□2003.12.10 (Wed) |
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■産休や育児の短縮勤務 欠勤扱い
賞与全額カット無効(最高裁判決)
産休などを欠勤扱いとし、出勤日数不足を理由に賞与を全額カットしたのは違法だとして、大手予備校「代々木ゼミナール」グループの学校法人に勤務していた女性が、賞与の支給などを求めた訴訟の上告審判決が4日にあった。
女性は1994年7月に男児を出産し、8週間の産後休暇を取得。
その後男児が1歳になるまで育児のために勤務時間を1日当たり1時間15分短縮した。
法人は賞与支給の基準を「出勤率90%以上」としており、女性は産休などを欠勤扱いにすると条件を満たさず、94年末と95年夏の賞与が支給されなかった。
最高裁判決は次のとおりで、二審判決を破棄、審理を東京高裁に差し戻した。
「賞与の不支給は、労働基準法が定める産休取得の権利行使を抑制するので公序良俗に反し無効。
ただし、産休日数に応じて賞与を減額することまで無効とは言えず、具体的な理由を示さないで全額の支払い義務を認めた二審判決は誤り」
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□2003.12.07 (San)【ちょっといい話3】 |
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本日の中日新聞(朝刊)に、有名人2人の「ちょっといい話」が載っていましたので紹介します。
米大リーグ・マリナーズのイチロー選手が昨日、出身地の愛知県豊山村の豊山グランドで開かれた「第8回イチロー杯争奪学童軟式野球大会」の決勝を観戦しました。 試合後、野球少年たちに熱いメッセージを伝えています。
「皆さんが大人になるにつれて競争が必ず付いて回る。
負けたとき、どうして負けたのかを考えてほしい。
勝ったときも、もっと何かないかを考えてほしい。
厳しいけど、これからすごく大切なこと。
今日は皆さんにそのことを心に留めていてもらいたい」
三河版の『未来の主役へ』欄に、俳優の杉浦直樹さん(72)が登場しています。
テレビで見慣れていて、何となくとぼけた味わいのある「人となり」に好感が持てますが、氏素性は以外に身近にありました。
岡崎市生まれ。旧制岡崎中、岡崎市立校(現岡崎北高)を経て、日大芸術学部に進み、中退。50年、新演劇研究所を設立、新劇活動を始める。58年に松竹に入社し、「悪女の季節」で映画デビュー。62年フリーに。
「劇団員の時は、みんな日雇労働とか、アルバイトをして食いつないでいましたね。
僕も早朝から、東大農学部へ行って研究用のアルコールを作ってた。
だけど当時の自分を振り返ると、苦しくも何ともなかったな。何ですかね。
みんな苦しかったから、自分だけが楽をしようという気にはならなかったですね。
一生懸命演劇をやっていけば、そのうちにおれも大先輩たちのようになれるかもしれないと信じてましたよ。
今の若い人たちと比べて思うのは、僕たちはあごが上がってたんですよ。
上ばっかり見てるから、ひっくり返ったり、ぶつかったりしちゃうんだけど。
若者には非常に大事だと思うんですよ。
その点、今の人は横ばっかり見てる。比べっこしてる。
もうちょっと周りや人のせいにせず、自分がばかになってあこがれると言うのかなー。
熱いものが欲しいですねえ
偉そうな事を言うようだけど、困難に耐えられる若さ、そういう時代が人生で最高だなあと、自分がこの年になつて思いますねえ」
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□2003.12.03 (Wed) |
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今朝の新聞に、社会保険庁岐阜社会保険事務局(岐阜市)が、国民年金保険料未納者を「妖怪」に例えた広告を掲載したことで、県教職員組合や県医療労働組合連合会などで組織する県社会保障推進協議会から抗議を受けた、という記事が出ています。
冷静な目で見れば、広告を載せる側の配慮の足りなさというべきでしょうが、しかしこの広告のアイデアはおもしろい。
「年金妖怪大辞典」と題し、未納者を6種類の妖怪に例え、けがで働けなくなった障害者を「お金をせびってばかりいる“妖怪セビるマン”」などとしてイラストも付けています。実際にそのような人がいたのでしょう。
「納めたくても納められない人もいる。重大な人権侵害だ」と抗議側は言っていますが、役所の目の高さとはずいぶん違うなと思いました。
役所は本来すべきことをしてないのは、罪悪だと思っているでしょうし、抗議側は、本来すべきことができない「社会」というものを背景に議論しようとしています。
案外、未納者は無頓着で、両者をさげすんでいるのかも知れません。
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□2003.11.30 (San)【ちょっといい話2】 |
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中日新聞西三河版「修行中」欄に新城市在住の宮大工4代目が登場。
阿部宗且さん(32)。名前からして重みを感じさせるように、曽祖父が大正時代に創業。三代目の父を交通事故で亡くし、現代の名工として数多くの表彰暦を持つ祖父を大将に。
高校卒業と同時に、在来工法で一般住宅を建築する吉良町の工務店へ住み込みで弟子入り。6年の下積み生活で、和室や床の間といった腕の立つ者が許される仕事を任されるようになった。
ところが、宮大工の世界は「今までやってきたのとは違う。屋根から上は見たこともない工法だった」戸惑いの中、大将や兄弟子の技に眼を凝らし、一から技を覚える生活が再び始まった。
「口ではまだ説明できないけれど、大将が造ったのは、ぱっと見ただけでもバランスがすばらしい」
「ただ反らせるのではなく、少しづつ反らせていって跳ね上げる。ほんの少しの微妙な部分で外観が決まってしまう。経験を積んで感覚をつかむほかない」
2000年3月に牟呂八幡宮(豊橋市)の太鼓堂を立てて以後、数ヶ所で寺務所や神社の水屋などを仕上げた。行き詰ったり、落ち込んだりしたときには、牟呂八幡宮まで車を走らせ、大鼓堂を見て自分を鼓舞することもあるという。
「宮大工の仕事は、自分のやったことが目に見える『形』になって、後世に残っていく。自分が造った建物を見ると、またやってやろうという気になる」
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□2003.11.28 (Fri) |
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タクシー業界最大手「エムケー」のオーナー・青木貞雄さんが23日の日経新聞(朝刊)「私の貯金箱」の中で、興味深い話をしています。以下一部抜粋します。
金儲けでタクシー会社を始めましたが、当時は運転手の態度が悪すぎて社会から評価されませんでした。だから儲けのすべてを運転手の教育と地位向上に費やしました。
生活環境を改善しようと建売住宅をまとめて購入し、月給を上げてまで買わせました。森英恵さんを4年越しで説得し、立派な制服もデザインしていただきました。
通勤時間を省くため、社員住宅の隣をタクシーの車庫にしようと思い、屋根を造って認可申請したら却下されました。それが規制との闘いの始まりでした。政府やマスコミにたたかれないよう身辺整理を徹底し、納税漏れはもちろん、女遊びは厳禁。給料や交際費まで労働組合に公開しました。
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□2003.11.21 (Fri) |
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■鹿島書類送検 労災隠し 建設業突出
今上期48件 受注への影響懸念
大手ゼネコン「鹿島」(東京・港)が職場での作業中のけがなどの労災を労働基準監督署に意図的に報告しない「労災隠し」で18日書類送検された。
建設業が労災隠しで送検される例は急増。全体の8割近くを占める。公共事業抑制や不況による工事の受注競争激化で、労災発生を隠すケースが増えているとみられる。
今回のケースは、鹿島の孫請け工務店がいったん虚偽報告したものの、従業員が会社に労災と認めるよう訴えたことがきっかけで発覚。
下請けの建設業者の場合、厳しい競争の中、労災が発覚すれば元請から仕事が回ってこなくなり、企業が存続できなくなるという危機感が背景にある。
サービス残業の件と同様に世知辛い世の中が招いた社会問題である。
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□2003.11.19 (Wed) |
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■定年制議論
先日、日経新聞(夕刊)でおもしろいエッセーを見つけたので紹介します。
さらりーまん生態学(高任和夫著)の一部抜粋。
定年制をめぐる議論がかまびすしい。
以前、映画監督の進藤兼人さんから、興味深い話をうかがったことがある。実際は自分が年をとってみるまでは、年寄りのことを誤解していたというのである。
それまで年寄りに抱いていたイメージは、もう欲も得もなくなって、孫か猫の頭を撫でたり、盆栽をいじっていれば満ち足りたような好々爺だったが、実態はそんなものではないというのだ。
欲望は少しも衰えないのに肉体は老化し、世の中から忘れられていく焦燥感はつのるばかりで、好々爺どころではないと、おもしろおかしく話してくれた。
そんなんではとても悟れませんねとたずねたら、あなた、金も女もなくて悟れますか、と一蹴された。多分にサービス精神を発揮された話で、少なくとも進藤さん自身に関しては、額面どおりに受け取ってはいけないのだろうが、私は、そうか、年を取っても悟れないのは当然かと、ヘンに安堵したものだった。
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□2003.11.12 (Wed) |
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■定年退職
高度経済成長期を支えてきた団塊世代が、2007年から定年退職を迎えます。技能を蓄積した社員が大量に退職することで、特に製造業では大きな損失となります。
しかし、一方では大量離職は雇用バランスの改善にもつながります。団塊世代が労働市場から退出することで、若年者の雇用機会が増え、若年失業率が低下すると予想されます。
楽観的にも悲観的にも見ることができ、ふたを開けてみなければ分かりませんが、悲観的な予測に対しては防衛することを考えればよいし、楽観的なことはそのままでいい。
一つ言えることは、働き続けたいのなら「プロ」を目指さなければいけないということ。また企業側も「プロ」を逃がさないための手立てを考えるべきでしょう。
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□2003.11.11 (Tue) |
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■精神障害の労災請求急増
4-9月厚労省まとめ 200件超、最悪ペース
仕事のストレスが原因でうつ病などの精神障害を発症したり、自殺したとして労災請求した件数が今年度上半期ですでに200件を越えています。
原因は、精神障害での労災認定が幅広く知られるようになったことに加え、リストラ不安やサービス残業などによる過重労働が増えているなど、厳しい雇用環境が背景にあるようです。
■顧問先企業の例
産廃処理会社の作業員が、エクソン・モービル油槽所(名古屋市港区)へ廃液の回収作業に出かけ、回収液量の監視作業中、清掃中のタンクおよび周辺で火災が発生した。火災鎮火後、作業員は、警察署、消防署、労基署、エクソン・モービル外国調査チーム等各機関の事情聴取に応じており、事故の情景が頭に焼きつき、不眠状態に陥った。医師の診断は、心的外傷後ストレス傷害。
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□2003.11.04 (Tue) |
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■夏のボーナス3年ぶり増加 厚労省調査、プラス1.4%
厚生労働省が発表した9月の毎月勤労統計調査によると、従業員5人以上の企業が6〜8月に支給した夏季賞与は、平均418,818円で、前年比1.4%増と3年ぶり増加。
企業業績の改善が寄与した結果と言えます。
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□2003.11.01 (Sat) |
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■少子化対応推進全国フォーラム
平松愛理(シンガーソングライター)の基調講演とシンポジウムに出席。
『部屋とワイシャツと私』でおなじみの平松愛理さんが、「子宮内膜症や乳癌で14年間に8回も手術した。その中で子供を産めたのは奇跡。結論は、働くママにも専業ママにも子育ては至難の技」と語っていました。子育てでは次のことを実践しているそうです。
【まるごとタイム】
この時間だけは、子供とまるごと一緒に過ごす「まるごとタイム」。他のことは一切しない。
【絵本を読むときの工夫】
文章の副詞に抑揚をつける。
語尾はゆっくり喋る。
訛のあるものを選択する。(抑揚がつけやすい。景色が出やすい。キャラが出しやすい)
平松さんは、子供が満足したとき、親の満足があると語っていました。。
シンポジウムでは、フリージャーナリストの北村年子さんの話が、印象的でした。以下が要旨です。
お母さんが、世の中からおだてられていないという現実がある。お母さんだって、ほめられたい。ほめられることて゜今度は子供や夫へのほめ言葉が言えるようになる。
自己否定するお母さんは、弱い者いじめで自分の存在価値を見出していく。そうではなくて、お母さんが自分の「いいとこ捜し」をすることから始め、自己尊重していくことが大切。
生きているだけで100点満点。ほめ日記を書こう。
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□2003.10.24 (Fri) |
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■子供の誕生月に異変
最近、子供の誕生月に異変が起きています。かつては、夏場に生まれる子が多かったのですが、近年大都市圏では春先生まれの子供が相対的に増えているということです。
こうした変化の裏には、親が保育所への入所時期を考えた出産計画をしている可能性が指摘されています。
0-3歳児を持つ母親が企業に勤める割合は、96年には20.5%だったのが、2002年には25.8%に上昇。その女性たちのほとんどが1年間の育児休業制度を利用。さて職場に復帰しようとしたとき、子供を保育所に預けられないとい問題が生ずるのです。
ただでさえ保育所の数が足りない現在、4月以外に子供を入所させるのは困難で、夏場に出産した場合、1年の休業を終え、職場に復帰しようとしても、翌年の4月まで子供を保育所に預けられないので、計画的に春先に子供を出産しようとするのです。
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□2003.10.09 (Thu) |
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■理想は「失業ない仕事」
NHK意識調査 不況を反映、29%増
NHK放送文化研 究所が8日発表した「日本人の意識調査・2003」で、長引く不況を反映した結果が出ています。調査は日本人の基本的なものの考え方や価値観を把握するのを目的に行なわれています。結果は次のとおり。
政治の最重要課題 「経済の発展」 48%
理想の仕事 「仲間と楽しく働ける仕事」 41%
「失業の心配がない」 29%
■公的年金積立金1.9%減の141兆円
2002年度末 運用難、2年連続減
厚生労働省は9日、厚生年金と国民年金の2002年度末の積立金が前年度より1.9%減少し141兆5千億円になったとする積立金運用報告書をまとめました。
株価の低迷で資産運用利回りがマイナスとなったのが原因。
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□2003.10.03 (Fri)【ちょっといい話1】 |
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月曜日、中日新聞・西三河版の「修行中」欄に、和ろうそく職人として修行中の若い女性の写真が載っていました。かわいい。ドラマの1シーンを見るように、女性が竹ぐしにろうそくの芯を刺す作業に励んでいます。
広田好美さん(23)。もともとキャンドル作りが趣味で、岡崎市の伝統産業「和ろうそく」作りの老舗「磯部ろうそく店」のホームページに出会ったのがきっかけ。
「やめておいた方がいい。想像しているような世界じゃない」「趣味のキャンドル作りとは違う。なまはんかな気持ちでできる仕事じゃない」と何度も断られた末に押し掛け弟子に。
寺に配達に出かけた時のこと、彼女が作業に加わったろうそくが、本堂で灯され、一心に手を合わせている老人の姿を見た。「自分が作業に携わった和ろうそくの灯に向かって祈ってくれる人がいる。うれしかった」「いつか、私だけで作った和ろうそくに、灯をともしてみたい」と記事は結ばれています。
「社員満足」と「顧客満足」とが、見事に一致している事例です。 |
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