□2007.12.29 (San) |
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■八丁みそは頭よくする?
「八丁みそで頭よくなる」
今日の新聞に載っていた話題。八丁みそに、脳の学習能力を向上させる効果があることが、マウスの実験から判明したようだ。また、八丁みそは、ぼけ防止の効果も期待できるとしている。
昨日、近くにオープンした讃岐うどん店で、味噌煮込みうどんを食べたが、多少は頭がよくなったか?「継続は力なり」だから、続けることが何より大切なことなのだろう。
新聞では、この地方が戦国時代に三英傑を生み、岡崎出身の徳川家康が天下を治めたのも、八丁みそと関係があるかもしれない、としているが、確かに八丁みそは大きな要因なのだろう。
戦につきものの「戦略」「戦術」「戦闘」を考えた場合、三河武士がその従順さから強い力を発揮したことが、家康の天下取りには不可欠だったように言われるが、戦では戦略がモノを言う。
三河武士の従順さは、「戦闘」には生きるが、「戦略」「戦術」の妙にはとても及ばない。先日、私の経営の師匠がメールが送ってくださったが、そこには戦略の大切さが説かれていた。
「西南の役」
桐野(幕末時は人切り半次郎)に別段の戦略も無かったために、激突すればその激突を果てしなく続けて行くと言う戦術(戦闘)規模での自己運動しかない。薩摩人は比類無く勇敢であった。
比類無き勇敢さだけが、西郷や桐野の頼みであり、彼らをして戦略など不必要だと思わせた最大の思考要素だった。(司馬遼太郎)
結局、戦闘のみの薩摩軍は、戦略の政府軍(戦闘は弱い)に敗れた。戦略の失敗は戦闘では挽回できない。戦闘で業績を上げるのは命と交換である。正に歴史は証明している。
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」(ビスマルク)
家康は、八丁みそを食べて、頭をよくし、戦略を磨いたのだろう。そう考えると実に面白い!
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□2007.12.22 (Sat) |
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■温かい手で触診する!
水曜日、中日新聞・中日春秋を読んでいて、不覚にも涙が零れた。そこには、先日101歳で亡くなった小児科医・内藤寿七郎さんの逸話が記されていた。
内藤さんは、日露戦争が終結した翌年に生まれた。乳児死亡率が高い時代で、ひ弱だった内藤さんは二度、医者から見放されたが、最後に頼った漢方名医のおかげで一命を取り留めた。
母親からこの話を聞かされたことが、小児科医を志した理由の一つだった。内藤さんは、子どもの診察の時には必ず目と目を交わすようにした。時には床に膝をつき、目の高さを合わせた。
話し方も命令的でなく、子どもを信頼して、根気強く話しかけていった。冬の寒い日に育児相談を行うときは、冷たい手で子どもを触診しないように、いつもお湯で手を温めた。
温かい手は、子どもを驚かせたり、嫌な思いをさせなかった。一方、母親には「素晴らしい子育てをしていらっしゃるじゃないですか」とよく褒めることも忘れなかった。
良い労務管理とは、内藤さんのように子どもと視線を合わせ、同じ目の高さで向き合うことだという気がする。子どもを社員に置き換えて、いつも温かい手で触診をすることだ。
そして、褒めてあげること。良くないことがあってもまず褒めて、それから良くない点を指摘すれば、感じ方もずいぶん違うだろう。それからまた褒める。
褒める、叱る、褒めるのサンドイッチ方式で社員と向き合うことだ。
そのための時間的な余裕を持つことを、会社は忘れてはならない!
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□2007.12.15 (Sat) |
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■メールが突然舞い降りた!
現在、T町のパン工場にて働いております。今年の8月21日より働き始め、12月19日で退社することにしました。一昨日、14時間近く働きましたが休憩を頂けませんでした。
4ヶ月間1日10時間〜14時間働き、休憩は12〜30分でした。ここ最近は平均15分です。AM3時より出勤いたしまして、休憩は11時〜14時の間でとっていました。健康診断も不実施だそうです。
一昨日、社長に直接退職の意思を伝えました。それまでは、皆で休憩をとっていたのですが、昨日より私のみ先に休憩をとらせ他の工場従業員は皆で休憩をとるようになりました。
Fという上司の指示です。労働時間・残業代未払いの件につきましては、労働監督庁に報告する予定です。Fという上司がどうしても許せません!
何か対処法はあるのでしょうか?お返事お待ちしております。(Yより)
上は、月曜日、我がパソコンに突然舞い降りたメール。Yの職場への不満が文面から伝わってくる。極端に短い休憩時間と健康診断不実施の暴露。さらに残業代未払いに対する怒り。
職場トラブルを解決する場合、本人の弁を聞くだけでは片手落ちで、相手方(会社)の言い分を聞いて初めて和解の糸口が見つかるものだが、上のパン工場の就労実態は酷すぎる。
対処法は?と問われれば、「監督官庁へ相談しては」と言うしかない。ということで、次のようにアドバイス。それにしても、今時まだ戦前並みの過重労働の実態があることに驚いた。
初めまして。メール拝見しました。1日10時間から14時間とは、大変なお仕事だったですね。
それに対して休憩時間が短すぎますね。
労働基準法では、1日8時間を超えて仕事をさせる場合、会社に労働時間の途中で60分以上の休憩をとらすよう義務づけています。
また、長時間労働が続く社員に対しては、健康に対する配慮、例えば健康診断の実施や面接指導などを会社に義務づけています。そうすることで、過労死や健康障害を防ぐ狙いがあるのです。
「残業代未払い」というのは、サービス残業のことですか?
そうであれば、まず残業代を支払うように会社に要求するのが筋です。
会社が支払わないのであれば、労基署とか県の「総合労働相談コーナー」とかしかるべき機関に相談されるのがいいでしょう。和解に向けたあっせん案を提示してくれます。
大切なことは、会社に対して誠実に正直な気持ちを伝えることです。会社としては、全く悪意なくやっていることもあるのですから。一方的に第三者機関へ訴えるのは感心しません。
会社ととことん話し合うところから始めてください。ご健闘をお祈りします。
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□2007.12.09 (San) |
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■握手は心を込めて、ぎゅっと!
相変わらず求人申し込みの依頼が多い。「人手に困っている」という切羽詰ったものから、「将来、社を担う人材探し」に至るまで、中小零細企業にとっての人の悩みは尽きない。
求人のポイントは、継続的に「給与」と「休与」を多くしていくことだ。応募者が喜ぶことを考えて実行していくのが、実は社長の仕事なのである。
しかし、これができていない。「うちではこれだけしか払えない」と、できない理由をまず並べ、「給与」と「休与」を少なくしているのが実態ではないか?
それでは、人が集まるわけがない。人材は、“自分が幸せになれる”会社を選ぶのだから。社員を幸せにするとは、どこまでも継続的に「給与」と「休与」を多くしていくことなのだ。
さて、H社の中途採用面接の風景。
副社長が35歳の男性Sさんと面接。仕事に対する前向きさと人柄の良さで、面接が終わった時点で立ち上がり、「ぜひうちで働いてもらいたい」と合格を伝え、彼に握手を求めた。
彼は、超一流一部上場企業も受験しており、その結果待ちという状況。「内定をいただけたら、あちらに・・・」そんなニュアンスのことを口にしていたSさん。
ところが一週間後、採用担当にかかってきたSさんからの電話。上場企業の内定を断ってH社で働きたいとのこと。5日後、再び来社したSさんに尋ねた。「どうしてうちを選んだのか?」
技術畑の彼は淡々と答えた。
「2つ理由があります。1つは、オトコ35歳、1000人の中の1人として働くか、30人の中で、経営者の近くで働くかどちらが遣り甲斐があるかと思ったのと、それからもう1つは・・・」
「もう1つは、このあいだの面接の時の握手です。あの心のこもった握手がなかったら、どちらを選んだか分りません」
このH社こそ、今最も旬な会社といわれるホッピービバレッジ。副社長とは、『社長が変われば会社は変わる!』(阪急コミュニケーション)で有名な看板娘・ミーナこと石渡美奈さんである。
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□2007.12.02 (San) |
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■社労士の日・無料相談会
今日は、Tぽーと高浜(高浜市神明町)で、社労士の日(毎年12月2日)の無料相談会。年金を中心とした労務全般の相談に応じたわけだが、時節柄、年金相談に終始した。
碧南・高浜地区の会場責任相談員として陣頭指揮を執らねばならず、やや緊張感の中に身を置いた相談会だったが、結果は、下のように大盛況。今は肩から責任の荷を下ろしているところ。
相談件数 40件(10時から3時まで、以下同)
チラシ配布枚数 500枚
テッシュ配布個数 700個
社労士リーフレット配布部数 100部
思えば、夏場からの開催会場の選定、相談員等の選任、広報活動等の打ち合わせに始まり、秋口は店舗担当者との折衝・打ち合わせ、さらに晩秋にいたっては広範囲の広報活動・・・。
広報グッズ・豪華?4点セットを持ち歩き、人手の多い場所を選って、ポスターの掲示、チラシやリーフレットの配布依頼、加えて行政広告紙へ開催予告記事の掲載手配に明け暮れた。
こうした努力が功を奏しての“盛況”だったと言える。相談員や会場係になっていただいた先生方には、無理を言ったが、皆快く引き受けてくれ、人の情というものに触れた数ヶ月でもあった。
さて、今日、会場でチラシやテッシュを受け取ってくれたお客様、ありがとう。
社労士の名が、少しでもお客様の心のうちに刻まれますように・・・。
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□2007.11.24 (Sat) |
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■政治の生産性
「(松下電器産業創業者の)松下幸之助氏は池田勇人(元)首相に“政治の生産性をあげろ”
と直言した。松下さんの思想を受けた(民主党の)松下政経塾出身議員に、現状は生産性が
上がっているかと質問したい」
自民党・二階総務会長が記者会見で語った言葉が、火曜日の中日新聞に紹介された。ねじれ国会の中で、法案が中々通らないことに業を煮やす発言だが、“政治の生産性”とは面白い。
我々の業務である「労務管理」は、「労働生産性を上げていく」ための施策だが、企業が追求する生産性を、政治の世界に持ち込むのは少々無理な気がしてならない。
そもそも何のための生産性の向上なのか?企業においては、「利潤の追求」という企業使命を全うするためのもので、生産性が向上すれば企業は儲かり、豊かになる。
企業が豊かになれば、そこに勤める社員やその家族、取引先、株主、そして地域が豊かになるという連鎖や波及効果を持つ。そのための生産性の向上なのだということを忘れてはならない。
「労働生産性」は、投入した労働力によってどれだけの付加価値を上げたかを示す概念だが、しかし、それが企業の儲けだけに執着したものであれば、何の意味もなさないと思うがどうだろう。
要は、生産性向上によって得られる「幸福度」がバロメーターなのである。一方、政治の世界はどうか?二階さんが言う、「政治の生産性」とは、「一定期間内に通過した法案の数」を示すようだ。
国会のねじれ現象により、「法案が通らないから政治の生産性が悪い」という発言は、分らぬでもないが、法案が通ればいいというものではない。世に悪法は五万とあるのだから。
社会がどれだけ良くなったか、言葉を変えれば、ここでもまた国民の「幸福度」がバロメーターなのだ。国民が幸せになることが政治の生産性なのだということを、政治家は肝に銘じてもらいたい!
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□2007.11.18 (San) |
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■“寒くならない”仕組みづくり
「母生存装い年金受給」
という中日新聞の見出し。死亡した母親が生きているかのように装い、年金を不正受給した男が逮捕されたというのである。
現在、社会保険事務所では、年金受給者の生死は、「年金受給権者現況届」で確認するわけだが、男は、母親が死んだにもかかわらず、生きているように現況届の虚偽報告をした。
そのため、死亡後も年金が振り込まれたのだ。年金を業として取り扱う者としては、こうした事件は今まで多く発生していたのではないかと思う。表沙汰にならなかっただけの話ではないか?
社会保険事務所も現況届の確認だけでは生ぬるいことを、この際、知るべきだろう。
行政は、これまで「性善説」をもって事を運んできたようだ。
相手を信頼することは大切なことだが、それでは持たないことが様々な分野で実証されている。
信頼する、しないの次元ではなく、確認するための手段が甘すぎたと認識すべきである。
例えば、社会保険事務所は、年金受給者との接点を「現況届」以外にどんな方法で取っているのだろうか?年金受給者に会いに行くという方法もあるだろうし、他の方法もあろう。
全部が無理なら、一部を抽出することもできるだろう。要は、行政に“庶民と関わる”という行為が完全に欠落していたのではないかと思う。
この日、88歳の女性が、生まれ育った南足柄市に、現金10億円をドーンと寄付したことがマスコミの話題をさらった。「ふるさとに恩返しできたのは人生最大の喜び」という言葉に涙が零れる。
心が温まる話と心が寒くなる話と、現実社会ではいつでも二分される。庶民の心が寒くならないような“仕組みづくり”が、行政には必要だということを痛感する!
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□2007.11.10 (Sat) |
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■パートのお得感
月給の頃は二月が好きでした 高須春雄
岡崎川柳研究社の月刊誌・「川柳おかざき風」で、この句を見つけてうれしくなった。月極めの給料であれば、勤務日数が少ない月は得だから、素直に「2月が好きだった」というのである。
こんな気持ちは会社勤めをした人なら多少はあるものだ。2月に限らずゴールデンウィーク、盆、正月のように長期連休のある月でも、“月給制”ゆえに給料が変わらない。
そんな月は、得した気分が横溢して、好きになるというのはよく分かる。ただし、それは給料が“月極め”でなくてはならない。時給いくらのパートさんでは、関係のない話なのである。
今日の毎日新聞配信のニュースによると、パート労働者の6割以上が賃金や仕事に不満を持っているらしい。(厚生労働省・パート労働者実態調査より)
現在、パート労働者は約1148万人で、01年調査より約90万人増加。正社員と同じ仕事をするパート労働者が増える中、低賃金で有給休暇も満足に取れないなど、厳しい状況が浮かび上がる。
「パート労働者実態調査」の詳細を見てみると、パート労働者の63.9%が会社や仕事に「不安や不満がある」と回答。その内容(複数回答)は、
「賃金が安い」61.8%(01年調査比10.7ポイント増)
「有給休暇が取りにくい」26.2%
「パートの仕事としてはきつい」24.1%
「正社員になりたい」は、短時間パートで18.4%、フルタイムパートで41.2%。年収は、
100万円未満が44.4%(同6.7ポイント増)
100万円以上150万円未満26.4%(同2ポイント増)
150万円以上が17.3%(同5.7ポイント減)
企業がパートを雇う理由(複数回答)は、
「人件費が割安」71.0%
「忙しい時間帯への対処」39.5%
「正社員と同じ仕事をするパートがいる」とする企業は51.9%で、01年調査の40.7%から大きく増加した。正社員との賃金差は、77.2%が「パートの方が低い」と回答。
有給休暇を与えている企業は53.8%で、前回調査から7.3ポイント減っている。
この実態をどう捉えるか?結論を言うと、パートさんにも何らかのお得感がないと、仕事のモチベーションは上がらない。「この会社が好きだ」と言われるような、お得感を植えつけることが肝要だ。
それは給料だけの話ではなく、“やりがい”とか“福利厚生”とか“希望”とか、何でもいいのではないか。パートさん同士が、「この会社で働けてよかったネ」と話し合える「お得感」を築くことだ。
こんなことも会議のテーマにしたらどうだろう!
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□2007.11.04 (San) |
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■採用についての考え方
先週、「経営情報」の中で、ワイキューブ代表・安田佳生さんについて書いたが、安田さんの考え方もさることながら、ワイキューブの採用についての考え方が面白い。
安田さんの「千円札は拾うな」の考え方は、そのまま“採用”にも反映されていて、つまり、「優秀な人材確保は、新卒採用をしなさい」と提案されているのだ。
中小企業では、すぐ使える“即戦力”を求めるあまり、安易な中途採用に走りがち(といって即戦力になるケースは稀)だが、それでは「千円札を拾」っているにすぎないという。
目先の千円札にとらわれることなく、掛け値ない本物を採用するにはやはり、新卒採用が必要だというのである。とにもかくにも、ワイキューブの採用に関する考え方を以下紹介する。
ワイキューブの「採用」について、4つの考え
その1.重要なのは、「経験」ではなく「素材」です。
「経験者=即戦力」と考えるのは大きな間違いです。
経験者の中にも「仕事ができる経験者」と
「仕事ができない経験者」がいるからです。
戦力になる社員が欲しければ、
「経験」ではなく「能力」を見抜かなければなりません。
その2.中途採用で、「仕事ができる経験者」は採用できません。
なぜなら・・・↓ ↓ ↓ ↓ ↓
・責任感が強いため簡単に辞めない。
・貢献度が高いので待遇面でも恵まれている。
・退職する際にはコネや引き抜きで次の職場が決まっている。
その3.できない経験者=「即害力」
例えば、「5年間の営業経験」がある経験者が
みんな「できる営業マン」なら、世の中「できる人だらけ」です。
多くの転職者はいまの会社で行き詰まった結果、
転職している可能性が高いのです。
さらに、レベルの低い仕事の方法を新入社員に教え、
会社全体の業績を下げる可能性まであります。
その4.転職関連企業さえ、新卒採用が中心です。
「仕事ができる経験者」を採用することは難しい。
ではどうすればよいのか?
「仕事ができる未経験者」を採用すればよいのです。
実際、転職ビジネスリーダー企業でさえ、
自社の社員は新卒を中心に採用しています。
「中小で無名の会社がどうやって新卒を集めるのか?」という声が聞こえてきそうだが、その答えは自分たちの努力で探す以外ない。自分探しをするように・・・か?
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□2007.10.27 (Sat) |
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■成績不良者の解雇
水曜日、Y社への定期訪問。労務担当者と給料計算事務での簡単な打ち合わせの後、別室で、専務が解雇についての相談を切り出した。
聞けば、「営業で採用したKの成績が著しく悪いので解雇したい。解雇するに当たって、どんな手順を踏んでいけばいいのか?」と判で押したような相談。
「解雇権の濫用」(労基法18条の2)がしきりに言われる昨今では、合理的な解雇理由がなければ解雇できず、成績不良を根拠とする解雇の正当性が認められるには、次の要件を必要とする。
@就業規則、労働協約などに解雇事由として定めていること
A勤務成績不良の者に対する教育・矯正の努力を行っていること
Bその者より勤務成績が悪いものにどう対処しているか
@Bはクリアできるとしても、Aには不安が残る。Y社としては、教育する“暇”も“仕組み”もないのが実状で、そのために営業経験があるKを高給で採用したのだから。
といって、どう教育しても優秀な営業に転嫁しそうもないKを、このまま雇用するゆとりはない。「本人と誠実に話し合って、会社への理解を求めて」いくしかない。
その場合、金銭解決という手もあるだろう。幸い、1年毎に雇用契約を交わしているから、最悪、雇用期間の満了を持って退職してもらえばいい。再契約をしなければいいのだから。
こうした相談を頻繁に受けるのは、安易な気持ちで雇用する会社が多いということだ。社員が自主的に学ぶという意識が芽生えるまで、恒常的な教育は欠かせないと、会社が自覚すべきだろう。
営業手法や業務手順などについて的確な指導・教育をしているのかどうか、もしそうした努力を重ねてないのなら、この先指導・教育にどう取り組んでいくのかを、真摯に考えることだ。
専務との話は社員の給料にまで及んだが、「今より10%上げる努力をすべきでしょう」と話すと、「そうですね、給料の10%なら売上全体の1%だから、労務比率が10%から11%になるだけですよね」
「専務さん、分かっているじゃないですか」と、思わず心の中でつぶやいた。
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□2007.10.21 (San) |
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■求めよさらば与えられん
「対岸の彼女」(直木賞受賞)などの作品で知られる小説家・角田光代さんが、「教わること、学ぶこと」と題したエッセーを日経新聞に寄せている。
大学に入ったときの印象やその後に気づいた、「教わる」ことと「学ぶ」ことの違い。学びたいと思ったとき、大学がそれに応える手段をいくらでも用意していることなどが透明な言葉で語られている。
「大学に入っていちばんびっくりしたのは、だれもなんにも教えてくれないこと」とあるように、大学という場所は、知りたいことを、何とかして自分で知るところなのである。
「具体的に何がしたいか、何をすべきかを自分で考え、自分で決め」ていくところなのだ。
そして、「うまくいかないことがあったとしても人のせいにできない」ところ。
確かにそうだ。高校、大学と進級していくにつれ、教師は教えてくれなくなった。最低のラインで授業や講義は進み、生徒や学生が理解していなくても容赦なく教科書のページは捲られていった。
学ぶとは、そんなものかも知れない。学ぶ側の姿勢いかんで、大きくも小さくもなるし、深くも浅くもなる。要は求めていくことなのだ。「求めよさらば与えられん」と聖書で言っているではないか!
大学がそうであるなら、企業はどうなのだろう。何も教えず、技を盗むことで伝承させていった、かつての職人の世界ならば、大学と大差はないように思う。
しかし、企業では、社員に同一性を求め、会社のカラーに塗り替えようとする。そのために新入社員教育を始め、各種の教育がなされるのだ。
仕事を教えていくことは経営者の大きな役割で、人というものは、「やってみせて、言って聞かせて、やらせて見て、ほめてやらねば、動かない」(山本五十六元帥)ものなのだ。
さらに、社員がベクトルを同じにしなければ企業経営が成り立ちにくい現状があって、生産性の面からも会社の理念、方針を入社時から叩き込むことになる。
企業も大学と同じように、社員が何をすべきかを自分で見つけ、決めていかなければならない時期に入っているのではないかと思う。企業の生き残りの肝心要はそこにあるのではないか?
社員教育は繰り返さなければいけないが、一方で、社員の自主性を育んでいく仕組みも必要である。会社も苦しければ、社員も辛い。そんなとき五十六元帥の言葉を“とくと”味わうのもいい。
苦しいこともあるだろう。言い度いこともあるだろう。不満なこともあるだろう。腹の立つことも
あるだろう。泣き度いこともあるだろう。これらをじっとこらえてゆくのが男(女)の修行である。
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□2007.10.14 (San) |
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■就業規則の偽装表示?
伊勢名物・赤福餅が、製造日偽装表示問題で揺れている。冷凍保存した商品を解凍して再包装する「まき直し」が、日本農林規格(JAS)法上、違法に当たると指摘されたのだ。
「解凍日を製造日」とするのは、製菓業界では常識とされるが、消費者の意識と乖離していたことは否めない。「作りたてを食べてもらう」の宣伝文句に嘘があったことが消費者には許せないのだ。
解凍日を製造年月日とするなら、「本商品は作りたてを冷凍、解凍したものです」といった説明を添えるべきだったと、赤福ファンの一人として残念に思う。
しかし、これは赤福だけに限ったことではない。違法性の意識を持たずに、嘘・偽りを犯していることが色々な場面であるのではないか?例えば、「就業規則」ひとつ見てもそうだ。
「就業規則」ではおよそ、“採用時の提出書類”を求める規定を次のように設けている。
第○条 従業員として採用された者は、1.誓約書および身元保証書 2.住民票記載事項
の証明書 3.その他会社が必要とする書類 を提出しなければならない。
ところが現実には、誓約書、身元保証書、住民票記載事項の証明書を提出させている会社は、中小企業ではあまり見かけないし、零細企業にいたっては皆無である。
これって、偽装表示ではないか?給与規程の内容と異なる給与体系の企業もよく見かけるが、人事・労務面でも嘘・偽りの意識なしで、“偽装”が横行しているのが実態なのだ。
「定年」を規定したこんな例はどうだろう。
第○条 従業員の定年は満60歳に達した日の属する賃金締切日とする。ただし、定年退職者
が引き続き勤務を希望した場合は、退職日の翌日から満65歳に達する日の属する賃金支払日
まで継続勤務できるものとする。この場合、給与等については新たに労働契約書により定める
ものとする。
定年後の勤務延長は定着してきたものの、新たな労働条件を労働契約書で定めていないケースが見受けられる。こうしたケースは、就業規則の偽装にならないか?
せめて、年に一度くらい就業規則に目を通して、実態と違う人事・労務をしていれば改めるのが社長や人事担当者の役割である。赤福の偽装表示問題は、それを教えているような気がする。
さて、赤福の行政処分はどうなるのだろうか?赤福ファンとしては一刻も早い再販を期待するが、今後のあり方を時間をかけて検討するのもいいだろう。
拡大路線を採るか、地域に根ざした商いをしていくか。伊勢参りの旅人の心をうるおすには何が最善なのか、答えは出ていると思うが・・・!
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□2007.10.06 (Sat) |
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■公務員の中途採用
以前、経営情報の項で、「刈谷市が来春の職員採用で、初めて中途採用を導入する」ことを書いたが、“想定外”のうれしい悲鳴を上げていることが、昨日の中日新聞に載っていた。
一般事務職だけに限定すると、募集枠3人に対して、150人が応募しているということで、県内のみならず、東京や大阪方面からも集まっているらしい。
公務員の安定感は魅力で、かつての公務員志望者が、捲土重来を期して応募していることもあるだろうし、「公僕」に使命を燃やす人もいるようだ。
「刈谷は力を生かし切れていない。自分が担いたい」とアピールしてくる例もあったり、新規学卒では見られない視点が、求人を通して生まれている。いいことだ。
雇用対策法の改定で、この10月から「募集・採用時における年齢制限禁止」が義務化されたが、本来あらゆる層を平等に扱うことは人権からも必要ではないかと思う。
そこに、こうした新しい視点が加われば、求人業務を通して学ぶことも多いのではないか?会社は、求職者からさまざまな発想を吸収できる、と考えるべきだと思うが、どうだろう。
現実としては難しいこともあるが、経営者にそれだけの度量がなければ社員はついていかない。経営とはそういうものであることを、経営者は理解すべきだろう!
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□2007.09.23 (San) |
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■囲碁と労務士会
昨日の日経新聞・夕刊に、「囲碁普及へ棋士に点数制」という見出し。囲碁人口の減少に歯止めを掛けるため、棋士自らが囲碁普及への取り組みを促進する制度を作るというのである。
取り組んだ普及活動の内容や時間によって棋士にポイントを与え、年間の累計ポイントが一定基準に満たない場合には罰則も科すというが、どこまでやれるものか?
元来、棋士はプレーヤーとしての道を究めるためにプロになった人たち。その人たちが、出身地の学校などに出向いて囲碁普及活動することを義務化するのだから、反発は必至だろう。
棋士も、プレーヤーとして精進する他に、“営業努力”まで求められるとしたら、さぞ大変だろう。しかし、“営業”が、結果として自らの活動の幅を広げ、利益をもたらしてくれるとしたら・・・。
この場合、強制するか否かが議論となる。強制せずに、“営業努力”が続けられ、囲碁人口が増加していけばいいが、「理念」だけでは、やがて“営業”も頓挫してしまうのか?
そのあたりどう考えればいいのだろうか?先日、労務士会で政治連盟加入への義務付けが議論された。現在は自由だが、特に労務士会の上層部では、加入を強制しようという動きがある。
加入者が多ければ力になる。力は、我々に利益をもたらしてくれる。社労士の地位向上や環境改善には、政治家への働き掛けも必要で、そのためには数の力が必須という考え方だ。
そして、政治連盟への加入を強制するのが最上の方法だというのである。確かに、「強制」は近道だし、道を啓く一策だろう。
しかし、その前に、本会役員が会員に「理念」をひたすら訴え続けることがなくてはいけない、というのが私の基本的な考えである。労務士会は大政翼賛会ではないのだから。
誰でも自由でありたいはずだ。それを根こそぎさらっていく考えは持つべきではない。
しばらくこの考えを貫いていきたい!
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□2007.09.16 (San) |
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■嵯峨野散策
昨日は、嵐山・嵯峨野への日帰り親睦旅行。
社労士有志が、仕事を離れた一時の癒しを求めて京都へ旅立った。
親睦といったところで、同業者ともなると中々素の顔を見せないものだが、車中、ビールが入り、ウイスキーが入り、やがて焼酎が五臓に沁み込んだ頃には、皆、和気藹々。
この日は三連休の初日で、どの家庭も行楽と洒落込むのか、道中は大混雑。宴会がほぼ1時間遅れのスタートで、その後の嵯峨野散策は限られた時間となった。
折角の嵯峨野の旅だから、何とか竹林だけは見たいと、天竜寺裏門・野宮神社(ののみやじんじゃ)から大河内山荘へ続く竹林の坂道を歩いた。
大河内山荘は、その昔の時代劇スター・大河内伝次郎の元別荘。スッと真っ直ぐにのびた青緑の竹林が、凛とした佇まいを見せている。風が抜けると、竹がいっせいに唸りを上げる。
竹林を抜けると、そこは嵯峨野トロッコ列車の嵐山駅。残念ながらそこまでは行けず、途中でユーターンしたが、嵯峨野の奥行きにしばし浸れた時間だった。
下は、竹林の写真。ゆっくりと、ゆっくりと静かな時間が過ぎる。
そんなふうに生きていければいい、と思った日帰り旅行だった。
竹林を抜ければトロッコ列車
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□2007.09.09 (San) |
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■採用者眼
金曜日、配管工事を扱うM社を訪れると、とても慌しい様子。聞けば、建設会社からの発注が集中し、すでに他を断っている状態とか。断る一番の要因は、現場作業者の不足。
ハローワーク等々、求人募集は掛けているが、なかなか応募がない。考えてみると、季節の風をまともに受ける戸外の仕事は、今風の求職者に嫌われるようだ。
今夏のような炎天の作業場でも、頬っかむりひとつで体を酷使しなければいけないし、冬場は冬場で、雪の降りしきる中、シャベルで砂を堀り返すこともあろう。
「季節の風をまともに受ける」は、俳句などをやる風流人にはいいが、マトモな人間にとってそうそう長く勤まるものではない。そんな状況下で採用の話をするのは、少々辛いところがある。
この日、人材ビジネス起業を支援しているある方からメールを頂いた。その要旨は、会社で人材を採用する場合、いかなる採用者眼を持ったらいいかということ。
例えば、次のようなことはないだろうか?
・採用する人の採用後の仕事を漠然としか決めてなく、採用後に仕事を何度も変えた。
・新しい社員を募集していることを、他の社員たちが知らなかった。
・どんな人物を採用するか、という打ち合わせが、社内で行われなかった。
このような会社に対して、こんな警告がされている。
「こういった状況の企業が採用したい人材は、要するに“何でもできるスーパーマン”であり、当然、そんな人材は日本には数えるほどしかいない」
「もっとも大切なことは、“どんな人物を、いま会社が抱えるどんな経営課題を解決するために、いくらで、どこから採用するか”を、事前に社内で詰めてから採用実務に取り掛かること」
なるほど、採用者眼は経営のマニフェストに他ならない。経営者眼に繋がった採用者眼を養わなければいけないのだろう。M社にこの話・・・通じないだろうナ!
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□2007.09.01 (Sat) |
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■うつ病
ここ数日間に処理した「傷病手当金」の綴りを繰っている。「傷病手当金」は社会保険の唯一の魅力で、病気やケガの治療で給与の受けられない者にとって、何ともありがたい補償である。
腰椎々間板ヘルニア、急性胆肝炎、頸部腫瘤、糖尿病、大腸癌・・・。盆以降に扱った請求書だけでも様々な病名がある。その中にはいわゆる現代病と言われるものもある。
「うつ病」「適応障害」「自律神経失調症」などは、現在の流行り病だ。「傷病の主症状」欄には、ハンで押したように、「不眠、気力低下、不安、イライラ」と記されている。
「うつ病」が多いのはなぜか?うつ病はストレスが原因の精神疾患とされているから、職場には目に見えぬストレスの素が充満しているのだろう。
それでは、なぜストレスが溜まるのか?その答えを見つけるために、「ストレス」を辞書で引いてみると、旺文社
国語辞典には次のように記してある。
暑熱、寒さ、細菌、対人関係、恐怖、不安などの精神的、物理的な外部からの刺激に対し、
体内でホルモンを分泌して調和を保ったり、防衛しようとするはたらき。
なるほど、外部からの刺激か。職場には、上司や同僚からの多数の刺激が飛び交っているのだ。快い刺激ならいいが、そうでなければ、体内のホルモンが分泌されていく。
それが体を蝕んでいくのだろう。では、どうすればいいのか? 臨床心理士の榊原明美さんが下のような話をしているが、ストレス予防のヒントになりそうだ!
私が職場の研修に呼ばれると、二十四時間以内にあったうれしいことや楽しいことを話してもら
うようにしています。日本人は反省が大好き。
反省ばかりだと脳の回路がマイナスになってしまう。だから、良いことを話してもらうことで発想
を変えようという試みです。
ほとんどの人は、「困ったな。良いことなんて何もないよ」と戸惑いますが、上司が「娘が補助輪
のない自転車に乗れるようになった」とうれしそうに話すのを部下が見て、その後、上司と部下の
関係が良くなったなんていう例もあります。
良くしゃべる人はうつ病になりにくいみたいです。家庭のことも話せる職場環境が大切。
とにかくコミュニケーションをしっかりとることです。
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□2007.08.25 (Sat) |
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■石田三成
少し前、誰かのコラムを読んでいたら、「石田三成?誰だこりゃ?」とあった。
なるほど、石田三成といえば、歴史の年表に「徳川家康」と対になって一度だけ現われる。
「1600年、関ヶ原の戦いで徳川家康が石田三成を破る」がそれで、江戸幕府の創始者と比べ、まるで元旦のサッカー天皇杯の決勝に聞いたこともないアマチュアチーム、といった感じ、と酷評。
しかし、三成にもいいところがあるのだ。有名なのが「三献の茶」。三成・秀吉、出会いの逸話で「砕玉話(武将感状記)」に記されている。こんな話だ。
長浜城主となった秀吉は、ある日、領内で鷹狩をしていた。
その帰途、喉の乾きを覚えて、ある寺に立ち寄って茶を所望した。
対応した寺の小姓は、まず最初に大ぶりの茶碗にぬるめの茶を一杯に入れて出した。
喉の乾いていた秀吉は、それを一気に飲み干したあと、もう一杯たのんだ。
次に小姓は、やや小さめの碗に、やや熱めにした茶をだした。
秀吉が試みにもう一杯所望したところ、今度は小ぶりの碗に熱く点てた茶を出した。
相手の様子を見て、その欲するものを出す、この心働きに感じいった秀吉は、その小姓を
城に連れて帰り家来とした。
この小姓が、後の秀吉五奉行の一人、石田三成である。
なんともいい話ではないか。この逸話は講談にもあり、知っている人も多いと思うが、人の出会いは必然か偶然か、歴史をも変えていく。
下は、秀吉と三成の出会いの地といわれる観音寺。妖気漂う・・・?
滋賀県・観音寺
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□2007.08.19 (San) |
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■ラスト サムライ
ここ数日、防衛省人事がマスコミを賑わせている。防衛相と事務次官の確執が首相官邸を巻き込む形で展開されたが、女性大臣と大物次官の対立はなかなかの構図だった。
人事の要諦は、「誰が見ても納得できる」ということで、さもなくば説得などの十分な根回しを必要とするが、マスコミで相当叩かれているところを見ると、準備不足は否めないところだ。
舛添要一氏などは、「(省内の)人間関係をよく知っている人が大臣でなかったからこういうことが起きた。大臣はよく選ばないと駄目だ」と、暗に安倍首相の小池氏起用を批判している。
「誰が見てもこの人なら防衛省を管轄できるという人を大臣にしないといけない。(そういう人なら)人脈も全部頭に入っていてもっといい人事が結果的にできた」
森元首相も、「辞めなければならないと(次官が)自分で分かっていて、『武士の最後だ』と切腹しようとしたら、小池氏が後ろから切りつけた感じだ」と不快感を示している。
さらに、「武士(もののふ)のたしなみがない」とも。まぁ、こんな報道が頭に入っていたせいか、昨夜見たトム・クルーズ主演の「ラスト サムライ」が、何ともしっくりきた。
映画は、近代化を目指す政府軍の教官として日本に呼ばれ、過去の遺物として葬り去られようとしている侍たちと出会う米国人(トム・クルーズ)の姿を描いていた。
「名誉を重んじ、みずからが信じるもののためには死を怖れない」という武士道精神が快かったし、自己を犠牲にして、他を生かしていく「利他の精神」がまばゆく感じられた。
日本もつい最近まで、こうしたサムライ魂が宿っていたのに、どこに置き去りにしてきたのだろうか?世のため人のためが無くなって、損得ばかりが先行している。
これでは、防衛省人事と同じだ。パフォーマンスは抜きにして、利他の精神をもう少し見直さなければいけない時期にきたのではないかと思う。
そんなことを考えさせてくれた「ラスト サムライ」だった。
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□2007.08.12 (San) |
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■風俗嬢の求人
水曜日、ハローワークの求人コーナー。担当者が客とすったもんだのやりとりをしている。
客はいわゆる“堅気”には遠いいでたちで、少々コワモテ。
ところどころ聞こえる会話を拾っていくと、どうやら客は風俗店の店長で、店で働いてくれる風俗嬢を募集している様子。担当者が、「ハローワークはそんな所じゃない」と募集を拒むと、「じゃあ、どんな所なの?」と。
常識の中で考えると、その手の求人はハローワークには馴染まないものだが、拒否する根拠は?と問われるとどう答えればいいのだろうか?
ハローワークの求人票に掲載される職種がマトモで、掲載を拒否される職種がマトモじゃないと誰が言い切れるのか?風俗嬢だって立派な仕事じゃないのか、と思ってしまう。
その昔、福沢諭吉翁が「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」(学問のすすめ)と説いたのと同じで、仕事にも上下はないと思うが、どうなのだろう。
昨今は、コンプライアンス(法令順守)の指導が求人面でも徹底していて、法令違反の求人票は受け付けてもらえない。それは正しいことだが、仕事の中身で差別はないだろう、担当者殿。
さて、この求人どうなったのだろう。店長が最後に、「シャレです、シャレシャレ」と言って帰ったとか、風聞はどこまで本当なのか分からない。
それにしても、役所に大らかさがなくなってきたことだけは間違いない。
本当の改革はこんな所から始めるべきではないか?
どこかに侍はいないか!
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□2007.08.04 (Sat) |
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■反骨のサムリャー
民主党のエース(?)河村たかし衆院議員が、求人誌・タウンワークに登場している。カッターシャツにネクタイ姿。帽子をあみだにかぶり、運動靴で自転車のペタルを颯爽と漕いでいる。
補助席には青地に大きく「本人」と書かれた幟。右手を高く掲げ、有権者の波間をゆっくり流れる。河村氏は紙面で、「働くことの意義」を大真面目に語っている。この人、凄く真面目なんだ。
「政治家にとって“働く”とは?」
「サムリャー」
「す、すみません先生、もう少し具体的に」
「先生じゃにゃーて、河村さんでええて。お願いしますよ(笑)」
「命かけてやらないかん、ということだわ。議員が職業じゃいかんのですよ。政党は会社じゃないし、議員も社員ではない。しいて言えば議員一人ひとりが社長でなきゃいかん」
「まぁ、なかにはそうでない人もおるけど(笑)。自分の理念に向かって、自分ひとりで命をかけて闘い続ける。それが本当の政治家の仕事だで」
「ワシが言うサムリャーとは、江戸時代に士農工商の一番上にドッカと座っとった“士族”ではなくて、平安時代の貴族に対抗して生まれた武士であり、徳川の世に対して反旗を翻した革命の志士のことなんだわ。つまり、反骨のサムリャーなんだわ」
「就職にしても転職にしても、まず人生の目的を考えないといかん。次に、目的を達成するために一番合理的なやり方を考える。ただ、条件は付けたらいかん」
「自分は学がないからとか、商売人だから政治家になれんとか。そんな条件は全部捨てて、スーパーマンになったつもりで全力で挑戦しやー」
「若いんだから、若干大風呂敷を広げた方がええな、総理をねらうとかな(笑)。あと、政治家になるということは、土俵際のうっちゃりみたいなもの」
「人生の一発逆転を狙いたい若い衆は、選挙に出やー。そりゃご推薦申し上げますよ(笑)。でもって、ワシと一緒に派手なチャンバラをしよみゃー。反骨のサムリャーとなってな」
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□2007.07.28 (Sat) |
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■年金出張相談会
昨日は終日、一色町町役場で年金相談。社会保険事務所職員と対になり、年金記録を求めにやってきた依頼者の年金不安を払拭しようと、出張相談に乗り出したわけだ。
年金相談会を回覧板で知った住民たちで、押すな押すなの大盛況。午後3時の受付終了時には、100枚の番号札は一巡し、参院選でも騒がれている年金への関心度を目の当たりにした。
さて、訪れた人たちの年金記録がどうだったかというと、まず間違いないというか、記憶どおりの記録に安堵し、にこやかに相談コーナーを後にしたという印象だった。
最も2〜3時間を待った人たちだから、一つの仕事をこなしたという充実感が笑顔となって表れたのかもしれないが、それにしても一色町の人はよく耐える人ばかりだった。
都会の人はこうはいかない。待ち時間はロスタイムだから、時給に換算すればいくらの損と、電卓をたたく姿が浮かんでしまう。情緒のなさは、やはり都会っ子に多いのだろう。
この相談会で、社会保険事務所の職員を少し見直した。自分の都合で依頼者を待たせてはいけないと、職員3人すべてが昼食抜きで、記録の提供と解説にあたったのだ。
社会不安がそれだけで払拭することはないが、こうした小さな努力がやがて信頼を取り戻す一助となるはずだ。私たちとてボランティアだが、積上げることの大切さを学べてよかった。
一色町からの帰り、体が相当マイッテいた。疲労が体中に渦まいて潮騒のように鳴っている。
昨日からの二日酔いのせいではあったが・・・。
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□2007.07.22 (San) |
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■就業規則
「放歌って何ですか?」
木曜日、T社との就業規則作成の打ち合わせ。提案した就業規則(案)を読み合わせていくと、社長から思わぬ質問。「放歌って、鼻歌のことですか?」
就業規則には、およそ服務規律を定めるが、要は職務上の遵守事項を羅列したもの。
その中に、「勤務中飲酒、飲食、放歌等をしないこと」とある。
服務規律は“常識”の範囲だから、過去の雛形をそっくりそのまま持ってきたり、一部を貼り付けたりと、要はこだわりのない部分といってよかった。
ところが、この社長のように労働法の専門知識をあまり持ち合わせていない、いわば素人からすると、無垢な疑問が胸のうちに浮かぶ。これって、大切なことではないか?
放歌=あたりかまわず、大声で歌うこと(旺文社 国語辞典)、とある。就業中に放歌、つまり大声で歌ってはいけないのは常識で、飲酒・飲食も同様である。
そんな常識をあえて就業規則に盛り込むのは、それを当たり前にしていた時代があったのだろう。ずいぶん前の炭鉱などは、手待時間に酒盛りが行われていたと聞いたことがある。
放歌などは、労組全盛時に就業時間中に労働歌が結構歌われていたのではないか?その当時は、労使対立という構図があったから、就業時間中の放歌も想像に難くない。
就業規則の読み合わせは、こうした副産物が得られる。素人を入れることで、専門家ではとうてい考えられない無垢な疑問・疑念が浮き彫りにされる。
就業規則の読み合わせには、温度差のある人たちを交えて行ったらどうだろう。専門家と少し齧ったくらいの人とずぶの素人と、「斜め型」のチームを編成してみることだ。
そして、その際に大切なことは、ずぶの素人でも分かり合える中味にしていくことだ。そうすれば、今までとは違う、運用しやすい就業規則になっていくだろう。
就業規則は素人を交えて見直す、これに尽きる!
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□2007.07.14 (Sat) |
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■金曜半ドン
四半世紀前の日本にあった「土曜日半ドン」。週休二日制の普及で、今や“半ドン”も死語となったが、その響きからして、残しておきたい言葉のひとつである。
スペインの都市・バルセロナに、昨年11月からスペイン政府などの音頭取りで金曜日の半日出勤制度が始まったようだ。元が週休二日なので、それ以降は週休二日半になった勘定だ。
「いいな、いいな」と思いつつ、その実態を調べていくと、元々スペインは日本とは明らかに違う勤務形態となっていて、これは日の出、日の入りとすこぶる関係があるのだった。
サマータイム時期の日の入りが午後9時半近くのこの地域では、元々長い昼休みが有名。昼休みは、昼食後の昼寝を意味する「シエスタ」とも呼ばれ、昼食は2時ごろからゆっくりとる習慣。
通常の勤務時間は、朝から午後1時すぎと、午後4時から7時ごろまで。それが、欧州域内の経済統合で“働きバチの国々”との日中のやり取りが欠かせなくなって、昼休みが短縮された。
始業・終業時間は変わらなかったため、必然的に労働時間が増加。そこで編み出されたのが金曜日“半ドン”だったわけだ。
金曜日の午後3時には、100mおきに点在している「バール」と呼ばれる小さな居酒屋で、市民が仕事帰りのいでたちでワインやビールを飲んでいる。
快適な地中海性気候で、「欧州で最も住みやすい都市」と言われるバルセロナ。
所変われば・・・ではないが、日本とはさまざまな違いがあるのだろう。
本来、多様であっていいはずの勤務形態が、日本ではみごとに画一化されている。生活様式や価値観に合わせて、勤務形態をどんどん変えるのがいいと思うが、どうなのだろう。
「5時出勤、13時退勤」などの提案が社員から出てくれば、企業の活性化に繋がっていくだろう。身近なところでさまざまな議論を展開していく・・・これも本来、企業の役割なのだ!
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□2007.07.07 (Sat) |
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■管理・監督者の残業代
コナカ残業代支払い逃れ 多くの社員を「店長」に
木曜日、上の見出しが新聞各紙に載った。労務を扱う者にとっては定番で、「またか」と叫びたいところだが、管理・監督者の残業代を解説する際の格好の事例にはなる。
そもそもこの問題は、紳士服販売大手のコナカ(本社・横浜市)が、多くの社員を管理・監督者(店長)にして残業代の支払いを免れたことを、労組が労基法違反と指摘したことに始まる。
労基法でいうところの「管理・監督者」ならば、残業代を支払わなくて済むが、そのためにはいくつかの要件が必要で、コナカの店長はそれら要件のいくつかを欠いていたのだ。
よって、横浜西労基署の是正指導を受けたのだが、労基署は次の点を指摘し、「総合的に判断して全店舗の店長を管理・監督者と取り扱うことには疑義がある」と結論付けた。
@ 店長が店舗所属の社員の約4割と多い
A 店長に始業・終業時刻に関する実質的な自由裁量が許されていない
B パート採用の権限が委任されていない
C 年収で店長に次ぐ主任の一部に逆転現象がある
さて、ここで労働基準法の管理・監督者についての「解釈例規」を読むと、次のように書かれている。
第41条第2号に定める「監督若しくは管理の地位にある者」とは、一般的には、部長、工場長
等労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者の意であり、名
称にとらわれず、実態に即して判断すべきものである。
具体的には、人事権があり、労働時間や休憩休日に縛られず、賃金面で一般労働者に比べて優遇されている者だけが、残業代の支給を免れることになる。
それ以外は、たとえ「店長」という肩書きが付いていようが、一般社員と同様に残業代を支払わなくてはいけないのだ。
「課長以上は残業代を払わなくていい」と勘違いしている会社を多く見受けるが、コナカの件はそうした会社へ灸を据えることになりそうだ!
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