侘助やもとより無一物のわれ 西澤信生
十一月。晩秋の夕の空を眺めていると寺山修司の歌を思い出します。 落日を「滅びつつ」とうたい、「涙は愛のためのみ」と言い切った修司の限りない純粋性が 真っ赤な雲間に浮かびます。 最近、愛のために泣いたことがありますか?(以下略)
そして、さらに「編集後記」に、次のように書いた。 “After all , tomorrow is another day.” 映画「風と共に去りぬ」のラスト・シーンで、ヴィヴィアン・リーがクラーク・ゲーブルに つぶやいたせりふ。「そうね、明日を待つことにするわ」の字幕が示すとおり、明日に期待し、 未来を信じる言葉です。 「あすに向かって」第18号が発行されました。 晩秋の風に押されながら、碧南・高浜地区は確かな足どりであすに向かっています。 晩秋の風が背を押す。いったいどこへ連れて行くのだろうか? 時には、心細さを抱いて寝るのもいいだろう。