしてます靴の好奇心

昨日は、高浜川柳会の月例句会。
今年最初の句会だが、1月も半ばを過ぎているのでさして感慨はなし。

毎月の句会と同じように互選句、課題句、雑詠と淡々と進む。
高浜川柳会の責任者としては、少し刺激のある企画をと、反省することしきり。

川柳鑑賞、句会報発行など、今年はチャレンジしてみよう。
会員のビカッと光る句を一句ずつ。

愚痴ばかり聞かされ鏡曇り出す  (文子)

天上の犬よストック見においで  (志保美)

誤字脱字己が生涯生き写し  (清和)

夢さがす老いの境地のど真ん中  (典子)

心意気歳の八掛けまだいける  (康司)

綻びた時代ミシンで縫ってみる  (比呂志)


今日は、家人と一緒に名鉄ハイキング。
妻は、「歩いて巡拝(まいる)知多四国」に昨日参加しているので、連荘。

名鉄の企画「歴史と文化に出会う津島界隈と愛西市酒蔵巡り」に夫が参加したがっているが、一人ではと逡巡していたので、やむを得ず付き合ってくれたというわけだ、有難い。

さて、そのコースは・・・・

 
津島駅(スタート) → 三養荘・屋根神社 → 六地蔵尊 → 稚児門 → 

 氷室作大夫家住居 → 天王川公園 → 堀田家住宅 → 津島神社 →

 清正公社 → 上河原地蔵堂 → 津島市観光交流センター → 姥ヶ森神社 →

 渡辺酒造 → 水谷酒造 → 六輪駅(ゴール)

全長10.5`の盛りだくさんのコースではあったが、ほとんどを素通り。
お気づきのことと思うが、「渡辺酒造」と「水谷酒造」にすべて賭けていた(大袈裟な!)。

渡辺酒造
1865年創業。「平勇政宗」「香穂の酒」を代表銘柄とする老舗酒蔵。
何の気取りも背伸びもない蔵。等身大の己をさらけ出している感じがよい。

それもそのはず、「平勇の酒造りコンセプト」があった。
こんなふうに記してあった。


いいお酒でなくてもよい
かっこよいお酒でなくてもよい

ただ田舎のお酒でよい
ただ旨い地の酒でよい

手で蒸米をさわり,手で麹をかきませ゜
手で酒母を育み,手で醪をつくる

お酒という生き物が元気に健康に
そしてゆっくり育ちますように


渡辺酒造


水谷酒造
江戸時代末期創業。昔ながらの手法で造る純米酒「千瓢」と、地産地消と循環型社会に貢献する「めぐる」を代表銘柄とする老舗蔵元で、蔵も創業当時の姿をそのまま残す。

驚いた、何だろうこの壊れかけた蔵は・・・天災があれば、軽くすべてが失くなるような家屋。
ハンバーグのびっくりドンキーではないのだから、見た目をもっとおもんばかったらどうか?

素人はこんなふうに考えるが、これがいいのだろう。
ボロボロの家屋からこの上ない風味。

事実、試飲した「めぐる」は他を圧倒するような上等な旨さ。
この壊れかけた酒蔵から出た珠数の味わいを堪能したのだった。



水谷酒造



2016.01.09(Sat)
夢をまだ探してサルは木に登る

今日は、岡崎川柳研究社の本社句会。
新年最初の句会とあって、仕出し弁当、ノンアルコールビールが振舞われた。

ノンアルでは調子は出ないが、ないよりはましといったところか?
酔ったような気になって句会を楽しんだ。

お陰で(?)見出しの句(課題「サル」)が天位を獲得、幸先がいい。
それにしても既視感いっぱいの句、我ながら呆れる。

「ねじまき句会」主宰のなかはられいこさんが講師を務める川柳教室では、課題「猿」で下の句が鉄砲玉のように飛び出した。

新しい!

猿も森へ単身赴任いたします   

弟は猿のポーズで帰宅する 

念願のツリーハウスで猿と飲む

進化するまで猿を飼う夫婦  

手のひらにサル遊ばせて四千年  

上田君 やはり人似の猿だった  

猿の目の中のあなたの中の僕


さて、恒例の川柳の結果報告(11/28 刈谷市民文化祭川柳大会以後。欠席投句の「鈴鹿句会」は、柳誌到着後の報告)です。


鈴鹿川柳会11月句会(11/28)

美しく生きると決めてゴミ拾い  「拾う」 誌上互選

喫茶店まずはタオルで顔を拭く  「拭く」

世話好きな友の便りが濡れている  「自由吟」


岡崎川柳研究社本社句会(12/5)

ディズニーの魔法が解けるまで遊ぶ  「遊ぶ」 秀句 人

うたた寝のユメで一生分遊ぶ  「遊ぶ」 秀句 地

存分に遊ぼう妻のてのひらで  「遊ぶ」 秀句 天

日溜まりを歩けば秋が落ちている  「歩く」 佳句

駄馬なりに歩く時間を掛けながら  「歩く」 佳句

運不運いっぱい入れる煮転がし  「運」 

躓いてからがホントの運試し  「運」

お賽銭すこしはずんで貰う運  「運」

躓いてから夕暮れが好きになる  「暮れる」 軸吟



名番85周年記念大会(12/6)

いつだって雨のち晴れが喜劇です  「喜劇」

袋綴じ開けると波の音がする  「まさか」

地球儀を逆さにまわし若返る  「まさか」

曲げたくはないが曲がってゆく身体  「曲げる」

改札を抜けると柔らかい日差し  「スムーズ」


咲くやこの花賞(12/8発表)

「深い」で二句投句するも全没


鈴鹿ネット句会(12/16発表) 

乾くまで待とう旨味が乗ってくる

乾かないようにしっとり読む文庫


きぬうら句会(12/20)

失踪をしてます靴の好奇心  「靴」 秀句 天

ゴールまで等身大の靴みがく  「靴」

銀河まで夢がまたたく登山靴  「靴」

ひと眠りしよう戦のない街で  「眠る」 佳吟

うたた寝の時間で夢を編んでいる  「眠る」

終章へ駄馬も眠りを解き放つ  「眠る」 秀句 人


鈴鹿川柳会12月句会(12/23)

七掛けの若さでいつも翔んでいる  「割引」

割引をしても消せない懺悔録  「割引」

一本の滝に打たれていい夫婦  「打つ」 秀句

百均のスリッパ少し翔びにくい  「自由吟」

毎日が雨のち晴れのいい家族  「家族」 席題 5点

スリッパの音さえ姦しい家族  「家族」 席題 2点

みえDE川柳(12/25発表)

「プレゼント」で2句投句するも全没



2016.01.03(Sun)
存分に遊ぼう妻のてのひらで

皆様、明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします。

昨日は、正月恒例の20`ウォーキング。午後1時55分出発、午後5時ジャスト帰着。
所要時間 3時間5分、休憩も水分補給もなしに一気に駆け抜けた。

冬至を過ぎて幾分日が長くなってはいるが、午後5時をまわる頃には薄暗くなってくる。
それで、5時帰着を目指したわけだが、暖かく風もなく、気持ちよく歩けた。

これも普段歩き続けているからできることで、今後は年齢なりの歩きを心掛けよう。
毎年同じコースを歩いているとだんだんドラマもなくなっていく、今後の課題としよう。

正月三日目は、半田市内の寺巡り。こちらは、妻の運転する車で行ったので楽チン。
コースは・・・・

[第54番札所]海潮院 → [番外]東光寺 → [番外]海蔵寺 → [第18番札所]光照寺

→ [第19番札所]光照院 → [第20番札所]龍台院 → [第21番札所]常楽寺


何でもない冬の日のひと時、妻の手のひらで存分に遊んでいるようだ。



てじまともこ・水彩画「水の庭」



2015.12.30(Wed)
うたた寝のユメで一生分遊ぶ

見出しは、岡崎川柳研究社 本社句会で地位をゲットした句。
課題「遊ぶ」で閃いたのが、中国・唐代の物語「邯鄲の夢」だった。

以下、河出書房新社・中国故事物語より。
ちょっと長い・・・・


唐の玄宗の開元年間のことである。

呂翁という道士が邯鄲(河北省、趙の旧都)の旅舎で休んでいると、みすぼらしい身なりの若者がやってきて呂翁に話しかけ、しきりに、あくせくと働きながらくるしまねばならぬ身の不平をかこった。若者は名を廬生といった。

やがて廬生は眠くなり、呂翁から枕を借りて寝た。陶器の枕で、両端に孔があいていた。眠っているうちにその孔が大きくなったので、廬生が入っていってみると、そこには立派な家があった。その家で廬生は清河の崔氏(唐代の名家)の娘を娶り、進士の試験に合格して官吏となり、トントン拍子に出世をしてついに京兆尹(首都の長官)となり、また出でては夷狄を破って勲功をたて、栄進して御史大夫部侍郎になった。
 
ところが、時の宰相に嫉まれて端州の刺史(州の長官)に左遷された。そこに居ること三年、また召されて戸部尚書に挙げられた廬生は、いくばくもなくして宰相に上り、それから十年間、よく天子を補佐して善政を行い、賢相のほまれを高くした。

位人臣を極めて得意の絶頂にあったとき、突然彼は、逆賊として捕えられた。辺塞の将と結んで謀叛をたくらんでいるという無実の罪によってであった。彼は縛につきながら嘆息して妻子に言った。

「わしの山東の家にはわずかばかりだが良田があった。百姓をしておりさえすれば、それで寒さと餓えとはふせぐことができたのに、何を苦しんで禄を求めるようなことをしたのだろう。そのために今はこんなザマになってしまった。昔、ぼろを着て邯鄲の道を歩いていたころのことが思い出される。あのころがなつかしいが、今はもうどうにもならない‥‥。」

廬生は刀を取って自殺しようとしたが、妻におしとめられて、それも果し得なかった。ところが、ともに捕らえられた者たちはみな殺されたのに、彼だけは宦官のはからいで死罪をまぬがれ、驥州へ流された。

数年して天子はそれが冤罪であったことを知り、廬生を呼びもどして中書令とし、燕国公に封じ、恩寵はことのほか深かった。五人の子はそれぞれ高官に上り、天下の名家と縁組みをし、十余人の孫を得て彼は極めて幸福な晩年を送った。やがて次第に老いて健康が衰えてきたので、しばしば辞職を願い出たが、ゆるされなかった。病気になると宦官が相ついで見舞いに来、天子からは名医や良薬のあらんかぎりが贈られた。しかし年齢には勝てず、廬生はついに死去した。

欠伸をして眼をさますと、廬生はもとの邯鄲の旅舎に寝ている。傍らには呂翁が座っている。旅舎の主人は、彼が眠る前に黄粱を蒸していたが、その黄粱もまだ出来上っていない。すべてはもとのままであった。

「ああ、夢だったのか!」
呂翁はその彼に笑って言った、
 
「人生のことは、みんなそんなものさ。」
廬生はしばらく憮然としていたが、やがて呂翁に感謝して言った。
 
「栄辱も、貴富も、死生も、何もかもすっかり経験しました。これは先生が私の欲をふさいで下さったものと思います。よくわかりました。」
 
呂翁にねんごろにお辞儀をして廬生は邯鄲の道を去っていった。


高校の時分、漢文で習ったものと記憶するが、脳裏に刻まれているあたり、この物語が好きだったようだ。黄粱さえまだ炊けぬ間に一生を夢見た、というのが何とも言えず良い。

さて、今年の大会、句会で秀句に取ってもらった句です。
良いのもあれば、悪いのも・・・・

善人になろうヒツジの顔をして

お祝いの言葉は星が降るように

梅干しの種が遠くへ飛ぶ値打ち

贅沢をひとつ打ち消すように冬

聖戦が続くヒツジの顔をして

また寒くなる地球儀を裏返す

闇ばかり見てきたような福笑い

眠るには贅沢すぎる花ひつぎ

ぐっすり眠る悲しみを食べたから

芽を出すとポップコーンの爆ぜる音

煩悩が犇めき合っているお寺

目次から始まる夢のひとしずく

千切れ雲さみしい言葉だけ捨てる

悲しみを砕くたっぷり笑わせて

未来形を入れよう閂をはずし

勝鬨をあげてさくらが咲き誇る

平成の闇を覘いているホタル

あおぞらを覘く孤独な窓がある

三日天下妻を迎えに行くとする

遅咲きのさくらは少しだけ無口

地球儀を洗うみんなが笑うよう

にんげんになろう呪文を繰り返す

樹の天辺たったひとつの空に逢う

あおぞらに束になっても敵わない

沈むたび花屋の多い町へ行く

誘われて少し大きな雲になる

どれほどの汗を掻いたか靴の減り

皿ひとつ割りたい曇天の虚ろ

廃線の枕木かなしくはないか

ガリ版の詩集に遠い日の青さ

煙突を仰ぐと青が沁みてくる

生きている叫びだ蝉も雑草も

十二色使い切るまで汗を掻く

愚痴こぼす日は何度でも歯を磨く

切り株に座る未来の絵を描いて

風船を付けると島が持ち上がる

駅前の花屋であすを買ってくる

写経する父の癖字を真似てみて

しあわせのかたちに見える肩車

アナログで回る地球儀だから好き

あのときの家族写真が力です

相性のよさ化学反応なのだろう

生き方を少しは変えてみたい蟻

秋が逝くパラパラ漫画捲るよう

茶を啜る生きていくのは忙しい

茶柱のなかにふたりの夢がある

一杯のお茶でいのちを語り合う

幸せを逃がさぬように封をする

恋といういくさマヨネーズを搾る

断つことがこんなに軽い花鋏

生きるとは何折り畳み傘ひらく

存分に遊ぼう妻のてのひらで

ディズニーの魔法が解けるまで遊ぶ

うたた寝のユメで一生分遊ぶ

失踪をしてます靴の好奇心

終章へ駄馬も眠りを解き放つ

一本の滝に打たれていい夫婦



2015.12.26(Sun)
川柳七句

どこへ行くのか日常という電車

夜が明けるそっと卵を割るように

笑っている方へ靡いてゆく踵

黄昏の街をピエロがまた一人

いい風を探してあすへ飛ぶつもり

ハミングが聞こえる妻の新刊書

命題を抱えて朝の扉を開ける



てじまともこ・水彩画「冬の輝き」



2015.12.11(Fri)
生きるとは何 折り畳み傘ひらく

暖かい冬の日が続く。
ありがたいことだが、心の隅っこに不安もよぎる。

この世の中は、イイ事、ワルイ事が半分こずつ。
いいことがあれば、次は悪いことが起こる。

昨夜は豪雨。そのせいか今日は雨天の予報に反して晴天。
ところが午前10時少し前にスコールのような雨。

洗濯物を仕舞うのに雨を滝のように浴びた。
しかし、冬の暖かい雨は心地よかった。

この先なにごともなければ良いが、すべては人の心がけ次第か?

さて、遅くなったが、恒例の川柳の結果報告(10/30発表 みえDE川柳以降 欠席投句の「鈴鹿句会」および「きぬうら課題吟」は、柳誌到着後の報告)です。

鈴鹿川柳会10月句会(10/24)

借金返済あおぞらが見えてくる  「済む・済ます」 誌上互選

気が済むまで回転木馬回ったか   「済む・済ます」  〃 

二人三脚やっぱり靴は四つある  「靴」

遅咲きは遅咲きなりの身のこなし  「遅い」

車座になかなかなれぬ核家族  「自由吟」


きぬうら課題吟

復習も予習もなくて君を恋う  「恋う」

恋といういくさマヨネーズを搾る  「恋う」 秀句 地位

ささやかな反抗でした昼の酒  「酒」


展望ネット句会(11/1発表) 

さみしくて浅く被っている帽子  「浅い」


岡崎川柳研究社本社句会(11/7)

秋が逝くパラパラ漫画捲るよう  「送る」 秀句 天

また風に送られてきた現在地  「送る」 佳句    

早送りしているように陽が沈む  「送る」

茶を啜る生きていくのは忙しい  「お茶」 秀句 天  

茶柱のなかにふたりの夢がある  「お茶」 秀句 人

一杯のお茶でいのちを語り合う  「お茶」 秀句 地

腹筋を強くしてから書く手紙  「手紙」

幸せを逃がさぬように封をする  「手紙」 秀句 人

そっけない答え心が欲しいのに  「冷たい」 軸吟



咲くやこの花賞(11/8発表)

「隙」で二句投句するも全没


鈴鹿ネット句会(11/16発表)  

「熱心」のお題で二句投句するも全没


きぬうら句会(11/22)

太陽を塗るクレヨンが熱くなる  「クレヨン」

クレヨンの旅路を柔らかく歩く  「クレヨン」

断つことがこんなに軽い花鋏  「断つ」 秀句 人位

酒を断てとは冗談もほどほどに  「断つ」 佳吟


みえDE川柳(11/27発表


サミットへ海の青さは欠かせない  「サミット」 


刈谷市民文化祭川柳大会(11/28)

裏返しすれば気持ちはよく分かる  「逆」

パノラマになるまで君と背を合わせ  「逆」

てのひらの筋はわたしをお見通し  「筋」

筋道を通した雑魚がよく眠る  「筋」

ディズニーの魔法で夢が飛翔する  「展開」

生きるとは何 折り畳み傘ひらく  「展開」 秀句 


川柳なごや川柳誌上大会(11/28発表)

終電の絵のなか蟻とキリギリス  「絵」

いい父を演じて教科書を閉じる  「父」

眠れない夜には少しだけ叫ぶ  「叫ぶ」



2015.12.07(Mon)
一杯のお茶でいのちを語り合う

昨日は、名古屋番傘川柳会創立85年記念川柳大会に参加。
この大会は、名古屋番傘主幹・奈倉楽甫さんの句集「楽」の発刊記念でもあった。

名古屋栄 東急REIホテル2階オークルームを埋め尽くす人、人、人・・・・
川柳を、番傘を愛する二百人がみんな笑顔で一つの場に集結したのだった。

大会は五句が入選、まずまずの出来。
独特の雰囲気のある「比呂志川柳」がバンバン披講され・・・・とは、鈴鹿川柳会R氏の評。

ところで、「比呂志川柳」とは?
思い当たるのは五句の内の二句。

・袋綴じ開けると波の音がする 「まさか」

・改札を抜けると柔らかい日差し 「スムーズ」

詩性に凭れた川柳だが、この詩性こそが、「比呂志川柳」と言われる所以だろう。
実際のところ、詩を取ったら何も残らない句である。

穿があるわけでなし、批評性があるわけでなし、ユーモアがあるわけでもない。
ないない尽くしをかろうじて「詩」が支えていると言っていいだろう。

しかし、詩に流されずに崖っぷちのところで川柳を死守している、とも思っている。
ここが今の居場所であり、しばらくはこの合戦場で勝負するつもりだ。

よくわからない話になったが、大会の後の懇親宴は楽しかった。
柳友との再会、尽きぬ柳論の数々・・・・飲んでばかりでほとんど食べずに終わった。

午前様にはならずに済んだが、深夜、カップ麺を啜り眠りについた。
いい夢を見たのは言うまでもない・・・・!



2015.11.29(Sun)
恋といういくさマヨネーズを搾る

11月最後の日曜日は、妻と一緒に名鉄ハイキングに参加。
〜家康公顕彰400年〜紅葉を彩る大高緑地と桶狭間の戦い史跡めぐり!

中京競馬場前駅を振出しに、約10`の道のりを青空の下、ウォーキングに始終。
中京競馬場前駅では、ハイキングの集団と競馬を楽しむ集団と二手に別れた。

ハイキング集団はリュックを背負い、競馬集団はスポーツ紙を片手に。
みんな夢を追い、志を抱いて、この世を生きているのだ。

コースはと言うと・・・・

 
中京競馬場前駅(名鉄) → 豊明市桶狭間古戦場伝説地 → 緑区桶狭間古戦場公園

  → 大高緑地 → 丸根砦 → 大高城址公園 → 山盛酒造 → 大高駅(JR)

今回のハイキングは、名鉄とJRとの共催。
互いの利点を生かした共存共栄は、利用者にはとてもいいことだ。

さて、志と言えば、戦国時代の武将たち。
戦乱の中にあって互いに全国統一を目指し、しのぎを削っていた。

「桶狭間」は、言わずと知れた、織田信長率いる織田勢の今川義元勢への奇襲攻撃の地。
今川側の2万5千の大軍をわずか数千の軍勢で倒した。その所要時間は2時間ほど。

「天候の急変」「油断」などの諸種の要因はあろうが、その時の様子は、まさに息を飲むといったところ。小が大に勝つには奇襲戦法もやむ得なかったのだろう。

大高緑地へは久しぶりに訪れた。
少年の頃にゴーカートでよく遊んだものだ。

よく晴れた緑地園内で、「東海合戦ワールド」なるイベントがあり、大盛況。
しかし、「家康公顕彰400年」とあるが何だろう。

調べてみると、「平成27年(2015年)の徳川家康公薨去四百年という記念の年」とある。
「公薨(こうきょ)」つまり、親王や三位以上の死を意味するのだ。

ちなみに、貴人の死は「崩御」。皇太子や大臣などの死は 「薨御(こうぎょ)」。
王や女王、四位・ 五位以上の死は「卒去(しゅっきょ、そっきょ)」と言う。

早い話、今年は、家康公が死んで満400年目となる、当たり年。イベントには、歴史小説家・安部龍太郎氏がゲスト、大村知事や河村市長も出席していたようである。

イベントには参加せずに、屋台の五平餅を買い、美味しくいただいた。
大高緑地内外に多く植えられていたアメリカフウの紅葉が美しかった。


アメリカフウ

ハイキングの大トリは、「山盛酒造」(名古屋市緑区大高町)。
本日、私を名鉄ハイキングに駆り出したのは言わずと知れたこの酒蔵。

この酒蔵については初耳であったが、調べると・・・・

明治20年(西暦1887年)、江戸時代築造の酒蔵を譲り受けて大高にて創業。大高の古い街並み・昔ながらのたたずまいを残す酒蔵の中で丁寧に日本酒の醸造・・・とある。

銘柄は、「鷹の夢」「奈留美」「古戦場 桶狭間」「浮かれ猩猩」


山盛酒造



2015.11.22(Sun)
川柳七句

本棚を磨けばきっと晴れてくる

幸せはいつも誰かにうっちゃられ

たまご抱く一編の詩が孵るよう

掴まえてみろと逃げてく地平線

猫騙し淋しいときにしてしまう

懺悔録ばかり増えてく冬の色

芋焼酎敵も味方もあるものか



2015.11.15(Sun)
幸せを逃がさぬように封をする

いい夜だ。と言って別段いいことがあったわけではない。
昨日の雨で空気中の塵が落とされたのか、星がよく見える。

夏の大三角形が北の空から消えかけた頃に冬の大三角形が南に見えるのがこの季節。
同時に見えるものかわからないが、冬の星・シリウスがいよいよ冴える季節になった。

昨日は、「春日の森 市民俳句・短歌・川柳の集い」の表彰式。
高浜文化協会の文芸部門のメイン・イベントだ。

昨年から、表彰式の作品の披講をさせて貰っている。
事前に目を通して思うのは、小・中学生の素直さと高校生の純粋さ。

こんなところを密かに学ばせて貰っている。
心引き寄せられた作品を少し・・・・


 お年玉ママ銀行にはあずけない  安藤匠海

 お供えをちょっと拝借スイカわり  土居拓夢

 おいしいよおばあちゃんちに実るかき  宮ノ原夢渚

 星々はこんぺい糖だね天の川  小清水麻里

 春来たとお知らせ係はつくしんぼ  古橋和桜

 山粧うわたしも化粧しようかな  生見浩子

 蒲公英がニコッと笑い空晴れる  小野颯也

 シャープペンの芯押し出され頭には君との日々を押し込んでいく  佐藤星

 うるう秒この日は少し幸せだ一秒長く君といるから  濱野風音

 ビー玉に入道雲が映り込む炭酸キツめラストスパート  禰宜田彩

 開くたび光が満ちる玉手箱母が作っただし巻き玉子  出口侑佳

 体育館汗でにじんだフロアーは目には見えないみんなの軌跡  日野大地

 マウンテンバイクでかけてく北海道坂を下った風の感覚  榊原智哉

 セミの鳴く青の風景切りさいた一枚紙にあふれるようだ  諸熊奈美



2015.11.07(Sat)
茶を啜る生きていくのは忙しい

十一月になった。
街路樹のいたるところが赤く染まり出した。

茶も酒も旨くなった。
今のところ暖かく過ごしているが、寒波が突然襲ってくるのもこの季節。

季節は容赦なく過ぎていくが、肝心な心はさっぱりだ。
翳りっぱなしで、日差しが恋しいほどだ。

あとふた月、何か見つけることができるだろうか?

 十二月両手に残るものは何     森中恵美子

年の瀬までに何か残せたら・・・・と思う。

さて、恒例の川柳の結果報告(9/27 きぬうら句会以後。欠席投句の「鈴鹿句会」は、柳誌到着後の報告)です。

鈴鹿川柳会9月句会(9/26)

外れ券ばかりが増えていく空き地  「外れ」 誌上互選

悔しさをバネに押し出す心太  「悔しい」

牛歩戦術すき焼きが煮えるまで   「国会」


岡崎川柳研究社本社句会(10/3)

写経する父の癖字を真似てみて 「書く」 秀句

遺書を書く心の霧を消すように  〃

なで肩の母のやさしさ抱いて寝る 「肩」

生きてゆくたまには肩を尖らせて  〃

しあわせのかたちに見える肩車  〃  秀句

この道がいい母さんが舵を切る 「舵」 

舵ひとつ取れずに秋の虫を聴く  〃 佳句

下積みのおかげ重たい舵も切る 〃


岐阜県川柳作家協会川柳大会(10/3)


りんごもぐ高さに恋を実らせる 「うきうき」

頑張って聞く引退のファンファーレ 「引退」


亀山市民川柳大会(10/4)

姿見に釣瓶落としの秋が来る 「姿」

神様がいない頬擦りしたいのに 〃

駅前の花屋であすを買ってくる 「明日」 秀句

自販機で買う雲ひとつない空を 「自然」

強情な殻でやっぱり破れない 「破る」

正解を探していつも本のなか 「本」


咲くやこの花賞(10/8発表)

ぼんやりで二句投句するも全没


第一回「ふるさと川柳」(10/10発表)

花になる冬のブランコ漕ぎながら 「花」

さみしくて花屋の多い街へゆく  〃


豊橋文化祭川柳大会(10/12)

アナログで回る地球儀だから好き 「古い」 特選


鈴鹿ネット句会(10/16発表) 
 

「ゴミ」で二句投句するも全没


阿久比川柳大会(10/24)

大らかに生きよと地球儀は回る 「大」

あのときの家族写真が力です 「家族」 秀句

大の字に眠ろう鬼の首とって 「すっきり」

十二色使い切るまで秋を描く  〃


きぬうら句会(10/25)

花を買う君の八重歯が見たいから 「花」 

失恋のときだけ花を見て過ごす  〃

相性のよさ化学反応なのだろう 「変える」 秀句 天

ごめんねの一言風向きを変える  〃  佳吟

生き方を少しは変えてみたい蟻  〃  秀句 地


みえDE川柳(10/30発表)


味付けはしない小さな正義感 「味」



2015.10.30(Fri)
あのときの家族写真が力です

川柳添削の最終回。
Tさんの句を俎上に載せるのは、これが最後になる。

添削というのは力量が問われるものである。
実力以上の添削はできないし、何よりも句への温かい眼が必要だ。

句の解釈力や作句力以上に、この世を俯瞰する眼というか、つまり愛情なのだろうか?
その点では、分不相応の添削者であったわけだ。

さて、句を見てみよう。
課題は「自由吟」。

 ご用心マイナンバーも詐欺の種(自由吟)

来年一月から、いよいよマイナンバー制度が動き出す。
最近、マイナンバーの句をよく見かけるが、Tさん同様に詐欺ネタが多い。

やはり、着想で勝負しなければなるまい。
自由吟の入選は見つけ(視点)の良さが左右する、それを念頭に入れて作句することだ。

先日見かけた、朝日新聞の「東海柳壇」の入選句の中に次の句があった。
さらりと詠んでいるが、非常に着想のいい句。こんなところを目指していけばいいだろう。

 マイナンバー着物の柄に似合いそう(岡嶋義之)

Tさんのもう一句は・・・・

 アベノミクスも三本の矢へチャレンジか(自由吟)

平凡を絵に描いたような句。実際、アベノミクスが目指すのは三本の矢(3つの政策)であるわけで、それを今更言ったところでどうしようもない。

 田舎にはアベノミクスは届かない(詠み人知らず)
 心配なアベノミクスの副作用(前田守康)

こんな句を参考にすべきだろう・・・・。



2015.10.29(Thu)
相性のよさ化学反応なんだろう

川柳添削第五弾。
課題「ぴったり」。

「ぴったり」という課題でまず浮かぶのが、服がぴったり・・・・
「衣服がちょうどいい大きさ」というのは、誰もが考えつく発想だろう。

第一発想は同想句、類想句が付きもの。
二百数十句の中に、「ぴったりの服」がどれだけ出てくることか?

川柳を習い始めた頃によく言われたのが、「第一発想は捨てよ!」ということ。
着想は句の命、誰もが気付かないことをポーンと言い当てるよう意識することだ。

 試着して財布と会話すきま風(ぴったり)

お気に入りの洋服があった。試着してみるとぴったりの上、よく似合う。
しかし値札を見ると、容易に出せぬ金額。「すきま風」はあきらめの気持ちだろう。

一句の中に気持ちを押し込み過ぎて窮屈になっている。
少しさっぱりさせた方がいい。

 試着室 財布と会話して止める

もう一句。

 おしどりの阿吽の呼吸アメとムチ(ぴったり)

「おしどり夫婦」という言葉があるように、おしどりのつがいがいつも仲むつまじく寄り添っている姿が目に浮かぶ。何をするにも阿吽の呼吸なのだろう。

それはいいとしても、「アメとムチ」とは何だろう。
おしどりのオスは、メスの産卵まではメスを守り抜くらしい。

しかし、産卵後は抱卵や子育てを手伝うこともなく、メスから去ってしまうのだという。
そうした一連の行為をアメとムチと言っているのだろうか?アメとムチは除いて・・・・

 おしどりの夫婦であすもあさっても

次回は最終回・・・・



2015.10.28(Wed)
生き方を少しは変えてみたい蟻

Tさんの川柳添削第四弾。
課題「雑誌」。

 週刊誌スキャンダル知る美容室(雑誌)
 週刊誌売れ筋狙う浮き沈み(雑誌)

Tさんにとって一番馴染みのある雑誌は、美容室で読む週刊誌。
そこには、数々のスキャンダルが報じられている。

活火山のごとく大きく噴火したものから、火種が少し燻っているだけのもの。
小を中に、中を大に伝えるのが週刊誌の役割。

品行方正な出来事や孝行息子の美談などは面白くも何ともない。
真実を歪めたものが、いつの時代も面白いのだ。

上の二句はいかにも平凡で当たり前。
人間の本性をぶち込んでいきたい・・・・

 美容院でまとめ読みする週刊誌(毛利由美)
 しあわせな記事では売れぬ週刊誌(江畑哲男)

次回へ・・・・



2015.10.27(Tue)
しあわせのかたちに見える肩車

川柳添削第三弾。
今回Tさんが私のもとに持ち込んだ句は、ある大会の課題句。

Tさんはその大会で見事全没、その理由を知りたかったのだろう。
どこが悪いか、悪いならどこをどう手直しすればいいのか、ということだ。

総じて言えば、Tさんの句は、五、七、五の羅列にすぎない。
「分かち書き」と言って、五、七、五ごとに空白を入れる川柳である。

これでは、詩としての流れもなければ、まして余韻など生まれるはずがない。
川柳は俳句と同様、定型詩である。人間を描く一行詩でなければなるまい。

私が尊敬する新家完司さんの川柳を紹介しよう。

 この世とは冷たい雨の降るところ

 たまご割る音ほどもなくひとりの死


 霧が出て街は水族館になる

 あきらめたとき美しくなるこの世


いずれも平明であるが深い句である。先に述べたが、「今の自分の姿、今の自分の想いの表明」を絶えず意識しているからこそ、こんな句ができるのだろう。

さて、添削である。

 ノーベル賞幼少の夢実る秋(トップ)

ここにも五、七、五の羅列がある。ノーベル賞が「トップ」であるかどうかの議論はあるが、この際そこは目を瞑って、ノーベル賞をどんなかたちにすればいいか?

かつてのサラリーマン川柳に、「皮下脂肪資源にできればノーベル賞」というのがあった。
中八が気になるが、これなどは発想は悪くない。

 ノーベル賞目指しどんぶり飯を食う

発想は貧困だが、こんなところで勘弁してもらいたい。

 トップ当選ビリも国会は同じ椅子(トップ)

川柳らしい発想だと思うが、七、八、五の破調。
トップとビリを同列に並ばせていることに目を瞑れば、こんな感じの添削か?

 総選挙トップもビリも同じ椅子

次回へ続く・・・・



2015.10.26(Mon)
写経する父の癖字を真似てみて

川柳添削第二弾。
もちろん原句はTさんのもの。

 記念日は心のおしゃれエメラルド(おしゃれ)

課題「おしゃれ」。この句も何が言いたいのか不明。
何の記念日かがわからないから、句意が掴めない。

Tさんにとっての大切な日と捉えれば、「大切な日はエメラルド色に心のおしゃれをする」くらいの意味か?それでは「心のおしゃれ」とは何か?「エメラルド」とは何か?

要するに、前向きに生きるとか、心豊かに生きるとか、そんなところだろう。
それを表現するには・・・・?

 記念日は心のおしゃれする旅路

こんなところで許してもらいたい。

 大人かわいいナチュラルメイクとしは歳(おしゃれ)

この句も意味不明。ナチュラルメイクしてかわい子ぶっても、歳は誤魔化せないという意味だろうか?それならば句意がよくわかるように・・・・

 ばあちゃんのおしゃれナチュラルメイク法

次回へ・・・・



2015.10.25(Sun)
駅前の花屋へあすを買いにゆく

Tさんから川柳の添削依頼。Tさんは岡崎川柳研究社の会員で、ずっと前に川柳を齧ったことはあるが、その後中断、本社句会に出席するようになって約一年の新人さん。

私は、本社句会では曲がりなりにも席題の選をさせてもらい、川柳の体を成していないものに添削指導しているので、このような添削依頼が舞い込んだのだった。

新人とはいえTさんの意欲は凄い。各地で開催される川柳大会に積極的に参加している。
ただ、悲しいかな全没が多い。初期の頃はみんな同じようなものだが、投句を見て驚いた。

大会に参加するには、実力不足は否めない。
どんなふうに直していいものやら・・・・

 老舗いま猫お留守番シャッター街(古い)

課題「古い」だが、シャッター街の現状を説明しただけの句となっている。
シャッター街のお店は、老舗といえども客が少なく猫が留守番しているのですよ・・・と。

句主として「何が言いたいのか」が、わからない。
ここが明確でないから、読み手の胸を打つこともないのだ。

川柳の目的は何か?「今の自分の姿、今の自分の想いを表明すること」(新家完司)である。
ならば、一句の中に自分の姿、自分の想いがあるのかを問わねばなるまい。

 老舗いま招き猫だけいそがしい

句意が変わってしまったが、直せばこんなところだろうか?

 古民家で二味ちがうイタリアン(古い)

「二味ちがう」に自分の想いはあるが、一味、二味では平凡。
古民家で食べるイタリアンは、他と比べてどこが違うのか?

 うれしすぎます古民家のイタリアン

ではどうだろう?地力のない私にはこの辺りが精一杯。

他は次回・・・・



2015.10.18(Sun)
川柳七句

プライドを捨てると坂道が軽い

句点打つ明日が迷わないように

跳びたくていつも探している答え

叫びたい日は全開にする蛇口

この幅でゆっくり降りる滑り台

美しく生きると決めたゴミ出し日

夕暮れを包む大きな手のひらだ



2015.10.12(Mon)
アナログで回る地球儀だから好き

昨日は夕方に稗田川沿いを散策。
空も水も木々もすべて明るい内に歩くのは久しぶり。

秋の野に変わっているのは承知の上だが、体が触れる草々に勢いがないのは淋しい限り。
「負けるしかない雑草が生い茂る」の句のように、いつまでも人間を悩ませて欲しい。

至るところ、コスモスが可憐な花を咲かせていた。
この花はいつまでも昔と変わらず、いつまでも青春を謳歌しているようだ。

こっちは遠に中年を過ぎ、初老に入ろうとしているのに。
ハナカイドウが季節はずれの花を付けていた。

秋は狂い咲きというものが時々あって、桜なんかもそうだ。
一筋縄ではいかない季節を、夕方の景色が教えてくれた。

今日は、豊橋文化祭川柳大会に参加。
日本晴れを絵に描いたような一日。

大池公園の木々の葉が少しずつ紅くなっていく様子は気分がいいものだった。
おかげで(?)一句が特選に選ばれ、豊橋文化振興財団賞をゲット。

アナログで回る地球儀だから好き (古い)

他の句はさっぱりだったが、柳友との触れ合いもあったし、いい一日だった。



2015.10.04(Sun)
切り株に座る未来の絵を描いて

岐阜県川柳作家協会川柳大会と亀山川柳大会を連荘で終えて、ただ今無心状態。
土、日ともに日本晴れと、天気が良かったのが何より。

亀山の大会は、昨年は台風で流れている。
それを思ったものか、神さまは今年は晴天にしてくれた。

あおぞらに頬擦りしたいいい予感

あおぞらが広がってくる読後感

上の二句はいずれも大会の没句だが、選者との相性が悪かっただけと負け惜しみを言っている。没句が多い時は、そう思わなくてはやっていられない。

これも知恵というものだ。岐阜は振るわなかったが、亀山は秀句のおかげで、中日新聞社賞をゲット、出来すぎ。唯一の秀句は下。

駅前の花屋であすを買ってくる  「明日」


さて、恒例の川柳の結果報告。(8/16 きぬうら句会以降 欠席投句の「鈴鹿句会」および「きぬうら課題吟」は、柳誌到着後の報告)

鈴鹿川柳会8月句会(8/22)

老いという反乱軍がやって来る  「乱」 誌上互選

返ってきた谺が答えだと思う   「声」 

聞いてあげる痛々しい声だもの  「声」

コメントを残す小さないのちでも  「自由吟」


きぬうら課題吟


レポートも恋も未完のまま終わる  「儚い」

種明かしして儚さを食べている  「儚い」

生も死もつかのま向日葵も朽ちて  「儚い」

ドーナツの穴になるのも難しい  「穴」


岡崎川柳研究社本社句会(9/5)

十二色使い切るまで汗を掻く  「汗」 秀句

いい汗を掻けと青空からエール  「汗」    

敗北の酒よスルメが噛み切れぬ  「敗」

負けるしかない雑草が生い茂る  「敗」  

続編が気になるけれどあー眠い  「期待」 

願わくばあおぞらだけの人生を  「期待」

来年も期待しましょう蝉の声  「期待」

釣瓶落としですか夕日もにんげんも  「秋」 軸吟


長野県川柳大会(9/6)

たてがみを靡かせこの町を出よう  「出」 佳吟

澄んでゆく時間がこんなにも眠い  「澄む」

愚痴こぼす日は何度でも歯を磨く  「合図」 秀句 天

戦いの狼煙だピザの焼け具合  「合図」


中部地区川柳大会(9/13)

夕日には勝てぬ別れの名演技  「鮮やか」

妥協など知らない天窓のガラス  「ガラス」

冴えるよう胸の埃は取っておく  「冴える」


鈴鹿ネット句会(9/16発表)  

大の字に眠ると庶民らしくなる  「庶民」

花束を一度はもらいたい庶民  「庶民」



川柳忌みたままつり句会(9/23)

恋がまだできそう真夜中のメール  「メール」

切り株に座る未来の絵を描いて  「座る」 秀句

青春をひらくと柔らかい日差し  「記憶」

直次と智子は逝ったあおぞらへ  「献句」


みえDE川柳(9/25発表)

風船を付けると島が持ち上がる  「島」 天賞


きぬうら句会(9/27)


トランプのように青空切ってみる  「青空」

青空をときどき噛んでいる八重歯  「青空」

自販機で買う一枚のあおぞらを  「青空」

三つ目の角を曲がって秋が来る  「自由吟」 佳吟

畳まれた傘が夕日を追い掛ける  「自由吟」

時刻表めくると秋は小走りに  「自由吟」 佳吟



いとう良一・色鉛筆画



2015.09.26(Sat)
川柳鑑賞

世に「ネット句会」が大流行りである。句会といえば、ある場所に一同が集まって句の競吟や批評などをするものだが、今やそれがホームページからできるというのである。

句会というからには俳句か川柳ということになるが、私の場合はもっぱら川柳。居ながらにして全世界(これがあながち大袈裟ではなく、外国に住んでおられる邦人からの投句も多いと聞く)の柳友とネットを通して川柳の交流ができる。        

実は、今夜もあるネット句会の結果が発表される。ついでだから種を明かすと、NHK津放送局(三重県域)に「みえDE川柳」というFMの番組があって、リスナーの投句によって成り立っている「ネット句会」である。

ひと月に二百以上もの句が寄せられ、三重県を代表する川柳作家が選句をする。
入選句は、天、地、人と平抜きを合わせた十三句、厳選である。      

その結果はもちろん放送時間帯にリアルタイムで発表される。入選句を俎上に載せたアナウンサーと選者のやりとりや、途中入るリポーターの中継などが句に臨場感を持たせ、リスナーにとっては楽しいひとときとなる。

残念ながら私の住むエリアには音波が入って来ない。よって番組終了後に更新される「みえDE川柳」のホームページで初めて結果が知らされる。

今月のお題は「島」。
どんな結末となるか、いつも待っている時が楽しい。                 

待ち時間を利用して、川柳の鑑賞について書いてみよう。
というのは、先月、とある川柳吟社から鑑賞の依頼をいただいた。

その吟社が発行する柳誌の前月号を読み、心に残った句をピックアップして鑑賞文を書くのだ。年二回、向こう三年間。

毎回二ページの割り当ては、柳誌の活字の大きさから察して、ざっと二千字ほどになる。
全くの我流の鑑賞となるが今から楽しみにしている。

以前、柳友のTさんから手紙をいただいた。「私の好きな川柳作家」として、元川柳大学の会員であった高橋康夫さんの句が紹介されていた。

常に新しい視点から作句するとかで、「比呂志さんならどのように鑑賞しますか」と結んであった。ならば一度鑑賞文とやらを書いてみようと、Tさん宛てに綴ったのが私の鑑賞文の始まりである。

【雨傘の黒黙黙と月曜日 高橋康夫】

連休明けの月曜日。ただでさえ憂鬱な日に雨が降っている。カラフルな傘を差せば少しは気が晴れるが、私の傘は黒色。何も語ろうとはしない。仕様がないね、こんな日もある人生は。 

それからは折に触れて鑑賞文を書くようになった。
鑑賞とは芸術作品を理解し、味わうこと、と辞書にある。

ゆえに、作者がどういう思いで作句し、その句にはどんな背景があるか、何を言いたいかを掴まえなければなるまい。

それを自分の身近に置き換えて書くのがいいのだろう。
例えばこんな塩梅。

【日が暮れる針千本をのまされて 月波与生】    

小指と小指を絡ませながらどんな約束をしたのでしょうか。
針を千本飲まされたところを見ると、叶わないことだったのでしょう。

「今日こそは禁酒を誓います」「はしご酒はもう止めます」私ならさしずめそんな約束をさせられるでしょう。させる方は大したことでなくても、当人にとってはとうてい叶わない約束。

そんな繰り返しの春秋が風のように通り過ぎていく。 
今日も針千本飲まされて。

【刻み目をつけてお酒を飲まされる 渋谷重利】   

一升瓶に一合ずつの刻み目を付けて、上から順に日付を書き入れます。日付どおりに飲めば一升瓶は十日間プラス休肝日分保つことになりますが、そうはいかないのが酒飲みの悲しさ。

二合、三合と過ぎる夫を見兼ねて、今度は妻が日付を書き入れます。連れ合いの健康を気遣う妻の太い文字。ましてや監視の目が光れば、何日かは日付どおりに飲めるのです。

かくして意志薄弱な半人前の夫も冬銀河の下に生かされている。  

さて、ここまで書いて随筆の手を止める。
みえDE川柳に投句したお題「島」の結果が活字になる頃だ。

ホームページを恐る恐る開けると、何と私の句が天位。
奇蹟が起きた。

【風船を付けると島が持ち上がる 比呂ちゃん】 

比呂ちゃんは私のペンネーム。
三河湾に浮かぶ小さな無人島「梶島」をモデルにして作句した。

周囲五百mに満たない島の森林には海鳥が生息する。
風船を付けるとそのまま飛んで行きそうな島。

選者の吉崎柳歩さんの講評はこうである。

「本当のようなうそ」もまた川柳の真骨頂です。
ちっぽけな島でも風船ぐらいで浮き上がるわけがない。

そんなことは誰が考えても分かる。
そうするとこの島は「架空の島」だということが分かる。

「ひょっこりひょうたん島」かも知れないし、作者だけの思い入れのある島かも知れない。いずれにしても、誰も思いつかない「風船で持ち上がる島」に作者独自の着想があって感心しました。

こんな鑑賞文(句評)を書きたいものである。

                                     (刈谷文協文芸誌「群生」寄稿)



2015.09.23(Wed)
愚痴こぼす日は何度でも歯を磨く

この連休は、ギンナン拾いに明け暮れた。
妻が見つけた穴場には、毎日のように拾いに出かけた。

この場所は神社の境内で薄暗く、人の寄り付きそうもないところ。
高浜市の散歩コースに一応指定されてはいるが、立ち止まるには勇気がいるのだろう。

ギンナンの粒は大きく重い。今後はここを中心にギンナンを収穫することになろう。
妻の鼻は大したものだ。

シルバーウィーク最終日の今日は、愛知川柳作家協会の恒例行事・「川柳忌 みたままつり句会」に出席。出席者、投句者合わせてざっと170名ほど参加。

わが高浜川柳会からも選者を出しているので、いざ参戦。本当は、岡崎川柳研究社からの選者と言うべきだが、傘下といえどそこはそこ、仲間の晴れ舞台が間近に見られて良かった。

今日の入選句。

恋がまだできそう真夜中のメール  「メール」

切り株に座る未来の絵を描いて  「座る」 秀句

青春をひらくと柔らかい日差し  「記憶」

さて、今月は「川柳きぬうらクラブ」の句会を残すのみ。

来月は、3日 岐阜県川柳作家協会川柳大会、4日 亀山市民文化祭川柳大会、12日 豊橋文化祭川柳大会、24日 阿久比川柳大会、と大会が続く。

その間、18日 高浜川柳会句会、25日 川柳きぬうらクラブ句会もある。
誌上大会、鈴鹿川柳会への投句を含めるとかなりの作句を必要とする。

真夏日以上に熱い秋となるだろう。
血圧がまた上がりそう!



2015.09.13(Sun)
川柳七句

鍵穴を覗いて秋とたわむれる

週刊誌めくると秋は小走りに

バイバイと君紙ヒコーキに乗って

疲れ目にどうぞわたしの青空を

歩いてく誰か気づいてくれるから

へし折ってしまえ虚栄という首を

あの世とは切取り線の向こう側



2015.09.06(Sun)
生きている叫びだ蝉も雑草も

九月に入り、またひと夏を越したという思いで満ちている。
これも、盆明けからの涼しい日々のお陰だが、やれやれという感じだ。

まだ残暑厳しい日もあろうが、彼岸はそこまで来ている。
蝉の声も微かになり、夏草もだいぶ草臥れてきた。日毎に秋の色が濃くなっている。

昨日は、岡崎川柳研究社の本社句会。
名古屋番傘のSさんが、番傘の大会のPRで来てくださった。

あちこちの句会に顔を出しているようで、PRだけでなく、句会にも参加される。
課題「汗」の選者を務められ、席題も素晴らしい句を披露された。

今日は、「第六十九回 長野県川柳大会」に参加。
長野県飯田市までの道のりは長いが、半分は旅行気分、気分転換ができて良かった。

招待選者の願法みつるさんが、課題「合図」で下の句を天に抜いてくれた。
お陰で、「飯田天柳吟社賞」を受賞、出来すぎ。

 愚痴こぼす日は何度でも歯を磨く

三年ぶりに再会したRさんとも挨拶ができた。
体力の衰えはあるようだが、頑張っている姿を見るのは何よりだ。

Mさんとも一年ぶりに話ができた。
農業で日焼けした顔は健在、川柳への想いの強さも変わりがない。

帰りは、恵那峡サービスエリアで土産の品定め。
りんご風味のケーキと奥美濃古地鶏のくんせい、焼豚などをゲット。

さてと、くんせいと焼豚で今から一杯飲るとするか!



2015.08.31(Sun)
生も死もつかのま縁日のひよこ

今日で八月が終わる。
やがて向日葵が朽ち、萩の柔らかなピンクを目にするだろう。

八月から九月になったからといって、小・中学生が学校に通いだすだけで、他は変わらないのだが、秋へ移行する心は少しセンチになるものだ。

さて、恒例の川柳の結果報告(7/26 きぬうら句会以後。欠席投句の「鈴鹿句会」は、柳誌到着後の報告)です。


鈴鹿川柳会7月句会(7/25)

激励会ジュジュッと肉の焼ける音  「励む・励ます」 誌上互選

励ますと仕送りすこし多くなる  〃

陽が沈む名画座で見た陽のように  「やれやれ」

雲を流してみんな許してくれる空   「流す・流れる」

いい流れ作ろう髭を深く剃る  〃

「海の日」は海の青さを思うだけ  「自由吟」


岡崎川柳研究社本社句会(8/1)

決断の尻尾はきっと立っている  「決断」 

この町をあすは出てゆく離職票  〃

決断へ脈はしっかり打っている  〃

煙突を仰ぐと青が沁みてくる  「煙」 秀句

手花火の煙はふるさとへ流れ  〃   

煙吐くゆっくり人を恋いながら  〃    

生きている叫びだ蝉も雑草も  「夏」 秀句

立秋がわたしの影を踏みに来る  〃   

納得するまで探している出口  「探す」 軸吟


咲くやこの花賞(8/8発表)

どれほどの明るさだろう梅を干す  「明るさ」


鈴鹿ネット句会(8/16発表) 
 

「比べる」で二句投句するも全没


きぬうら句会(8/16)

友が来てマイナスイオン置いてゆく  「マイナス」  

笑おうよマイナス志向抜けるまで  〃 

罰ゲームのような海抜ゼロ地帯  軸吟

ウメボシを齧り激論まだつづく  「塩」 

あの世まで減塩という罰ゲーム  〃 佳吟

人生のたとえはシャケの塩辛さ  〃 佳吟


みえDE川柳(8/28発表)


「花火」で三句投句するも全没




2015.08.23(Sun)
川柳七句

窓の外なんにもないがいい景色

愛という一年草に飢えている

悪役になれそうもない樹の上で

生きている風のスイッチ弱にして

笑えない日は口笛を吹いてみる

夢を描く小窓に息を吹きかけて

どの花を飾ろう秋の入口へ



2015.08.16(Sun)
煙突を仰ぐと青が沁みてくる

金曜日は、夏の日帰り家族旅行。行き先は、「平成の大修理」を三月に終えたばかりの名城・姫路城。白鷺ならぬ、妻の鶴の一声で決定したものだ。

 
姫路駅(新幹線) → 姫路城 → 好古園 → 書写山・円教寺 → 灘菊酒造 

上のコースを頭に描いて、いざ出陣。気持ちは第14代城主・黒田官兵衛だ。
猛暑日が続く八月の中にあって、やや雲の多い日。雲による日陰はありがたかった。

しかし、雲が切れたときは、ギラギラの太陽が顔を出し、容赦なく体皮を焼いていく。
そんな時間が約30分、入場チケットをようやくゲットし、城内へ。

天守閣へは、さらに1時間半待ちとかで、こちらは諦めた。
もっぱら城内の石段、白壁や西の丸長局(百間廊下)、西の丸庭園を楽しんだ。

天守や小天守など8棟が国宝、さらに「菱の門」「備前門」など15の門、「イの櫓」などの櫓、土塀など計74棟が重要文化財に指定。日本初となる世界文化遺産の登録もうなづける。


姫路城・射撃用の窓


続いて、姫路城の南西に隣接する「好古園」(こうこえん)。
約1万坪にわたって広がる池泉回遊式庭園だ。

発掘調査で確認された武家屋敷跡などの遺構を活かして、市制100周年を記念して、平成4年に造営された情緒ある庭園。

江戸時代をしのばせる築地塀や屋敷門・長屋門、渡り廊下などの景観が横たわる。
時代劇や大河ドラマのロケ地としても使われているそうだ。

庭園内のレストラン・活水軒で昼食。
姫路特産のアナゴを使った穴子どんと日本そばをいただいた。

庭園内で、今を盛りの.萩の花を見た。旬を先取りした花がどの季節にも楽しめるのだろう。ギラギラの陽を浴びながら、小さな秋がゆかしく揺れているようだった。


好古園・渡り廊下


好古園の次は「書写山・円教寺」へ。書写山の山麓までタクシーで約15分。
ここからはロープウェイに乗って播磨屈指の名刹まで。

見るからに鄙びた古刹。
それもそのはず、円教寺は、康保3年(966)に性空上人が開山。

滋賀の比叡山延暦寺と並ぶ修行道場として栄えたらしい。
天台宗の別格本山としても知られ、西国三十三霊場の27番目の札所にあたるとか。

写経、座禅などの修行体験をゆっくりしたいものだが、お供がいるとそうもできない。清水寺を思わす舞台造りの「摩尼殿」、「大講堂」「常行堂」「食堂」と続き、さらに「奥の院」へ。

映画「ラストサムライ」のロケ地であることや、また今年放映された大泉洋主演の映画「駆込み女と駆出し男」のロケ地であることは地元ではつとに有名とか。

駆け足の参拝だったが、有難味はお供ともども共有できた。
静かな山上で過ごす時間は、またとない癒しのひとときであった。


円教寺・仁王門


さて、最期に控えしは、播磨の日本酒蔵元「灘菊酒造」。
姫路市内には八つの蔵元があるそうだが、今流行りの女性杜氏が醸し出す蔵へ。

杜氏の名は、川石光佐さん。南部杜氏のもとで修行を積み、西日本初の女性南部杜氏として認定されたまだ三十代の実力派とか。

酒造見学(といっても当日は盆休みで作業風景をみることはできなかった)と試飲。
私の役割は、もっぱら試飲(いくらでもいけます)、じっくり吟味することに。

まずは、特別本醸造「夏生にごり」。にごり酒特有のコクがあって美味しい。
次は、「播州山田流 純米吟醸」、こちらはすっきり系で何杯でもいけそう。

さらに、リキュール「蔵人」、アルコール度数36度とあって、少々キツい。
カップに氷を入れて試飲、口当たりが甘いので、女性がゴクゴクやると危ない。

最後は、夏用に氷で冷やされた甘酒、本格派と呼ぶべきだろう、大変美味。
お土産に、純米吟醸酒「きくのしずく」と「生貯蔵酒」3本セットをゲット。

店内で、甘酒から作るソフトクリームに10年熟成の味醂をかけた「黒甘ソフトクリーム」(これがまた半端なしに美味)をいただき、灘菊酒造を後に。


灘菊酒造



2015.08.08(Sat)
廃線の枕木かなしくはないか

連日の猛暑にも少しずつ体が慣れて、今日は立秋。
秋の虫が、夜な夜な鳴き始める時期になった。

今日は、高浜川柳会の定例句会。
暑い中、それでも川柳の上達のために会員の皆が熱心に来てくださる。

その心意気で、川柳も皆上達している。
雑詠からピカッと光る句をいくつか挙げる。

夏休みママのストレス右上がり (文子)

昼寝して今夜たっぷり深夜便 (典子)

猛暑日は冷房シェルター入りびたり (康司)

身の丈で生きれば小悪もまた楽し (清和)

ひまわりの苦笑いする熱帯夜 (志保美)

生きている風のスイッチ弱にして (比呂志)


さて、恒例の川柳の結果報告(6/28 鈴鹿市民川柳大会以後。きぬうら句会、きぬうら課題吟および鈴鹿川柳会誌上互選は、柳誌到着後の報告)です。

きぬうら句会(6/28)

どれほどの汗を掻いたか靴の減り 「汗」 秀句

祈っても汗をお掻きにならぬ神 〃

月曜の虚ろを抱いてパンを焼く 「虚ろ」

父さんの虚ろが溜まる終電車 〃 佳吟

皿ひとつ割りたい曇天の虚ろ 〃 秀句


きぬうら課題吟


さあ始めよう遮断機を跳ね上げて 「始める」 

革命を始めるぎこちない音で 〃

波を入れようたいくつな日常に 「波」 佳吟


鈴鹿川柳会誌上互選

匙加減よくて社説が好きになる  「新聞」 

出勤へ四コマだけは欠かさない   〃


展望ネット句会(7/2発表) 

「労働」で二句投句するも入選には至らず



岡崎川柳研究社本社句会(7/4)

ごきげんが斜めで沈む冷奴  「沈む」 

沈むたび花屋の多い町へ行く  〃 秀句

踊ろうか風が誘ってくれるから  「誘う」

誘われて少し大きな雲になる  〃 秀句 

水掛け論小雨が降ったせいですね  「雨」

青空がはにかんでいる梅雨最中  「天」 軸吟


咲くやこの花賞(7/8発表)

ここから始める小さな点を描き  「点」


きぬうら句会(7/26)

花柄のまくらカバーで甘い夢  「枕」  

廃線の枕木かなしくはないか  〃 秀句 

勝ちゲームほんのり甘い南風  「甘い」 

鬼の目にまあるい甘さだけ映る  〃 佳吟

ガリ版の詩集に遠い日の青さ  〃 秀句


みえDE川柳(7/31発表)


「さけぶ」で三句投句するも全没



2015.08.02(Sun)
ガリ版の詩集に遠い日の青さ

昨日は、岡崎川柳研究社の本社句会。
厳しい暑さの中でも、好きな道だからこそ勇んで出陣。

岡崎花火大会の当日とあって混雑が予想されたが、12時開会の句会には何ら影響なし。
定刻に到着するやお仲間と挨拶し、いつもの場所に就いた。

初顔は、A・Kさんひとり(女性です)。岡崎の幹事・安藤ゆらぎさんの指導の下で川柳を書いていたが、安藤さんが体調を崩したこともあり、教室そのものが空中分解。

しばらく句会には参加されなかったようだが、誰かの奨めがあったのだろう、本社句会に来てくださった。二年前の岡崎の大会にも参加されていたし、顔と名前は一致していた。

A・Kさんは秀句を連発。
センスの良さといい、川柳への取り組みといい、今後が楽しみな人だ。

わたしも二句が秀句。

 煙突を仰ぐと青が沁みてくる 「煙」

 生きている叫びだ蝉も雑草も 「夏」

帰路、花火大会の雰囲気に触れようと、名鉄東岡崎駅前を通過。
渋滞は予想通りだが、浴衣姿のカップルの華やかさに昔を思い出した。



いとう良一画



2015.07.19(Sun)
消去法というやさしい日暮れどき

夕方、どこへ行くともなく妻と散歩。
一人で歩くときは、稗田川の堤を歩くことにしているが、妻とならば気まぐれ。

今日は、千本桜で有名な大山緑地公園の方へ。
公園のすぐ西には、衣浦湾まで続く明治用水が流れている。

衣浦湾とは逆方向に、水路に沿って歩くことにした。
七時少し過ぎて、空が暗くなってくる頃、水路沿いには釣り人。

携帯用の照明を身に付けた老人が、何やら釣り上げたようだ。
聞くと、セイゴ。小ぶりだが、何匹か釣ったようで、他にはハゼが釣れると言う。

ボケ防止に釣りをするとかで、今から十時頃まで釣りを楽しむのだとか。
こんな楽しみ方もあるのか。釣りをしなければ時間を潰すのに苦労しているようだ。

少し行くと、今度は小学生の子ども二人と父親の家族連れ。
やっぱりセイゴを釣ったようだが、本当の狙いはウナギ。

50aほどの天然のウナギがたまに掛かるという。
鰻の値が高騰している昨今、これもまたいい趣味だ。

釣り人とおさらばして、明治用水を北へ。
新旧の民家の佇まいがそこはかとなくあって良い。

民家の入口に、バケツに入ったグラジオラス。
何気なく見ると、「お好きなだけお持ちください」と書かれたダンボールの札と花。

こんなもてなしの仕方もあるのだ。感心しながらやさしい空間を通り抜ける。
すっかり暗くなった町並みに、また朝が来ると信じさせるのは、こうした光景なのだろう。



2015.07.11(Sat)
川柳七句

生きていく意味を深追いなどしない

大河にはなれぬ小川のせせらぎに

遠いなあ人の痛みがわかるまで

逢える日へ多弁になってゆく翼

折り畳み式にできぬか悲しみを

雨の日の別れはみんな嘘くさい

仲直りする弾力のあるうちに



2015.07.04(Sat)
誘われて少し大きな雲になる

隣家の木槿(むくげ)の花が盛りを迎えた。どんよりとした土曜の昼下がり、雨を待つ紫陽花や花菖蒲のようにはいかず、どことなく寂しそうだ。

木槿は青空がよく似合う。陽を浴びてキラキラ光っているのがよい。
もう少しだ、もう少し経てば梅雨も明け、クラクラと目眩がするほどの光を連れてくる。

さて、恒例の川柳の結果報告(5/24 きぬうら句会以後。欠席投句の「鈴鹿句会」は、柳誌到着後の報告)です。

鈴鹿川柳会5月句会(5/23)

もう夏が座るジャングルジムの上  「早い」 誌上互選

ただ祈る晴れる保証はないけれど  「保証」

平熱になると何でもない悩み   「戻る・戻す」

反省会ハンセイしない心地よさ  「自由吟」


展望ネット句会(6/2発表) 

神さまの前ではみんな礼をする  「礼」


岡崎川柳研究社本社句会(6/4)

手鏡に夏という字がおとずれる  「手」 

手を洗うあしたを迷わないように  〃

空という無限が欲しい窓ガラス  「空」 秀句

樹の天辺たったひとつの空に逢う  〃  秀句 

ツユクサになって青空降りてくる  〃    

朝だけが本当のこと告げている  「朝」

朝という顔がこんなに照れ臭い  〃   

朝になり少しゆらゆらする抱負  〃 

癒されるからこの人に種を蒔く  「種」 軸吟


アクセス記念句会(6/6発表)


ミルキーの匂いか紫陽花が咲いた  「印象吟」 佳句

いい風だふーせんガムを膨らます  〃


未来形の話が好きな子どもたち  〃


鈴鹿ネット句会(6/16発表)  


水になるまでは泳いでいる海月  「水」


東海市川柳大会(6/20)

迷い子になろうやさしい風の中  「風」  

無印で生きると風がやわらかい  〃 

生きてゆくみんな鉛筆尖らせて  「生」 

この星がどう変わろうと終の家  「家」

あおぞらに束になっても敵わない  「束」 特選


みえDE川柳(6/26発表)


どれほどを演じてきたか舞台裏  「隠れる」


鈴鹿市民川柳大会(6/28)


ハンカチを忘れて少しだけ自由  「自由吟B」

どんぶりを割りたい曇天の虚ろ  軸吟




2015.07.01(Wed)
千切れ雲さみしい言葉だけ捨てる

日曜日は、鈴鹿市民川柳大会。
梅雨最中、晴れ男、晴れ女が鈴鹿のスタッフによほど多いのか、晴天で良かった。

数日前から、折り畳み傘は欠かせないと思っていたが、当日は曇り空の予報をいい意味で裏切り、晴天。風の心地よい爽やかな日となった。

この日のお客様(?)は、超大物揃い。西の新家完司、東の高瀬霜石を筆頭に、天根夢草、石橋芳山、濱山哲也、たむらあきこ、上野楽生、神野きっこなどの諸氏が遠方から。

近隣県からも丸山進、鈴木順子各氏が一門を率いて来鈴。
会場である「東樽」の大宴会場は、立錐の余地もないほど人、人、人の渦。

この日は選者であったため、珍しく祝儀を持って参上。相場がいくらなのか、誰も教えてくれないので、選者の時は、片手(5万円ではないですぞ!)で通している。

課題、席題の出句を終え、さて選に掛かる。アバウト1時間「丼」(課題)と向き合う。
強者の多い鈴鹿の大会、いい句が多かったなあ。

下は、課題「丼」で秀句に取った2句と軸吟。


丼で飲もう議論は果てしない 岩田明子

丼飯が育てる横綱のたまご 足立千恵子

どんぶりを割りたい曇天の虚ろ 比呂志

大会を終えて、懇親会。これが盛り上がる。再会を祝して、受賞を祝して、入選を祝して・・・・懇親会のために大会をしているのかもしれない。

懇親会の後は、恒例のカラオケタイム。途中で中座するが、名鉄三河線はいつも最終。
しかし、懲りないのは、この大会の“おもてなし”が素晴らしいからだ。

この愉快な一日があるから、また一年生きられるような気がする(大袈裟な!)。



2015.06.27(Sat)
あおぞらに束になっても敵わない

先週の土曜日(6/20)は、東海市川柳大会。
この大会に参加するようになって4年が経過した。

初参加は、趣味の世界に羽を伸ばせるようになった平成24年。社労士会の大役を退いて時間に余裕ができたからで、5月の愛川協総会・大会に次いでの第二弾。

この大会で、図らずも東海市議会議長賞を受賞。
その後、私をして川柳にのめりこませたのは、この受賞がきっかけだった。

その時の受賞句は忘れられない。

 ふるさとの空は限定品だろう  「課題 限」

4年前といえば、東北の震災の年。それを意識して作句したわけではないが、選者の目には、瓦礫の山を見下ろす青空が見えたのかもしれない。

今年は、次の句で大会実行委員会賞。

 あおぞらに束になっても敵わない  「課題 束」

大会主催者の一人である東海柳壇川柳会の板橋柳子氏が特選に取ってくださった。
そろそろ「青空」を卒業しなければと思っていた矢先のことだった。

さて、明日は鈴鹿市民川柳大会。
誌友にさせてもらっている「鈴鹿川柳会」主催の大会だ。

選者を務めさせてもらうが、どんな結果になるか?
鈴鹿とは、これまで相性がすこぶる悪い。

自分の出来・不出来は二の次。
選・披講に集中しようと思う。


木槿



2015.06.20(Sat)
生きてゆくみんな鉛筆尖らせて

日曜日は、名鉄ハイキング「初夏を彩る風物詩 岡崎東公園の花しょうぶ」コースへ参加。
曇天の中の8.5`は、大いに日常からの気分転換になった。コースは・・・・

 
美合駅 → あおい公園(スタート) → 大平橋北交差点 → 岡崎東公園 →
 
 八柱神社 → 丸石醸造 → 岡崎信用金庫資料館 → 籠田公園 → 

 菅生神社(ゴール) → 岡崎公園 → 東岡崎駅 

「美合」は、学生時代からの親友がいて、何度も足を運んだ場所。
ゲンジホタルの生育地として知られ、町中を上げてホタルが乱舞する川を目指している。

田園地帯をゆっくり流れる風と時間、真っ白な梔子が咲いていたりして、気分がよい。
せせらぎの音を聞き、友と遊んだ空間を懐かしみながら「ほたる橋」を渡る。

田園地帯を抜け、しばらく一号線沿いを、そして大平橋北から右折、左折を繰り返す。
目指すは岡崎東公園。この時期のメインは、花ショウブだが、なぜか素通り。

公園の美しさは堪能できたが、勿体ないことをしたものだ。
公園を出てからは、八柱神社もやはり素通り。ただ一目散に「丸石醸造」へ・・・・。

さて、丸石醸造。人、人、人でごった返す中、甘酒の振る舞いを楽しんだ。
仕込み水を一杯ご馳走になり、300mlの生貯蔵酒を買った。

ゴールの菅生神社は、1時少し前。そしてそこから直ぐの岡崎公園で遅い昼食。
噴水を眺めながら、握り飯とつまみを食べ生貯蔵酒をチビチビ。

今年前半のハイキングはこれで終了(たぶん)。
妻の運転する車に揺られながら帰路、淡い夢を見たような・・・・。



2015.06.13(Sat)
平成の闇を覗いているホタル

今日午後からは、高浜川柳会の月例句会。
会員六人は少ないが、じっくり句を鑑賞できる良さもある。

まず、先月提出してもらった課題「布」の互選。
担当者が、清記した上で互選した上位四句は、次のとおり。

旅の宿湿布貼り合う喜寿の友 (文子 6点)

カルメンの踊り支える湿布薬 (比呂志 3点)

布袋夢を逃がさぬ返し縫い (典子 3点)

憤死するように雑巾絞ります (比呂志 3点)


続いて、担当者による課題句の選と選評。今月は、私が選者。
課題は「弱い」。各人の入選句と軸吟は次のとおり。

早起きと暑さに弱い夏が来る (典子)

弱すぎて敗者復活戦がない (清和)

折れそうな時ほど元気絞り出す (志保美)

エコ参加炬燵の温度弱にする (文子)

体力が弱い女房は司令官 (康司)

半世紀過ぎて弱火にして生きる (比呂志)


そして、最後は雑詠の鑑賞。これはもっぱら私が担当。
独断と偏見による選と選評。各人の入選句を一つずつ。

戻るから 花に水やる入院日 (志保美)

もう欲をなくしたくせによく喋る (清和)

補聴器の捕える音は罪つくり (典子)

ポイントを貯めたいために無駄使い (康司)

年ごとに脳の空き部屋増えてくる (文子)

遠いなあ人の痛みが分かるまで (比呂志)



いとう良一画



2015.06.07(Sun)
樹の天辺たったひとつの空に逢う

六月に入った。
昨日は、二十四節気のうちの「芒種」。

稲の穂先のように芒(とげのようなもの)のある穀物の種まきをする頃だ。
この地域では、梅雨入りの時期であり、梅の実が熟する頃でもある。

昨日の岡崎川柳研究社の本社句会の席題は「種」とした。
今年から席題の選者をさせてもらっているので、席題には気を使う。

その時期にふさわしい言葉をおのずと選ぶようになる。
「芒種」は馴染みのない言葉だったが、これで一つ賢くなった。

ちなみに次に来る節気は「夏至」。
こちらはなじみの深い言葉である。


さて、恒例の川柳の結果報告(4/29 三川連川柳大会以後。欠席投句の「鈴鹿句会」およびきぬうら課題吟は、柳誌到着後の報告)です。

鈴鹿川柳会4月句会(4/25)

荒れた肌男はさほど気にしない                        「荒れる」 誌上互選

枝ぶりがいいから青空が見えぬ                        「枝」

容姿端麗だけど鮮度は落ちたかな                       「たぶん」

塗り替えていくのも生きる選択肢                       「自由吟」


きぬうら課題吟

あとがきに男の価値が透けている                       「男」 

戦えとおとこを叱咤するさくら                          〃

合鍵を貰うわたしでよかったか                         「託す」


展望ネット句会(5/2発表) 

「呼ぶ」で2句投句するも入選に至らず


岡崎春の市民川柳大会(5/2)

拝啓のとなりで萌えている若葉                         「若葉」 

いっぽんのポプラのように夢を見る                        「夢」

逢える日へなんども返す砂時計                         「嬉しい」 佳句 

喜びのいのちうれしい日が続く                            〃    

地球儀を洗うみんなが笑うよう                         「笑う」 秀句   

青い風連れてきそうな畳替え                          「畳」  



愛川協川柳大会(5/5)

常温のやさしさポストまで歩く                         「ポスト」

恋文を出しに行くときだけ詩人                          〃

消去法という冷たい雨が降る                         「消す」

石段を上がる昨日を消すように                         〃

慈しむように食べたい無の時間                        「慈しむ」



咲くやこの花賞(5/8発表)

「薬」で2句投句するも全没


津市民文化祭川柳大会(5/10)

蟻として生きる地球は広いのに                        「ほどほど」

幸せの根っこの上で跳ねている                        「根」

やさしさの裏にもあった蟻地獄                         「深い」


鈴鹿ネット句会(5/17発表)  

「貫く」で2句投句するも全没


みえDE川柳(5/29発表)


「山」で3句投句するも全没 



川柳なごや夏の川柳大会(5/16)

本気度がいささか違う靴の減り                       「熱心

にんげんになろう呪文を繰り返す                      「すらすら」 秀句

丸腰で生きようこれからもずっと                       「気骨」


きぬうら句会(5/24)

この星を愛そう地球儀を撫でて                        「撫でる」  佳吟          

バッカスが鍛えてくれる渋い喉                        「鍛錬」 

心にも日差しを入れる経を読む                        〃

叩かれてあしたへ強くなるモグラ                        〃

悩むのはやめよう蟹が茹で上がる                       「悩む」   互選 




2015.05.24(Sun)
にんげんになろう呪文を繰り返す

小麦が色づいてきた。
数日前までは青々としていた小麦だが、梅雨の気配をそこはかとなく感じたのだろうか?

日本列島も、沖縄あたりではすでに梅雨入りが宣告されているし、ここ東海地方も数日の内に予報は出されるだろう。小麦としては、待ったなしといったところか。

昨日は、妻と二人で名鉄ハイキング。
五月下旬のやや湿気の多い季節、雨にならずに良かった。

今ハイキングのテーマは、「文化の架け橋 濃尾大橋を渡って一宮市と羽島市を知る!」
コースはというと・・・・

 
名鉄一宮駅(スタート) → 尾西公園 → 一宮市三岸節子記念美術館 → 
 
 一宮市尾西歴史民俗資料館 → 濃尾大橋 → 千代菊(株) → 

 羽島市歴史民俗資料館 → 羽島市役所前駅(ゴール)

お気づきの方もあろうが、私たち夫婦の(わたし一人と置き換えてもよいが)目的は千代菊。
豊富に湧き出る清流 長良川の伏流水を使用する1738年創業の日本酒蔵元だ。

ゆえに、美術館、資料館の類はそれほど関心がない。
本当は千代菊一直線に進みたいくらいだった。

今コースの距離は11.5`と書かれているが、とんでもない。
濃尾大橋から千代菊までの距離、約2.9`は誤記入だろう。

わたしの計測(ほとんど勘です)では、まず4`は下らない。
ということで、千代菊までの道のりは待ち遠しさを一層孕んだものとなった。

さて、千代菊(株)。順路通り、酒造工場の北口を入ると、まず酒粕を入れて練り上げたという飴をいただいた。印の品といったところだろう。

それから仕込み水の試飲。長良川からの伏流水(軟水)が口に柔らかい。
乾いた喉に、ゴクゴクといのちの水をコップ二杯いただいた。

続いて、清酒の試飲。銘柄はおそらく、「千代菊 光琳 特別純米無濾過生原酒 五百石仕込み」。生原酒は甘く感じられるものだが、辛口で酸度も低く、旨口のバランスのいい酒だ。

もう一つの試飲は、甘酒。
氷水で冷やしてあって、熱を帯びた体にとても優しかった。

帰路、酒粕入りの飴を頬張る。
どんな仕組みで練り上げた飴なのか、これが半端ない美味さ。

「美味しいねぇ」と、妻もこの日唯一の収穫と言っていた。

https://fbcdn-sphotos-e-a.akamaihd.net/hphotos-ak-xpa1/v/t1.0-9/11209599_887092974691675_3724425755616232613_n.jpg?oh=f64bd84d60ceb90bc7b2bbd1af7b55c0&oe=560340FD&__gda__=1442060101_e5d6f481b299a9c86812b7f42ba15d29
千代菊 酒造内売店



2015.05.17(Sun)
川柳七句

生きている伏流水の湧くままに

たそがれが好きまだ夜になれぬ空

へべれけに酔えば修正ペンがいる

両の手にいつも昂るものがある

編集後記にまだ咲いている桜

背表紙に描いた桜はみな無口

日の丸に隠し切れない血の匂い



2015.05.15(Fri)
地球儀を洗うみんなが笑うよう

五月が音もなく過ぎていく。
黄金週間が終わり、また繰り返される慌ただしい日常。

流れに抗うことなく、ただ流されていく喜びを噛み締める。俎上の鯉のように、目を瞑り、ちくちくした痛みを頬に感じながら、時の過ぎ去るのをじっと待つだけか?

毎日収穫されるイチゴをジャムにして、トーストに塗る。
今日も甘い香りをいっぱい頬張ることしかできない五月・・・・


黄金週間は恒例の日帰り家族旅行。
旅先は、第1候補として中田島砂丘が挙がった。

中田島砂丘は、北600m、東西4kmに渡って広がる砂丘で、アオウミガメの産卵場所として有名。風の強い日には、風と砂が造り出す大自然のアート・風紋が見られるとか。

だが、日射病を警戒してこの案は却下。
黄金週間前は、この時期としては異例の真夏日が続いていたからだ。

結局のところ日の目を見たのが、富士山麓ということに。
コースは、独断と偏見で下のように決めた。

 
富士山本宮浅間大社 → 富士高砂酒造 → お宮横丁 → 白糸の滝

5月3日(日)朝、8時台最後の新幹線こだまで三河安城駅出発。
メンバーは、私の他に妻、長男、長女、三男。私が一番影が薄い。

静岡駅着は10時頃。JR東海道線に乗り換えて富士駅まで。
さらにJR身延線に乗り換え、富士宮駅着は11時頃だったか。

富士宮駅から徒歩10分ほどで富士山本宮浅間大社の朱塗りの大鳥居へ。

富士山本宮浅間大社は、全国に1300ある浅間神社の総本宮。
富士山を御神体とし、浅間大社が祀られている。

富士山から水が湧く湧玉池は、国の特別天然記念物で驚くほどの清らかさ。
カルガモだろうか、木漏れ日の中で優雅に水浴していたのが印象的だった。

続いて、そこから歩いて数分の場所、富士高砂酒造の蔵見学と試飲。
このコースに決めたのは、言わずと知れた蔵見学のため。

蔵見学には予約がいるが、予約なしで何とか見学できた。
話を聞くと、富士宮市には現在三つの酒蔵があるとのこと。

富士山の伏流水(軟水)が仕込めるこの地は、酒造りにモッテコイの環境なのだろう。
さて、試飲。純米吟醸酒、純米吟醸生酒、特別純米辛口、山廃純米吟醸あらしばり・・・・

と続き、さらに高砂ヨーグルト酒・・・・昼の酒はよく利く、軽い酩酊状態。
ヨーグルト酒2本、純米吟醸酒1本、純米吟醸生酒1本を買って、お宮横丁へ。

お宮横丁は、そう伊勢神宮のおかげ横丁を思い浮かべてもらえばよい。
おかげ横丁ほど高級感はないが、普段着の親しみがある。

御存知、B級グルメ・富士宮焼きそばを中心とした屋台風の店が所狭しと軒を並べている。
私もファーストフード片手に生ビールを一杯飲み干した。

そして、白糸の滝。連休の賑わいによりバスは運休。仕方なしにタクシー2台で
目的地を目指した。運ちゃんの配慮で裏道をくぐり抜け難なく目的地に。

白糸の滝。いい所であった。心が洗われるというか、マイナスイオンというか、滝に打たれたいというか、浮世離れしているというか・・・・下は、白糸の滝から富士山を仰いだ一枚。



この時期としては珍しく富士山がきれいに顔を覗かせていた。



2015.05.05(Tue)
あおぞらを覗く孤独な窓がある

黄金週間は、例年のように川柳三昧。
薫風の季節には、室内での行事はもったいないが、これとて致し方ない。

三重県川柳連盟川柳大会(4/29) を皮切りに、岡崎川柳研究社春の市民川柳大会(5/2)と続き、今日は、愛知川柳作家協会の総会および川柳大会。

句を揃えるのは何ともないが、これら川柳大会は丸一日掛り。
加えて自宅から現地までの往復に多くの時間を割かれる。

それだけならいいが、大会後の懇親会、二次会(通常はカラオケ)にも出席するから、帰りは自ずと深夜になる。それが楽しいのだから仕方のないことだが・・・・。

さて、振り返ると、どうしても句の粗製濫造は免れられない。
時間がないから、芋焼酎の水割りを啜って一気に書き上げる。

句を数日寝かせて、推敲を重ねていけばいいものだが、そうはいかないのが現状。
それで楽しいのだから、句の完成度は二の次でいいのだろう。

今後の日程は、高浜川柳会(5/9)、津市民文化祭参加川柳大会(5/10)、川柳なごや夏の川柳大会(5/16)、鈴鹿川柳会5月句会(5/23)、川柳きぬうら半田句会(5/24)。

どうなることやら・・・・


恒例の川柳の結果報告(3/29 第14回時事川柳大会以後。欠席投句の「鈴鹿句会」は、柳誌到着後の報告)です。

鈴鹿川柳会3月句会(3/28)

三日天下妻を迎えに行くとする                         「天下」 誌上互選

へら鮒を釣って天下を取ったよう                         〃

付箋貼る傷痕忘れないように                          「傷」

告白というには安い花を買う                          「安い」


展望ネット句会(4/2発表) 

「予定」で2句投句するも全没


岡崎川柳研究社本社句会(4/4)

からくりを解いて桜は満開に                          「桜」 

散る花へ風はやさしい訪問者                           〃

勝鬨をあげてさくらが咲き誇る                          〃   秀句

平成の闇を覗いているホタル                         「覗く」  秀句 

覗いてはいけない密約の小部屋                         〃    

あおぞらを覗く孤独な窓がある                          〃    秀句   

空中ブランコ地球をひと跨ぎ                          「ブランコ」  

約束をしようブランコ強く漕ぎ                             〃   

引き算をすれば希望がまだ残る                        「引く」   軸吟



咲くやこの花賞(4/8発表)

クッションの上に座っている無心                       「無心」

花いっぱい入れて無心になる柩                         〃



鈴鹿ネット句会(4/16発表)  

聞く耳は持たぬ四月のキリギリス                       「耳」


みえDE川柳(4/24発表)


「新しい」で3句投句するも全没 



きぬうら句会(4/26)

地球儀を洗う戦のないように                           「洗う」  佳吟 

倦怠を洗う紙カブトを折って                            〃

新緑が目覚めなさいとノックする                        「ノック」 

ノックする十月十日がやってくる                         〃

ノックなどできない鶴と知ったから                        〃

点滅の信号散ってゆくさくら                            「散る」   互選 


三川連川柳大会(4/29)

消去法というやさしい日暮れどき                       「自由吟A」

永遠にポーズをとっている夕日                        「ポーズ」

いい風だ 孔雀が羽を広げます                          〃

良い天気うがい薬を買ってくる                         「薬」

いつからか形状記憶となる秘密                        「秘密」

食べごろになった秘密を持て余す                        〃

たっぷりと騒いで丸くするしこり                         「騒ぐ」

無印で生きると笑うことばかり                         「自由吟B」  



2015.04.26(Sun)
遅咲きのさくらは少しだけ無口

先週の日曜日は、珍しくJRの「さわやかウォーキング」。
「名鉄ハイキング」への参加がほとんどだが、今回は、JRの次のコピーに惹かれた。

 
蟹江町 春のイベントと老舗造り酒屋での利酒(ききしゅ)を楽しもう

 
JR蟹江駅(スタート) → 蟹江町歴史民俗資料館 → 蟹江城址公園 → 

 富吉神社 銭洗尾張弁財天 → まちなか交流センター → 山田酒造 → 

 
JR
蟹江駅(ゴール)

コースは、ざっとこんなところ。なにせ利酒だけが目当てなので、蟹江町の歴史民俗は全く頭に入らない。歩いていても心は虚。山田酒造での利酒のことが頭から離れない。

さて、山田酒造。水郷の町の運河沿いにひっそりとたたずむ酒蔵。
蟹江町は水郷の町と聴いていたが、半田市にある運河ととても似ている。

醸造業が栄えたのも、共通点。輸送に水郷という地の利を利用できたからだろう。
運河沿いを右に降りていくと、酒蔵らしい風情の建物。

その中に百人はいるだろうか、人、人、人の群れ。
広くもない空間に酒好きが、銘酒「酔泉」の利酒を楽しんでいる。

利酒のあと、純米吟醸酒(価格:1升5千円)を半合(価格:3百円)いただき、山田酒造内の良く手入れされた庭園へ。新緑のもみじが美しかった。



山田酒造内売店



山田酒造酒蔵



2015.04.19(Sun)
川柳七句

続編を待とう蕾を付けたから

ふんわりと待つ潮騒を聴きながら

切る音がシャキッとさせる花鋏

終の旅ですときめきをまだ残し

何かできると裏付けのない自信

いい旅だったと最期はそう言おう

ハードルを下げて心を取り戻す



2015.04.12(Sun)
悲しみを砕くたっぷり笑わせて

昨日は、高浜川柳会の月例句会。現在、世話人を仰せつかっている身としては、会員全体のレベルアップは甚だ喜ばしいことだ。

それぞれの句に躍動感がある。各地で賞をさらってくるのが頷ける。
これからは、たびたびこの項でも紹介しようと思う。

告白の返事溶けていく欠氷   志保美

芋大根母の意のまま煮える音   清和

八十路坂年と折り合いつける日々   文子

俺じゃなく土産待ってた妻の顔   康司

句作りで狭い了見試される   典子

続編を待とう蕾を付けたから   比呂志


今日は、名鉄ハイキング「春爛漫!花と緑にあふれる安城デンパークフラワーフェスティバル」コース。いつもながら妻と一緒。

 
南安城駅 → 秋葉公園 → 広畔橋北交差点フラワーロード → 赤松町東向か交差点

 → 安城産業文化公園デンパーク・道の駅デンパーク安城 → 明治用水緑道 →

 アピタ安城南店(ゴール)


普段、慣れ親しんでいる場所だが、歩いてみるとまた違う味がある。
明治用水では多くの鯉に混じって泳ぐマナズを見た。

デンパーク正面ゲートまでの道のりには、延々と続く花を散り終えた河津桜。桜一本一本に里親の名が刻まれている。花の咲く頃に来たいものだ。竹林にはタケノコ。

アピタ安城南店でバイキングを食べ、帰路へ。
近場の散策も、さまざまな発見ができ、楽しい10`だった。


デンパーク内 シャクナゲが満開!



2015.04.05(Sun)
未来形を入れよう閂をはずし

四月になった。
年度末までとは違い、何もかもが新しい。

とりわけ人事という面では、新入社員が期待と不安を抱きつつ、社会に飛び出していく姿に遠い己の姿を重ねている。

もうあの頃には帰りたくないというのが本心だが、やり直したいという気持ちが心の奥底にいくぶん残っているらしく、潮騒のようなうねりを上げている。

固く閉ざした雨戸の閂をはずし、新しい風を入れねばならないのだろうか?


さて、恒例の川柳の結果報告(2/22 きぬうら句会以後。欠席投句の「鈴鹿句会」他および「きぬうら」課題吟と第115回中部地区誌上川柳大会は柳誌到着後の報告)。

鈴鹿川柳会2月句会(2/28)

転ぶのを覚悟している一輪車                          「転ぶ」 誌上互選

転ぶたび夢のしっぽが太くなる                          〃

怠けると転ぶほかない一輪車                          「怠ける」

心音を漏らさぬようにするダンス                        「心臓」

バクバクと心臓うれしそうな音                           〃

夕焼けを拾う寂しくないように                          「自由吟」


きぬうら課題吟

逆風を生きた背骨がやわらかい                        「風」 佳吟

にんげんをひとり転がす風の音                         〃

尖がって生きても風は鳴り止まぬ                        〃

また投げる悲しい言葉だけきっと                        「投げる」

投げ抜いてやっと人間らしくなる                          〃   佳吟

検尿のために生まれた紙コップ                        「悲壮」 佳吟

清水の舞台をいつも持っている                          〃


第115回中部地区誌上川柳大会 

優しさが沁みて砕けていく氷河                         「砕く」

悲しみを砕くたっぷり笑わせて                           〃   秀句 地位

ポストまで歩く心を告げたくて                          「伝言」

空き缶の泣き声ふいに転がって                          〃



展望ネット句会(3/2発表) 

「用」で2句投句するも入選に至らず


岡崎川柳研究社本社句会(3/7)

うぬぼれは豆乳鍋で煮てしまえ                        「うぬぼれ」 

うぬぼれの弓矢が的を射抜かない                         〃

目次から始まる夢のひとしずく                         「スタート」 秀句

愛ひとつ投げたボールが返らない                         〃    佳句 

続編を書く悲しみを食べてから                            〃    佳句 

千切れ雲さみしい言葉だけ捨てる                       「切る」 秀句   

もう逢わぬつもりで切った凧の糸                         〃   佳句 

やさしさが入った母の封を切る                           〃   

愛されるときには耳を空っぽに                         「耳」  軸吟



鈴鹿ネット句会(3/16発表)  

現在地誰に押されて来たのやら                         「押す」


きぬうら句会(3/22)

モツ鍋を美味くしている韮の束                         「手柄」 

ユーモアが距離を縮めた初対面                         〃

梅・桜・桃と手柄のように咲く                            〃 

ひと時の祭りでほぐす肩の凝り                         「凝る」   佳吟

逝くかたちだけは拘りたいいのち                         〃

装飾に凝って小窓を眠らせぬ                           〃

春一番両足揃えながら待つ                            「待つ」   互選 


みえDE川柳(3/28発表)

「送る」で4句投句するも全没 


第14回時事川柳大会(3/29)

未来形を入れよう閂をはずし                          「門」  秀句

普段着に戻り小さな旅終える                          「着る」

少年よこころの闇は見てやれぬ                        「時事川柳」

改憲の怪しさまでも慣れる耳                             〃



2015.04.04(Sat)
川柳七句

立つ鳥になろうと決めて庭を掃く

無心とは何パンジーの苗植える

やがて縁を切らねばならぬ花鋏

幸せを問うしあわせでない時間

現在地きっとこころの向く方へ

桜咲くまでは言い訳して暮れる

後戻りできない風に背を押され



2015.03.29(Sun)
勝鬨をあげてさくらが咲き誇る

昨日は、妻と名鉄ハイキングで岐阜県可児市まで。
メインは、今が盛りのカタクリの花の可憐さに逢いに。

日本ライン今渡駅を皮切りに、下のコース。

 日本ライン今渡駅 → ふれあいの里弘法堂 → 木曽川渡し場遊歩道 → 白髭神社

 → 湯の華アイランド広場 → 鳩吹山カタクリ群生地 → 日本ライン花木センター 

 → 可児川駅

木曽川渡し場遊歩道では、京都嵯峨野を思わせる美しい竹林道と機微に富んだ木曽川の風景を堪能。鳩吹山カタクリ群生地には、ピンクの花が山の斜面を覆い尽くしていた。


鳩吹山カタクリ群生地


今日は、中日川柳会主催の時事川柳大会に参加、珍しく時事吟と向かい合う。
テーマ川柳の課題「門」に提出した一句が秀句となり、秀句賞をゲット。

 未来形を入れよう閂をはずし

テーマ川柳のもう一つの課題「着る」も一句入選。

 普段着に戻り小さな旅終える

時事川柳の方は二句が入選。

 少年よこころの闇は見てやれぬ

 改憲の怪しさまでも慣れる耳

中日川柳会会長の荒川八洲雄さんが、「時事川柳を考える」ということでミニ講演?
下の@からBの内でどれを秀句とするか?

@ごみ捨て場ないのに急ぐ再稼働
A核のごみ埋める当てなく再稼働
B原発のゴミで日本が埋まる夢

答えは、B。「ゴミで日本が埋まる」という発想こそ川柳の命。
参加した141名が納得しながら聴いていた。



2015.03.22(Sun)
目次から始まる夢のひとしずく

柳友のTさんから書籍をいただいた。
引越しをするとかで、荷物をできるだけ減らしたかったようだ。

「川柳作家大全集」(2008年 新葉館出版)と「作品鑑賞集 対話」(昭和59年 石森騎久夫)の二冊。数ある川柳物の中から私の学びのために選んで、くださったのだろう。

「川柳作家大全集」は、川柳発祥250年を祝うイベントの一つとして編まれたもの。平成を生きる川柳作家・愛好家577名、5768句が掲載されている。

わずか7年前だから、現在活躍されている方がほとんどで、句の他に、雅号、プロフィール、写真等があり、川柳家それぞれの素性が知れて面白い。

中には、ウン十年前の写真ではないかと思われる方もいて、それはそれで、かっての素顔を覗いたようで楽しい。気の向いたときに、ゆっくり読み進めていこう。

「作品鑑賞集 対話」は、文字通り鑑賞集であるが、川柳作品の鑑賞の仕方、心構えまで説かれ、作品の広がりや奥行を追う作者の姿勢に圧倒される。

私の師匠の一人である浅利猪一郎さんが、師のように仰いでいたのが石森さんだった。かつては「グループ創」を率いて意気軒昂だった鬼才も鬼籍に入って十年近く経つ。

下は石森騎久夫さんの句。


ちぎれ雲抒情詩集もほどほどに

寒い冬寒いと言えばしのげるか

一冊の本から遠い空を見る

一斉に灯してみんなしあわせか

さよならをするとき誰の手をにぎる



2015.03.07(Sat)
ぐっすり眠る悲しみを食べたから

今日は、岡崎川柳研究社・本社句会に参加。
課題と席題の競吟が行われ、課題は9句中8句が入選。

その内、秀句が2句、佳句が3句。
いずれも大した句ではないが、参考までに記しておく。


目次から始まる夢のひとしずく (スタート 秀句)

千切れ雲さみしい言葉だけ捨てる (切る 秀句)

愛ひとつ投げたボールが返らない (スタート 佳句)

続編を書く悲しみを食べてから (スタート 佳句)

もう逢わぬつもりで切った凧の糸 (切る 佳句)


席題は、先月から選者を任されているので、軸吟だけ。
「淋しい顔の女淋しい耳をもつ」(前田咲二)が脳裏を離れず、こちらも不出来。


愛されるときには耳を空っぽに (耳)


さて、恒例の川柳の結果報告(1/18 きぬうら句会以後。「鈴鹿川柳会」の誌上互選は、柳誌到着後の報告)。

展望ネット句会(2/1発表) 


「勇気」で2句投句するも全没


鈴鹿川柳会誌上互選

乏しいがこころ豊かな虹の下                           「乏しい」 誌上互選

Uターン乏しくなった夢を抱き    



岡崎川柳研究社本社句会(2/7)

うぬぼれは豆乳鍋で煮てしまえ                         「福」 秀句

しあわせのうしろ涙の痕がある                          〃

かなしみもいくつか入れる福袋                          〃    佳句

春の風入れるとやわらかい電車                         「開く」 

眠るまで心の鍵は開けておく                            〃

かなしみが少しあるから開く窓                           〃

眠るには贅沢すぎる花ひつぎ                           「眠る」 秀句 

指切りをした指きっと眠れない                            〃   佳句

ぐっすり眠る悲しみを食べたから                         〃   秀句

痛くなるまで指切りをする小指                          「痛い」  軸吟


鈴鹿ネット句会(2/16発表)  

余力まだあり徳利を振っている                           「潜む」


風輪の会 句碑まつり(2/21)

好奇心ばかり膨らむ木の芽どき                          「芽」  佳句

芽を出すとポップコーンの爆ぜる音                        〃   秀句



きぬうら句会(2/22)

煩悩が犇めき合っているお寺                           「混む」  秀句

眠られぬ夜に群なすヒツジたち                           〃

歳月に光る小言というクスリ                            「小言」  

向かい風父の小言が生きてくる                            〃    佳吟

動き出す電車に愛を告げている                          「動く」   互選  


みえDE川柳(2/28発表)


「食べる」で3句投句するも全没 



いとう良一・鳥



2015.03.01(Sun)
川柳七句

金曜日は、高浜商工会にて定期健康診断。
毎年、高浜市の無料健康診断と商工会主催のこの検診は欠かさない。

毎度指摘されるのは、高血圧症と高脂血症とアルコール性肝疾患。
酒飲みに見られる典型的な疾患が、数値から疑われるわけだ。

ということで、今回の検診前は禁酒することにした。
2月16日(月)から2月26日(木)までの11日間、よく続いたものだ。

これで数値が前回迄とどれほど違うか、楽しみでもある。
さて、先月は川柳七句を記すことを忘れた。遅ればせながら・・・・


いい色を重ねる凛と咲く花へ

やり直すつもりで蹴った逆上がり

逢えそうな気がしてポストまで歩く

歳月が白いページにしてしまう

悲しみを撒こう散骨するように

ジグザグに歩く答えを出さぬよう

いい人で終わらぬように砥ぐ刃



2015.02.22(Sun)
眠るには贅沢すぎる花柩

昨日は、西尾川柳会主催の「風輪の会」。
毎年、2月の第3土曜日に會田規世児句碑のある「妙喜寺」で開催される。

無論、會田さんは存命だが、西尾川柳会の骨折りにより、恩師・會田さんの句碑を建立した。それを機に毎年、岡崎川柳研究社の会員だけの内輪の会を開くことになった。

今年は9回目。おもてなしの精神で、受付と同時に抹茶とお茶菓子が出された。
昼食はしゃぶしゃぶ、仲間たちと鍋を囲み、再会を喜び合った。

句碑を覆うような満開の梅・・・・の筈だったが、昨年の台風で幹の大部分が殺られ、わずかに残された枝から梅がいくつか花を付けていた。

昨年暮れに三代目会長・西脇直次を亡くし、先月には重鎮の近藤智子を亡くした。
岡崎川柳研究社にとっては受難続きだが、物故者の法要はいい機会となった。

これを機に、中根のり子四代目会長の下、一丸となって進まねばなるまい。
明るい日差しが少しずつ戻ってきたようである。

入選句

・好奇心ばかり膨らむ木の芽どき    「芽」

・芽を出すとポップコーンの爆ぜる音   〃 


下は、出席者(住職も会員)
f:id:augs:20150221140952j:image:w360



2015.02.12(Thu)
闇ばかり見てきたような福笑い

「川柳すずか」(27年2月号)が届いた。
30nほどのとても読み応えのある柳誌だ。

鈴鹿川柳会の誌友となって1年半。欠席投句だが、毎月、句会には参加させてもらっている。前月の句会の状況や結果が、この柳誌によって実によくわかる。

1月句会は、悲しいかな全没。
負けるも勝つも時の運だから、何ということもない。

「没句転生」(課題:タイヤ)では、拙句を取り上げていただいた。
そして、見事な添削。

 原句 激安のタイヤ重荷に耐えている
 転生 激安のタイヤに少しある不安

「思わせぶりな表現だが、ちゃんとした選者には通じない」が、吉崎柳歩師匠の評。
こうした言葉をいつまでも心に留めておくことが成長に繋がるのだろう。

今月号では、私のエッセイが掲載された。
柳友(大先輩です)との出会いを書いたものだが、紹介させていただく。


  前田須美代さんのこと

その人にお会いしたのは、やしの実川柳社の「開き句会」だった。
パンク・ロックを歌うシンガーのように髪を逆立て、ジャンパーに擦り切れたジーンズ姿。

そして黒いサングラスが細身のカラダによく似合う。
手元にはハンチング帽だろうか、まるで狩猟をするかのようないでたち。

同じテーブルに座るその人は、冬の獲物を狙って遥か遠い道のりを歩いてきたハンターなのであった。

  髪染める姿見られてなるものか

が、平成26年のやしの実川柳大賞を受賞した。
作者であるその人は、授賞式に出席するために遥々福岡の地からやってきたのだ。

句会では選者を務めるという。
今まで見てきたどの選者とも違うカタチのその人がどんな選句をするのか。

私には一つ手掛かりがあった。それは、鈴鹿川柳会の青砥たかこ会長の書き込み。
引用させてもらうが、胸の奥に妙に残っていたものだ。

福岡の誌友Sさんから電話が入った。
「ちょっとー、このアルスすずかって何?」

Sさんは、お昼に書いた福岡の酒豪女性・・まさか、空から見ていた?訳ないですよね。

「何しとったん?」
「今から歩こうと思ってた、太り気味やで」

「そうしい、顔ちっちゃいけど、太ってるよ、あんた」
 
笑うしかない。あはは。そのあともずっと漫才状態。顔が笑った状態のままです。

このSさんこそが前田須美代さん。心に翳りのない人だ。
授賞式でこんなことがあった。大賞にしてはトロフィーが小さい。

やしの実川柳社の如仙会長が「小さいですが・・・」と断りを入れると、間髪入れずに「ホントに小さい・・」。会場に笑いを誘うのは天性の明るさゆえ。

豪快に見えて心根の優しい、男勝りのようでいて女らしい人。新年宴会やその後の二次会をしっかり付き合わせていただいたのでよくわかる。


須美代さんには抜かれなかったが、披講を終えてテーブルについた時に、「いつあなたの句を読むか気にしていた」と言われた。

私の句などどうでもいいのだが、句会の前に少し話したことでいささか情が湧いたのだろう、見かけによらず繊細な人なのだ。

  もう二度と会えない人だ手を振ろう

須美代さんの句である。豊橋駅前の居酒屋での二次会が終了してお開きに。
須美代さんも私もそれぞれの闇へ消えていったが、また会いたい人が一人増えた。



2015.02.01(Sun)
聖戦が続くヒツジの顔をして

今日は、名鉄ウォーキングで妻と豊川稲荷まで。
コースはざっとこんな具合。

 豊川稲荷駅(スタート) → 三明寺 → みちびき不動 → ヤマサちくわの里 → 

 佐奈川 → ふれあい公園 → 桜ヶ丘ミュージアム → 豊川稲荷境内(ゴール

全長約8kmと大したことないが、風が強く、とても寒い日だった。
何度も野球帽を飛ばされそうになったが、どうにか堪えた。

 タロとジロ思えば寒波など平気      比呂志

それにしても、稲荷前の商店街の賑やかさは凄い。
正月三が日を思わせるような盛況ぶりは、商店街の女将さんたちの努力の賜物だろう。

そうそう、稲荷境内で猿回しを見た。これがちょっと感動的。
猿の身体能力の高さを嫌というほど見せつけられた。


さて、恒例の川柳の結果報告(12/28 きぬうら句会以後。「鈴鹿川柳会」の誌上互選および「きぬうら」課題吟は、柳誌到着後の報告)。

展望ネット句会(1/2発表) 

「短い」で2句投句するも全没


鈴鹿川柳会誌上互選

裸木になって初めてわかる癖                           「癖」 誌上互選

悲しいときも口笛を吹いている                            〃


きぬうら課題吟

煩悩を撫でる毛深いなと思う                           「毛」   佳吟

毛繕いしてます冬が来る前に                           〃

急行が止まらぬ駅の名を知らず                        「有名」

贅沢をひとつ打ち消すように冬                         「打つ」  秀句

言い訳の数だけもぐら叩きする                          〃    佳吟



岡崎川柳研究社本社句会(1/10)

再会がとてもやわらか羊の瞳                          「未(羊)」 佳句

啼きながら羊が編んだ万国旗                            〃

善人になろうヒツジの顔をして                             〃    秀句

お日様がにっこり笑う初春の窓                          「初春」 

節穴を覗いてみれば初春ですね                          〃

富士山の形でプリン揺れている                         「富士」  軸吟

勝ち鬨を上げる炭火の上の餅                           「餅」 

三角があるとは聞かぬ餅談義                            〃   佳句



やしの実開き句会(1/12)

二人分愛するからと口説かれる                         「口説く」

お祝いの言葉は星が降るように                          「祝い」   秀句


鈴鹿ネット句会(1/16発表)  

続編を今か今かと待つ値打ち                           「値打ち」

梅干しの種が遠くへ飛ぶ値打ち                           〃     秀句      



きぬうら句会(1/18)

朝はまだ羊の顔でパンを焼く                           「羊」

押し競まんじゅう羊としています                          〃

聖戦が続くヒツジの顔をして                             〃   秀句

バームクーヘン君はやっぱり楽天家                      「楽天家」

冬日射すドンキホーテを夢見よう                           〃

悲しみを食べたか空がほの暗い                         「自由吟」

いい夢を見ているような春キャベツ                         〃    佳吟

また寒くなる地球儀を裏返す                             〃     秀句

鉛筆になりたい枝が拗ねている                         「枝」 互選


みえDE川柳(1/30発表)


「スタート」で3句投句するも全没 



2015.01.25(Sun)
また寒くなる地球儀を裏返す

昨日は、妻と名鉄ウォーキングに参加。
「歩いて巡礼(まいる)知多四国」の今年第1回目だ。

昨年は弘法大師の知多御巡錫(じゅんしゃく)1200年記念の企画で、いずこの寺も満員御礼だったが、今年はご朱印も数分の待ちで押してもらえる、有難いことだ。

昨日のコースは知立駅から名鉄で前後駅まで、そして

 前後駅(スタート) → 曹源寺 → 極楽院 → 普門寺 → 延命寺 → 常福寺( ゴー

 ル

                                   
常福寺からは名鉄バスで太田川駅まで行き、そこから神宮前駅まで。
名鉄本線に乗り換えて知立駅へ。

いつものように、神宮前駅構内のうどん屋できしめんを食べた。
下は、今年の予定表、何回くらい巡礼(まいる)ことができるか?


http://www.meitetsu.co.jp/recommend/hiking/pilgrimage/__icsFiles/artimage/2014/11/27/c4a030302/map2015.jpg



2015.01.17(Sat)
川柳七句

春までは夢のなかです冬木立

標本になるまで夢を追い掛ける

聖戦が続くパンジーの苗植える

悲しみを食べたか空がほの暗い

一年が仕掛け花火のように消え

また寒くなる地球儀を裏返す

哀しみを抱え切れずに逝く夕日



2015.01.10(Sat)
善人になろうヒツジの顔をして

怒涛の一週間が過ぎた。休み明けのややぎこちない体は、鞭を打てばすぐに元通りになるが、如何せんこの一週間は仕事の数が半端ではない。

というわけで、かなりの疲労が溜まっている。
三連休でリフレッシュできればいいが、そう上手くはいかないのが浮世というやつ。

今日は岡崎川柳研究社の本社句会。
新年句会ということで、豪華な食事付きの句会とプレゼント交換会。

昨夜は、家人とプレゼントを何にしようか東浦町のイオンまで物色に。
夫婦の思いが違うので、マフラーを購入するまでにずいぶん時間を費やした。

プレゼントにはメッセージを添えなくてはならず、これが厄介。
イオンで買った酒を飲みながら、どうにかこうにか書き上げた。

明日は妻と一緒に名鉄ウォーキング。
そして明後日は、やしの実川柳社の「開き句会」。

火曜日は、疲労をさらに溜め込んでの幕開けとなるだろう。
すべては承知の上、じっとしていられない性分は今年も変わらない。


さて、恒例の川柳の結果報告。(欠席投句の「鈴鹿句会」は、柳誌到着後の報告)

鈴鹿川柳会11月句会(11/22)

お日さまがお泊りになる地平線                         「泊まる」 誌上互選

あおぞらも夕日も泊めた無人駅                           〃

鈍行の窓があくびを噛み殺す                          「あくび」

有名な人もおんなじように死ぬ                          「有名」

スーパーの釣り銭で酔うパック酒                        「自由吟」



展望ネット句会(12/1発表) 

天根夢草選で全没


岡崎川柳研究社本社句会(12/6)

良い友と美味しい酒がある当り                          「当り」 軸吟

どことなく品がありそうマナー本                          「マナー」 佳句

くじ運はないが青空よく見える                          「籤」 佳句

あたたかい初春を掴もう宝くじ                           〃  秀句 天

籤を引く水平線が満ちてくる                             〃  秀句 人

春までは忘れ上手でいる木立                          「忘」 佳句

悲しみを忘れるための般若湯                           〃  秀句 人

人間を少し忘れて鳥になる                             〃  佳句


鈴鹿ネット句会(12/16発表)  

寒稽古カラダに冬を刻み込む                          「刻む」

ルンルンが刻まれている娘のメール                       〃  軸吟
        


鈴鹿川柳会12月句会(12/23)

売るほどはないが優しくしてあげる                       「売る」

筆マメになって世間がよく見える                         「筆」

筆マメと筆無精とで仲が良い                            〃

裸木になるのは春を待つ準備                          「自由吟」

決着を付けようお湯が沸くまでに                           〃

お日様もきっと乗りたいはぐれ雲                         「雲」(席題) 3点

雨雲が切れてわだかまりが解ける                            〃    6点


みえDE川柳(12/26発表)


「師走」で3句投句するも全没  


きぬうら句会(12/28)

熟成を待つだけ味噌もわたくしも                          「味噌」 秀句 地位

この星を愛そう味噌煮込み食べて                         〃   佳句

小悪党になる欲望が捨てられず                          「欲望」  

損だろう愛を告白しなければ                            「損」 互選



いとう良一・空の鉄橋



2015.01.04(Sun)
熟成を待つだけ酒もわたくしも

川柳作家・江畑哲男さんのプログを覗いていたら、こんな書き出しがあった。

小生は、レッキとした日本酒党です。(ついでに筋金入りの「日本語党!」でもあります。)
飲んだ日本酒はメモをするようにしていますが、いまそのメモを起こしてみましょうか。

何と言っても、一番愛飲したのは桃川(青森)でした。
月に1升、年に12升は、飲んだでしょうか。

その他、メモにある日本酒を挙げてみます。

幻(広島・竹原)、土佐鶴(高知)、大山(山形)、吉乃川(新潟・長岡)、春鹿(奈良)、五橋(山口)、義太夫(高知)、〆張月(新潟)、高清水(秋田)、鶴齢(新潟)、妙高山(新潟)、初孫(岩手)。

他にもありそうなのですが、メモが見当たりません・・・・

レッキとした日本酒党だった私は、今や焼酎党に乗り換えた。
それでも時々は日本酒を口にする。日本酒が忘れられない。

事実、正月三が日は新潟の銘酒「八海山」を一本空けた。
本醸造と言えど、ふくよかな吟醸香が舌先をやさしく纏い、とろり酔わせてくれた。

この先は焼酎一本となろうが、哲男さんのようにメモを残しておこう。
とりあえず昨日の分を・・・

明るい農村(霧島町蒸留所 鹿児島県・霧島)
蔵内極秘稟議書(大手門酒造 宮崎県・日南市)

「蔵内極秘稟議書」は、誠に美味しい期間限定数量の本格芋焼酎。
一升瓶に「蔵内極秘稟議書」と「製法醸造結果」が括りつけられている。

蔵内極秘稟議書には・・・

今秋、一昨年よりの悲願であった明治創業時の焼酎をいま一度醸してみたい一心で、現製法に更なる改良を加え挑み造りました本焼酎は、実に美味しく古き懐かしい明治の風に触れた感覚を覚え、久方ぶりに我ながら万感の想いであります。

厳選した原料は元より、手間を誠に惜しまず、何より興味を本気で貫徹させる事こそが、この味を醸しできる理由であります。これはまさに造り手冥利に尽きるものであり、蔵の若い衆もおそらく同じ想いである事でしょう。

但し、この味を醸すには、必ず時期と石数に制限を設けて頂く事が条件となります。小生勝手承知でお願い申し上げます。                                   
                                                    杜氏



2014.12.28(Sun)
熟成を待つだけ味噌もわたくしも

火曜日は、鈴鹿川柳会の12月句会と忘年会。鈴鹿川柳会の誌友になって二年目。
月々の句会はともかく、年一度の忘年句会と忘年会とは出席することに決めている。

今年は、鈴鹿ネット句会の選者をさせてもらったこともあり、大恩のある鈴鹿川柳会のスタッフ一同にお会いできることを楽しみにしていた。

居心地のよいアットホームな感じは昨年と同じ。
句会を終えてからの希望荘での忘年会もこれまた同じ。絶品の夜景も健在であった。

昨年からの時が止まっているかのような錯覚は、鈴鹿スタッフのいつでも同じおもてなしの賜物だろう。変わらない味は、努力によって作り上げていくものなのだ。

さて、今年の大会、句会すべてが終了した。
昨年同様に、大会、句会の中で秀句をいただいた句を披露する。

少しは成長したのだろうか?
お世話いただいた人の情けを噛み締めて!



いななくと駿馬は青い風になる

鳥の眼でみると何でもない道だ

鳥になる何度試したことだろう

奏でると春の電車がやわらかい

撒き餌する何か探しているのです

いっぽんの線の向こうに別世界

老人になるなとセーターが叱る

疲れたら等身大で生きてみる

決心がつくまで波の聞き上手

春夏秋冬 窓は回転木馬だね

甲斐性もなく靴紐がほどけない

泣けるだけ泣けば鏡の奥に春

子を守るために汚した手を洗う

何もかも流して青空になろう

無意識にきれいな方を向いている

百パーセントあおぞら僕という空地

人間になろう祈る日悲しむ日

友情のメールあおぞらから届く

悩むのも等身大であるように

とっくりの首を絞めたい理想論

立たされた思い出雨が降っていた

夢いくつ食べたか文庫本の紙魚

恩返ししそうな鶴を飼っている

座布団を敷こう哲学するために

窓際の席で出世の絵が描けぬ

夢を食む獏も悲しいユメを見る

にんげんが漂う風の日のツアー

星空を見る少年のおもちゃ箱

夕焼けをこっそり仕舞う玩具箱

青空を見るとゆとりが目を覚ます

妻の背にときどき向ける指鉄砲

心まで盗んだ秋の日の夕陽

マンガ好き一兵卒のまま生きる

褒められた小さな記憶だけ残る

掛け声のなかに貫くものがある

あたたかい初春を掴もう宝くじ

籤を引く水平線が満ちてくる

悲しみを忘れるための般若湯

煮崩れていく芋ですか約束は

熟成を待つだけ味噌もわたくしも



希望荘からの夜景


 

2014.12.20(Sat)
夢いくつ食べたか文庫本の紙魚

今年1年、鈴鹿川柳会のネット句会の選をさせていただいた。
お陰さまで、12月15日締切りのお題「刻む」の選をもって選者としては終了した。

毎月300句を超える応募に対し、選者吟1句を加えた入選句は40句。
厳選であるが、川柳の質を高めようとする主催者側の配慮がある。

自分で言うのも可笑しいが、秀句鑑賞もこれで見納め。
秀句3句、佳句3句を俎上に載せた鑑賞文は、いい学びであった。

さて、鈴鹿ネット句会としては最後の秀句鑑賞です。

 秀3 恋の傷ばかり刻んだ黒電話

今のようにコードレスもケータイもない時代、電話といえば回転ダイヤル式の黒電話。
いつ頃からだろう鳴りを潜めてしまったのは。

いい人に電話しようものならいつも筒抜けの我が家。
冷やかされるのは年頃の男子には耐えられない。

それで駅前の公衆電話を使用するか、家人のいないところを見計らってそっと電話したものだ。こう見えても数多の「恋の傷」を刻んだこの身。黒電話が唯一の戦友だったのかもしれない。

 秀2 チクタクと私を食べてゆく時計

江戸小咄を一つ。怠け者が昼寝をしている。大家がやって来て、彼を叱る。
いい若者がブラブラしていてはいけない。汗水たらして働きなさい、と。

叱られて、若者が大家に問う。「働けば、どうなるんで?」「金が儲かる」「儲けて、どうするんです?」「お金が儲かれば、ゆっくり昼寝ができる」「あのね、ご隠居さん、あっしは今昼寝をしていたんですがね・・・」

こんな若者ばかりだと日本経済は困るが、こんな奔放な生き方も好きだ。日日是れ好日。
時計の針がいのちをゆっくり食べていく中、今日一日を愉快に生きたいものである。

 秀1 刻み目をつけてお酒を飲まされる

一升瓶に一合ずつの刻み目を付けて、上から順に日付を書き入れる。日付どおりに飲めば一升瓶は十日間プラス休肝日分保つことになるが、そうはいかないのが酒飲みの悲しさ。

二合、三合と過ぎる夫を見兼ねて、今度は妻が日付を書き入れる。連れ合いの健康を気遣う妻の太い文字、ましてや監視の目が光れば、何日かは日付どおりに飲めるというものだ。

かくして意志薄弱の半人前の夫も冬銀河の下に生かされている。


 シーエムに切り刻まれているドラマ

韓国ドラマに嵌っている。それも王朝ものがいい。
「韓流」とかが流行った時でさえ見向きもしなかったのに。

ある日、妻が面白いドラマがあると言う。「イ・サン」。朝鮮王朝史の中でもっとも波瀾万丈な人生を生きたと言われる朝鮮王朝22代王の生涯を描いた韓流時代劇。

続いて「トンイ」、そして今は「武神」。深夜そっと、録画したビデオを見ているわけだが、確かに民放のドラマはどれもCMに切り刻まれている。

刻みよいようまっすぐに伸びるネギ  

ある時、テレビでお百姓さんがインタビューされていた。
「野菜作りで一番大切なことは?」の質問に「愛情」と答えていた。

野菜の特性を十分理解した上で、その野菜に適した栽培方法を取ることは当然だが、そのお百姓さんは、野菜を呼び捨てにしない「ニンジンならニンジンさん」と呼ぶのだそうだ。

「ネギならネギさん」と愛情を持って呼んでみる。
そうすれば、ネギも刻み良いようにまっすぐ伸びていくのだろう。

やわらかい時間を刻む本の森

読書家とはとても言えない我が身は、「熟読」や「乱読」よりも「積ん読」がよく似合う。
最近では柳誌以外を読んだことがなくて、それも眺める程度。

新聞のチラシをちらと眺めるように、目でページを撫でていくだけだ。
そんな私でも時々読みたくなる詩集がある。

清岡卓行さんの『四季のスケッチ』、とりわけ「耳を通じて」という詩に逢いたい。
音読しながら私だけの柔らかな時間が刻まれていく。




2014.12.14(Sun)
川柳七句

目覚ましの響き多忙な日を告げる

百選の水でクスリを飲んでいる

夕暮れのうしろ姿が頼りない

いい人を演じる背凭れになって

旅立ちのいい日を探す風の向き

忙しい形に干してあるパジャマ

春までは忘れ上手でいる木立



2014.12.07(Sun)
掛け声のなかに貫くものがある

「川柳なごや」(名古屋川柳社発行)が届いた。
平成26年度 誌上大会号としてある。

「川柳なごや」誌の通巻第900号を記念して、誌上大会が行われたのだ。
見出しは、天根夢草選で秀句をいただいたもの(課題「声」)。

夢草氏が主催する「川柳展望」のネット句会では、夢草選でさんざんな結果を強いられてきたが、ここに来て日の目を見た。夢草氏は、展望以外の選者の時には私にとてもやさしい。

秀句の他にも、佳吟で次の句が抜かれた。

 いい声が返ってくるいいコダマ

他に「パワー」の課題で「ど演歌を歌おう生きている限り」が入選。
350名参加中、堂々の10位入賞、とても気分がいい。

さて、鈴鹿ネット句会の秀句鑑賞(お題・風呂)を遅ればせながら・・・・


 秀3 なだらかな夜 母さんの終い風呂 

わが家では“父さんの終い風呂”と相場が決まっていて、私が風呂を落とす役を承っています。さらに風呂掃除まで命じられることもあり、裸でせっせと汗を流します。

しかし、それが性に合っているものか、湯舟がピカピカになる喜びや汗を流す爽やかさの方が大きいような気がします。

終い風呂をもらう「母さん」も、家族の幸せを見届けながら恙なく一日を終えるのでしょう。

 秀2 湯につかる幸せそうな唸り声

一読して、二代目広沢虎造の「清水次郎長伝」が浮かんできます。
「石松三十石船同中」の名ゼリフ「すし食いねえ」「江戸っ子だってねぇ」「神田の生まれよ」が、今にも飛び出しそうな唸り声。

果ては「馬鹿は死ななきゃなおらない」と来れば、虎造節の面目躍如。
古き良き時代の唸り声は、今はすっかり影を潜めています。

 秀1 嫁が来て花の匂いがするお風呂 

ある統計では、2010年の生涯未婚率は男性が20.14%、女性は10.61%だとか。そして怖いことに、この数値は年々上昇しています。

晩婚化、未婚化の良し悪しはともかくとして、お風呂にただよう「花の匂い」のかぐわしいこと。石鹸や入浴剤のような人為的なものではないナチュラルな匂いがします。

それはわが家に嫁が来たからだという作者。
花の匂いはお嫁さんの匂いなのです。


 鮎となる風呂で時間を遡上する 

身体を清潔にするだけでなく、一日の憂さを流すのも風呂に入る目的です。いつも良いことばかりではないのが人の世。かといっていつも悪いことばかりでないのもこの世。

川の流れを遡上する鮎のように今日一日を振り返り、喜怒哀楽の「喜」と「楽」は身の内に噛み締めて、「怒」と「哀」を鱗のように湯舟にしっかり落とし、明日の英気を養いたいものです。


 くずし字になるまでつかるぬるめの湯

長く湯に浸かっているときのカタチを「くずし字になるまで」とは、確かにそんな気がします。楷書から行書へそして草書へと身体が湯に馴染んでいくのと同時に、気持ちもゆったりして来るのです。

これは、お酒も同じことで、盃を重ねるにつれてしだいに心の硬さがほぐれてくるのがわかります。お湯はそうそう長くは入れませんが、深酒は禁物。くずし字どころかぐずぐずになる恐れがあります。


 長風呂を切り上げたのに来ぬ電話

普段は長風呂をする御婦人でしょうか。しかし、今日は長風呂をするわけにはいきません。
というのも、あの人から連絡のある日。

電話の鳴る時間を予想して、風呂を早く切り上げたのに一向に電話がありません。
もしかしたら事故、もしかしたら・・・。

想定外の展開
が待ち構えているのかもしれませんが、そこは現実。存外大したことのない理由なのでしょう。ドラマ性のある一句。



2014.12.06(Sat)
褒められた小さな記憶だけ残る

12月に入った。秋の寒さとは違い、ときどき身震いしている。
この時期は、秋と冬とが綱引きしていて、今は断然冬の方が力強い。

夜の空にオリオン座がくっきり見えるようになった。
冬の大三角形は今冬も健在だ。

しばらくは夜空を見上げながらの散歩が続くだろう。

 さみしくて空と話がしたくなる冬の星座がしばらく続く


さて、恒例の川柳の結果報告。(10/25 センリュウトーク以降 欠席投句の「鈴鹿句会」および「きぬうら課題吟」は、柳誌到着後の報告)

鈴鹿川柳会10月句会(10/25)

君とならゆっくりでよい観覧車                          「遅い」 誌上互選

晩成の見本にしようかたつむり                           〃

約束を破るスキップするように                          「破る・破れる」

尖ったエンピツのまま冬になる                           「面倒」

缶詰の缶が切れずに老いてゆく                          〃



きぬうら課題吟

期待値を込めて小指を絡ませる                          「指」

妻の背にときどき向ける指鉄砲                          〃    秀句 地位

心まで盗んだ秋の日の夕陽                           「操作」  秀句 人位

誤操作も縄電車なら大丈夫                             〃   佳句

ハイタッチ心の霧を消すように                            〃   佳句

泣くことにしようグラスを傾けて                         「傾ける」

傾いてわかるこの世という景色                           〃


展望ネット句会(11/1発表) 

全没


岡崎川柳研究社本社句会(11/4)

犀のかおりが屋根を眠らせぬ                         「屋根」 軸吟

星空を見る少年のおもちゃ箱                           「玩具」 秀句 天

夕焼けをこっそり仕舞う玩具箱                           〃   秀句 地

シナリオの余白で買った赤い薔薇                        「ゆとり」

青空を見るとゆとりが目を覚ます                          〃  秀句 人

落ち着いたオトコになろう旅支度                          〃

大変な日になりました不整脈                           「大変」 席題

遮断機が下りるわたしの進む道                           〃

生きている内に柩に寝かされる                           〃        


四日市川柳大会(11/2)


ぐっすり眠る喜びを食べてから                          「喜」


喜びの顔だジャングルジムの上                         〃   佳句

セピア色ばかりが溜まる無人駅                         「色」

お面被りビートルズを聴いている                         「面」 


鈴鹿ネット句会(11/16発表)  

わが影が先に入っているお風呂                         「風呂」 軸吟



刈谷文協川柳大会(11/16)

憂鬱な形に脱いであるパジャマ                         「及び腰」

ハードルを上げた時から挑戦者                         「チャレンジ」

今が好き旬の先取りなどしない                         「先取り」


きぬうら句会(11/23)

結論は急ごう秋の陽が落ちる                          「結論」 佳句

菩提樹の下で見つけている答え                         〃   佳句

一生はこんなものかな冬木立                           〃

マンガ好き一兵卒のまま生きる                         「マンガ」 秀句 

進化して少女漫画を読み漁る                           〃

卓袱台をひっくり返す僕がいる                           〃

人間という時間が終わる砂時計                         「業」 互選


みえDE川柳(11/28発表)

褒められた小さな記憶だけ残る                         「残る」 天位


川柳なごや900号記念誌上川柳大会(11/30発表)

ど演歌を歌おう生きている限り                          「パワー」

いい声が返されてくるいいコダマ                        「声」 佳句

掛け声のなかに貫くものがある                          〃   秀句

  ※ 合点総合10位 参加者350名



2014.11.30(Sun)
京都巡礼

11月が音もなく過ぎていく。いや、夕刻から小雨が降っているから、雨垂れの音を残して過ぎていく、と言った方がよさそうだ。

過ぎ行く季節はいつも無言だから、こうして書き込まねばならない。
書きながら、いつも季節を追っていくだけだ。

昨日は、昨年に続き京都へ紅葉狩り。
妻と長男そして名古屋から長女が合流しての四人行。

決めてあるのは金閣寺周辺の寺巡りということだけ。
新幹線を京都で降りて、ようやく備え付けのパンフレットを手にする。

歩きながらコースを選定。
妙心寺 → 仁和寺 → 龍安寺 →  等持院 → 金閣寺

京都駅からは、妙心寺の最寄駅であるJR嵯峨野線の花園駅で下車。
駅前に「法金剛院」という紅葉の美しい寺があったので、妙心寺へ行く前に立ち寄る。

法金剛院は律宗・唐招提寺に属する寺。「蓮の寺」とも言われ、枝垂桜、花菖蒲、菩提樹、あじさい、蓮、紅葉と楽しめる。西行はじめ多くの歌人が歌を残しているほど美観は見事なもの。


紅葉の法金剛院


次は、妙心寺。臨済宗の大本山で石畳で結ばれた一つの寺町を形作っている。
46もの塔頭(寺院)があり、その内の一つ「退蔵院」を参拝。

枯山水庭園「元信の庭」「陰陽の庭」と池泉回遊式庭園「余香苑」が見事。
紅葉が風に散るさまを見ながら、抹茶を飲み、瓢鮎菓子を食べた。


退蔵院・紅葉のトンネル


妙心寺を後にして、少し遅い昼食。
妙心寺北門にある京料理・萬長。京懐石「四季の昼御膳」を堪能した。


京料理・萬長


さて、次は「仁和寺」。徒然草に出てくるあの「仁和寺の法師」のいた仁和寺だ。
真言宗御室派の総本山。まずは、重厚な仁王門を抜けた左手の回廊式御殿で紅葉を堪能。

それから、参道の朱の鮮やかな中門をくぐると右手に五重塔、正面には金堂。
成就山を背景に、かつての王朝の雅を今に偲ばせている世界遺産である。


仁和寺の紅葉


仁和寺から歩くこと十数分で、「龍安寺」。これまた世界文化遺産。
龍安寺といえば「石庭」のイメージしかなかったが、ここの庭園美は凄い。

山門から庫裡へ続く参道の紅葉の美しさ。赤、オレンジ、黄が渾然一体を成し作り上げた庭園美に思わず息を飲む。臨済宗妙心寺派の禅寺である。


龍安寺境内・七草湯豆腐


等持院は、時間の関係でカット。さて、しんがりに控えしは「金閣寺」。
正式名称は鹿苑寺(ろくおんじ)。京都市北区にある臨済宗相国寺派の寺。

舎利殿「金閣」が特に有名なため「金閣寺」と呼ばれている。
人、人、人の渦。アイスクリームをそそくさと食べて寺を後にした。

http://nikko666.up.n.seesaa.net/nikko666/image/DSC_0699.jpg?d=a2
金閣寺


おまけ、金閣寺からほど近い「北野天満宮」へ。
こちらも知名度があり、参拝者あまた。

ここからJR嵯峨野線の「円町駅」まで歩いて20分。
円町駅は、午前中に下車した花園駅の一つ手前の駅だ。

京都北山をほぼ一周したことになるのか。
京都の晩秋の散策、季節を追いながらの旅だった。



2014.11.23(Sun)
マンガ好き一兵卒のまま生きる

昨日は、家族水入らずの紅葉狩り。
2年ぶりの香嵐渓がどんな顔をしているか・・・。

午前6時を少し回った頃にいざ出陣。
伊勢湾岸道を「足助」で降り、そのままなだらかに目的地に到着。

5時間掛かった2年前とは比べ物にならないほどの早さで7時半に到着。
出店もすでに営業、早朝のこの時間帯に袖をすり合わせる人、人、人。

2年前が十年に一度という当たり年だったこともあって、やや期待はずれ。
良し悪しは時の運、いい時があれば悪い時もあるから仕方がない。

絵に描いたような日本晴れ。10時過ぎ頃から温度がぐんぐん上昇。
冬の出で立ちで来たから、汗まみれであった。

今回の紅葉狩りは、おばあちゃん(妻の母)が元気な内にという目的もあって、まだ自力で歩けるおばあちゃんだが、車椅子に乗せて私が押した。

昨年暮れに一時危ない時もあったが、こうして元気になった祝いでもあった。
紅葉をシャワーのように浴びた後は、足助の中心街へ。

中馬街道の宿場の面影を残した、温かい町並がそこにあった。
その町並みを包むように巴川の水音がやさしく響いていた。

中馬街道、次はお雛様の頃に行く予定である。


    香嵐渓・つり橋



2014.11.16(Sun)
青空を見るとゆとりが目を覚ます

昨日は、第22回「春日の森 市民俳句・短歌・川柳の集い」の表彰式。
文化協会のスタッフであり、被表彰者でもありで、ちょっと疲れた。

そもそも、「春日の森 市民俳句・短歌・川柳の集い」とは、高浜市文化協会が主催する主要行事の一つ。春の「大山桜ものがたり」と並んで、市民が短詩型文芸に触れる絶好の機会。

一般の部と高校生の部、そして小・中学生の部から成り立ち、市内から8千近い作品が応募された。表彰はその内の百作品ほど。

文化協会も高齢化の波に抗えず、スタッフ不足。
そこで、文化協会員としてはまだ若い50歳代が駆り出されたわけだ。

役回りは俳句の披講。朗々と読み上げねばならず、なかなか骨の要る作業である。高浜市長、県議会議員、市議会議長等の来賓と学生、父兄合わせて出席者は100名を優に超す。

短歌、川柳の入賞者である私は、俳句の披講が終わると表彰者席へ。
今回初めて応募した短歌が何と天賞。川柳は地賞。以下が作品、大したことはない!

 さみしくて空と話してみたくなる夏の星座がしばらく続く

 夢を食む獏も悲しいユメを見る


今日は、刈谷市民文化祭川柳大会。60名弱の出席で、大会としては小規模。
主催の刈谷市文化協会川柳部が、愛知川柳作家協会に加盟していないことが弱みか?

以下入選句。

 憂鬱な形に脱いであるパジャマ          「及び腰」

 ハードルを上げた時から挑戦者           「チャレンジ」

 今が好き旬の先取りなどしない          「先取り」



2014.11.09(Sun)
川柳七句

何をどう話せばいいか日が暮れる

満身創意まだやわらかい風の中

能面をつける悲しい日々がある

風船がゆく僕の思想を超えながら

ぬる燗に秋の答えを聞いてみる

打ち上げた紙風船にあるドラマ

どの思想も丸く収める箱がない



2014.11.05(Wed)
星空を見る少年のおもちゃ箱

昨日、二人の柳友から手紙をいただいた。大先輩の二人に柳友というのは失礼だが、自由な空気が漲っている川柳会、あえて柳友と呼ばせていただく。

一人は、豊橋で行われた愛知川柳作家協会主催の「川柳忌・みたままつり句会」で偶然隣に座った名古屋番傘のRさん。

きぬうら川柳大会でも声を掛けてもらい、その折、一緒にカメラに収まった。
米寿のカメラマン I さんから届いたツーショットの写真を送ってくださったのだった。

もう一人は、川柳みどり会のNさんから。「センリュートーク」の懇親会でお話させてもらった。
主催者の一員として、参加者を労ったお礼の手紙だった。

川柳大会をいくつも経験すると、こうした柳友が増えていく。
ありがたいことだ。川柳というわずか一つの接点だが、これが以外に粘着力がある。

今日はこのお二人に一筆箋を。
雑詠として詠まれたそれぞれの二句に、鑑賞文を添えて。

そういえば、鈴鹿川柳会のネット句会の鑑賞文を載せるのを忘れていた。
お題は「暮れる」。秀句三句と佳句三句に対して、こんな鑑賞文を書いていた。


秀3  日が暮れる針千本をのまされて

小指と小指を絡ませながらどんな約束をしたのでしょうか。
針を千本飲まされたところを見ると、叶わないことだったのでしょう。

「今日こそは禁酒を誓います」「はしご酒はもう止めます」私ならさしずめそんな約束をさせられるでしょう。させる方は大したことでなくても、当人にとってはとうてい叶わない約束。

そんな繰り返しの春秋が風のように通り過ぎていく。
今日も針千本飲まされて。


秀2  やぎさんの手紙のように暮れてゆく

まどみちお作詞「山羊さんゆうびん」という童謡が下敷きになっている句です。

「白やぎさんからお手紙ついた 黒やぎさんたら読まずに食べた しかたがないのでお手紙かいた さっきの手紙のご用事なぁに」「黒やぎさんからお手紙ついた 白やぎさんたら読まずに食べた しかたがないのでお手紙かいた さっきの手紙のご用事なぁに」

延々と続くリフレイン。


秀1 老いふたり禅問答で今日も暮れ

こんな話を思い出しました。

昔、道学者のところへ一人の青年が訪れ、処世の心構えを訊ねた。
道学者いわく。「堪忍の二字をしっかり腹に納めよ。

この二字さえ腹に納まれば、人に何を言われようと腹が立たん」青年はか・ん・に・ん、と指折り数えてさも不思議そうに道学者に聞いた。

「先生、かんにんは四字じゃありませんか」「いや、四字じゃない。堪忍は、たえ・しのぶと書いて二字じゃ」「た・え・し・の・ぶ・というと、先生、五字になるじゃありませんか」

すると道学者先生はカンカンになって怒り、「お前のような無学な者に何を教えてもわからん、帰れ、帰れ!」と怒鳴ったという。

禅問答のような会話で暮れていく老夫婦も理想的なのです。


御嶽の秋が途方に暮れている

犠牲者を多く出した御嶽山の噴火。七人の安否がわからないものの、初冠雪を契機に二次災害を考慮して捜索は打ち切り。次は来春過ぎとか。

わが町・高浜市からも御嶽山が見えます。
山の美しさもさることながら、薬草の宝庫としても知られる御嶽山。

深酒の翌朝には、百草丸のお世話になっています。
紅葉の季節、御獄の秋はまさに途方に暮れているのです。


暮れていく今年こぼしたものばかり

人は何かを得ようとするとき、違う何かを捨てなければ得られないものだと考えています。
そう、スポンジのように。零すものが多いほど得るものも多いような気がします。

「こぼしたものばかり」ではないはずです。
得たものもその同数(または同量)あるのではないでしょうか。

大切なものを得るために、大切な何かを零していく。
慈しみながら零していくのでしょう。


暮れてからスイッチオンになる体

まさに私の句そのままです。暮れていく街は素敵です。やさしいのです。
「酒という字が夕暮れにポッと点く」(新家完司)のです。さて、どこへ行きましょうか。

「つまずいたところがちょうど酒屋さん」(新家完司)ですから、まずは今日のご報告として肝臓へ一献捧げましょう。それからはスイッチオン。

川の流れのように、雲の流れのように煩悩に身を任せるだけです。



2014.11.03(Mon)
夕焼けをこっそり仕舞う玩具箱

先月19日(日)は、久しぶりに俳句に触れた。
隣町の碧南市で毎年行われる「てらまち俳句吟行会」だ。

   てらまち吟行会は  
http://www.city.hekinan.aichi.jp/KANKOKYOKAI/haiking/

昨年は、あいにくの雨で、吟行会は断念した。無理すれば行けただろうが、いくつか行事が重なったため、「恵みの雨」にかこつけて諦めた。

従って二年ぶりの俳句。本格的にやろうとする気は今のところないが、歳時記というか季語集というのに少し興味がある。

人間の生活には「季節」との関わりが欠かせないから、歳時記を学ぶのは無駄ではないだろう。生きていく喜怒哀楽は、天候や風向きや、季節の彩りなどと無縁であるはずがない。

出し惜しみしてもいけないので、結果発表。

 秋深し仁王も空を掴みたい

が、総合三位で、市議会議長賞をゲット。出来すぎ!


さて、恒例の川柳の結果報告。(9/28 きぬうら句会以降 欠席投句の「鈴鹿句会」は、柳誌到着後の報告)


鈴鹿川柳会9月句会(9/27)

立たされた記憶やさしい木の校舎                         「学校」 誌上互選

大人だねブランコのない中学校                            〃

天花粉塗られて赤ちゃんは無敵                          「粉」

萎れてもよい窓だけは開けておく                          「しおれる」

原点を教えてくれたパンの耳                            「自由吟」



展望ネット句会(10/1発表)  

天根夢草選「棒」で2句とも没


岡崎川柳研究社本社句会(10/4)

跳躍をいつも夢見るカタツムリ                            「跳ぶ」

ハイジャンプ心の霧を消すように                            〃

揺れないでください明日を見失う                          「揺れる」

三面鏡を覗くあの日に帰りたい                           「覗く」

穴覗く希望が落ちているようで                             〃

覗くためそっと挟んでおく栞                              〃

この世の砥石にんげんを丸くする                          「石」 席題

今日の運 最初はグーで確かめる                          〃

愛と哀かみしめ石段を登る                               〃        



亀山市民文化祭川柳大会(10/5)

台風により中止


豊橋文化祭川柳大会(10/13)


羊羹のためにしぶしぶ飲む抹茶                           「しぶしぶ」

歌い終われば音痴にも手を叩く                              〃

値引きして積木細工になった家                            「値引き」

座布団を敷こう哲学するために                           「座布団」 秀句

窓際の席で出世の絵が描けぬ                            「出席」 秀句

永遠の誓いドラマが終わらない                           「ドラマ」

振り向きもせず発ってゆく渡り鳥                           「知らん顔」


鈴鹿ネット句会(10/16発表)  

夕暮れの早さを嘆くかたつむり                            「暮れる」 軸吟


きぬうら川柳大会(10/18)

記念すべき全没


センリュウトーク(10/25)


点滅信号秋が渡っているのです                           「雑詠」

黙っていてください昼のお月様                            「昼」 (席題)

付き合いは昼行灯に限ります                             〃



2014.10.30(Thu)
にんげんが漂う風の日のツアー

川柳マガジン(新葉館出版発行)11月号が届いた。 
いつものようにパラパラ捲っていたら、驚くことに拙句を発見。

46ページ、新家完司さんが連載する「名句を味わう理論と鑑賞」だ。大会の秀句報告とはわけが違う。名句として取り上げられることは、後にも先にもないだろう。

 にんげんが漂う風の日のツアー        

そもそもこの句は、「川柳展望」(天根夢草主宰)の「現代川柳大賞」への応募作品の一つ。
一作品10句を応募締切日ぎりぎりで投句した微かな記憶がある。

結果は、6人の選者の内、新家完司さんが5位、天根夢草さんが6位に採ってくださった。
応募作品96点、それも私を除いて全国の精鋭揃いだ。

大賞1名、準賞2名、佳作4名、次点4名に次ぐ順位、まぁ善戦と言えるだろう。
完司さんの鑑賞文にも驚かされた。句が数倍良く見えてくる。

以下は、鑑賞文。じっくり味わってください。


一読して、岬の端で頼りなく風に吹かれている人たちの姿が浮かんでくる。もちろん、人それぞれ思い描く情景は異なるであろうが、読者に想像の翼を与えてくれるのは作品の力。

人が旅に求めるものは何か。「日常からの解放」「雄大な景観」「珍しい食べもの」等々、いろいろあるが、どこへ出かけてもしょせんは人の世。

人生観を根底から覆すような事象にも遇わず、わずかに香りが違う風に吹かれて戻ってくるだけ。そのようなやるせない想いや虚しさを込めた「にんげんが漂う」であろう。

刺激の少ない日常は倦怠感に捉われがちだが、ほっこりとした充実感は地に足が着いた暮らしからしか生まれない
幸せの青い鳥は山の彼方にも旅の空にもいない。



いとう良一・燈台


2014.10.18(Sat)
川柳七句

丸くなるまで人間をしています

仲直りしたくて米を磨いでいる

にんげんが好きですど演歌を歌う

よく冷えたビールで息を整える

夢という粘土細工でまた遊ぶ

等身大のいのち実となり花となる

ナイフ持つ感情線が満ちてくる



2014.10.13(Mon)
裏切りの友よ青空見えるかい

今日は、豊橋文化祭川柳大会。当初、台風の襲来により開催はほぼ無理と見られたが、台風がしだいに速度を落としたがゆえ無事開催の運びとなった。

しかし、昼前には暴風警報が発令。台風の速度が加速する勢いの中、大会会場のガラス越しには木々や木の葉の揺れ、窓ガラスを叩く風音。

それはしだいに出席者の気持ちを動揺させたが、雲の切れ間から時折光が差したりして、何とか事なきを得て大会は無事終了。時刻は、予定30分前の午後3時30分頃。

会場の豊橋文化会館(豊橋市向山大池町)を後にして、近くのバス停からバスに乗り、豊橋駅へ。豊橋駅からはJR、30分遅れで来た米原行きの高速に乗り込み一安心。

ここまでは良かった。悲劇はこれからだ。
二区間走ったところで、強風のためストップ、状況確認のため2時間停車したのだった。

2時間後、強風が止んだのを見計らって、岡崎駅まで鈍行を条件に再出発。
ところが岡崎駅どころか三区間走った、蒲郡駅で再停車、再々出発の目処がつかない。

我ら川柳仲間は、朝まで車内で過ごす腹を固めたが、幸い蒲郡駅には併設されている名鉄線が通っていて、名鉄線は運行しているとのこと。

名鉄側に移動して、蒲郡駅から吉良吉田駅まで。
吉良吉田駅からはフレンドリーバスで名鉄三河線の碧南駅まで。

さらに碧南駅から我が町の駅・三河高浜駅まで乗り繋いだ。三河高浜駅到着が8時9分。
実に5時間近い長旅をしたのであった。

今日の成績は、秀句二句いただき、まずまず。
忘れ得ぬ大会になったことは言うまでもない。

 座布団を敷こう哲学するために          「座布団」

 窓際の席で出世の絵が描けぬ          「出世」



2014.10.05(Sun)
疲れたら等身大で生きてみる

「亀山市民文化祭・川柳大会」が台風で中止となった。
亀山のしっとりした町並みにまた逢えると思って、楽しみにしていた大会。

台風の到来ではやむを得ないが、恋人とのデートがキャンセルされたようでとても残念。
まぁ次の機会があるし、町はどこにもいかないのだから、諦めよう。

鈴鹿川柳会の先月のネット句会の秀句鑑賞をアップしていないことを思い出した。
先月のお題は「涼しい」。選者として9回目の選にあたったのだった。

ピンボケな選に付き合ってもらっている投句者へのせめてもの罪滅ぼしに(罪滅しになってないという声も多数)、秀句鑑賞を「鈴鹿川柳会」のホームページに載せている。

選同様、ピンボケな鑑賞だが、「秀句鑑賞」は私の現在地である。
こんなふうに鑑賞する人間もいるのかと思ってもらえるだけでいい。


 秀3 無人駅ひと足早く秋になる

無人駅であっても駅である以上、人の手による管理はなされていると思うが、無人駅はやはり、萩や葛、藤袴などの秋の草がホームの片隅に花を零している姿を想像させてくれる。

人為的なものが少ない分、秋になるのも早いのだろう。自分探しと言って、自分を取り戻すための一人旅。それに一役買っているのが無人駅なのである。

 秀2 涼しさにちょっと小腹が減ってくる

「土用餅は犬も食わない」と聞いたことがある。土用とは立秋前の十八日間を指し、一年で一番暑い季節。暑さで食欲が湧かず体力が落ちるため、スタミナをつけようと土用に鰻を食べる習慣も生まれたのだろう。

犬でさえ食欲をなくした夏が過ぎ、秋の風が立てば、三度の飯は言うに及ばず、小腹さえ減ってくるのである。

 秀1  くまどりを落とし涼しくなる役者

なるほど、歌舞伎の役者はメークを落とせば涼しい顔になるのか。それは化粧を落とすという物理的なことだけではなくて、役者としての構え、気負い、責任などを落としたがゆえの涼しさなのだろう。

そういえば少年時代の寒い朝、カサカサの顔にクリームを塗って登校した時の温かさを思い出した。

 補聴器を外した耳に通う風

耳の悪いお年寄りの方だろうか。人の声を聴いたり、物の音を拾ったりするときに補聴器が欠かせないのだろう。ときには煩わしさもあるが、虫の音や鳥のさえずりを聴けるのはいいものだ。

補聴器を外したときは心の音を聴くのだろうか。風の暖かさや冷たさにも敏感になるのかもしれない。補聴器の句で思い出した。
 補聴器を外し無敵の父となる(門脇かずお)

 家中に雪の写真を貼りまくる

涼しさを通り越して寒くなってくる。しかし、残暑の季節には、「雪」を貼ることで、それなりのバランスを取っているのかもしれない。家中に雪の写真を貼る、なるほどいいアイデアだ。

これは視覚からのアプローチで、聴覚から「涼しさ」を手に入れることもできる。それは怪談噺。先代・林家正蔵の幽霊を懐かしく思い出した。

 わたくしも足が無ければ暑くない

先日、林家正雀(はやしやしょうじゃく)の「怪談牡丹燈籠・栗橋宿」をネット落語で見たところだが、芝居噺の第一人者の円熟味は目を見張るものがある。

ところで、幽霊には足がないとされているが、牡丹燈籠のお露さんにはちゃんと足がある。カランコロンと下駄の音を演出させ、客席に涼しさを誘うのだ。寄席通いの頃を思い出させてくれた。




2014.10.04(Sat)
とっくりの首を絞めたい理想論

川柳の句会、大会が続いている。
句を揃える準備は大変なことだが、1日24時間あることだし、どうということもない。

いざというときは、芋焼酎の水割りを1,2杯あおれば一気に書ける。
もっとも良いモノは出来ない。それは飲まなくても同じだから気にすることもない。

今日は、岡崎川柳研究社の本社句会。
主幹が會田規丗児から西脇直次に交代して1年が過ぎた。

句会の前に、今後の体制、役割分担、会費や報酬など、会を維持していく方策が話し合われた。どの顔も善人ばかり、会がいい方向に進むことを願っている人たちだ。


さて、恒例の川柳の結果報告。(8/24 きぬうら句会以降 欠席投句の「鈴鹿句会」および「きぬうら課題吟」は、柳誌到着後の報告)


鈴鹿川柳会8月句会(8/23)

散ることにしよう乾杯終えてから                      「散る・散らす」誌上互選

阿と吽の呼吸の中で花が散る                         〃

涼少しお借りしてます水中花                         「借りる」 

雨の日のパラソル少し悲しい眼                       「自由吟」


きぬうら課題吟


ステップは軽やか生きている限り                      「ダンス」

ちっぽけな仕合せ君とするダンス                       〃

踊ろうよ小さなことは気にしない                        〃

描くことに疲れたようだ飛行雲                       「描く」


展望ネット句会(9/1発表)  

悲しみの日に一冊の本がある                        「平気」


岡崎川柳研究社本社句会(9/6)

苦虫を潰しながらも生きている                       「虫」     佳句

虫けらでよかった青空に逢える                        〃

夢いくつ食べたか文庫本の紙魚                       〃     秀句

九条は変えてはならぬ月見酒                        「月」

月だけが見ていてくれる窓の外                        〃

駄菓子屋の棚にでっかい夢がある                     「菓子」 席題

菓子箱を提げて小さな頼みごと                        〃

しあわせは甘納豆をつまむ指                         〃


中部地区川柳大会(9/14)

鉛筆の尖ったほうがわたしです                       「鉛筆」

響くまでワインセラーに寝かされる                     「響く」

卓袱台をひっくり返すとき素顔                        「素顔」

トンネルの少し向こうにある素顔                        〃

担がれた日から哀しくなる背骨                        「担ぐ」



鈴鹿ネット句会(9/16発表)  

水中花だけが正しく咲いている                        「涼しい」


川柳忌みたままつり句会(9/23)

天国へ行こう観覧車に乗って                        「天国」

人間に厭きてオウムと会話する                       「ペット」

恩返ししそうな鶴を飼っている                          〃     特選

除草剤まいておひとりさまになる                       「ひとり」


きぬうら句会(9/28)


清々しいほど雑草のパンチ力                         「パンチ」

焼酎のおかげパンチ力がついた                         〃

波乱万丈なんて哀しい嘘をつく                        「自由吟」  佳吟

平凡というしあわせの紐むすぶ                          〃

夢がまた粘土細工になっている                          〃    佳吟

一対の風になろうと乗るバイク                         「対」 互選



2014.09.27(Sat)
立たされた思い出雨が降っていた

火曜日は、愛知川柳作家協会主催の「川柳忌・みたままつり句会」に出席。
献句を一句用意しての句会は、秋分の日の恒例行事。

今年は当番吟社が「やしの実川柳社」だから、豊橋市向山大池町にある豊橋市民文化会館で開催。「大池」という情緒のある池のほとりの会館だ。

「句会」としてあるが、実質は「大会」である。初代川柳翁の御霊を祀るのが主眼の会だから、華々しい大会では失礼にあたるというのだろう。律儀なものだ。

句会報告は後日に譲るが、川柳の学びのために少し記しておきたい。
兼題「ペット」(共選)で、二句投句した内の一つが特選を得た。

 恩返ししそうな鶴を飼っている

この句は、最後まで投句するのを躊躇った句である。
「川柳とは、今の自分の姿、今の自分の想いを表明すること」(新家完司)と心得ている。

ならば、上の句は、自分の姿、想いを詠った句であるか?否である。
入選を期待しての、単に気の利いた事例川柳ではないか?

自分の中で一旦は没句としたのであるが、他にいい句ができなかったので渋々出したというのが本音である。それが特選を射抜くとは・・・。

句会に先立って、リレー・ミニ講演が行われた。「愛川協に思う」をテーマに、愛知川柳作家協会加盟吟社が各5〜10分ほどスピーチをしたのだった。

フェニックス代表の丸山進さんが言われたことが印象に残った。
「作者の人格と川柳とは違う。川柳はあくまで創作である」

「足して二で割る」ではないが、川柳とは「あくまで今の自分の姿、自分の想いを詠むものだが、そこにはやはり創作としての余地がある」ということではないか?

特選を取ったものの、モヤモヤしていた気持ちは、丸山さんの言葉で救われたような気がしたのだった。



2014.09.13(Sat)
川柳七句

伸び放題のびた心の草を刈る

ときどきは溜めた涙を火葬する

ふるさとに色鉛筆の四季がある

にんげんが好きです辛子明太子

物語が始まる赤いポストから

響くまでゆっくり心洗います

一冊の本に運命線がある



2014.09.07(Sun)
鳥の眼で見れば何でもない道だ

ねじまき句会(代表 なかはられいこ)が7月に発行した合同句集「川柳 ねじまき ♯1」を頂いた。知る人ぞ知るこの句会、既製の句会とは一味も二味も違う。

当然、句会の運営そのものが違うわけで、句集の中には次のように記されている。

メンバーは題詠1句と雑詠1句を前日までに事前投句する。作者名を伏せて清記された用紙が句会で配布され、出席者によって選句されたあと、1句ずつ合評を行う。その後作者名を開けて、作者への質問タイムとなる。

要は徹頭徹尾、互選研究をやるわけで、メンバーのデキからいって、この質問タイムはかなり堪えるだろう。洪水のように質問を浴びせられ、落胆する者が続出・・まぁ、そんなことはないか。

メンバーの一人、二村鉄子さんを注目している。この人、川柳人は仮の姿で、本当は俳人・二村典子として知られる。私が俳句に一度傾きかけたのはこの人の魅力によるものだった。

訳のわからない(失礼)川柳を詠むのがつとに有名。
合同句集からいくつか拾ってみる。

いついつもいつもっていつさくら色

とおまきにはるまきをみるかっぱまき

油っぽいぽいぽいぽぽいのぽいぽいっ

化けるマッチ棒化けないマッチ棒化けたマッチ棒


さて、恒例の川柳の結果報告です。

(7/27 きぬうら句会以降 鈴鹿句会は欠席投句で、柳誌到着後の報告)

鈴鹿川柳会7月句会(7/26)

ピカソかもしれない君の自信作                       「自信」(互選)


清貧に生き青空になれそうだ                          〃

マチュピチュによく似てないか千枚田                    「自由吟」


展望ネット句会(8/1発表)  

天根夢草選「不意」、2句投句するも全没


岡崎川柳研究社本社句会(8/2)

充電は終わったもう泣くものか                       「充電」  佳句

夢を食むまで充電が終わらない                        〃    佳句

羽のある天使ですぐに逃げられる                     「天使」

天使まだ降りては来ぬか炎天下                        〃

赤ちゃんはやっぱり天使だと思う                        〃    佳句

人間になろう爪切り歯を磨き                         軸吟

氷屋はシロップ色に日焼けする                       「氷」(席題)

超熱い男を溶かすアイスノン                         〃

氷苺まだなれ初めは聞いてない                       〃


鈴鹿ネット句会(7/16発表)  

ぶらんこを漕いで小さな空を織る                      「織る」 軸吟


みえDE川柳(8/29発表)

立たされた思い出雨が降っていた                     「思い出」 地位


きぬうら句会(8/24)


抵抗があります時価という値札                       「抵抗」

せめてもの抗い赤いシャツを着る                       〃

抵抗もせずに浮かんでいるくらげ                       〃

草食系男子の首は絞めやすい                       「絞める」

九条の首をゆっくり絞めてくる                          〃

とっくりの首を絞めたい理想論                          〃   地位

裏切りの友よ青空見えるかい                        「痛」  互選

「白日夢」 イラスト 色鉛筆
いとう良一 色鉛筆画・白日夢



2014.08.31(Sun)
鈴鹿川柳会「言いたい放題」実況生中継

鈴鹿川柳会(三重県鈴鹿市稲生)のホームページに「言いたい放題」というコーナーがある。
会員、誌友だけでなく世の誰もが平等に覗きまた書き込むことのできる伝言板。

川柳に関することから身の上相談まで、およそ人を不快にさせる内容以外の書き込みが許される、ありがたい“井戸端”である。

遠方のため、毎度例会に出席できない誌友という身分でも、会の様子が手に取るようにわかるし、川柳に関しては、本人が求めれば、手とり足取り、徹頭徹尾、微に入り細をうがつところまで指導してもらえる。

会長の青砥たかこ、会長補佐の吉崎柳歩が共同代表。それに後継者と目される橋倉久美子を加えた自称・三馬鹿大将(吉崎柳歩)を中心として、鈴鹿川柳会を内外へと発信しているのだ。

さて、百聞は一見に如かず、この「言いたい放題」の実況をしてみよう。

(投稿者:たかこ)おはようございます、真夏のクイズです。朝食はパンとコーヒー。主人は味噌汁と納豆。これ定番なのですが、共通の簡単なサラダを毎日作ります。

今朝はキュウリの薄切り。一枚下に落としたので、洗うのも面倒だわと、何の気なしに顔に貼りました。冷蔵庫に入っていたキュウリのひんやり感が気持ちいい・・・次々と顔に貼って、出来上がったサラダを主人の前に・・・。

新聞を見ていた主人が、私の顔に目を移したとたん・・・何と言ったと思います?
これクイズです。今日の正午まで、ここに解答をお書き下さい。
正解者には全員素敵な粗品をお送りします。正解発表は、本日のお昼過ぎです。


青砥はこんな具合にありとあらゆる手管で訪問者を惹きつける。
これは神ワザ。天性の明るさと包容力ゆえの産物だ。その後、投稿者からの解答が続々・・・。

「クイズの答え『おばけ!』ちょっと単純すぎるかな。三重高の試合が始まりました。すでに3点入れています。調子いいぞ」

「これ以上きれいになってどうするの?」「お答えします。わっ、サラダ美人」

「目の前に本物のサラダと、たかこさん『顔サラダ』があるのでしょ。私ならかなり辛口の事を言いますが、お優しいたかこさんのダーリンですから、多分これでしょう。『どっちのサラダにしようか』」

「キュウリに水気吸われたらえらいこっちゃ」「とうとう気が狂れたか?」・・・。


紙数の関係で書き切れないが、要はこんな塩梅で訪問者は言いたい放題。高校野球の実況やら亭主の悪口を交えての訪問者の数々だ。正午を過ぎたところで、青砥からの正解発表。

(投稿者:たかこ)しょうもないことにお付き合いありがとう。正午を回ったので、正解を。
「おまえ、まさかとは思うが終わったら洗って食べさせないだろうな」とのたまいました。

Kさんの解答が比較的近かったですね。でも、残念です。三重校は思った以上に楽勝でしたが、東邦はちょっと。またちょこちょこやりますから参加くださいね。けっこう賞品いいのですよ。


青砥のエライところは、教養の高さを一切表に出さないところ。小説を書けば地域の文学賞を取り、絵を描けば日展に入選できるほどの才女だが、世を忍ぶ仮の姿でいつも赤いドレスを纏って、微笑んでいる。夕方、三馬鹿大将の一人、橋倉から投稿。

(投稿者:久美子) 今日会った友人から聞いた話。(キュウリには体脂肪を分解する働きがあるので、1日2本食べるとやせられるという話をしていたところ)息子(中3男子)「そうかあ、それでやったんか」。その母(友人)「何が?」。

息子「河童がやせとる理由がわかったわ」。その母「あんたには河童の知り合いがおるんか?」。ちなみにこの息子というのは、私が現在受け持っている生徒です。


そう、橋倉は中学校の教師。川柳界のホープとして全国的に著名な彼女は、教育理念も芯もしっかりしていて、教師としても逸材の誉が高い。

いずれ「川柳か教育か」という選択肢を迫られるかもしれない。
もちろんどちらもやればいいことだが。そして夜、吉崎からの投稿。

(投稿者:柳歩)東邦は惜敗。この上は三重高校に期待しましょう。「月曜という日曜の罰が来る 水府」。連休も明けて本業はもちろん、にわかに忙しくなりました。

取りあえず、今日来た展望の「自由吟」の選を仕上げなくては。明日はミニ句会、明後日は「みえDE川柳」の選句。土曜日は例会、またまた編集、来週は短詩型と理事会、文化祭の校正も入って来るでしょう。まあ、一つずつこなすしかないか。

昨日は午後、めずらしく家内とアピタの食品売り場に行ったのだけど、たかこさんは見かけなかったなあ。いればすぐ分かるのだけど・・。なにせキュウリみたいな人だから。


さりげないギャグにたまらないおかしみを感じさせる吉崎は、川柳界の論客。川柳観は人によって異なり正解はないのだが、この人の川柳観は最も正解に近いと言われる。

鈴鹿川柳会が発行する柳誌「川柳すずか」では「柳論自論」と「没句転生」を担当し、独自の川柳論を展開している私の師匠でもある。最後に私の書き込みを一つ。

(投稿者:比呂志)「キュウリ」の話で笑わせてもらっています。発端はたかこさんですが、久美子さんの「河童」の話や柳歩さんの「なにせキュウリみたいな人だから」は良かった。

この伝言板は、三年ほど前から覗いているのですが、観覧車の話題が記憶に残っています。「観覧車回れよ回れ想ひ出は君には一日我には一生 栗木京子」。一日が(ひとひ)と読むこと、一生が(ひとよ)と読むことなど多くを学ばせてもらっています。


ここから、ネット句会の秀句鑑賞に繋がっていくのだが、これはあまりに真面目すぎて訪問者からはドン引き、たぶん。それにも堪えながら、毎月欠かさず秀句鑑賞を書いている(もちろん書かなくてもいいのだが)涙ぐましい物語なのである。

青砥から返信が来た。

(投稿者:たかこ)「キュウリのような人」ってどんな人を思い浮かべました?柳歩さんに聞けばいいのだけれど、それを見て面白かったようなので聞いてみたくなりました。

折角の質問、今から書き込まねばならない。「顔がキュウリに似ている」とはとても言えぬし、どうしたらいいものか、曇天の空をいつまでも仰いでいる。

                                     (刈谷文協文芸誌「群生」寄稿)



2014.08.24(Sun)
悩むのも等身大であるように

鈴鹿川柳会主催の「ネツト句会」の選者として8回目の選を終えた。
残り4回、この調子であっと言うまに過ぎ去るだろう。

選者というものはどうもキャパシティ(受容力)が必要らしい。
好き嫌いだけで選をしてはいけないということだ。

鈴鹿川柳会の代表者の一人・吉崎柳歩さんにはこの点を教えてもらった。
3分の2が過ぎ去ったので(関係ないか?)、ここで披露させてもらう。

「その時どきの気分や条件で、句の評価が変わることは、誰にもあることですが、問題はその程度ですね。好き嫌い以外に、まだ選句の基準が定まっていないのでしょうね」

「これから、いろんな人の意見や感想を参考にして
自分なりに基準を固めていってください。場数を踏むことも大事ですが、謙虚に向き合うことが、もっと大事でしょうね」

「人間は感情の動物で、腹が立ったり悔しがったりします。一時的にはそれでいいと思います。しかし、それに振りまわされないことが肝要ですね」


さて、恒例の秀句鑑賞です。お題は「織る」。

 秀3 たっぷりと織り込んである母の声

小さな子どもがいる家庭では絶え間なく母の声が聞こえます。子を叱る声がほとんどですが、愛情と隣り合わせのその声は、大人になってからも子の心に深く織り込まれていくようです。

「大声のかあちゃんがいる風の町」(蔦作太郎)。川柳を齧りたての頃に出会った句を思い出しました。母の声がいつまでも織り込まれている幸せな家庭を想像します。

 秀2 秋になる亡母の生き様織りはじむ

私にはまだ元気な母がいますが、生きとし生けるものの宿命として、いつか別れねばならない日が来ます。別れの時、母と暮らした幾年月、母と離れてからの幾年月を想うのでしょうか。

働くことに懸命だった母、子を守ることに懸命だった母を想い出すのでしょうか。
まだ元気な内に、母の生き様を想いながら、親孝行の一つもしてあげたいものです。

 秀1 おにぎりにぎゅっと織り込む具と想い

私の少年時代には、おにぎりの具は梅干が定番。殺菌効果もある手軽な梅干をご飯に押し込み海苔を巻いただけのおにぎり。食べ盛りの頃は、大人の拳ほどの特大サイズ三つ。

一度、鰹節に醤油をまぶしただけのおかか入りのおにぎりを作ってもらいましたが、その美味しかったこと。それが忘れられず、学生時代は「ねこまんま」が一番のご馳走でした。


 雲海を優しく織っている夜明け

「雲海」と聞くと、兵庫県朝来市にある「竹田城跡」を思い出す人が多いと思います。
「天空の城」「日本のマチュピチュ」ともてはやされる竹田城跡。

雲海に浮かぶ城跡の
幻想的な風景を一目見ようと年間の入場者数が50万人を突破したとのこと。秋から冬にかけての晴れた早朝に発生する朝霧が、雲海を織り上げていく景色を間近に見てみたいものです。


 織り混ぜたポテトサラダの深い味

「ねこまんま」とともに学生時代によく作ったのが、ポテトサラダ。
ポテトサラダは見た目シンプルですが、これで結構奥深い。

じゃがいもとマヨネーズの黄金コンビの他、ハム、胡瓜、人参。調味料は塩コショウ。ここに焼肉のたれを入れて織り混ぜるとより美味になります。そしてやはり最後は、「愛」という隠し味を入れることでしょうか。


 夢を織るその日暮らしの今だけど

「その日暮らし」いいですね。憧れます。中国六朝時代の田園詩人・陶淵明のように、太陽が昇るとともに起きて雑草をむしり、月を背に鋤を担いで帰る、そんな暮らしをしたいものです。

「夢を織る」のは、今を不遇と思う自分からの脱却のため。脱却などしなくてもいいではないですか。前を向いていれば、たまにはいいこともあるでしょうから。




2014.08.09(Sat)
川柳七句

平坦な道にもどろう森を抜け

慌てずに半歩半歩を糧として

たましいが少し寡黙になっている

未知数を抱いて今日も行く電車

いっぽんの樹に一本の芯がある

驟雨来て小さな愛が欲しくなる

こんな日もあったレモンの緑色



2014.08.03(Sun)
友情のメールあおぞらから届く

昨日は岡崎の花火大会。
夜、稗田川を散策しているとき、遥か彼方に花火音と花火の姿が見えた。

遠花火も遠い日を思い出させてくれていいものだが、臨場感が薄い。
やはり花火の打上げ音を腹で聴き、視線を45度上げるくらいが一番の醍醐味か。

さて、恒例の川柳の結果報告です。
(6/22 鈴鹿市民川柳大会以降 鈴鹿川柳会誌上互選およびきぬうら課題吟は、柳誌到着後の報告)

鈴鹿川柳会誌上互選

国境を越える切手のウサギたち                   「国境」 

国境なのだろう怒りの分岐点                      〃


きぬうら課題吟


治世にはやさしくなれる男の眼                    「眼」

鳥の目で見れば何でもない道だ                   〃  秀句 

結末はどうあれしあわせの途上                   「:結末」

悩むのもいいさ大きな海に逢う                   「悩む」 

悩むのも等身大であるように                      〃    秀句


展望ネット句会(7/1発表) 
 

海の絵を飾ると額縁も揺れる                    「額」


岡崎川柳研究社本社句会(7/5)

転ぶなら桜の咲いている頃に                    「転ぶ」   

寝転んで青空だけを友とする                      〃

転ぶたび夢のしっぽが太くなる                    〃    佳句    

眠れない夜は恋人にしたい雨                    「雨」

雨粒のように一句よ降りて来い                    〃   佳句

沸点を超えるとわたくしが開く                    「開く」

かなしみを等身大にして開く                      〃   佳句 


岐阜県川柳大会(7/5)


沸点を超えてユーモア立ち昇る                   「ユーモア」

抱くたび小さくなった父の椅子                    「抱く」

タイムスリップ偶然が落ちる音                    「偶然」   

青空になれとあの人からメール                   「あの人」(席題)


鈴鹿ネット句会(7/16発表)  

号泣をしたのは腹が空いただけ                   「腹」   軸吟



きぬうら句会(7/27)


どれほどを担えばいいか二本の手                 「担う」

やるべきをやるだけ半歩ずつ進む                  〃

ささやかな旅です神田神保町                     「旅」 佳句

柩までわたし探しの旅つづく                       〃

物語が始まる赤いポストから                      〃

傘の骨折れて闘いだとわかる                     「争」   互選



2014.07.20(Sun)
人間になろう祈る日悲しむ日

梅雨明けが待たれるところだが、今年は簡単にはいかないだろう。
局地的には大変な雨だったが、総じて雨の量が少ない。

そこで、気象庁も「梅雨明け」に待ったをかけるのではないか?
ここまでくれば、いつでもいいようなものだが・・・・。

夜の散歩でしばらく星を見ていない。
夏の大三角形が頭上に神々しく輝くのはもうすぐである。

さて、鈴鹿川柳会のネット句会。好調のうちに七回目の選を終えた。
一方の選者とどうしてこうも選句が違うのか?

恒例の秀句鑑賞です。

 秀3 サマータイムで鳴るわたくしの腹時計

日照時間の長い時期に時計を一時間進めるサマータイム。
起床を一時間早くすれば、一時間早くお腹が空くのは道理。

多くの企業がこの制度を導入しようとしましたが、叶いませんでした。「地球温暖化防止」という大義名分も、「労働強化」に繋がるということで敬遠されたのでしょうか。

普段寝坊の私には、早起きする動機付けができていいような気がします。

 秀2 ざらついたものが溜まってきたお腹

年輪を重ねるたびに心がざらついてくるように思います。物事の本質や道理、掟を知ることは、この世を無難に生きる術には違いありませんが、一方で、高い純度で湛えられた心の水を濁らせていくような気もします。

「清濁」の「濁」の方が圧倒的に多いのがこの世。年輪の重なりとともに、「清濁併せ飲む」のが上手くなり、ざらつきは毎年その層を厚くしていきます。

 秀1 腹八分明日の風を食べている

美味しいものをいつでもどこでも食べられるのは幸せなことです。しかし腹一杯食べることが引き起こす細胞の老化や生活習慣病など副作用も指摘されています。

昨今では、カロリー制限が食事における大切なこと。
「腹八分」は明日を生きる糧なのでしょう。

「最後の晩餐」には何をどれだけ食べようか?ばかり考えている私には、反省させられることしきり。「明日の風を食べる」の表現がとても爽やかです。


 念仏を唱え魚の腹開き

魚をおろすときに念仏を唱えるのは、せいぜい寺の坊さまくらいのものでしょうか。
いや坊さまだって人の子。私と大差はないと思います。

この句から落語の『小言念仏』を思い出しました。
家族の誰彼に小言をこぼしながら読経する隠居の姿を描いたものです。

この落語を得意にしているのが当代の柳家小三治師。
今朝の新聞では人間国宝に認定されたとか。念仏が功を奏したというところでしょうか。


 ミクロンの誤差見逃さぬ指の腹

かつて、「100万分の1グラムの歯車」を作り出すことに成功した中小企業の社長の講演会に行ったことがあります。「お土産に」と、出席者全員その世界一の超極小部品をもらいましたが、これが目に見えない。

指の腹でかすかにブツを確認できたという記憶があります。中小企業の技術力もさることながら、機械ではとうてい測れぬ「触覚」というものの確かさに我々は誇りを持つべきでしょう。


 9条の腹が膨らみ過ぎている

「解釈改憲」の声がかまびすしい。もちろん集団的自衛権のことを言っているわけですが、条文つまり憲法9条の解釈を改めることで,集団的自衛権の行使が容認されるというのはどうなのでしょうか。

時代が出っ腹にさせたのか、それとも権力を握る個人の意図的な働きが腹を膨らませたのか。武力を使う前提条件となる「新3要件」をしっかり見極めて、腹の膨らみを是正するのも我々の責任ではないでしょうか。


石垣島の海 イラスト 色鉛筆
いとう良一画 沖縄・石垣島の海


2014.07.13(Sun)
川柳七句

トーストにバターが僕の始発駅

おにぎりの具に美しい想い出を

手の届くところに夢のひとかけら

旅は終わった日常が始まった

暑い日の記憶に豆腐屋のラッパ

正論か否かをあおぞらに投げる

曖昧でよい愛という字があれば



2014.07.06(Sun)
百パーセントあおぞら僕という空地

七月に入って梅雨前線が俄に活気づいてきた。
台風も日本列島に接近しているとかで、梅雨の雨足が少しずつ大きくなってきた。

昨日は、岐阜県川柳作家協会川柳大会(成績は後日報告します)。
日中はわずかばかりの俄雨があったようだが、往路、復路とも傘は必要なかった。

これでひとまず前半戦の川柳大会は終了。
欲を言ったらキリがないので、前半戦の成績はこれでよしとしよう。

さて、恒例の川柳の結果報告です。
(5/17 川柳なごや夏の川柳大会以降 鈴鹿句会は欠席投句で、柳誌到着後の報告)


鈴鹿川柳会5月句会(5/24)


ふわふわのパンだね君たちの明日                 「ふわふわ」 誌上互選

清貧に生きれば痒いとこばかり                   「痒い」

焼酎は水割りあすを溢れさす                    「割る」

ささやいています切手の兎たち                   「自由吟」



展望ネット句会(6/1発表) 
 

2句投句するも全没


岡崎川柳研究社本社句会(6/7)

無意識にきれいな方を向いている                 「美」   秀句

美意識を過剰にさせて虹が出る                   〃

オーロラと花火どちらも譲らない                   〃    佳句    

笛を吹く誰もが北を指すように                   「心配」

少子化のとびらで夢が綴れない                   〃   佳句

旧性に戻っておんな生きていく                    〃

百パーセントあおぞら僕という空地                「空地」  秀句

雨降りはいいねきれいな傘の花                   「雨」 (席題)

雨降るも雨止むも母さんのリズム                  〃

雨天順延にするわたくしの命                     〃



川柳「豊橋番傘」100号記念句会(6/8)

一つだけ重しを付けておく翼                    「一」

悲しみをいつか口述筆記する                   「口」

登り坂下り坂にも日はながれ                   「日」   

人間になろう祈る日悲しむ日                    〃    秀逸

精一杯描こうわたしという余白                  「白」



きぬうら吟行会(6/15)

永遠を見つけるために樹に登る                  「吟行吟」 軸吟

緊張のあまり手足が揃わない                  「注目」

美しくないが背中を見せている                   〃

人間という悲しみを見ているか                    〃

地球儀の上に集ってまた別れ                  「集う」

一年ぷりですホタルと集う夜                     〃

一冊の本読み終えてから集う                    〃

鈍牛があしたの角を磨いでいる                  「争」   互選



鈴鹿ネット句会(6/16発表)  

一年ぶりですホタルに会える夜                  「やっと」   軸吟

東海市川柳大会(6/19)

決心の紐は結んだままにする                  「紐」

絡まった紐がわたしの現在地                   〃

恋という途中下車ならしています                「道」

一冊の本がわたしの道でした                   〃

口論が過ぎたか波が高くなる                   「波」
                      

鈴鹿市民川柳大会(6/22)

天窓が結ぶ非日常のそらへ                   「結ぶ」

理想論いつも迷子になっている                 「外」

しあわせへ回転ドアは故障中                  「耐える」




2014.06.28(Sat)
無意識にきれいな方を向いている

まもなく六月が終わる。
いつも“忙しい、忙しい”だけで終わってしまう六月だが、良いこともあった。

名古屋で一人暮らしをしているパティシエの娘が、父の日に贈り物をしてくれた。
本坊酒造の本格芋焼酎「蔵出し 光遠」。もったいないほどの美味さが身に沁みた。

ネットで調べると、720mlで3672円(税込)。郵送料込で4000円といったところか?
父には、もっと安い一升3千円弱のものが手頃だから、今度はそれで良い。

さて、鈴鹿ネツト句会の秀句鑑賞を書かねばならない。
六月のお題は「やっと」。入選句に感心しきりの我が身も情けない!

 秀3 家族みな送ってからの朝ごはん

「やっと」の実感句なのでしょう。
世のお父さん、子どもたちには、お母さんの「やっと」に気付きませんでした。

朝ごはんを作り、家族を起こし、食事をさせて、会社や学校に行くのを見届けるまでの戦いを。皆を送り出してから食べる朝ごはん。その美味しさに勝鬨を上げているのではないでしょうか。

 秀2 復旧の電車笑顔を振りまいて

天候によるものか、事故によるものかわかりませんが、停止したままの電車が「やっと」復旧しました。乗客たちは、半ば怒りを纏いながらも、今か今かと復旧を待ち望んだことでしょう。

しかし、復旧すると怒りは解けて、笑みが漏れ始めます。
マイナスからゼロに戻っただけなのに幸せな気分になってきます。

 秀1 子離れをするわ燕の子を仰ぐ

父親と違い、母親は子を手放すときの感慨はひとしおなのでしょう。
腹を痛めた我が子がいつの間にか自立という門に立っている。

それは喜びには違いないが、その裏のさびしさも。「一度は通らねばならぬ道」と、子離れのできぬ母親は、燕の子を見て「やっと」決心します。心のなかでつぶやく話し言葉がとてもやさしい。

 やっと今気付く私の帰る場所

ほとんどの人がそうであるように、私にも家庭があって、夜遅くなっても帰る場所があるのはありがたいことです。しかし、作者の場合、「家庭」と単純に捉えることはできないようです。

自分が生涯かけて生き抜く場所、最高に輝く場所をやっと見つけたのでしょうか。
生きている証を立てられる場所を私もさがしているのですが・・・。

 ピリオドを打つ気になった長い春

単純に解釈すれば「結婚」を決意したということでしょうが、昨今ではピリオドの打ち方はさまざま。また個人という枠を超えたところの意思決定とも解釈でき、「国家」というところまで踏み込めなくもありません。

しかし、長い春を経験した人にしかわからない空気というものがあって、喜びとともに諦めの気持ちも伝わってきます。

 お使いのポストにやっと背が届く

子どもが誰かのお手伝いをすることはとても大切なことです。
「人のお役に立つ」ことを言葉ではなく、肌で感じることは大きな学びとなります。

家族の郵便物をポストに入れに来たのですね。背丈がやっとポストの口に届くようになったのですね。これからもずっとお手伝いしてください。


南の木 イラスト 色鉛筆
いとう良一・南の木



2014.06.21(Sat)
川柳七句

悲しみは小さいうちに摘んでいる

ちっぽけなことだと笑う銀河系

しあわせな顔で小麦は小麦色

思い出を語ろう篝火のなかで

魂も風邪を引いたか湿っぽい

疼くだけ疼いて夕焼けになった

剥がすものあり一枚の空さえも



2014.06.08(Sun)
子を守るために汚した手を洗う

梅雨入りした。
例年より数日早いらしいが、六月の梅雨入りは順当だ。

昨年は、五月の下旬に梅雨入りしていたので、「待ちかねた」といったところではあるが、五月の一番いい気候を早く失うようでさびしいのも事実。

しかし、この梅雨、雨が一向に降らないではないか。
もっとも、降らないのはわが地域だけで、他所での被害情報も入ってきている。

雨天順延にする一つしかない命       比呂志

さて、恒例の川柳の結果報告です。
(4/29 三川連川柳大会以降 鈴鹿句会は欠席投句で、柳誌到着後の報告)


鈴鹿川柳会4月句会(4/26)


爽やかに抜こう四月の瓶ビール                   「抜く」 誌上互選

除草するたぶん私がいなくなる                    〃

人前で泣くほどいい子にはなれぬ                 「泣く」

浅瀬から何か生まれてきそうです                 「浅い」

浅くてはおもしろくない落とし穴                     〃


展望ネット句会(5/1発表) 
 

沈黙がときどき空を引き寄せる                  「引き」


岡崎川柳研究社本社句会(5/3)

紛争の国にあやしい雲が湧く                     「湧く」

子を守るために汚した手を洗う                    「洗う」   秀句

たましいをときどき洗う映画館                    〃    

青空が洗い落としている履歴                     〃

登山家の足跡みんな詩になる                   「残る」   軸吟

胸に挿す緑のなかにある平和                   「緑」 (席題)

新緑を抜けてひとりの映画館                    〃

母の日に合わせて深くなる緑                    〃


愛川協総会川柳大会(5/6)

幕引きのプラン許してもらえない                 「プラン」

母の日を待たずに散ったハナミズキ               「ごめん」

何もかも流して青空になろう                    「流す」   秀句

いもうとの羽化するように夏が来る                「妹」

ゆるキャラが好き妹に似てそうで                 〃


鈴鹿ネット句会(5/16発表)  

切り株はひとつ半分ずつ座る                   「半分」   軸吟


川柳なごや夏の川柳大会(5/17)

相乗りのバスから君と同じ地図                  「地図」

逆上がりして美しく見せる過去                   「わざわざ」

青空になれとささやく聴診器                     「ささやく」  

青空が見えるところに来ませんか                 「現場」

ほんとうを見逃している机上論                   〃


きぬうら句会(5/25)

神さまの声が聞こえるメール音                  「メール」

友情のメールあおぞらから届く                    〃    秀句

メールからきっと繋がる糸電話                    〃

捨て猫のような悲しみ持ち歩く                  「捨てる」

プライドはとっくに捨てた紙コップ                   〃    佳吟

捨て方はさまざま切り札のカード                   〃    佳吟



2014.05.27(Tue)
春夏秋冬 窓は回転木馬だね

日曜日は、同年会恒例の日帰りバスツアー。
「つるつるの湯〜昼神温泉のランチバイキング、妻籠宿の古い町並みを散策」。

今年は同年会役員を引き受けているので、諸種の行事がかち合う中で、まずこちらを優先させねばならず、半分渋々だったが、楽しい旅をさせてもらった。

飯田の水引美術館の見学、昼神温泉でのバイキング、妻籠宿の散策。
山間の町は静かで潤いがあって、すべてがやさしい。

たまにはこんな旅もいいかな、と思う。妻籠とひと括りになるのが馬籠宿。
こちらはどうなんだろう。坂の多い宿場だと聞いた。

木曽の地酒を堪能し、帰路に着く。
それから、大慌てで綴ったのが川柳鑑賞。

鈴鹿川柳会の選者を引き受けているので、選のあとに秀句に選んだ句の鑑賞を書く。
別に書かなくても構わないが、選者をしたという証を残しておきたい。

今月のお題は「半分」。秀句三句と佳句三句の鑑賞です。

 秀3 半分は酒の力で生きている 

まさに私のこと。人間の悩みの半分くらいは人間関係にあると思うが、人間関係なくして生きていけないのもこの世。嫌な奴との縁を切りたい、こんな組織からは退却したい、と下絵を描いても、なかなか出来そうにない。

“人間はひとりの方がいい”(森田公一とトップギャラン)かつての歌が聞こえてきそうな夜。
また酒量が増えてきた。


 秀2 半分にできればなあと飲んでいる

これまた私のこと。今は芋焼酎の水割り(5:5)4杯を一日の酒量と勝手に決めているが、家族にすれば半分にして欲しいところ。

かく言う私もそうできればベストなのだが、
それでは愉しみが半減。4杯を4等分して1杯15分ずつで、ビデオした「トンイ」を見るのが至福時。かくして翌朝また降圧剤の世話になる。

 秀1 焼酎とお湯は半々ワタシ流 

私にすれば水割りがベストなのだが、お湯割りも捨てたものではない。特に立冬から梅の散る頃までのお湯割りは誠に体に優しくて、口中から五臓六腑へゆっくり滑り落ちていく。

5:5の割り方も黄金比と言われているとかで、最高。しかし、いかんせん家族の前ではワタシ流を貫くのは至難の業。いつもこっそり乾杯しています。

 半熟の男戦闘には向かず 

またまた私の心を見透かされている。「半熟の男と思っている人、手を挙げてみなさい」と言われれば、即座に手を挙げてしまう。

“和を持って貴しとなす”の精神だけでは、いざという時に生きてはいけないのだろう。
鈍牛が角を磨ぐように、平穏な時から爪を研ぐ覚悟も男には必要なのだ。


 告白を風が半分持って行く

どんな告白なのか。重要なことには違いないが、ためらいながら呟くように囁くように告白したに違いない。風の強い日だったから、相手にうまく伝わったのか、とても心配になる。

風の持っていった半分がもしかして、一番大切な部分だったのかもしれない。
気分としては、一番好きな句。

 半分に成るまで僕を塗り潰す

リセットできない人生ならば、少しずつでも描き直していかねばなるまい。辿ってきた道を後戻りしながら、こことここは塗り潰して、そことそこは線を引き替えて、ここからは色を変えて、と・・・。

そうしていくと半分は(わたしの場合は大部分だろうが)塗り潰していくことになるのだろう。
そんな作業をしているのが、幸せな時なのだ。



2014.05.25(Sun)
川柳七句

いい夢を見ようフランスパン齧る

次の世はどっちになろう象と蟻

晴耕と雨読ふたつのお楽しみ

晴れ曇り雨 神さまの飴と鞭

心技体そろえてあおぞらになろう

夏は来ぬ一枚の空降りてくる

人間を描けば哀しい線ばかり



2014.05.11(Sun)
何もかも流して青空になろう

黄金週間が終わったとたん五月病のような症状で伏せている。
と言って、寝込んでいるわけではなく、心が少し伏せているだけだ。

慢性化しなければよいが・・・・表題の句は、黄金週間に詠んだものだが、そんな症状を見越したかのように、自分を励ます内容になっている。

 何もかも流して青空になろう

心に雨雲が立ち込めて、ひと雨降らすような勢い。
そんな潜在的な意識がどこかにあって、青空になろうと自らを鼓舞したのだろうか?

今日は、妻と三男坊と三人で映画鑑賞へ安城コロナまで。
「相棒」の招待券を貰ったので、重い腰を上げて見に行った。

映画鑑賞とは何年ぶりか?
そもそも映画などには縁がない身空。

過去を振り返っても、映画館に行った記憶があまりない。
「青春の旅立ち」「小説吉田学校」は、独身の頃妻と行った。

他にもあるような気がするが、今は思い出せない。
そういえば、黄金週間前にこんな句を詠んでいた。

 青空を脱いでひとりの映画館

いずれも「青空」を出すあたり、よほど暗雲が立ち込めているのだろう。
何かスカッとしない。「スカッと爽やかコカコーラ」じゃないが、コークハイを飲りたい気分。

後はなるようにしかならぬ・・・・



2014.05.04(Sun)
泣けるだけ泣けば鏡の奥に春

あざみエージェントオリジナル川柳カレンダーを捲る。
5月は、「おかじょうき川柳社」のむさしさんの句。

 
誰よりも明るい空をポケットに

http://livedoor.blogimg.jp/ssm51/imgs/0/5/05655160.jpg


ねじまき句会メンバーの瀧村小奈生さんの美しい鑑賞文を発見したので、紹介させてもらう。

瀧村小奈生さんのホームページはこちらから  
http://www.bstgakuin.com/blog.php

やさしさとせつなさのバランスが絶妙だなと思う。
ちょっと疲れた人や、ちょっとさびしい人が、思わず寄り添いたくなりそうな句である。

でも、ちょっと待てよと思う。空の明るさの比較対象が「誰よりも」って、なんか変じゃない?
それは、誰もが空を持っている前提の上に成り立つ比較である。

みんな空を持っているけど、その誰が持っている空よりも明るい空を私は持っています。
そして、それをポケットに入れているんです。という状況設定が考えられる。

大変なものをポケットに入れているものだ。やっかいそう。
なんのために?と考えたとき、これが不思議なことに自分のためだとは思えない。

こういう構造が共感を誘うのだろうか。ねえ、むさしさん。
ギャルソンの黒いスーツを着たむさしさんのポケットの中をのぞいてみたくなる。


さて、恒例の川柳の結果報告です。
(3/23 きぬうら句会以降 鈴鹿句会は欠席投句で、柳誌到着後の報告)


鈴鹿川柳会3月句会(3/22)


かさぶたの数だけきっと春がある                  「怪我」 誌上互選

怪我のこと話してごらん木の窪み                  〃

口笛を吹こう心が乾くから                      「乾く」

世話を焼くきっと幸せなんだろう                  「世話」

世話好きとうつくしい嘘を言う                      〃

好きなのは防風林のあなたです                   「自由吟」


展望ネット句会(4/1発表) 
 

二句投句するも全没


桜まつり協賛 岡崎春の市民川柳大会(4/5)

運命に逆らう雑魚はざこなりに                   「運命」

運不運 最初はグーで確かめる                    〃 

決心がつくまで波の聞き上手                     「波」    秀句

飛び込んでいけばやさしい波頭                   〃     佳句

四万十の流れと夕焼けを歩く                    「土手」 

やさしさを結んで開く春の土手                    〃


鈴鹿ネット句会(4/16発表)  

春の陽をいっぱい入れる熨斗袋                  「溢れる」

遮断機が上がり四月が溢れ出す                    〃   軸吟


大山桜ものがたり(4/26発表)

春夏秋冬 窓は回転木馬だね                   「自由吟」 天賞


きぬうら句会(4/27)

咲くときを知り美しい貌になる                      「咲く」  佳吟 

きれいだったと過去形の花にする                   〃   佳吟   

甲斐性もなく靴紐がほどけない                   「甲斐性」  秀句

青空は友だち甲斐性なくっても                     〃  

遺言は甲斐性なしにならぬよう                      〃         


三川連川柳大会(4/29)  

切れそうな糸だが固く結ばれる                   「細い」

包まれていますか春のハンカチに                  「春」 

泣けるだけ泣けば鏡の奥に春                      〃    秀句

鍵穴の向こう大きな海がある                     「鍵」    

縦横に絞りこの世の灰汁を抜く                    「絞る」 

スイッチを押せば怒涛の海になる                  「スイッチ」 

一目惚れ三日坊主が理想的                    「自由吟」

うんうんと唸って人間になろう                      〃



2014.04.19(Sat)
鈴鹿ネット句会4月

鈴鹿川柳会が主催するネット句会(http://www.suzusen.sakura.ne.jp/kukai.htm)の4回目の選を終えた。1年間の担当だから3分の1が済んだことになる。

4月のお題は「溢れる」で、合計298句いただいた。
先月(お題「太い」338句)より40句、1割強少ない。

選者はこのあたりにも敏感になる。「選が悪いから客が減っていくのでは」「入選数(38句)が少ないから結果として投句数が減っているのでは」と、余計な心配をする。

投句と選句を純粋に楽しめばいいのに、要らぬ足枷をしてしまう。
「関わる」というのはそういうことなのだろう。

さて、恒例(?)の秀句の鑑賞(感想)です。

 秀3   改革へ唾をとばした四畳半 

現状をより良くするための改革。今置かれている環境をもっと開放的にしたい、機能的にしたい・・・・、現実に甘んずることなく、理想的な環境を作り上げよう。

四畳半ひと間のアパートで友と唾を飛ばしながら改革を語ったあの日。次から次へ夢が溢れていた。遠い学生運動の思い出かもしれない。
                                                    
 秀2 ハンカチが欲しい水位を越えたので

悲しみが水位を越えてしまった。もうすぐ涙が堰を切って溢れ出すだろう。
君よ、涙を拭くハンカチを貸してはくれぬか。

別れなのだろうか。肉親との別れ、恋人との別れ、恩人との別れ・・・・。
「水位」ということばがぐさっと胸に刺さる。

 秀1 溢れないようにゆっくり閉じる本

読みかけの本を閉じる。これ以上読むと涙が溢れ出すだろう。
幸い夜も更けてきたから、続きは明日にしよう。

一冊読み終えた。まだ残っている余韻が本の隅々から溢れる。
生きるとは何か、生きがいとは、命とは・・・・溢れ出す想いを胸にゆっくり本を閉じる。

「ゆっくり」がよい。皮膚感覚というのか、心の襞を震わせる。

 溢れない配慮忘れぬ四捨五入

善か悪か、正か邪か、この世のことは容易には決められぬ。善に悪が混ざり、悪に善が混ざる。正の中に邪が潜み、邪の中にも正が立ちこもるのがこの世。

大河は清流も濁流も区別せずに受け入れる。しかし、何もかもでは大河でさえも氾濫しかねない。溢れないように四捨五入という手が時には必要なのだ。

 老人が溢れて眠くなる桜 

昨夜は遅くまで若者が花の下につどって奇声をあげていた。元気なのはいいが、桜の気持ちも考えないで騒ぐ若者よ、桜だって夜は眠るのだよ。

おかげで今日の桜は寝不足で花弁を少し赤くしている。今日はお年寄りの花見だ。緩やかに吹く風のように静かに語らってくれている。この隙に桜も一眠りすればよい。

 きのうへと溢れる身の裡のさくら 

今年の桜はややピンクが強いように感じた。開花から満開までの日数が短く、一気に咲き始めたからだろうか。昨年の桜はどうだったか、一昨年は・・・・。

桜の色を思い出しながら、かつての桜の頃の想いに身を馳せる。別れ、出会い、恋、旅立ち・・・・。私の中で桜はいつまでも昨日へと咲いている。



2014.04.13(Sun)
川柳七句

美しく散るのはとても難しい

真実はこれか泣くこと笑うこと

よく眠りよく食べ夢が発芽する

シンプルに生きよう春の陽を食べて

線描くとどうしても人間になる

鳥になるために何度も助走する

芽の出ないときでも太陽は一緒



2014.04.06(Sun)
決心がつくまで波の聞き上手

桜が散り際を迎えている。
春嵐が花びらを幾重にも散らし、地の果てへ運んでいく。

寒の戻りというのか、桜の時期は一瞬冬へ舞い戻る。
かといって冬の寒さではなく、暖かさに慣れた分だけ身には堪えるのだろう。

昨日は、「桜まつり協賛 岡崎春の市民川柳大会」。
妻は、「歩いて巡礼(まいる)知多四国」の四回目。

それぞれ目的を持っての参加。
風は強かったが、好天に恵まれ、気持ちの良い日だった。

大会の方は、司会進行役を命じられた。こうした縁の下の力持ちが少しは評価されるのか、下の句が準特選に入り、東海愛知新聞社賞をゲット。

 決心がつくまで波の聞き上手        『波』

岡崎公園の桜まつりには行けず残念だったが、代わりに夜、地元の大山公園に行った。
「大山千本桜」は散り初めの季節。池の水面に花筏がいくつもできていた。

さて、恒例の川柳の結果報告です。
(2/23 きぬうら句会以降 鈴鹿句会は欠席投句で、柳誌到着後の報告)


鈴鹿川柳会2月句会(2/22)


紅顔のぼくも怪しくなってきた                    「怪しい」 誌上互選

鬼はまだ棲んでいますか鬼ヶ島                    〃

春が来るすこし口笛うまくなる                    「自由吟」


展望ネット句会(3/1発表) 
 

三句投句するも全没


岡崎川柳研究社本社句会(3/1)

行き先はおなじと買った乗車券                   「乗る」

追い風をいつも探している切符                     〃   佳句

旅ひとり桜が咲いてから帰る                     「咲く」

開花日にいつしかしあわせを貰う                   〃

起承転結やはり笑いの結がよい                  「ドラマ」  佳句

卒業の歌にほどけてゆくドラマ                     〃

しあわせは何かと再会のさくら                    「再会」 (席題)

再会に回転木馬巻き戻す                        〃

どの窓を開けてもなつかしい笑顔                    〃


鈴鹿ネット句会(3/16発表)  

輝いていたい名前を太く書く                      「太い」 軸吟


きぬうら句会(3/23)

原色のセーター脱いで大人しい                     「セーター」 

セーターを脱ぐと一羽の鳩が飛ぶ                     〃    

老人になるなとセーターが叱る                       〃     秀句

星空を仰ぐ名も無き戦士たち                      「疲れる」   佳句

疲れたら等身大で生きてみる                        〃      秀句   


中部地区誌上川柳大会(4/1発表)  

奏でると春の電車がやわらかい                    「奏でる」   天位





春の電車


2014.03.22(Sat)
追い風をいつも探している切符

昨日から風がやたらと強い。
春一番も吹いたことだし、「春嵐」とでも呼ぶ季節なのだろうか?

風の強い日は、風が空気中の塵や埃を飛ばすから、遠方の山々がくっきり見える。
419号線沿いに車を走らせると、恵那山、御岳山、さらには名も知らぬ南アルプスの山々。

カール・ブッセ(上田敏訳)の詩を思わず口ずさむ。
「幸」は、やっぱり遠いところにあるのだろう。

山のあなたの空遠く

「幸(さいはひ
」住むと人のいふ。

噫(ああ)、われひとと尋(と)めゆきて、 

涙さしぐみ、かへりきぬ。

山のあなたになほ遠く

「幸」住むと人のいふ

さて、先日の「鈴鹿川柳会 ネット句会」(お題「太い」)の鑑賞をしてみよう。
秀句の鑑賞(感想)は、私自身の現在地である。

 秀3 いさぎよく生きるミミズの太い腹

土の中で土を食べて暮らすミミズ。排泄する糞は堆肥となり土壌を肥らせる。
少年の頃、ハゼ釣りの餌は決まって土から掴まえたミミズだった。

自分の役割を何ひとつ誇らずに、“いさぎよく”生きるミミズ。
その太い腹に、「ありがとう」の一言を言っただろうか?

 秀2 二の腕をチラッと見せる抑止力

抑止力になるほどの二の腕。かなり太いのだろう。この二の腕で首根っこを掴まれたらひとたまりもない。口答えは止しておこう。

私たちはかように人の目を気にし、他人の一挙手一投足を睨みながら生きている。
もっとも一番恐れるのは、妻の「二の腕」かもしれないが・・・。

 秀1 血管の太さナースに褒められる

血管注射が好きな人はそうそういないだろう。一瞬にしろ「チクッ」と針を刺された時の痛みは気が遠くなるほどだ。ナースはそんなことは百も承知。

採血の時の患者とのユーモラスな会話が場を和ませる。
こんなナースなら子どもも注射好きになるのかも。

 母さんは強い人ですよく眠る  

家庭を守り、子どもを守ってきた母は強い。我が家にも四人の子どもがいるが、「母は強し」を、父(私)は実感を込めて語らうことができる。

それに引き替え「父の弱さよ」。家庭にお金さえ入れればいいと思っている情けなさ。
強く戦うためには、より深く眠らなければならぬ。母さんは偉い!

 これからを歩む地図です太く引く 

地図のない旅もいいが、強く生き抜くためには地図を描かなければならない。それも鮮明な地図がよい。欲しものがあれば、具体的であればあるほど手にする確率は高くなる。

「生活設計」を描きながら、私たちは生きていく。
家族が路頭に迷わぬように、太い太い線を引く。

 太すぎて巻けない君のど根性 

何かを成し遂げられる人は、その能力もさることながら、強い「想い」を持った人である。
「必ず成し遂げる!」という強い意志や想い。

そんな想いの強さを秘めた君のど根性、何ものにも巻けはしない。
私はと言うと、君のなん十分の一。ときどきは、君の爪の垢を煎じて飲んでみよう・・・。



2014.03.16(Sun)
筋書きのない旅だから前を向く

昨日は、「歩いて巡礼(まいる)知多四国」の二回目。
妻は三回目で、手馴れたもの。リュックがよく似合う。

朝10時半、名鉄常滑線の「朝倉駅」にて下車、初めて降りる駅。
その人出の多さはどうだ、まるで甘味を見つけた蟻の列ではないか?

今回のコースは、ざっとこんなところ。

朝倉駅(スタート)…(79)妙楽寺(開)妙楽寺…(78)福生寺(72)慈雲寺

(76)如意寺(74)密厳寺(75)誕生堂(73)正法院(77)浄蓮寺

(80)栖光院(81)龍蔵寺…寺本駅(ゴール) 

納経所でご朱印をもらう人、人、人。朱印をもらう妻はもちろんのこと、待つ私もうんざり。
仏の道を極めるのも辛いことなのだ。

若者もいるにはいるが、大抵は現役を退いた年配者。
ちょうど川柳をやるような年代が、同じ道のりを歩いている。

何とか川柳に取り込めないか?そんな邪な想いを抱いての巡礼。
ご利益などあるはずはないが、12`の道のりを3時間ほどで歩いたのだった。



妙楽寺・亮山像

ここで、少々解説。

知多四国巡りは1824年(文政7),妙楽寺(みょうらくじ)の住職亮山(りょうざん)によって始められたと言われている。

1809年,37歳の亮山が修行に励むある夜,夢に弘法大師が現れ,「知多は我が宿縁深い場所である。ここに札所霊場を開き,衆生と結縁(けちえん)せよ」とのお告げを聞く。

「本四国霊場88か所巡りの知多版を」ということであった。亮山はお告げどおりに札所をつくることを決意し,知多半島中を東奔西走しながら16年かけて88か所の霊場を完成させた。



2014.03.15(Sat)
川柳七句

鈍行の切符この世を好きになる

空っぽになってさようならを言える

点滅信号春が渡っているのです

鳥たちが飛び立つ過去へ未来へと

礼状は書かねばならぬ冬の日へ

包まれていますか春のハンカチに

首根っこ掴んで春を逃がさない



2014.03.09(Sun)
もう一度恋してみよう朱を足して

昨日は、「鈴鹿市文芸賞(公益財団法人 鈴鹿市文化振興事業団)の贈呈式。
高浜川柳会の月例会があり、欠席させてもらった。

高浜川柳会の一会員であれば、月例会をご無礼して贈呈式に出席しただろうが、会の責任者となればそういうわけにもいかない。

このあたりが私のいい所でもあるが、文芸賞の関係スタッフからすれば、贈呈式の出席人数が少なければ落胆せざるをえないのだろう。

川柳部門は、最優秀賞1名、優秀賞1名、奨励賞2名が受賞。
出席は、奨励賞受賞者1名だけだったようだ。

川柳部門の最優秀賞者であった私の作品は代理の人が朗読された(最優秀作品のみ披露される)。披講できるのであれば、行けばよかった!

本当は、贈呈式のあとの選考委員との交流会が惜しまれる。
最優秀賞に相当する作品だったのか、を聞きたかった。

応募締切日の3日前に焼酎の水割りを引っ掛けながら、1作品(10句)作るのに、1時間も要していない。翌日、手直ししたものの原型は同じである。

しかしながら、結果オーライ。関係スタッフの落胆を胸において、ここで披講させてもらう。
皆さん、ご批評ください。

 「もう一度」

釣瓶落としですか夕日も人間も

それぞれの赤さ夕日と信号と

細長い影もわたしの影である

グッドバイ今日も夕日の形して

お祈りはいいね目線が低くなる

じれったい距離に私が置いてある

欲しいのは背凭れ椅子と波の音

夕焼けに寂しがり屋が棲んでいる

破ってもよいのです告白なんて

もう一度恋してみよう朱を足して



2014.03.01(Sat)
いっぽんの線の向こうに別世界

昨日、今日と暖かい日が続いている。
春の装いでも寒くはなく、むしろ春特有の花粉の方が心配になる。

梅の花は満開に近いのだろうか。
佐布里池梅林(愛知県知多市)の梅のいでたちはどんなものか?

ネットで調べてみよう。


3月1日現在の梅の開花状況


うむ、いい塩梅である。

さて、恒例の川柳の結果報告です。
(1/16 鈴鹿ネット句会以降 鈴鹿句会は欠席投句で、柳誌到着後の報告)


鈴鹿川柳会1月句会(1/25)


遮断機の向こう並んでいる夜景                  「並ぶ」 誌上互選

颯爽という若さで午後を歩きます                  「午後」

未知数をいっぱい入れる貯金箱                   「自由吟」


展望ネット句会(2/1発表) 
 

三句投句するも全没


岡崎川柳研究社本社句会(2/1)

ここからは素顔になれる母の駅                  「素顔」

うつくしい素顔に逢える日記帳                     〃   佳句

B5一枚自分史が埋まらない                     「短い」

三日天下でしたね妻の旅行中                     〃

短くてよい等身大のいのちなら                     〃

塩を撒くこの世の汚れ消すために                 「撒く」 (席題)

撒き方を変えてからです生き上手                   〃

撒き餌する何か探しているのです                   〃


鈴鹿ネット句会(2/16発表)  

夕焼けを今日は掴んだのか鳥よ                  「掴む」 軸吟


風鈴の会 句碑まつり(2/22) 

骨董になるまで僕はボクらしく                    「らしい」

空からも降ってきそうな梅マーク                   「梅」 軸吟


きぬうら句会(2/23)

好きだよと軽く伝えているメール                    「伝える」 

ときめきも哀しみも一冊の本                       〃     佳句

煽てには弱いやっぱり木に登る                    「単純」   佳句

羽のない俺だ飛ぶことなどできぬ                    〃     佳句

いっぽんの線の向こうに別世界                     〃     秀句   



2014.02.24(Mon)
鈴鹿ネット句会2月

鈴鹿川柳会が主催するネット句会http://www.suzusen.sakura.ne.jp/kukai.htmが好評のようだ。毎月出されるお題に二句までネット上で投句できるシステム。

今年は「選者」という思いがけないご褒美を頂戴した。素人に毛の生えた程度の選者では選評はおこがましいことだが、役割上拒んではいられない。

 右手では右手の夢が掴めない

2月のお題「掴む」で抜いた(入選にした)句である。
この句の意味を尋ねられた。以下はその回答。

この句を読んで、思い出したのが「山のあなた」(カール・ブッセ 上田敏訳)という詩でした。

山のあなたの空遠く 「幸(さいわい)」住むと人のいふ・・・

夢とか幸せは、遥か彼方にあるもので、掴かもうとして近づくと、また彼方に逃げて行ってしまいます。夢に近づくと今度はもっと大きな夢が欲しくなるということでしょうか。

それで、近くにある手では夢は掴めない。
右手の夢は左手なら掴かむことができるのです。


これに対して、我が師匠のコメントは・・・

川柳はたった17音しかないので、具体的に言わないと意味が通じない。
抽象句は想像を膨らますことができるぶん、「思い」が共用できないので、やはり弱い。

こんなやりとりが毎回交わされる。
蓄積されると、どれほど大きな学びになることか!

興味のある方は、「言いたい放題」を参考にしてください。
http://www.suzusen.sakura.ne.jp/honey/honey.cgi

以下は、「言いたい放題」に書き込んだ選評。


秀句と秀句にもう一歩だった句(おこがましいですが)の感想を書いてみます。

 秀3 夜が白む頃に掴んだ妥協点

 秀2 入門書だけでは掴めない奥義

 秀1 父の背で寝ても離さぬ千歳飴

秀3の句は、かつての春闘を思い浮かべます。
労使がぎりぎりまで話し合いを続けて妥協点を探していく。

今年は定昇の他にベースアップを求める声が上がっています。
どんな形の妥協点を見出すか、興味津々です。

秀2の句は、身につまされます。
川柳の奥義は当然入門書だけでは掴めません。

教えを乞うという謙虚さが大切だと教えられました。私もこのネット句会の選者をさせてもらって、謙虚に句に向き合うことを心していきたいと思います。

秀1の句には、ほろっとさせられます。
子の成長を祝う七五三。慣れぬ着物を着て歩いたせいか、疲れて父の背で眠ってしまった子。

しかし、手には買ってもらった千歳飴をしっかり握りしめています。
子の一途さ、いじらしさが描かれ、胸に迫ってきます

 男なら逃げてはならぬ瓶の蓋

 雲つかむ話が一番の珍味

 袋にも工夫をこらす掴み取り

「男なら・・・」の句は、瓶の蓋を開けることにまるで命を賭けるかのような勢いがたまらなくおかしい。蓋を開ければ、鬼の首を取ったような気分になるのでしょうか。

「雲つかむ・・・」の句は、雲をつかむような法螺話が酒席では一番盛り上がることを「珍味」と表現したのがよかった。酒飲みに共感できる句。

「袋にも・・・」の句は、どこにでもある掴み取りの風景を、袋に着眼した点に感心しました。掴む方法ばかりに目が行きがちですが、逆発想の妙。



2014.02.16(Sun)
巡礼に抒情の地図が開かれる

昨日は、妻と名鉄ウォーキングに参加。
「歩いて巡礼(まいる)知多四国」。

弘法大師の知多御巡錫(じゅんしゃく)1200年を記念しての企画だ。
パンフレットに書かれている「巡錫」が読めずに、すぐ国語辞典を開いた。

「僧が方々をまわって修行・教化すること。錫杖(しゃくじょう)をたずさえていたので、こういう」とある。今度は、
錫杖」がわからない。

ネットで調べると、錫杖とは、仏教・修験道の法具の一種。 杖の一種で、先端に宝珠をかたどった輪が存在し、そこに金属の輪を6本もしく12本通している。

その輪がぶつかり合う音色は、虫獣や悪霊を退け、読経の調子を用いられる・・・・・と。

ともあれ、名鉄の最寄駅から刈谷市駅へ。改札をくぐると、ウォークングの受付会場。
パンフレットをもらい、小雨の中を傘を差しながらいざ出発。

下のコースをたどり、知多郡東浦町の各寺々を巡礼(大袈裟な)した。

 
刈谷市駅 → 極楽寺 → 伝宗院 → 明徳寺 → 観音寺 → 安徳寺 → 福住寺

総距離数約11.5`。今回は、この企画の二回目だったが、一年(16回)掛けて、知多四国霊場88ヶ所を参拝するわけだ。

妻が乗り気なのには驚いた。私も嫌いではないが、日程が合わぬ日が半分位ある。
妻は一人でも回ると言っている。

信心などさらさらないのに、この変わりようはどうだ。
何か悪いものでも食ったのではないか?(冗談です)

福住寺からはバスで名鉄阿久比駅へ行き、神宮前 → 知立 → 三河高浜のコースをたどり帰路に着くのが本来だが、それだと一時間以上掛かる。

それで、徒歩で帰ることにした。福住寺から20分も歩けば、衣浦大橋。
大橋を渡れば、わが町高浜市である。

雨の上がった空が青く澄み、衣浦大橋から遥か遠い山並みがくっきり見えた。
久しぶりの妻との散策が美しく思えた。



極楽寺



伝宗院



明徳寺



観音寺



安徳寺



福住寺


2014.02.09(Sun)
川柳七句

地図のない旅でわたしを探します

広げると醜いものがまず入る

さよならを言い出しそうな曇り空

きれいなものばかりで溺れそうになる

恋は盲目知恵の輪がほどけない

ときめきも哀しみも一冊の本

滾るものありスリッパの音さえも




2014.02.01(Sat)
いななくと駿馬は青い風になる

二月になった。二日後は、冬と春の季節を分ける節分。
機械的に春になるはずはないが、それでも春の足音が近くに聴こえるようだ。

冬の星座もずいぶん移動した。
冬の大三角形が南の夜空に見える。

今年は木星が地球に大接近しているので、大三角形の近くでまばゆい光を放っている。
一日ずつ場所を変え、一日ずつ何かを語っているのだろう。

さて、恒例の川柳の結果報告です。


展望ネット句会(12/31発表)  

期待値が高くて羽を下ろせない                  「値」


岡崎川柳研究社本社新年句会(1/4)

いななくと駿馬は青い風になる                   「馬」  秀句

馬乗りになって地球を眺めたい                   〃

立って飲む淋しい人と馬が合う                    〃

休みボケカランと落とすラムネ玉                  「玉」 

玉に乗り僕はいつでも風を読む                    〃  佳句

楽という欠伸ばかりに飢えてきた                  「楽」  佳句

鳥の眼で見ると何でもない道だ                   「道」  秀句


鈴鹿川柳会1月誌上互選句会(1/13)

ゆるゆるのパンツ力を出し切った                  「力」  誌上互選

睨めっこだけは負けない目の力                   〃


やしの実川柳開き句会(1/13)


シートへ刻むあったかそうな夢                  「レシート」

鳥になる何度試したことだろう                    「うんざり」  秀句

達筆の文字から匂い立つ色気                   「色気」         
        


鈴鹿ネット句会(1/16発表)  

勝ち鬨をあげる炭火の上の餅                    「餅」

桜餅まだ馴れ初めは聞いてない                   〃   軸吟




冬の星座の中を走る星空鉄道



2014.01.19(Sat)
鈴鹿ネット句会1月

今年一年、ネット句会(鈴鹿川柳会)の選者をやらせてもらうことになった。
1月15日締切分の課題「餅」を数日前に選句、すでに発表されている。

   
http://www.suzusen.sakura.ne.jp/kukai.htm

秀句に選んだのは次の三句

秀3 一粒の我を捨ててから餅になる

秀2 お雑煮の前菜にした初日の出

秀1 春よ来いいちご大福ハイタッチ

秀3の「一粒の・・・」は、無論、人を詠んだものであろう。
そこには、人生論が浮かび上がっている。

餅米を炊いて、米粒を捏ねつぶし、たっぷり弾力をつけて餅となっていくように、人は、我という米粒(煩悩と言ってもいいが)を捏ねつぶし、丸くなっていくのだろう。

秀2の「お雑煮の・・・」は、初日の出を雑煮の前菜にするという発想の妙に惹かれた。生きとし生けるものが、新年の初めに日の出を見て、それから雑煮を食べる。何と穏やかな光景ではないか。

秀1の「春よ来い・・・」は、春を待つ喜びが伝わってくる。
いちご大福にハイタッチとは、忘れかけた青春を呼び戻してくれる。

秀句以外にいいと思った句は、

神さまにもっとも近いあんこ餅

餅をつく甘い辛いも縫い込んで

貫禄が父に似ている鏡餅

「神さまに・・・」は、あんころ餅が神さまに一番近いと思えてきたから不思議。
伊勢土産の赤福のことを言っているのだろうか?

「餅をつく・・・」は、これまた人生を感じさせてくれる句。
餅をつくのは、年末。一年の甘い辛いをすべて餅に飲み込ませるのだ。

「貫禄が・・・」は、父性に対する憧れを詠んでいる。
私の亡父は貫禄がある方ではなかったが、父の若い頃を思い出させてくれた。




2014.01.11(Sat)
川柳七句

筋書きのない旅だから前を向く

樹は森になるまで夢をあきらめぬ

節穴のようです何も見えてない

信号は黄色たましいまで揺れる

ちらちらと十七音が降ってくる

夕焼けよあしたのことは考えぬ

筋通すこんなに道は狭いのに




2014.01.05(Sun)
哀しい背中だねドンになってから

年が改まった。午年のいななきがどこからともなく聞こえてくるようだ。
めでたいという気持ちは年々薄れていくが、ともあれ天候に恵まれ、いい正月だった。

2日、3日と常滑市にある「やきもの散歩道」に行ってきた。

    http://www.tokoname-kankou.net/contents/miru01-01.html

2日は、「やきもの散歩道Aコース」1.6`を久しぶりに娘と二人きりで歩いた。
土管坂や登り窯の風景は、昭和の頃のレトロな雰囲気を運んできてくれる。

廃屋となった陶器製造工場を陶器売り場として今風にアレンジしたお店が軒を並べる。
古き良き時代が背景にある温かみのある小道だ。

3日は、一人で、「やきもの散歩道Bコース」へ。
こちらの距離は、4`。

常滑市の歴史をまとった神社仏閣や数々の名所、中でもINAXライブミュージアムは洗練されていて、家族連れが遊ぶには格好の場所だろう。

年末年始の休館日にあたっていたので、館の内部を見ることはできなかったが、敷地内に再現された常滑陶器全盛の頃の登り窯や煙突を見ることができ、懐かしい気持ちに浸れた。

こんなささやかな観光もよい。

さて、恒例の川柳の結果報告です。
(11/24 きぬうら句会以降 鈴鹿川柳会誌上互選は柳誌到着後の報告)



鈴鹿川柳会11月句会(11/23)

小悪魔と呼ばれて悪魔にはなれぬ                「悪い」 誌上互選

悪人の背もしゃんとする赤い羽根                  〃



展望ネット句会(12/1発表)  

三句投句するも全没。


名古屋番傘700号記念句会(12/1)

冬が好き赤ちょうちんの灯が早い                 「早い」

ポケットに仕舞い忘れた秋がある                 「ポケット」

竜宮城の宴会でした老いました                  「宴会」

恋人に見せてあげます力こぶ                   「恋人」(席題)


岡崎川柳研究社本社句会(12/7)

輪の中にいよう素直になれるなら                 「輪」 秀句

輪になるのだろう一途な声だから                  〃

水の輪が広がるやっと旅立てる                   〃

よーいドン嬉しい知らせ走らせる                  「ドン」 佳句

哀しい背中だねドンになってから                   〃  秀句

頑丈な家オオカミも怖くない                     「家」 佳句

ふる里へ行く表札に逢いたくて                    〃

もてなしは素のままでよい冬木立                 「おもてなし」軸吟


鈴鹿ネット句会(12/16発表)  

二句投句するも全没。


鈴鹿川柳会忘年句会(12/22)

マーカーを引いて繋げている記憶                 「つなぐ」

雪が降り街は童話になっていく                   「雪」(席題互選)

少しだけうれしくなれる雪マーク                    〃


2013.12.31(Tue)
秀句集

大晦日の日差しを頬に受けて、一年を噛み締めている。
年末年始の連休の四日目。上々の天気で気持ちがいい。

この一年、どんな年だったか?

どの年ともさして変わらない気がする。またひとつ歳をとっただけなのだろう。
しかし、それなりの重さ、長さのある一年だったとも思える。

ピカッと光るものなどどこにもないが、充実した年であった。
これも川柳のおかげだネ!

恒例により、この年の大会、句会で秀句に取ってもらった川柳を集めた。
いつかの日の記念碑になればよい。


ささやかな勇気をくれた発車ベル

少年の微熱さくらはもう近い

地図のない旅に心を躍らせる

ふっきれたときのいのちが美しい

福豆を食うしあわせな鳩がいる

この世とは繕うところ糸と針

太陽が好きで芽吹いた春キャベツ

この星で生きよう旨い物食べて

不公平と思うな象も蟻もいる

深呼吸すればわたしが超えられる

春の影わたくしよりも先に行く

十七音母のてのひらかも知れぬ

いい人ができたんだろう風光る

栓抜きのない人生で酔えますか

散ることを教えてくれるいい花見

神経過敏指の先まで恋している

過剰する意識へ風を入れ替える

デジカメも明日という日は写せない

公認の仲になろうよオムライス

私心なく生きよう靴を履き替えて

深呼吸して私の宙を作りだす

振り返るまで背凭れに気付かない

悔恨の火種は過ぎてから気付く

おもかげが海の彼方で鳴っている

羽を干す少し遠くに行きたくて

悲しいんだね靴底を見るなんて

拘りを捨てると合ってくるサイズ

縄跳びに空を一緒に入れてやる

輪の中にいよう素直になれるなら

哀しい背中だねドンになってから

雪が降り街は童話になっていく



いとう良一 色鉛筆画・吹雪の日



2013.12.28(Sat)
湯の山温泉 希望荘

日曜日、近鉄線白子駅下車、白子コミュニティ(鈴鹿市江島本町)へ。
誌友にさせてもらっている「鈴鹿川柳会」の月例句会に出席のためである。

「白子駅」は、鈴鹿サーキットの最寄駅で有名なところ。
「鈴鹿市民川柳大会」もこの駅から徒歩数分の「東樽鈴鹿店」で行われている。

句会終了後に忘年会ということもあり、今句会出席者はゲスト数多を含め三十数名。
天根夢草、岩田明子、日野愿、早泉早人といった大物各氏が名を揃えた。

ゲストには弁当が無料で配られた。鈴鹿川柳会の「おもてなし」である。
私もゲストの端くれであるのか、弁当をもらい、二、三分で平らげた。

課題「鼻」は全没。同じく課題「つなぐ」で一句が入選。

 マーカーを引いて繋げている記憶

そして、席題「雪」の一句が互選にて最高得点(18点)。もう一句も6点でまずまず。

 雪が降り街は童話になっていく

 少しだけうれしくなれる雪マーク

互選の出席者の寸評は参考になる。例えばこんな具合。

最高得点句もいいけど、美しすぎて二の足を踏みました。「雪マーク」の句には投票しました。大人になっても残っている気持ち、微妙なところを詠むのが川柳、と心得ています。

さて、場所を湯の山温泉 希望荘に移しての忘年会!
希望荘から見た菰野町、鈴鹿市、そして四日市へ続く夜景は絶品。

高台から見下ろした、澄んだ空気の中での街々の灯、金銀を撒き散らした宝石箱である。
このもったいないほどの綺麗さは、何だろう!しばし、心を洗われた。

ひと風呂浴びて、宴会場へ。
酒がまわるにつれて、歌い出す者(カラオケ)、踊り出す者・・・・

どこにでもある光景であるが、川柳という共通点で結ばれた者たちの固い絆。
初参加であったが、旧友たちとの再会といった雰囲気を味わうことができた。

二次会は大部屋に全員参加で、柳論を!
ここの主役は吉崎柳歩氏。三重県川柳連盟理事長。

もうこの辺りになると記憶が定かではない。
うれしくて、うれしくて、久し振りに飲みすぎた・・・・。

朝。昨日の夜景の遥か遠方からの真っ赤なサンライズ。
これまた絶品。何ともったいないことか!

こんな感じのサンライズでした。


富士川SAからのサンライズ



2013.12.15(Sun)
落語中興の祖

 「落語中興の祖」を語り継ぐ

昨日の中日新聞(夕刊)の伝統芸能欄にあった見出しである。
「中興の祖」とは誰のことだろうと、興味深く読んだ。

「中興」とは、いったん衰えた物事や状態を、再び盛んにすること。
従って、「中興の祖」とは、中興の業を成し遂げた祖先のことをいう。

浄土真宗の蓮如しかり。トヨタ自動車の豊田英二しかり。
徳川幕府で言えば、「暴れん坊将軍」こと徳川吉宗がそう呼ばれている。

川柳の世界では、柄井川柳亡き後、狂句に堕落した川柳を再興させた阪井久良岐(さかいくらき)と井上剣花坊(いのうえけんかぼう)をやはり、中興の祖と呼ぶべきだろう。

さて、落語では誰か?答えは
立川談志である。
無論、異存はない。

昭和の落語四天王の一人。川戸貞吉説によると、落語四天王とは、古今亭志ん朝、三遊亭円楽、立川談志、月の家円鏡(現・橘家円蔵)のこと。

その中で突出していたのは、やはり談志かと思う。
個人的好みで言えば、志ん朝、円楽を取るが、危機意識は談志の比ではなかった。

二十九歳で「このままでは落語は能のようになる」と予言した立川談志。その予言が現実とならなかったのは、他ならぬ談志自身の「伝統を現代へ」という活動による。

談志こそ紛れもなく「落語中興の祖」であった。


談志の三回忌に「立川流 談志まつり」が行われたようだ。
談志を語り継ぐイベントは毎年続けて欲しいと思う。

落語を愛する者(私のことです)のために。



2013.12.07(Sat)
作品鑑賞

柳友のTさんから手紙をいただいた。

「私の好きな川柳作家」として、高橋康夫さんのことが記してあった。
高橋康夫さんは、初めて知る名前だった。

亡くなった時実新子さんの弟子で、常に新しい視野で川柳に取り組んでいる作家らしい。いくつか川柳を紹介してくれ、「比呂志さんならどのように鑑賞なさいますか」と結んであった。

ならば、一度、鑑賞文とやらを書いてみよう。
こんな塩梅でいいのだろうか?

 【作品鑑賞】高橋康夫句集より

*夕暮れの深さで流れくる未来

夕焼けの赤から闇の黒へと流れゆく夕暮れ。人は、一日の仕事を終え、安堵に満ちた深い時間の中にいる。それはまた、明日への活力を培う時間でもあるのだ。

*虚言癖パセリの種をどっと蒔く

虚言癖のある自分を変えたいと思う。どうしたらこの癖を直せるか。いっそパセリの種をどっと蒔いてみよう。芽の出てきた時分に、直っているかもしれない。

*死ぬ死ぬと蛍光灯の馬鹿

死ぬといったところで、人は簡単には死ねない。この蛍光灯のように、消えそうで消えないのが人というものかもしれない。ならば、生き抜こう、辛くても。

*閉じる時我が胸内に散れ こぶし

早春を告げるこぶしの花。他の木々に先駆けて白い花を天に向けている。何と眩しいことか。散るまでは思いっきり咲け。散り際を見届けてやるから。

*雨傘の黒黙黙と月曜日

連休明けの月曜日。ただでさえ憂鬱な日に雨が降っている。カラフルな傘を差せば少しは気が晴れるが、私の傘は黒色。何も語ろうとはしない。仕様がないね、こんな日もある人生は。



2013.12.01(Sun)
拘りを捨てると合ってくるサイズ

十二月に入った。
昨日までの寒い晩秋とは異なり、今日は温かい初冬。

頬にやさしい柔らかな日差し。その上に無風というちょっと贅沢な一日。
初冬の一日を暖かく過ごせることが、こんなにありがたいとは思いもしなかった。

昨日は、京都へ紅葉の旅。これは後日報告するとして、今日は名古屋番傘句会へ。
川柳「めいばん」700号記念句会。

柳友のY氏と名古屋港ポートビルへいざ出陣!(結果はこれも後日)

さて、定例の川柳の結果報告です。
(10/27 亀山市民文化祭・川柳大会以降 鈴鹿句会は欠席投句で、柳誌到着後の報告)


鈴鹿川柳会10月句会(10/26)


土踏まずそんな生き方だってある                    「踏む」

分別をしよう旅立ちまでわずか                      「分ける」 誌上互選

神さまにお任せします運不運                         〃


展望ネット句会(11/1発表)  

日曜のなかで迷子になっている                       「日曜」 



秋の市民川柳大会(11/2)

もぎたてをどうぞりんごの声がする                     「秋の味覚」

君にやるりんごを袖で光らせる                          〃


日暮れから絶好調になってくる                       「日暮」

ポッと点く灯り夕日と競い合う                         〃 

どの味もいいね試練を越えてきた                     「味」

青空を見せてやりたい土踏まず                      「土」

恋人でいましょう土に還るまで                        〃


四日市川柳大会(11/4)

昨日とは違う呼吸で会いにゆく                        「会」

癒されるからこの人に種を蒔く                       「者」

にんげんの定めかみんな罪深い                      「定」

この世の定め曖昧なままがよい                       〃

包帯をほどく頃です子が巣立つ                      「離」



鈴鹿ネット句会(11/16発表)  

課題「長い」で二句投句するも、全没。


豊川市民川柳大会(11/16)

重ね着で冬のサイズを確かめる                        「サイズ」

拘りを捨てると合ってくるサイズ                         〃    秀逸

夕闇が迫るおとなになる日まで                       「迫る」



刈谷文化協会川柳大会(11/17)

縄跳びに空を一緒に入れてやる                       「縄」 秀句 人位

洗っても落ちない汚れ持ってます                      「洗う」 佳吟

霧が出て街は童話になっていく                       「潤い」 佳吟



犬山川柳大会(11/23) 

罪深いにんげんだから白が好き                        「白い」

おどけてみよう人生は一度きり                       「おどける」

晩秋の風がおどけてばかりいる                         〃

春夏秋冬 窓は回転木馬だね                        「窓」

告白というには安い花を買う                         「告白」

焼酎と文庫欠かせぬ冬ごもり                        「必要」

必要とあらば見せます力こぶ                          〃


きぬうら句会(11/24)

一を十に盛らねばならぬ武勇伝                         「盛る」

盛り付けをして本当の皿にする                        〃

夕焼けを盛り一日の絵ができる                        〃

逢いたいとただそれだけの電子音                     「連絡」

あれもこれも伝えたかった冬木立                       〃

転居先不明 君には貸しがある                        〃

輪廻転生またここへ来て詩を書こう                     「弔吟」


名古屋港ポートビルの写真
名古屋港の夕焼け



2013.11.24(Sun)
川柳七句

風よ風たましいまでも吹き付ける

吹っ切れたのは神さまに逢ってから

悲しみもやっと小さくなってきた

夢を食む獏のあったかそうなユメ

たましいをしかと洗っている座禅

褒め言葉ゆっくり波紋描いて来る

グッドバイしよう哀しみにも時効



2013.11.17(Sun)
縄跳びに空を一緒に入れてやる

連日の川柳大会である。
昨日は、「豊川市民川柳大会」に初参加。

日本晴れの見本のような日で、雲一つなかった。
日中はまだ暑くて、思わず腕を巻くったほどだ。

やしの実川柳社(本社・豊橋)の豊川支部が主催。
詳細に言えば、豊川文化協会の恒例行事だろうが、文化協会関係者の挨拶は一切なし。

やしの実川柳社が、大会の一切合切を委任されたということだろう。
運良く、課題「サイズ」の一句が秀逸句となり、豊川文化協会賞をゲット。

「拘りを捨てると合ってくるサイズ」が、入賞句。
あまりいい出来ではないと思っていたが、人の評価とはそんなもの。

片道1時間30分掛けての豊川行きは無駄でなかった。
この豊川紀行には、付録がある。

投句から披講(入選句の発表)までのフリー時間に「赤塚山公園」を散策できた。
何処へ行くともなく車を走らせていたら、「赤塚山公園まで0.8`」の看板。

看板が指図する方向へ車を走らせると、山の裾野に壮大な公園があった。
これが、赤塚山公園(赤塚山は標高74m。山桃の自生で知られる)。

1時間ほど公園内を散策したり、ぎょぎよランド(「とよがわ」に住む魚の水族館)を見学。
ほどの良いフリータイムを過ごすことができた。

お勧めは「東池」。自生する青竹や陽光で輝く池を眺めながらゆっくり散策するのが良い。
川柳行脚(大袈裟ですが)の魅力はこんなところにもある。

http://www.toyokawa-map.net/asobu/akatsuka_map.png
   赤塚山公園は   http://www.toyokawa-map.net/asobu/akatsuka.php


今日は、刈谷文化協会川柳大会。
こちらも課題「縄」の一句が秀句に輝き、刈谷市教育委員会賞をゲット。

「縄跳びに空を一緒に入れてやる」がその一句。
選者との相性ピッタリの受賞と相成った。

さて、来週の「犬山川柳大会」が今年最後の大会、たぶん。
長かった秋がようやく終わる(残念・・・)。



2013.11.09(Sat)
高浜川柳会

本日、高浜川柳会の月例句会。
会場である「高浜エコハウス」は初めての利用。

そもそも「高浜エコハウス」とは何か?
「あいち環境学習情報ライブラリー」のホームページより

平成20年オープンの環境学習施設。
高浜市の分別ごみを展示し分別体験ができる学習エリア、

地球環境問題などを考える学習ホールなど、エコに関するヒントや学べることがいっぱい!
夏には環境体験教室も開かれます。

そうか、環境やエコを学ぶ場所なんだ。

ところがどっこい、川柳とは・・・・。
研修室は、二階の東南に位置した全面ガラス張りの空間。

こんな場所で川柳を学べば、さぞ上手くなるだろう?
選者による課題句の披講と選評。互選句の各人の選と選評、そして雑詠の選と選評。

二時間みっちりやりました。
確実にみんな腕を上げている。

秋の大会も大詰め。
残すは、豊川市民川柳大会、刈谷文化協会川柳大会、犬山川柳大会のみ。

秀句は残せるか?これだけが気掛かりである!

下は、高浜川柳会会員の今日の佳句。


晴れマーク憂さもついでに洗濯機 (都築典子)

ありがとう言えないけれど目でわかる (杉浦志保美)

四面楚歌どっしり厚い電話帳 (山口清和)

夕焼けに見とれ歩幅が狭くなり (杉浦康司)

児の笑顔ピンクの波紋広げてる (古橋文子)

たましいをしかと洗っている座禅 (柴田比呂志)



2013.10.27(Sun)
悲しいんだね靴底を見るなんて

台風一過という、絵に描いたような秋日和。
金木犀の香りがそこらじゅうに満ちて、青春の香を連れてくる。

今日は、亀山市民文化祭・川柳大会に参加。
名節三河線、JR本線、JR関西線を乗り継いでの二時間強の旅。

亀山駅下車、亀山市民会館までの道のりは、亀山のしっとりした風情に包まれて、旅人の疲れた心を癒してくれるかのようだった。

さて、定例の川柳の結果報告です。
(10/5 岡崎川柳研究社本社句会以降 鈴鹿句会は欠席投句で、柳誌到着後の報告)


鈴鹿川柳会9月句会(9/28)

もういいかい小さい秋を呼んでみる                「呼ぶ」

罪のない顔も濡らした通り雨                    「罪」

井戸端が教えてくれる現場主義                  「主義」 誌上互選


豊橋文化祭川柳大会(10/14)

金太郎飴ですアイドルというかたち                 「アイドル」

お忍びで行くとアイドルらしくなる                    〃

砂糖水まだ馴れ初めは聞いてない                「砂糖」

普段着の安藤美姫に逢いに行く                  「本名」 軸吟



鈴鹿ネット句会(10/16発表)  

人間を忘れなさいと夜が来る                     「夜」

「夜の来る訳を詠んだ句は何句かありましたが、これほどきっぱり言い切ったのは気持ちが良かったです」とは、鈴鹿川柳会の青砥たかこさんの評。



きぬうら川柳大会(10/19)

空もまた手袋小さい手を包む                     「手袋」

悲しいんだね靴底を見るなんて                  「悲」 秀句 地位

振り返るまで背凭れに気付かない                 「自由吟」  

出席者、投句者合計236名。合点8点(総合第4位 半田商工会議所賞)は、出来すぎ!
今年度の目標の一つ「きぬうら川柳大会で合点十位以内入賞」は、クリア。


 阿久比川柳大会(10/26)

玉入れの籠へちいさな夢投げる                   「上げる」

雨風のおかげで強くなってきた                    「強い」


亀山市民文化祭・川柳大会(10/27)

薄情なおとこへ遮断機が下りる                    「避ける」

運命を避けているのか土踏まず                    〃

石になるまでは打てない句読点                  「石」

木犀の香りが屋根を眠らせぬ                    「屋根」

敵か味方か曇りマークを付けている                 「敵」

曖昧にしてはならない夜の枕                     「決める」



旧亀山宿



2013.10.20(Sun)
川柳七句

薄っぺらなおとこを隠す衣替え

本名がライトアップで照らされる

釣瓶落としですかわたしの体力も

止まり木を探そう虹の出るあたり

意思ひとつパカンと割れた紙袋

耳朶に擬音あふれている祭り


一日を閉じてやさしくなる岸辺



2013.10.12(Sat)
羽を干す少し遠くに行きたくて

夏日から一転、秋らしい日となった。
西からの風が冷気を含んで心地よい。

うたた寝などしようものなら、体が冷えてしまうだろう。
ようやく夏が収まったようである。

ギンナンは取り尽くしたし、いわし雲も厭きた。
秋もいいが、「三分も仰げば飽きる青い空」(新家完司)というところか。

さて、定例の川柳の結果報告です。
(9/7 中部地区川柳大会以降 鈴鹿句会は欠席投句で、柳誌到着後の報告)


 鈴鹿川柳会8月句会(8/24)

いい湯だなつっかい棒が取れてくる            「温泉」

ハンガーに吊るす何でもない暮らし            「吊る」


 鈴鹿ネット句会(9/16発表)  

愛嬌という飽きさせぬ目鼻立ち                「飽きる」


 川柳忌・みたままつり句会(9/22)

おもかげが海の彼方で鳴っている              「おもかげ」

母さんも手抜きをしたい冷奴                 「ほどほど」

ほどほどに飛ぶ紙ヒコーキも僕も                〃

大空を飛んで見せます少しだけ                「献句」 


 展望ネット句会(10/1発表)  

遮断機の向こうに憎い奴がいる               「憎い」 


 岐阜県川柳作家協会川柳大会(10/5)

父さんの料理に弾むフライパン                「弾む」

耳障りなコトバ何度も聞いている               「いらいら」

地球儀のどこも現在地はあなた                「あなた」(席題) 


 
岡崎川柳研究社本社句会(10/5)

半分はおぼろ歩いてきた道は                 「半」 

半煮えの男を殺すナフタリン                  〃   佳句

サヨナラと言えずに月は傾いた               「月」

雁がねも人も月へと旅立った                 〃

羽を干す少し遠くに行きたくて                 「干す」 秀句

負けた日の熱い涙を干している                 〃

よく干そう心の渋が抜けるよう                 〃



2013.09.29(Sun)
二人旅

彼岸を過ぎてようやくクーラーのスイッチに指がいかなくなった。
今年は少し早めに咲いた曼珠沙華の花も、いくらか褪せてきた。

ギンナンもおよそ取り尽くしたし、もうそろそろ冬支度か?
そんなことは大分先だろうが、日の暮れが恐ろしく早い。

釣瓶落としとはよく言ったもので、秋は秋なりの仕草があるのだろう。
昨日は妻と二人で、知多市岡田の「おかき屋辰心」へ。

併設されている「竹新製菓」から直送したあられ、せんべい、豆菓子などを販売している。
店舗の半分は、食堂で、今年最後になるだろうカキ氷を二人仲良く食べた。

それから、ごんぎつねの里へ。
200万本の曼珠沙華も、この残暑にずいぶん草臥れている。

南吉の生家も見学。リニューアルした南吉記念館にも行きたかったが、断念。
ごんぎつねの里も、昨日、今日が最後の人出なのだろう。

さてさて、帰路は衣浦海底トンネルを抜けて銀杏のメッカで道草。
大浜てらまちの称名寺だ。

取り放題、もうこれで今年の務めは果たした。
いい匂い(?)のする銀杏を水洗いするのは妻の役目。

日当たりの良い網の上に干された銀杏を眺めるのが至福。
なんとも安上がりな夫である。



ギンナン




2013.09.14(Sat)
川柳七句

まん丸の月で誰にも刺さらない

坂道の途中できっと鳥になる

壁ひとつ越えたわたしが新しい

それからのことを鏡に聞いている

夕焼けにいつも黙礼してしまう

苦節した分は斜めに生きてやる

傾いてもいいさ地球儀だってほら



2013.09.08(Sun)
悔恨の火種は過ぎてから気付く

稗田川の堤にオレンジ色の彼岸花が咲き出した。
赤、白の彼岸花には馴染みがあるが、稗田川ではオレンジ色が売り。

太陽を思わす色が、何ともこの季節にはピッタリだ。
開花の時期がかなり早いのは、どういうわけなのだろうか?

九月になり、小さい秋があちこちで見られるようになった。
萩がピンク色の花をつけ、日毎に鮮やかになっている。

銀杏の木がギンナンを落とすのもさほど先ではないだろう。
さて、定例の川柳の結果報告です(8/3 岡崎川柳研究社本社句会以降)。


 鈴鹿ネット句会(8/16発表)  

その羽で包んで欲しいまだ卵                 「卵」

生い立ちを語る間もない生卵                 〃

   
 展望ネット句会(9/1発表)  

風走る胸の火縄が燃えてくる                「縄」の互選  4点入選

一本の縄にんげんを解き放つ                        2点

縄跳びが遠い記憶をくぐらせる                        1点


 
岡崎川柳研究社本社句会(9/7)

過ぎし日をきれいに綴じる日記帳              「過ぎる」 佳句

悔恨の火種は過ぎてから気付く                 〃   秀句

わたくしを通り過ぎてく記念館                  〃

歳時記のところどころが嘘になる              「嘘」 佳句

悲しみも夢もタオルに包まれる                「タオル」 


 中部地区川柳大会(9/8)<