あおみ労務事務所
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労務記録
「会社の粘着力を増すためには社員との共通の思い出をより多く持て」と、明日香出版社の社長・石野誠一氏が、かつての講演会の中で言っていたことを思い出します。
このページでは、労務管理の意義を、「人を活かす」という視点でとらえ、業務で体験した出来事や身近で話題になったことなど、労務管理の記録を発信していきます。
2004.07.31 (Sat)
楽して、儲ける!

“山田昭男”という名前は、どこにでもありそうな名だが、この人は少し違う。
未来グループ取締役相談役・山田昭男さん。
私には、未来工業社長の方に馴染みがあるが、この人がこのほど「楽して、儲ける!」という著書を出版した。
著書の中身は、経営の一番の柱は「社員のやる気を育てること」。
そのための秘策が謳い上げられている。

「社員の年末年始の休暇は19日間」
「年間休日数は140日」
「残業やノルマがない」
「5年に一度は会社費用で全社員海外旅行」
「会社から社員の携帯電話には連絡しない」

山田さんがかつて、新聞紙上でこんなことを言っていた。
「日本のマスコミは、企業の売り上げが数l落ちるとすぐに、“寒い”とか“氷河期”とか書き立てるが、そんな馬鹿なことがあるか!
夏の気温が40度から35度に落ちたところで、寒いのか!
まだまだ暑いじゃないか!
日本の企業はまだまだ活性化しているんだ」    

「労働時間が短ければ、どの社員もうれしい。それがやる気やアイデアにつながる」

こんな考え方の社長がどんどん出てくればうれしい!



2004.07.24 (Sat)
育児休業

日経新聞夕刊「あすへの話題」の中で、富士電機ホールディングス相談役の加藤丈夫さんが“父親が育児休職する時代”について書かれていた。
昨春、加藤さんの娘夫婦に男の子が生まれ、二人で相談した結果、産休後の育児休業を夫がとることに決めたという。
加藤さん夫婦は、大手電機メーカーに勤める婿が休業をとることに初めは驚いた。
「君が9ヵ月も・・・・・・会社はそんなことゆるしてくれるか?」
「そんな無茶を言って、会社に戻るころには机がなくなっているわよ」

実は加藤さんは、政府が推進する「男女共同参画社会」の会社での旗振り役であり、その施策の目玉が男性の育児休業であることもよく承知していたが、身内がそれに立候補したときの驚きから想像すると、男性の育児休業はまだ腹に落ちていなかったのではないかと思う。
そのあたりを本人も自覚していて、少子化が社会的な大問題となっている今日において、それを解決する手段として育児休業を取りやすい環境を整えることは大切だが、もっと必要なのは、“古い世代の頭の切り替え”であることを自嘲気味に言っていた。



2004.07.18 (San)
一期一会

仕事柄、労働相談の窓口に立つことがある。
解雇、賃金不払い、会社都合による休業等々、相談内容は実に複雑で、実に切実である。
働いている社員の相談は、生活がかかっている。
企業は、経営の存続がかかっている。
法律論だけで済ますのは簡単である。
しかし、労働法を超えたところで折り合いをつけなくてはならない場合もある。

社員と会社との出会いは“一期一会”である。
縁あって入社した社員に対し、会社は成長させる責任があるし、社員もまた、成長する義務があるような気がする。
入社があれば退社があるのだから、万一、社員が次の仕事に変わるとき、現状よりいい条件で就職できるよう、会社は積極的にバックアップできる仕組みを持つべきだろう。

「あの会社で働いていた人なら間違いがない」と世間が言ってくれるような人材育成は、実は“一期一会”という、人と人との出会いの大切さをどれだけ深く噛みしめることができるかに懸かっている。



2004.07.10 (Sat)
三菱自動車

閉鎖が決まった愛知県岡崎市の三菱自動車名古屋製作所(岡崎工場)の従業員有志が、相次ぐ不祥事で失われた信頼を取り戻そうと、市内の系列ディーラーで休日を返上して顧客の車の洗車を続けている、ことが中日新聞に出ていた。

「今、私たちにできることをやりませんか」
1カ月前、1人の従業員が社内で回した1通のメールがきっかけだった。
賛同した同僚たちが、自宅近くのそれぞれのディーラーへ手伝いを申し出た。
これまでに延べ80人以上が参加し、点検に持ち込まれた顧客のマイカーの洗車作業に取り組んできた。「一度なくした信用を取り戻すため今はできることを一生懸命にするだけ」と。

三菱自動車を木々に例えるなら、幹や葉の部分は朽ちていたり、枯れかけたりしているが、根はしっかり生きている。
こんな活動が草の根で広がっていくのなら、三菱自動車も捨てたものではない。いずれ信用を取り戻していくだろう。
組織が機能しているかどうかは、大地にどれだけ根を下ろしているかということ。
“自分の会社”という意識の中に根は芽生えている。



2004.07.03 (Sat)
出生率どうすれば上がる?

このところ年金問題が若年層にいたるまで騒がしいが、制度の問題として賦課方式はおかしい、とよく言われる。
賦課方式とは、現役世代が掛けている年金の保険料を財源として、年金の給付が賄われるというもので、積立方式と対比される。
少子高齢化が進む中では、年金の掛け手が少なくなって、年金を受けるほうが多くなっていく賦課方式のシステムでは年金制度は成り立たないことが分かってきた。
しかし、このバランスが大きく崩れている社会ではどうしたらいいのだろうか?
すぐに積立方式に移行できるものならいいが、このまま賦課方式を続けるなら、考えられることは2つしかない。
1つは、大きく掛けて小さくもらうこと。
これだと益々、掛け手が失われていくことになるだろう。
もう1つは、掛け手を多くして受け手を少なくすること。
受け手を少なくすることは、姥捨山をやるわけにもいかないから、実際としては無理である。
とどのつまり、少子化を食い止めていくしかないような気がする。
さて、出生率がどうすれば上がるのだろうか?
本音だか建前だか分からない学生の意見が中日新聞に載っていたので紹介します。

*子供に金がかからないなら生む気になる。受験戦争廃止、塾撤廃、全面公立学校化はどう?

*高校までの教育にかかる費用がもっと安ければ。今までいろいろ親に払ってもらって悪いなと思うし、自分が子供のためにそれだけ払えるとは思えない。
   
*子供を生むことへのマイナスイメージが多すぎ。痛い、体型が崩れる、育児が大変、仕事やめなくちぁ。おまけに成長したら加害者にも被害者にもなる可能性がある。

*毎月1回、停電の日を作る。

*「かわいいだけならペットで十分。言うことを聞いてくれるし」って夫婦あり。これに賛成する人が多いなら、出生率上がる見込みナシ。

*テレビの大家族の番組をかっこよくしてみる。イメージアップ間違いなし。年中ゴザ生活はいや。

*家事と育児は女の仕事、男は外で働きさえすればいい。そんな考えをみんなが捨てないと。男も妊娠出産できたらいいのに。そしたら世の中変わるかも。

*不倫がなくなれば、30代とかの独身女性も結婚するかも。とりあえず、不倫撲滅は出生率をちょっとでも上げる可能性あり。

*まず僕に彼女ができることですね。

                               

2004.06.26 (Sat)
愛労連がハンスト

県労働組合総連合(愛労連)が最低賃金の引き上げを求める681分間のハンガーストライキをした、と中日新聞に写真付の記事が出ている。
“パート・アルバイトの時給をせめて1000円に”と書かれた大ビラが写真には写されている。

愛知県の最低賃金は現在681円だから、681分間のハンストなのだろうが、11時間くらい飯を食わなくても死ぬわけではないから、それほどの覚悟でもないのだろう。
しかし、最低賃金681円は低い額なのだろうか?
週40時間制の現在では、1日8時間、1ヵ月22日の勤務として、1ヵ月176時間、最低賃金681円を乗じると119,656円が総支給額である。
そこから所得税、社会保険料、住民税など引かれたら、手取額では生活ができないのかも知れない。愛労連もそこのところを事前に調査したようである。
昨年2月、組合員を対象に、最低賃金水準で1ヵ月間生活をした結果、家計簿を記録した19人のうち13人が赤字となった。
その末のハンストだからそれなりの説得力があるが、しかし愛知県は東京、大阪にかなわないものの全国的に見ればまだまだいい方なのです。

いずれにせよ、フリーターが国民年金を払わない(払えない?)わけだ!
                         


2004.06.19 (Sat)
コーチング2

“コーチング”のことが少し分かりかけてきた。
ティーチング(teaching 教えること)に対するコーチング(coaching 指導すること)として比較すれば分かりが早いと思うが、ティーチングは一方通行の「会話」であるのに対し、コーチングは相互依存の「対話」なのであった。
下は、ビジネスにおける実際のコーチング例です。


部下:最近、私のテリトリーで売上が不振なのです。

上司:と言うと?

部下:決算で売上を先食いしたので、ある程度は仕方がないのですが、ここに来て引き合いがさ
    っぱりないのです。

上司:そうか、引き合いがないのは仕方がないとして、君は先週どんな取り組みをしたのかな?

部下:取引先を回って販売ツールを活用しながら、クロージングに持っていくのですが、成約しな
    いんです。どうも商品の需要に限界を感じているのですが。

上司:新規の取引先はきちんと開拓してるのかな?新規開拓しないとジリ貧だと思うが。

部下:それが・・・。新規の取引先を開拓しようと回っては見るものの、相手にされないことが続 く
    と滅入ってくるので、どうしても自分の通いなれた取引先に行ってしまっていますね。

上司:新規の取引先を開拓するにはどうしたらよいと思う?

部下:・・・やはり、まずは訪問して自分を売り込むことをしなければすべては始まらないでしょう
    ね。

上司:訪問して自分を売り込むとは具体的にどういうことなの?

部下:う〜ん、まず担当者と親しくなって、それから決定権のあるキーマンに引き合わせてもらう
    ことでしょうね。

上司:担当者と親しくなるということについて、君はどんな問題を感じるのかな?

部下:それが・・・私はあまり社交的な人間ではないので、やはり初対面の相手に気後れがして 
    しまいます。話が持たないこともありますし・・・

上司:話が持つようにするにはにはどうしたらよいと思う?

部下:そうですね・・・いくつか話題を準備していって、それを話すのがいいかもしれません。とく
    に業界の裏情報などはどこでも関心があるようですから。

上司:業界の裏情報はどうしたら手に入るのかな?

部下:やはり取引先さんから仕入れるしかないと思います。ということは訪問した先で情報収集
    して、それをほかでしゃべることで、また新しい情報が仕入れられそうですね。(ここで気
    付き発生)

 
上司:そうだね。そうしたら取引先訪問も少しは楽しくなるんじゃないの?

部下:おっしゃるとおりです。私はこのところ目標数字に追われて、どうも性急に売り込みをかけ
    る傾向があったように思います。それで取引先に嫌われてしまったこともありました。
(こ
    こでも気付き発生)


上司:じゃ今週どうするの?

部下:そうですね、あまり短期的に刈り取ることを考えず、見込み客作りを根気よくやってみよう
    と思います。仕入れた情報を自分でうまくアレンジすれば聴いていただけるような気がしま
    す。(指示していないのに自分でやり方を提案した)

上司:なるほど。ほかにできることはないかな?

部下:そうですね、週刊誌とかで、新聞には出てない話題ネタを仕込んでいくのも面白いんじゃ
    ないかと思います・・・(同上)



    「コーチング実践会」のホームページ(
http://www.cwo.zaq.ne.jp/coach/)
    『コーチングの例』より引用させていただきました。



2004.06.12 (Sat)
性悪説の年金制度に

年金問題が少し落ち着いてきた。
老年者だけでなく、若年者までが年金をわが身のこととして捉えるようになり、それなりに価値があったように思う。
「そもそも年金とは・・・・・・」と言うつもりはないが、自身の年金に対する考え方も整理したいと思っていた矢先、中日新聞に、同じ考え方のコラム(ファインダー欄)が掲載されていたので紹介します。

小学校の国語の教科書だったか。ある村の話を思い出す。
村人たちは村祭りに備え、村の真ん中に置いた大だるに1人1合ずつ酒を献納しようと決めた。
祭りの日、たるから酒を振舞ったらなんとそれは水だった。
村人全員が自分1人くらい酒の代わりに水を入れたってわからないだろう、と考えたから、という寓話(ぐうわ)だった。

年金未納の議員が続々と出てきた。
「自分ひとり未納したって制度は破たんしない」と考えた確信犯とは思わないが、年金制度の仕組みや精神を啓発する絶好の機会だ。

ところが、小泉首相は「未納ではなく未加入だ」と強弁したり、勤務しない社員に給料を払う形で政治献金をした社長を「太っ腹ないい社長」と持ち上げたりする体たらく。

現状の年金制度は、今受給を受けている人のために現役が払う、世代間の相身互いの制度である。「自分は年金を受け取る気がないから払わない」というのは「私は酒を飲まないからたるに水を入れる」というのと同じ行動だ。
村長自ら大だるに水を入れるような国では、性善説に基づく世代間相互制度は無理。
早急に、性悪説による制度に変更せざるを得ないのではないか。



2004.06.05 (Sat)
海が舞台人生こぎだす

日経新聞夕刊の1面に永田留美さん(28)の屈託のない笑顔が写る。                    健康で(屈強で?)、根っからの“めげない”性格は、愛らしくもあり、海を舞台にした人生を切り開いていくのには頼もしく映る。
永田さんは長崎県五島列島の出身で、水産会社を経営する父が養殖したブリを、料亭や全国のスーパーに売り込む営業の責任者。

東京の居酒屋で食べた魚の味に違和感を覚え、「父のブリなら都会でも絶対売れる。よし私が・・・」と銀行員生活を切り上げ首都圏での営業に乗り出した。
専門知識がないため、早朝の築地(市場)に通い詰め、水産用語を耳学問で学ぶとともに、スーパーや料亭に飛び込みでブリの売り込みを始めた。
五島産の無名のブリを「五島ブリ」と名付け、築地を「五島ぶりをよろしく」と長靴姿で走り回ったり、「美味の源を理解してもらいたい」と、五島列島・福江島の約10`沖合にある養殖場に月一度のペースで顧客を案内する作戦も始めた。
その熱意が伝わってか、少しづつ販路が拡大。契約先は約2年で50社あまりに達した。
「五島ブリ」を松坂牛のようなブランドに育てることが目標、と言う。

人生には熱意と誠意と創意とが必要だと言われるが、目標があることでこれらは生み出されるのかも知れない。
海を舞台にした人生に“乾杯”する日は近い!


2004.05.29 (Sat)
コーチング

講演会の案内が届いた。

『社員と共に幸せを獲得するためのコーチング』
 〜社員のやる気は幸せの獲得にある。社員が幸せを獲得する時、顧客満足は満たされる〜

すごいテーマだ。
「コーチングとは相手の潜在能力を引き出し、可能性を拡げるためのコミュニケーションスキルです。現在、マネージャーは管理職ではなく、コーチであれ!と叫ばれ、ビジネス界ではコーチングスキルは必須とされています」とも記されている。
イマイチ分からない。
コーチングとは具体的にどんな手法なのだろうか?
物の本=(出典:「コーチングブック」潟Rーチ・トゥエンティワン)を紐解いてみよう。
 
元々「コーチ(Coach)」とは「馬車」のことであり、大切な人をその人が望むところまで送り届けることを意味した。
これが学生の受験指導をする個人教師を「コーチ」と呼ぶようになり、スポーツ分野ではボート競技の指導者も「コーチ」と呼ばれた。
その後マネジメントの分野に応用され、マネジメントの中心は人間であり、人間中心のマネジメントの中でコーチングは重要なスキルとなっていったのである。

コーチングとは?

@クライアント(コーチングを受ける人)が実現したいゴールを明確にし、短時間で達成できるよう
  にサポートすること。
Aまた、行動を継続して起こしていけるようフォローしていくこと。
B大切なことは、一方的に何をしたらいいのか指示を出すのではなく、対等の立場から効果的な
 質問を投げかけることにより、自らの内側に答えを見つけることを促すこと(気づき)。
C成功、失敗の情報を整理し、この経験を次にリソース(資源)として使えるようにすること。
D学びは時間の経過とともに風化してしまうから、絶えず“on going”現在進行形でコミュニケーシ
  ョンを創り出すこと(リマインドの役割)。

さて、具体的な手法が講演会で学べるだろうか?



2004.05.22 (Sat)
パパッとわかる年金絵本

愛知県社会保険労務士会(愛社労)会員の高木隆司さんが何冊目かの本を出版した。
本の題名は何と『パパッとわかる年金絵本』。
高木さんは年金を得意分野とする「FP社労士」と名乗っているが、年金に関するその知識の深さは、群を抜いている。
私が三河西支部の研修部長の際、一度、高木さんに「確定拠出年金」の研修の講師を依頼したが、実に法律をよく読まれ、それを自分なりにまとめられ、的確に説明されていた。
専門家とはこうあらねばと啓蒙された研修会だった。
さて、本のことが中日新聞に紹介されているので引用します。

本誌生活面連載の「ねんきん探検隊」でアドバイザーをしている社会保険労務士の高木隆司さんが、複雑で分かりにくい年金制度を、すべてイラストで表現した「パパッとわかる年金絵本」(こう書房発行)を出版した。
イラストと簡単なメモで構成し、絵を見て感覚的に理解できるのが特徴だ。
例えば生年月日によって受け取り開始の時期が異なる老齢厚生年金の定額部分と報酬比例部分については、徐々に壊れていく二階建ての家と、泣いたり笑ったりする老夫婦の絵で表した。
老齢基礎年金で、通常の65歳からの受給、繰り上げ受給、繰り下げ受給のどれを選べばいいか、という疑問には、受給累計額を意味する階段を上がるおじいさんの絵で説明するなど、楽しく読めるよう工夫している。
A5判、208ページで、1,470円。



2004.05.15 (Sat)
企業の新入社員教育

陸上自衛隊豊川駐屯地(豊川市)の体験入隊が、民間企業の新入社員研修の場として人気を集めている。本来は入隊志願の若者向け制度だが、企業が精神鍛錬や体力づくりに活用。
長引く不況で少数精鋭化を迫られているからだ。新規採用者が仕事の第一線に立つこの時期は、特に体験希望が集中するという。(中日新聞)

体験入隊は駐屯地体育館横に張ったテントに寝泊りし、二泊三日の研修となる。
初日は、「気を付け」「敬礼」「回れ右」など基本教練をみっちり2時間。
2日目は、本宮山登山と止血や心臓マッサージ、負傷者搬送などの野外救急法の実習。さらに、20b先に並ぶ仲間に向かって大きな声で仕事への抱負を発表する。
最終日は体験の感想文を書いて終了。

民間企業が新入社員研修として自衛隊の体験入隊を取り入れることはいいことだ、と思う。
規律が学べるし、精神的な強さを植えつけることもでき、何より元気になれるのがいい。
振り子の時計のように、放っておけばまた元の鞘におさまってしまうが、体験という身体で覚えた経験は忘れることはないから、行き詰ったときの心の拠り所になるはずだ。
碧南市に、50`、100`ウォークの体験を通して、達成感、充実感、満足感を植えつけることに成功している企業がある。
そうした行事も社員教育の一環だろうが、足に血豆をこさえながら、時には地を這うように足を引きずって歩くことは、大地に根を下ろしていることの立証であり、ゴールまで歩き切ったときの喜びは何物にも変えられない達成感として心に残る。
この地球が生きていく上の肝心を教えてくれているような気がする。
もう少し若ければ、自衛隊に体験入隊してみたいが、身体がおぼつかないような気がする。



2004.05.08 (Sat)
率先垂範

女子バレー五輪最終予選が始まった。
たった今、日本チームはイタリア戦にフルセットの末、辛勝した。
去年11月のワールドカップ(W杯)同様に、栗原、大山といった十代の選手や花のある高橋選手らの活躍が見物だが、34歳吉原主将の悲壮感も胸を打つものがある。
史上初めて五輪出場を逃した屈辱から4年。吉原主将は言う。
「自信があるとかないとか関係ない。五輪の切符をとることしか考えていない」
「自分が先頭でやることで、いいものはまねすればいいし、それ以外は捨てればいい」
昨年4月、日本代表に復帰してから、自信を失いかけた選手の心を束ね上げるため、鬼のような形相でコートに立ち続けた。
移動日で午前の練習が休みの日、柳本監督は午前4時に練習している主将の姿を目にしている。「準備を考えたら3時には体育館にいたはずやな」と。
選手たちが先を争うように自主練習に汗を流すのは、吉原主将の率先垂範が無言の教えになっているのだろう。


2004.05.01 (Sat)
真心運転術2

少し前に「経営情報」の中で記したが、エムケイ(京都)ハイヤー課課長・中村壽男さんの仕事に取り組む姿勢に惹かれる。うわべだけのテクニックに走ると必ずといっていいほど失敗します。大事なのは真心と自分自身が仕事を楽しむ余裕です、と中村さんは言います。以下は中村さんの口述。

お客様をお待ちしている時間。同業者はこれを昼寝に充てる人もいますが、私にとっては大事な「仕込み」の時間です。
この間に、その日案内したルートの絵地図を和紙のはがきに描いておくのです。車のトランクにいつも七色のサインペンを用意しています。戻られるとお客様に「旅の記念に」とお渡しすると、すごく喜ばれます。
ナカムラは笑顔を絶やさないと言われますが、私はそれ以上に後姿に気を使っています。疲れているとき、顔はニコニコできていても後ろ姿は隠せません。私どもは、たいていお客様に後ろ姿を見られているわけですから、なおさらです。
それでは仕事中、常に緊張しっぱなしかというと、そうではありません。軽いジョークが出るのも、日ごろから仕事が心底楽しいと思っているからです。待ち時間の絵かきも、本当に楽しい。無理をして努力するようでは、どんな仕事も長続きしないのではないでしょうか。
寝る前に翌日のゲストのことを考えながら1,2時間かけて準備しますが、それも楽しい作業のひとつです。
もちろん、早朝の迎えなどつらいと思うこともあります。でも顧客からありがとうといわれたり、ほめられたりすることで、また意欲がわくというものです。その繰り返しで、仕事のつらさを克服していくのが「プロ」だと思っています。



2004.04.24 (Sat)
信長の人材活用術

日本経済新聞土曜日版・プラス1「戦国武将を見習え」から抜粋。

【従業員のやる気を引き出すには!】
天正3年(1575年)織田信長は一向一揆を平定した越前を柴田勝家に与えた。
手柄を立てた家臣には惜しみなく恩賞を与えてきた信長だが、このとき「ただし、2,3カ所の所領は空け、『ここは忠節に励む者に恩賞として与える予定地だ』と宣伝せよ」と命じた。武芸に励んでいても、恩賞として与える所領がないとわかると、勇気も忠義心もなくなるというわけである。

【守旧派を動かすには!】
美濃攻めを考えていた信長が尾張の清洲城からより美濃に近い場所に居城を移すときのこと。標高300bの二宮山に重臣を従えて出かけ、山頂から谷をさして家臣の屋敷の配置を決めていった。信長の命なので仕方がないが、家臣たちは内心、開けた清洲から山奥への転居はイヤだった。
ところが数日後、「二宮山はやめて、小牧山にする」と発表する。標高85bほどと清洲とあまり違わない環境に、家臣は喜んだ。
信長の本命は初めから小牧山だったが、清洲に愛着を持っていた家臣たちが不満を持たないようにと考えた演出だったのである。



2004.04.17 (Sat)
時間外労働

中部電力は12日、試験運転中の浜岡原子力発電所5号機(静岡県御前崎氏)のタービン建屋内で作業していた下請け会社の社員1人が9日、労働基準法が定める労働時間の延長上限を16分超過して作業していた、と発表した。(中日新聞)

上記記事を見て、何のことか分からない読者もいると思いますので、少し解説してみます。

現在、労働基準法では1週40時間(特例措置対象事業では1週44時間)、1日8時間を超えて労働させてはならないとされています。
しかし、何らかの理由で時間外労働せざるを得ないとき、使用者が過半数労働組合(過半数組合がない場合は、過半数を代表する労働者)と書面による協定(これを労使協定と呼びます)を結び、これを所轄労働基準監督署に届け出た場合は、協定の範囲内で時間外労働、休日労働をさせることができます。労働基準法第36条の定めですので、36(さぶろく)協定といいます。
通常の業務ですと、1日の時間外労働の上限時間を何時間にするかは労基法上の制限はありませんが、健康上特に有害な業務になりますと、延長の上限は1日2時間となっています。
中部電力の件では、原発の放射線を浴びる危険性のある業務ですので、当然健康上特に有害な業務に該当しており、これを1人の作業員が2時間16分延長していたことになり、16分だけ違法労働であったということです。

世間に発表するほどのことか?と思われる人が多いでしょうが、中部電力の場合、先のサービス残業問題で相当世論に叩かれていましたから、些細なことでも発表に踏み切ったのでしょう。
世知辛いといえば世知辛い世の中です。
司馬遷の『史記』には、法律が厳しくなればなるほど世の中が荒んでくる、と記されています。
杞憂であればいいのですが・・・・・・。


                                    
2004.04.11 (San)
ネームプレイト

愛知県社会保険労務士会会長から「ネームプレートの携帯をお願い致します」というインフォメーションが届いた。
かねてから偽社会保険労務士の排除に努めてきたとかで、今後社労士業務を行う上で、ネームプレートを首からぶら下げなければならないと言う。
ある程度の規模の会社や役所ではよく見かける光景だが、自分がネームプレートを首からぶら下げることなど考えたこともなかった。
これには次のような目的がある

一般市民や事業主が社労士であるなしを識別できること。
社労士会員が自覚を持って業務にあたることで、社労士の資質と信用の向上が図れること。
社労士制度のPRになること。

ああ、無情。出来るだけ目立たぬように目立たぬように生きている私が、自分はこういう者ですと首から名札をぶら下げて歩かねばならない。
格好悪すぎます。
何とかなりませんか?南部会長!



2004.04.03 (Sat)
厚生年金基金、2002年度末で10兆円積立不足(日経新聞)

厚生労働省が2日まとめた2002年度の厚生年金基金の財政状況で、昨年3月末時点で1656基金のうち95%が積み立て不足となった。
不足額の合計は11兆円と、前の年度末から約4兆円膨らんだ。
株価の低迷で運用での損失が大きかったことが響いた。
2003年度は株価の回復から積立不足額は減っているとみられる。

収支では保険料などの収入が前年度から1300億円減り4兆1200億円。
支出では給付費が2300億円増え2兆6000億円と膨らみ、保険財政を圧迫した。
基金の数は前年度末から4.7%減少。
加入者も1038万人で4.5%のマイナスとなった。
加入者数を基金のタイプ別に見ると、単独の企業で設ける基金が12.8%減と大きかった。                                                         

国に代わって運用する厚生年金基金の代行部分返上や確定拠出年金(日本版401k)の導入などで、負担を減らし、競争力の強化を目指す企業が増えている。                           「代行返上」の言葉は、いまや小説にもなっている。
大河の流れである。
 

  
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あおみ労務事務所 社会保険労務士 柴田比呂志
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