□2004.11.27 (Sat) |
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■メンター
メンター(mentor)。辞書を引くと「よい助言者」とある。
相談にあずかる人という意味で、部下のアドバイザー的存在を指す。
社員を育てる狙いで外資系企業の中にはメンター制度を導入するところが登場している。
各事業部が独自にメンタープログラムを持ち、希望する社員には適切なアドバイザー役を紹介するほか、新入社員には全員に強制的に付ける。
そのような公的なメンター以外にカジュアルメンター、つまり社員と上司が個人的に関係を築くケースが浸透している。
メンターとして部下や上司にアドバイスする内容は2つ。
1つは専門分野の話を中心に行うケース。
もう1つは子育てなど文化の側面にウエートを置くケース。
「結婚後、どうしたらプライベートとキャリアの両立が図れるか」
という具体的な相談に対し、
「フィリピンやシンガポールでナニー(お手伝いさん)を使って仕事をしたらどうか。何なら私があなたの上司に交渉してあげる」
という具合に、メンターは的確にアドバイスする。
企業にはコーチ、メンター、スポンサー、3タイプの上司がいる。
コーチとは、直属の上司のこと。
部下の仕事の仕方や業績に目を光らせ、評価も行う。
両者には緊張関係も生まれ、何でも話し合えるような交流は難しい。
スポンサーは高い地位から部下をバックアップする人。
直接相対して指導することはない。
メンターはコーチやスポンサーのように、キャリアの形成に直結する役割を果たすわけではないが、仕事に限らず生きる上での悩み、相談事に対しても幅広い視点からのアドバイスを行う、先輩のような存在である。
「社労士」という仕事は、「メンター」の部分が大きな要素となる。
それゆえ、専門的知識のほかに、自分の幅を広げていくことが肝心になる。
“生きざま”が商売になるのがこの時代である!
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□2004.11.20 (Sat) |
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■労働「時短」見直し
火曜日、政府が時短政策として掲げてきた年間労働時間1,800時間の目標が、撤廃される見通しであることが報道された。
現在、「労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法」(時短促進法)に基づき、すべての企業に一律の時短を進めているが、今後は企業の労働現場の実態に合わせ、対策を推進する方式に改められることになりそうである。
日本人の“働き過ぎ”に対する海外からの批判の“言い訳”として施行された「時短促進法」には、施行時から様々な異論があった。
「働いて責められるいわれはない」
「外国の数字で日本の労働時間が決められていいのか」
「時短やりますか、会社つぶしますか」
「働くことが好きではいけないのか」
1,800時間労働=週休2日+年間休暇7週 である。
これでやっていける企業であれば、それはいいだろう。
時短は、労働条件の改善だけでなく、余暇を増やし内需拡大を図る狙いもあるのだから。
しかし、企業が存続できないのであれば、本末転倒のような気がする。。
日本人が働くことを忘れたら、歌を忘れたカナリアじゃないかとも思う。
企業実態に合わせるという対策は、行政にようやく民間が解ってきたという証なのだろうか?
日本チェーンストア協会元会長・清水信次氏の名著「時短は国を亡ぼす」の中にある種々の警告を今一度おさらいしたい!
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□2004.11.14 (San) |
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■車椅子の女優
昨日、女優・萩生田千津子氏の講演を聞いた。
「生きててよかった!“車椅子の女優が語る”」の演題が示すように、萩生田さんは22年前に自動車での自損事故が原因で、車椅子の生活を余儀なくされている。
講演では、障害者の雇用の切実さが語られ、障害者に対する厳しい現実を垣間見た思いがする。
子供の頃から役者になりたかった。杉村春子にあこがれ、劇団「文学座」に入団。
しかし、女優としてこれからの時に、事故が起きた。
首の骨折。肩から下の感覚を失った。医師から「一生寝たきり」を宣告された。
信じられずに懸命にリハビリに取り組み、明るく振舞ってきたが、知人で、作家の水上勉氏が訊ねてきた瞬間、泣き崩れた。
「もう、女優が出来なくなりました」
誰にも言えず、隠してきた気持ちが飛び出した。
「失うたものは考えるな。声で舞台に戻って来い」
復帰をかけた舞台。肺活量は激減、息をするのが精一杯。
7つの声色を使い分け約2時間熱演した。
体力も気力も限界を超えていたが、1週間で9ステージを務め、千秋楽の幕が下りたとき、満場の拍手が聞こえた。
「生きてて良かった」
事故から1年2ヶ月が経っていた。
しかし、その後、仕事はなかった。
職安をいくつ訊ねても「その身体で何ができるの?」と言われ、障害者の現実を知り愕然とする。
「仕事はない。自分で作るしかないんだ」
そう思うと悔しさがバネに変わった。
老人ホームや施設に飛び込み「民話の語り」を聞いてもらった。
やがて、「元気がもらえる車椅子の女優」の噂が広がり、講演依頼が舞い込んだ・・・・・・。
萩生田さんは、障害者になって起業し、今では全国で年間70回以上の講演をこなしている。
黒子となって付き添っておられるご主人の励ましもあり、力強い人生を歩んでおられることに“乾杯”したい。
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□2004.11.06 (Sat) |
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■年金週間
毎年11月6日から1週間は「年金週間」です。
覚えやすいように“いいろうご”を初日にしたようです。
年金週間は、身近で大切な年金制度について、理解と信頼を深めるための週間です。
期間中には、「社会保険大会」と「年金の集い」が開催されます。
社会保険事務所では土、日とも相談会を開いていますのでどうぞご利用下さい。
■派遣社員の36協定
現在、派遣会社から社員を派遣してもらっているが、この派遣社員に対しては、当社の「36協定」が適用され、協定の枠内で時間外労働・休日労働が可能なのか?という質問がありました。
この機に、派遣労働者の労基法適用についてすこし整理してみます。
派遣労働者の労基法の適用は、基本的には派遣労働者と雇用契約を結んでいる派遣元が責任を負うものとされています。
具体的には、所定労働時間、所定休日、時間外・休日労働の有無などの労働時間の枠組みは派遣元が行います。
従って、変形労働時間制の手続き、36協定の締結・届出は派遣元の義務となります。
しかし、派遣労働者の保護という点から、派遣先に責任を負わせることが適切な事項については、“特例規定”を設けています。
これは、労働時間、休憩、休日に関する規定に基づく具体的な“管理義務”は、派遣先が行うというものです。
以上のことから、派遣元と派遣先では、労働者を派遣するに当たっての派遣契約を結び、その中に時間外・休日労働につき時間数と日数を定めておくことが必要になります。
派遣先は、この派遣契約に定めてある時間外・休日労働の範囲内で、派遣労働者に対して時間外・休日労働を命じることができるのです。
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□2004.10.31 (San) |
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■少子化議論
少し前に、JT生命誌研究館館長・中村桂子さんの少子化に対する考え方を取り上げた。
おさらいすると、中村さんの論点は次のようになる。
「少子化を数だけの問題として考えていいのか、生まれてきた子供がよかったと思える社会を作っていくことこそ必要であり、そこから社会を支える人口を議論すべきである」
この意見に共鳴する者として、世間で言う“少子化”、“少子化”の議論は空しいものに映る。
なぜ少子化ではいけないのか?
先日の七福醸造且ミ長・犬塚さんの話ではないが、人々が支え合う社会が作り出せるなら、さらに少子化が進み、人口が減少する世の中であってもいいのではないか。
大切なのは皆が生き生きと生活できる社会であって、その仕組みをどう作っていくかだろう。
今朝の中日新聞・投書欄に「少子化 悲観せず見方変えて」という小文が載っている。
少子化を考える上での有用な意見として紹介します。
『わが国は狭い国土にもかかわらず、人口は1億人を突破している。
しかし食料自給率は極めて低く、人口増による食糧難や資源不足を考えると、人口減少という傾向はむしろ理想ではないだろうか。
人類は増え過ぎた人口を、戦争、飢餓、そして流行病により抑えてきたという歴史的事実を持っている。だからこれらを総合的に見れば、自然減になっていく情勢はむしろ喜ばしいのではないか。
わが国より少ない人口でも豊かに暮らす国はある。
従って、少し見方を変えて人口減少をプラス思考に変えたらどうだろうか』
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□2004.10.24 (San) |
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■年功賃金を考える
七福醸造且ミ長・犬塚敦統さんが「会社が傾く時、伸びる時」の演題で話をされた。
犬塚さんの話の底流に流れる思想は、“相互扶助”だと感じた。
力の強い人が弱い人を助ける、能力のある人がない人を助ける、というのがこの国の良さではないか?と説かれたように思う。
その論理から「年功賃金」を肯定された。
「成果主義の賃金」は、自分さえ良ければいいという考えではないか?とまで言われた。
この国で、年功賃金が長期にわたって維持されてきたのは、それがある面で合理性を備えていたからだが、通常、賃金が年功的となる理由として次の2つが指摘される。
1つは、年齢が高まるにつれ生活を維持する費用も多くなるので、それを保障するために賃金が年功的になるということ。
もう1つは、経験を積むに従い熟練が高まるので、熟練程度の高い年長者の賃金が高くなるということ。
しかし、後者の理由は、現代では当てはまらない場合が多いだろう。
職人の技が必要な仕事そのものが失せてきたのである。
企業がシステムで仕事を遂行する中では、熟練や経験に対する敬意は失われ、逆に若年者の方が労働生産性が高いという現象が生まれた。
とすれば、年功賃金の理由は前者に絞られる。これだけで年功賃金の合理性が言えるのか、という疑問が湧くのは当然だろう。
果たして、成果主義の賃金が日の目を見ることになった。
しかし、能力や成果だけで計っていいものか、と犬塚さんは言う。
能力のある人はそれだけ恵まれているのだから、そうでない人に分け与えてあげる精神が必要。能力が通常の3分の1の人はどうするのか?生活できないじゃないか。
皆が互いに助け合う、これが年功賃金の良さなのだと。
現状の年金制度も、今受給を受けている人のために現役が払う、世代間の相互扶助の制度である。それだけに自分さえ良ければという物の考え方は慎みたい。
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□2004.10.17 (San) |
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■落語家の失業率?
東京には400人の落語家がいますが、現役の落語家の名前が何人言えますか?
名前の出てこない落語家は実は失業しているのです。
そうすると、落語家の失業率はおおむね95%ということになります。
厚生労働省が言うところの失業率は5%ですから何という高さでしょうか。
なのに、アルバイトしている人はいないし、かみさんを働かしている人もいないということです。
「どうだい景気は?」
「景気どころじゃない。首くくりたくたって紐が買えない」
「景気はめまいするほど悪いです」
とか言いながら、何とか食いつないでいるのが落語家たちなのです。
もともとが好きで選んだ道。噺が好き、落語が好き、楽屋が好き。
着物着て、角帯締めて、太鼓聞くのが大好きな連中だから、食えなくても我慢できる。
落語家が確定申告などで税務署に行くと疑われるそうです。
「どうやって生きてんの?」
「水飲んでいきてるんだ」
と言ったとか言わないとか。
「しかし、苦労して身につけた噺が今の財産。食えなくてもやり続けることが大事。
“好きこそものの上手なれ”を、もう一度思い出してほしい」
昔、“円鏡さん”として茶の間をわかした橘家円蔵師匠のお言葉です。
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□2004.10.09 (Sat) |
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■少子化は「数」の問題か?
JT生命誌研究館館長・中村桂子さんが、見出しのように問いを投げかけています。
「多くの人が“少子化”という言葉の“小”と“化”に眼を向け、間に入っているのが、子どもであることに、それほど注目していないらしい」
中村さんが言うのはもっともなことだと思います。
今まで、なぜ少子化を防ぐのか?と言ったときの回答は決まって、将来の労働人口の減少を防止するとか、または年金資金の不足が心配だから、といったものではなかったでしょうか。
「子どもは数だけで考えてよいものではない。生まれてきた子どもの一生を考えて、生まれてきてよかったと思える社会をつくることは、いつの時代でもその社会の構成員の願いであり、努力すべきことである」
「数を云々するのではなく、どのような社会が皆が生き生きと暮らせる社会であるかということが先であり、それによって社会を支える人口も変わってくるだろう」
とかく、“少子化”は悪であるという偏見が先にあり、悪を斬るための“隠密剣士”を気取って、やれ税制をどうすればいいとか、夫婦別姓や婚外子を法律的に認めよだとか、そんなことばかり言っていたような気がします。
“生まれてきてよかった”と思える社会づくり!そういった観点から考えれば、結果として少子化が防げるのかも知れません。
急いては事を仕損じる、とか。
あせらず、あわてず、宇宙的視野で考えていきたいものです。
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□2004.10.02 (Sat) |
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■ストレス2
引き続き、“ストレス”。
中日新聞・日曜版「おばさん辞典」に、“ストレスをためない法”が載っています。
当たり前といえば当たり前の論理ですが、果たして実践できるのか?というとそうでもないですね。以下抜粋します。
帰りの電車でKさんと一緒になった。
「私、本当はビールが大好き。350ml一缶でいい、晩ご飯のとき、冷えたのをグーッと飲めたらきっと1日の疲れも取れるのに。でも、ずっと我慢しているの」
理由はなんだろう。
「夫が酒類をひと口も飲めない人。夫がご飯食べている前で女の私がビール飲むのは悪いでしょ」
「逆の場合を考えてみて。どう思う?」
「夫が晩酌している、飲めない妻はご飯を食べている、と。あら、なんとも思わないわ」
「でしょう」
「でも夫がいやな顔するかもしれない」
そうか、Kさんは夫に「お酒を飲む妻=好ましくない妻」と思われたくないのだ。
えらい。50半ばになっても夫に「いい妻」と思われたいなんて。
私なんか、夫の顔色など見ずに飲みたいときは飲む。
「それがストレスをためないコツかな」
「うん!自分が飲みたければ飲めばいいのよね」
Kさんは元気づいた。
さて、Kさんは「一缶のビール」を実行できただろうか。
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□2004.09.26 (San) |
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■ストレス
現代病と言われるストレス。
ストレスの実態はよく分からないが、私は趣味も多く、やりたいことをやるのに躊躇がないから、ストレスが溜まらない方だと思う。
しかし、多くの方からストレスについて言われると、人間は何か背負わなければいけないものがあるのではないかと、逆に不安になる。
10年ほど前だっただろうか?
愛知県社会保険労務士会で「ストレス」についての講演会を、現在、名古屋大学付属病院の院長である・大島教授を講師として開催した。
大島さんは、その当時中京病院の副院長をされていたと思うが、こんなお話をされた。
あるとき、西尾市内の暴力団の組長が、暴力団同士の抗争事件に巻き込まれて大怪我をし、中京病院に運び込まれた。
“親分”が入院したと知るや、大島さんは興味半分で、用もないのに病室へ会いにいった。
2人の交流は始まり、大島さんは自分のストレスとなっている悩みを話すまでになっていった。
「自分は医師でもあるが、経営者でもある。医師としていい治療をしたくても、経営者としてできない場合がある」
「患者に手術をした方がいいか、しない方がいいかその決断に思い悩むことがよくある」
こんな悩みを話したところ、“親分”は次のように言った。
「先生方は気楽でいいですなぁ。そんなことで悩むんですか?ましてや他人のことじゃないですか。私たちが決断といったときは、白いべべ着るか、青いべべ着るか、どちらかですよ。
相手にヤラレて、白いべべ着て棺桶に入るか、相手をヤッて、青いべべの刑務所に入るか、私たちの決断というのは、そういうものです」
大島さんは講演の中で、「そんな話を聞けば、自分が抱いているストレスなんか、吹けば飛ぶようなものだ」と述懐しておられたが、これは実にいい話だ!
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□2004.09.18 (Sat) |
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■人材育成
かつて、プロ野球の「ヤクルト」や「西武」を日本一に導いた名監督・広岡達朗が“人材育成”に関してこんなことを言っている。
「人間の力に差はない。私の哲学だ。
無意識にすばらしいプレーができる天才肌をそろえた巨人に比べ、他球団はいわばその2番手、3番手の選手での戦いが強いられる。
ここで大切なのが、育てるという作業。半端じゃない作業を、監督、コーチがいかに根気よく続けることができるかが、将来のチームを左右する。
首脳陣が“あんな選手”とか“才能がない”と選手を見捨ててしまっては強いチームは到底こしらえることはできない。
才能の開花は、人によって早いか、遅いかはあるが、潜在的な能力は必ず花開く時がある。
選手の目が輝きだし、“もっとうまくなりたい”という前向きな欲が全身からほとばしる。
教える側にも欲が出てきて、両者の歯車が見事にかみ合う。
肝心なのは、選手が答えを出し切るまで、決してあきらめないという決意だ」
広岡さんが言うように、人を育てるということは“根気”だと、つくづく思う。
そして、経営も同じなのではないか、と思う。
数年前、私は「経営は“忍耐”だ」と論文に書いた。
「家庭で子供をしつけるように、長い長い道のりをもがきながらも、決して苦にせず、経営そのものをしつけていくことが大切ではあるまいか」
そして、「東照宮御遺訓」を掲げた後、次のように結んだ。
「同じ歩くなら、遠く長い道のりを苦にせず、むしろ楽しんで歩んでいきたい。
“艱難汝を玉にす”という。暖かみのある玉を磨いていきたいと思う」
しかし、“忍耐”とは何と辛いことだろうか!
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□2004.09.11 (Sat) |
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■先生たちもインターンシップ
長野市立東北中学校のほぼ全員の教諭31名がインターンシップ(職場体験学習)に挑戦、という記事が「中小企業家新聞」に載っている。
社員の指導を受け、真剣そのものの表情で、作業に取り組んでいる姿は微笑ましい。
生徒が職場体験学習をするのは、どの地域でも見られる光景だが、先生の体験学習は珍しいのではないかと思う。
しかし、考えてみれば、教諭は大学を卒業すると同時に“先生”となり、その意味で、“世間に暗い”ことは否めない。
どの世界でもそうであるように、教諭なりの辛さ、悲しさはあるだろうが、企業で働く人の辛さ、厳しさにはかなわないものだと思う。
そこのところが理解できれば一人前で、体験学習でより幅のある“先生”になるのではないか。
できるなら、1週間と言わず、夏休みの40日間位は体験学習に当ててもいい。
思いやりのある先生になっていくこと請け合いである。
学校側は、職場体験学習の目的を次のように言っている。
「学校以外の職場を体験することで、人との接し方や仕事に対する心構えなど視野を広げる機会とするとともに、教師としての生き方を見つめ直し、今後の生徒指導に役立ていきたい」
“教師としての生き方を見つめ直す”というのは、いい言葉だ!
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□2004.09.04 (Sat) |
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■少子化抑制2
少子化抑制の妙案? をご紹介します。
作家・小川由里さんからの提案です。
A氏は自宅で塾を開いている。
1人っ子が多くなって、少子化を実感しているという。
「厚生労働省の2003年人口動態統計で合計特殊出生率(1人の女性が一生に平均何人の子どもを生むかの推計)が、1.29ですもんね。ぼくは少子化対策の妙案を持っているんですよ」
ハイ、伺います。
「国が、結婚したくても相手が見つからない男女のために窓口を設けるべきです」
なるほど。見合いの世話を焼くおばさんの代わりですね。
「各役所に低料金の結婚奨励課を置いて、全国の登録者の中から希望条件に合う者を探します。広域で男女が出会えます。登録者は25歳からですな」
A氏の案を30歳前後の息子、娘を持つ友人たちに聞いてみた。
「賛成。国立ならぜひ利用させたい。でも、課の名称があからさますぎて行きにくいかも」
「国立出会い課、では」
「いい!私も将来利用できるように中高年部門があるといいな」
こら。少子化対策の話です。 (日経新聞・おばさん辞典)
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□2004.08.28 (Sat) |
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■少子化抑制
少子化問題が深刻になっている。
少子化によって長期的な労働力と消費力が縮小されるため、経済が大きな打撃を被るということらしいが、私は仕事柄どうしても“年金制度の破綻”というところに目がいってしまう。
少子化と高齢化は別次元のものだが、年金制度に限っていえば、2つの問題が重なることで厳しい現実が突きつけられる。
払えども払えどもわが年金の支払いはなしじっと手を見る
石川啄木のような気持ちを招かぬように、少子化抑制のための長期プログラムが待たれるところだが、よく言われる少子化抑制策をまとめてみます。
税制面の優遇措置
フランスで採用している「N分N乗方式」。夫妻をそれぞれ1、子供を0.5(3子以降は1)として税金を計算する。夫婦と子供2
人の4人家族なら、その家庭の所得を3で割って税務申告する。
パックス制度
これまたフランスで導入された制度。同性、異性を問わず未婚のカップルに対して、遺産相続などで夫婦に近い権利を認める。
主婦業のアウトソーシング
少子化の原因には、結婚する人が減ったこともある。女性が働くのは当たり前になったが、多くの男性は家事や育児をしない。子供を生むため、仕事をやめるか、仕事のランクを下げるか悩む女性が多い。そこで主婦業のアウトソーシングにアジアの労働力を入れていく。
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□2004.08.21 (Sat) |
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■コーチングに学べ
部下のやる気を引き出し、能力を伸ばす有効な手法、として注目を集めている“コーチング”。
コーチングとはコミュニケーションにより本人も意識していない問題や回答を整理して引き出す考え方で、コミュニケーションのとりかたで、人を「支配」「分析」「促進」「支持」の4つの型に分け、それぞれに応じた対応を促していきます。
以下、部下のコミュニケーションをとる上での特徴とタイプ別の対処法です。
特 徴 かかわり方のコツ
支配型 行動的・野心的で決断力あり 命令や指示ではなく、ある程度任せる
他人より仕事、結果がすべて 話を端的にまとめ、威圧的に接しない
分析型 情報を収集・分析して計画を立てる 意見を押しつけず、論理的に説明
客観的・論理的で粘り強い 本人のペースを尊重する
促進型 考えが豊かでエネルギッシュ 独善的になりやすいので軌道修正を
順応性は高いがあきっぽい 相手の立場を頭から否定せず承認して
指示型 穏やかで協調性が高い 相手の真意を確かめながら物事を進める
人の支援を好み、気配り上手 感謝の言葉などをはさみ努力を認める
(日本経済新聞から抜粋)
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□2004.08.14 (Sat) |
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■給料を画面で見る
日経新聞(夕刊)『あすへの話題』の中に面白い記事が載っている。
今、ITの進んだ会社では、毎月の給料や賞与の明細表は紙に印刷するのではなく、各自がパソコンの画面で見るというのである。
給料や賞与が袋に詰まった現金支給から銀行振みになって久しい(無論、現金支給の会社もまだまだ多い)が、給料を画面で見るに至っては、どんどん仕事に対する“味わい”が薄れていくような気がする。要するに情緒がないのである。
社長が社員に対して「ご苦労さん」とねぎらいの声を掛けることが、社員にとってどれほど励みになったり、やる気を植え付けることになっただろうか?
かつての職場はそんな情緒が充満していただろうし、それゆえ社員の会社への帰属意識は今よりはるかに高かったのである。
派遣労働者やフリーターの比率が上がる一方の社会ではもはや、“帰属”という言葉そのものが死語なのだろうか?
今の社会は“仕事”と“給料”がみごとに二元化されていて、それは合理的には違いないが、何か大切なものを失いつあるような気がしてならない。
もっと進んだ会社では、毎月の給料明細を示すパソコン画面の下に「いま貴方が会社を辞めると退職金はこの額になります」という表示まで出るというから、ちょっと怖いような気もする。
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□2004.08.07 (Sat) |
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■職人芸の伝承法
昨日の日本経済新聞(夕刊)に、全国から瓦葺職人を目指す若者が集まる「愛知県瓦高等職業訓練校」の教務主任・今井一好さんの“職人芸の伝承法”が記されています。
今井さんは、施工会社を経営する傍ら、教鞭を執り続けているが、彼には今の若者気質が次のように映る、と言います。
「僕らの世代は親に服従でしたが、今は親が優しくなってきているばかりか、、子供のほうが強い。厳しさを嫌う傾向が強く、手取り足取り教えてもらおうという甘えがあります。
しかし、一方で、おだてて気分に乗せてやると意外な力を発揮する。仕事を教えるのではなく、遊び半分の気分で指導する。そりが異なる瓦を重ねていく瓦葺の技術は、ジグソーパズルに似ている。ゲーム感覚で生徒に動機づけするのにパソコンソフトの導入も考えています。」
卒業生からはカメラ付き携帯電話で撮影した現場写真をメールで送り助言を求めてくることもしばしばある、と言います。
「労務管理」は“人を活かす”ことを基本としているが、今井さんの言葉は、働く人の気質を理解することの大切さを教えているようです。
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