あおみ労務事務所
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労務記録
「会社の粘着力を増すためには社員との共通の思い出をより多く持て」と、明日香出版社の社長・石野誠一氏が、かつての講演会の中で言っていたことを思い出します。
このページでは、労務管理の意義を、「人を生かす」という視点でとらえ、業務で体験した出来事や身近で話題になったことなど、労務管理の記録を発信していきます。
2005.12.31 (Sat)
人事とは?

2005年語録が中日新聞に載っている。

「弁当禁止おかしい」(愛知万博の弁当持ち込み禁止を変更するよう求めた小泉首相)
「気が動転していた」(尼崎JR脱線事故負傷者の救助活動に加わらず現場を立ち去った、乗車していたJR西日本の男性運転士)
「国民の負担増なくして少子高齢化は乗り切れない」(サラリーマン増税を中心とした報告書を発表した政府税調の石弘光会長)
「本当は絶対やってはいけないと分かりつつ弱い自分がいた」(耐震強度偽装事件の衆院証人喚問で、姉歯秀次元一級建築士)

など、語録を見ても、明るい話題に乏しい。秋から冬にかけて耐震偽装と少女殺害が終日メディアを賑わしていたので、特に今年は暗いイメージがつきまとう。
唯一「料亭に行きたい」(26歳で初当選した自民党の杉村太蔵議員)がほっとさせる。

「黒田家の一人として新しい生活に臨んでまいりたい」(天皇家の長女紀宮さまから民間人の妻となった黒田清子さん)

暗いイメージの中で一際輝いて見えるのが紀宮さまのご成婚だろう。
そして、母親である美智子皇后の愛情の深さが痛いほど感じられた。
美智子さまは民間から皇室に嫁がれた方である。紀宮さまは皇室から民間に嫁がれた。
それを想定しながら、美智子さまは紀宮さまが小さいうちから、庶民の心が分るように、そして庶民の暮らしが分るように教育された。

実はこれが人事である。美智子さまが紀宮さまを導かれたように、会社にとって、新入社員の3年後、5年後、10年後を見据えて、どんなキャリアを積ませたらいいのか、どんなスキルを身につけさせたらいいのかを図っていくことが人事なのである。

「わたしは、わたしの足りないところを周りの皆さんに赦していただいてここまで来たのよ」

皇太子のご成婚のとき、美智子さまが言われた言葉が胸に残っている。
人は完全ではないのだから、足りないところがある。その足りない部分を皆が補ってくれる。
あなたも人の足りないところを補ってあげなさい、と。

企業が活性化していくかどうかは、実はこの補える関係が構築できるかどうかで決まる。
助け合える人間関係ができれば、必ず企業は活き活きとしていくはずだ。
それを美智子さまの愛情に見ることができると思うが、どうだろうか?



2005.12.24 (Sat)
ハローワークの採用

景気の良し悪しは、人の流れによっておよその判断が出来ます。
景気が良いときの人の流れは大企業に向いているし、悪いときは小企業に向いています。
今は、零細企業から小企業へ、小企業から中企業へ、そして中企業から大企業へと。
人は、景気回復や企業の業績改善を背景に、より好条件の職を求めていくのです。

10月の有効求人倍率が出揃いました。全国、愛知県、刈谷管内を比較してみましょう。

全      国    0.98(前月比 0.01ポイント増)
愛  知   県     1.66(前月比 0.02ポイント減)
刈谷職安管内    2.21(前月比 0.02ポイント増)

有効求人倍率は、求職者1人あたりの求人数を表します。
全国に比べ、愛知県の有効求人倍率は著しく高く、さらに刈谷管内では異常な数値です。
数値が高いほど景気が良いといえますから、愛知県とりわけ西三河は、並外れて景気の良い地方といえるでしょう。単にトヨタ自動車が牽引しているだけかも知れませんが・・・。

有効求人倍率が上昇すれば、中小企業の求人が難しくなってきます。
刈谷管内に限定すれば、2社で1人を奪い合う格好になります。
しかし、人がより好条件を求めて流れていくことを考えれば、求職者は大企業に奪われるだけで、小企業は指をくわえて座視するしかないのでしょうか?


採用コンサルタント・矢田祐二氏が、“ハローワークの採用”について語っています。
以下一部抜粋させて頂きます。


「地域性」と「求人票の内容」さえ考えれば、ハローワークの求人の効果は上がります。

まずは、「地域性」。私の経験上では、ハローワークは、都心部より田舎や郊外で有効です。
田舎や郊外では有効な広告媒体(雑誌やフリーペーパー、転職フェア)がなく、求職者からしたらどうしても新聞折込か、ハローワークしかありません。
特に、緊急を要する人や行動派の人からするとハローワークに行かざるを得ない。
一度、ハローワークに足を運んで見ることです。きっと、その繁盛ぶりに驚くはずです。(ハローワークから紹介がないという会社は反省する機会になります)

そして、
「求人票の内容」
求人票とは、求職者におくる最初のコミュニケーションであり、出会いの第一歩となります。

「うちは、○○を作っている会社です!!こんなぁ思いでモノをつくっていて、こんなぁ夢に向かってやっています。こんな条件でよければぜひ来てください!!一緒に楽しく働きましょう!」

「○○製造のメーカー 製造工程 雇用条件:○○円 残業手当あり・・・・・」 

2社のどちらを選びますか?
ハローワークは結婚紹介所(?)のようなものと考えると、お見合いのプロフィールに身長、体重、勤務先、年収ばかり書きませんでしょう。「自分はのんびり屋ですが、芯はシッカリもっています」や「あかるい性格です」ぐらいは書きますね。
そして、すこしぐらい良く見せようとしますね。(嘘はだめですが・・・)
間違っても、初めのコミュニケーションが無愛想ではいけません。
相手が自分に関心をもってくれそうなメッセージを送りましょう。


   
採用コンサルタント・矢田祐二氏のホームページ http://www.ys-s.net/



2005.12.18 (San)
愛知中小企業家同友会

先月、愛知中小企業家同友会 三河支部 碧南高浜地区の11月例会で、株式会社ミカワ・営業部長の遠山健一氏が「良い経営者になるために」〜後継者のドタバタ記〜と題して報告されました。たまたま私に例会の感想をという依頼があったので、後継者の経営に対する思いや同友会の学びがどんなものであるかを以下記すことにします。


11月例会は、総勢56人の参加のもと、碧南・高浜地区の若きリーダー・遠山氏による報告「後継者のドタバタ記」とその後のグループ討論により、良い経営者になるための学びの実践について、その考え方を深めていきました。 

「とうとうこの日が来てしまった」

遠山氏の冒頭の言葉が印象に残ります。良い経営者になるために、同友会の門を叩き、地区の先輩諸氏と学び会う充実した日々の中にあって、しかし、人の前で話すことの怖さを端的に表現した言葉として胸に迫ります。入社4年目で、まだまだ一人前とは言い難い後継者が、どれだけ気の利いた話ができるだろうか、と。

しかし、遠山氏は、株式会社ミカワの一員としての切実な現実を、洗いざらい溢れる笑顔で語られました。今までは会社で引かれたレールの上を転がっていただけで、発言を遠慮することも多かったこと。後継者としての気づいた経営上の諸問題を解決するために着手した改革と3つの失敗。そして、会社を潰さないようにとの切ない思い等々、社内で四苦八苦する絵模様は、経営者の誰もが一度は通る道を今まさに愚直に歩いているのだと、多くの聞き手をして好感を持ってうなずかせる内容でした。

同友会に入って1年。経営に対する考え方も変わってきました。利益、儲けといった目の前の事象だけを見つめていた今までと変わって、会社や自分自身の目的、目標をはっきりさせ、さらに会社の存続といった大所高所からの視点で物事を見つめることができるようになってきています。“人の話を聞くようになってきた”“損得を考えない営業”“社員満足”という言葉が示すように、それは、後継者としての認識がもたらした成果でもあったのです。 

後半のグループ討論では、辛口の意見が続出します。「失敗を成功に導くためのやり抜く気力が足らない」「業務の遂行を徹底的にやらなくてはいけない」「社内のコミュニケーションがとれてない」など、一様に後継者としての甘さを指摘する声が上がりました。それらを省みて、「決心覚悟」「善事即行」を胸に大空へ飛躍していかれることを切に願っているのが、同友会で学び合う私たち仲間なのです。   



2005.12.10 (Sat)
倫理

中日新聞編集局長・加藤幹敏さんが最近の「士」の字がつく人々の不祥事を嘆いておられる。
話題の建築士のみならず、公認会計士や弁護士、代議士。
ご丁寧に二つも「士」を持つ民主党衆議院議員が、弁護士法違反で逮捕されたばかりだ。
彼は「国士」を気取った行動でも有名だった。

「『建築家』とは本来、職業(ジョブ)ではなく、職能(プロフェッション)。
プロフェッションはもともと信仰の告白を意味し、建築家は、自らに倫理を課すとされる。
従って、利益を追求するビジネスではなく、倫理に縛られる」(渡辺武信さん・建築家、詩人)

そして、加藤さんはこう結んでいる。
「士とは侍であり、最も倫理を重んじるがゆえに権威を認められた存在ではなかったのか。
彼らの矜持はどこへいってしまったのだろう」

先月、属している中小企業家の集まりで副支部長(事故後すぐ退会)の不祥事があった。
深夜、飲酒運転の末、国道を逆走し相手車と正面衝突するという惨事。相手は死亡した。
いい会社をつくろう、いい経営者になろう、いい経営環境をつくろう、という三つの目的を追求する団体の指導者がこれで、何が三つの目的の遂行なのか、と罵倒されても仕方ない。

人として正しい行いをすること。
それを腹にしっかり落とし、身辺をきれいにしていく。
そして正々堂々と職能を全うすることを誓いたい!



2005.12.04 (San)
成果主義

金曜日、T社から賃金形態を変更したいとの相談依頼。
T社は創業から100年を数える家具専門の老舗メーカー。
売上が逓減しており、この状況を打破したいとの思いから、営業職に限って90年代に多くの企業で導入された成果主義賃金を採用したい意向を示された。

成果主義とは、仕事でどんな成績を上げたかを評価し、賃金を決める方法。
例えば、営業職なら、どの程度製品を売るかといった目標を立て、実際の達成率を評価して翌年度の報酬に反映する仕組みで、完全な結果重視で賃金を決める。
前年のご褒美を後払いすることなので、賃金の払い過ぎを防げ、会社にとっては好都合。
しかし、賃金の圧縮を狙ったこの方法は大部分が不成功に終わった。
ヤル気の上昇を促すはずが、ほとんどの企業でヤル気の低下に繋がっている。

そもそも目的が間違っている。
人事制度の本来の目的は、その仕組みを通じて社員を育成し、能力を向上させること。
会社が求める評価項目に照らし合わせて、管理者が部下を評価し、結果をきちんとフィードバックする。できていない部分を管理者が情熱を込めて指導・教育する。
その姿勢・行動が社員をヤル気にさせ、部下・会社の業績向上に繋がるのである。

この本来の目的が経営者の腹に落とされてなければ、成果主義は個人主義を導き、社員に自分さえ良ければいい、という誤った考えを植えつけてしまうだろう。
さらに、業績が悪化している会社ではますます暗い職場が形成されて、社員の士気がどんどん落ちていくことになる。

T社では毎週営業会議が開催されているが、社長の独壇場になっている。
営業マンは暗い雰囲気を漂わせ、皆うつむいている、と聞く。
成果主義を採用すれば、ますます暗さが増していくことだろう。
まず、明るい会議にすること。せめて会議で元気が出るようにすること。
そのためにどうしたらいいかを皆で考えてもらうよう提案した。



2005.11.28 (Mon)
生きる意味

命の大切さや生きることの意味を問い直す「命を大切にする教育」賢人フォーラムが、来月13日にウィルあいちで開催される、と中日新聞・愛知県版に出ている。
“賢人フォーラム”という名からして怪しい感じがしないでもないが、JT生命誌研究館の館長・中村桂子さんが「手間暇かけて」と題して基調講演するくらいだから、マトモなものなのだろう。
それはそうと、生きる意味なんてあるのだろうか?

五木寛之さんがかつて、「人生の目的はない。生きることが目的」と言っていたが、そのくらいの気軽さで生きていくのがちょうどいいのかもしれない。
生きる意味なんて何とでも言えるし、問い直すべきものではないような気がする。
心の赴くままの自然体を保てれば、そこに何かが宿るのだろう。
「唐九郎の再来」と注目されている若い陶芸家・加藤高宏さんがこんなことを言っている。

「作陶の醍醐味は、自分の思いを作品に表現することです。
釜の中は火の神様のなせる業で、いわば大宇宙です。宇宙の摂理に自分の意思をどう押し込んでいくか、そこに絶妙な感覚が要求されるのです。
意思が強すぎても弱すぎても、いい作品はできないのです」

そうかもしれない。自然体を貫くことは難しいことだが、そこに至る過程が修行なのだろう。
加藤さんが陶芸を始めたとき、父親の重高さんは「教えないことは最大の教えること」と、何も教えてくれなかったそうである。

「教えることがかえって独自の方法で容易に到達できることの邪魔をしたり、後になっても教えられた影響から解放されずに苦労することになる」

生きる意味を探すことは難しい。人生を展望するというのはさらに難しいことだろう。
大切なのは、やる気と、何を人生の指針にするかである。
それが育まれたとき、自然体の自分があるのだろう。



2005.11.19 (Sat)
生徒指導にコーチング

企業研修や社会人の自己啓発などで盛んに採り入れられている指導技術“コーチング”の考え方を教育現場でも活用する動きが広がっている。
中日新聞には、愛知県刈谷市の刈谷南中学校の事例が、こんなやりとりで報じられている。

教諭 「学級代表として何をしたいと思っていますか?」

生徒 「合唱コンクールの優勝」

教諭 「その目標へ今、10点満点中何点ぐらい?」

生徒 「5か6かな」

教諭 「足りない部分は何だろう」

生徒 「やる気が1、声の出し方が1.5。合計9になったら優勝できると思う」

対話を続けるうち、女子に比べて男子のやる気が足りないこと、そんな男子の態度を女子が快く思っていないことという状態が見えてきた。
教諭はさらに、「男子のやる気を出すには誰がキーパーソン?」「彼にどんな言葉を掛ければいいかな」などと質問し、答えを引き出していく。
しだいに生徒に気づきが生まれ、課題の本質を知覚するようになる。

「本当の自分の目標はクラスのまとまりで、合唱コンはそのきっかけだと分った。最初は具体的に何をしていいか分らなかったが、自分の意志や思いがはっきりした」と生徒。

「自分に都合よく授業を進めるのではなく、生徒がなぜそう思ったのかを引き出すよう努めている。生徒も自信を持って発言するようになり、授業の活性化につながった。1人1人の子供たちが、自分の夢や将来のビジョンを明確にできるようにしたい」と教諭。

コーチングがあらゆる場所で活用されている。
コーチングは、対話をする中で、相手の潜在意識や現状、目標、行動を明確にし、自主的な行動につなげて成果をあげるよう指導するコミュニケーション技術。

家庭でも町内会でも、地域コュミュニティでもどんどん活用していけばいい!



2005.11.13 (San)
厚生年金受取額は?

昨日の日経新聞・NIKKEIプラス1 に、厚生年金の受取額の目安が載っている。
受取額は、働いていたときの賃金と働いていた期間に比例して決まる。

厚生省の試算によると、男性会社員の平均月収は現在、約36万円(このほか年に3.6ヵ月分のボーナスがある)。40年間この水準の収入があれば年金月額は約17万円。
一方、女子の平均月収は約22万円(同)。この水準で40年間働くと年金は月13万円になる。

厚生年金制度を解説するとき、「モデル年金額は月約23万円」とよくいわれる。
これは平均賃金の男性が40年間会社に勤め、なおかつ、40年間専業主婦の妻が連れ添った場合の世帯の金額。

さて、実際の年金受取額はどのくらいになるだろうか?
受け取れる金額を簡便法でみると次のようになる。
   
1 10 20 30 40
15 3.4 34 68 102 136
20 3.8 38 76 114 152
25 4.3 43 86 129 172
30 4.8 48 96 144 192
35 5.2 52 104 156 208
40 5.7 57 114 171 228

(注) 縦軸 働いた期間の平均月収(万円、ほかに年に月収の3.6ヵ月分のボーナスあり)
    横軸 働いた期間(年)
    自分の平均年収がいくらかを考える際、過去の月収は物価上昇などを踏まえて現在
    価値に引き直して計算。受取金額の目安は現行制度をもとにした現時点の金額。 



2005.11.05 (Sat)
往き生き抜く

先日、“心の元気塾”・真宗入門講座を受講した。
心の元気塾は、真宗大谷派 岡崎教区第14組(碧南地区)が主催する講座で、毎年、心の問題を取り上げ、開催されている。今年のテーマは、“往き生き抜く”。
「生きていても生きる実感がもてない。なぜだろうか?」の問いに、住職、門徒を中心とした塾生が真摯に考え、心を拓いて行った。

生きる実感が持てないのは、目標がないからだという気がする。
6月に癌で亡くなった父が、亡くなる数ヶ月前に、体が良くなったらお遍路さんの旅に出たい、と話していたことを思い出す。 四国霊場八十八箇所を自分の足で歩いて回りたいと。
父にとっては、“遍路の旅”がその時の目標だった。
人は目標ができると、こうもうれしそうに、いい顔で話すのかと思った。

人だけではなく組織もまたそうだろう。企業目標があることで組織は活性化されていく。
目標は、路傍にたたずむ道祖神のように行き先を教えてくれるし、投網のように生きていく術を投げかけてくれる。それゆえ私たちは、安心して日々を送ることができるのだろう。
目標を持つこと。企業にとって大切なことだ。
それから、企業とりわけ中小企業にとってもうひとつ大切なことは、知恵を出すこと。
金も技術もなく人材もいない中小企業にとっては、ない知恵を出すことが求められる。

夏目漱石にこんなエピソードがある。

漱石が旧制一高の講師として教壇で講義していたとき、懐手をしていた生徒がいた。
漱石がその生徒を咎めたが、彼は懐手をしているのではなく、元々腕がなかった。
周りの仲間が、彼は腕がないのです、と言ったとき、漱石が咄嗟に放った言葉はこうだった。

 俺もない知恵を出して話しているんだ。君もない腕を出せ!

心の元気塾からずいぶん話がそれたが、心の問題は人だけではない。
企業に置き換えても充分語ることができる。
大切なことは、心の元気な企業づくり、その一助を我々が担っているということだ!



2005.10.30 (San)
夜のお花畑

豊橋“夜のお花畑”が紙上に写し出されている。
お花畑の主役はもちろん花ではなく、ペットボトルの明かりである。
とよはし(10484)の語呂合わせで10,484本のペットボトルキャンドルを使った「日本一のキャンドルナイト」が豊橋市の豊橋公園で行われ、周囲は幻想的な雰囲気に包まれた、とある。
ちょうど、京都・嵯峨野の千灯供養(化野念仏寺)を思い浮かべてもらえばいいが、夢と現実のはざまを流れるわずかなひと時が何とも奇異で、また何ともうれしい催しである。

今朝の日経新聞の見出しに、「銀行の直接雇用拡大」と記されている。
大手銀行が相次いで人材派遣会社から受けている社員を銀行が雇用主になる直接契約に切り替えているという。不良債権処理を済ませた銀行が、景気回復を背景にいよいよ人材確保に動き出したということだろう。
派遣法では直接雇用を原則としているから、この動きは喜ばしいことだが、派遣会社にとっては手塩で育てた(?)わが子をとられた父親のようで、少々辛いところだろう。

派遣法は、銀行の場合、一定の技能者を除けば最長で3年を越えて勤務できないから、派遣元の会社が3年以上雇用したいと考える人材の直接雇用を進めるのは当然のことだろう。
しかし、能力が優れ人格が好ましい派遣社員だけを当てにしての人材確保は、安易で、虫が良すぎるともいえる。そこには、リスクのないぬるま湯体質が露呈しているし、社員の“育成”という社会的責任が欠落しているからである。

当の派遣社員はどう見ているのだろうか?
派遣労働で見つけた“適性”を銀行が受け入れ、直接雇用されることは喜ばしいことだろう。
嫌なら辞めればいいし、派遣労働が性に合っていれば、また違う派遣先に行けばいい。
派遣社員は、“夜のお花畑”のように夢と現実のはざまにいて、何とも奇異で何とも幻想的な雰囲気を醸し出している!



2005.10.23 (San)
フリーターこそ“終身雇用”

パソナ社長・南部靖之さんが、“フリーター”について語っている。
フリーターを肯定的に見る南部さんの温かさが伝わってくる。
雇われる側から見た“雇用像”がことのほか新鮮である。
以下、南部さんの言葉を拾ってみた。

「働く者から見た豊かさは、お金以上に自分の夢の達成や自由な環境で仕事することにある。
収入が低くても、自分の価値観やスタイルに合わせた働き方を望んでいるのがフリーターだ」

正社員が安定した雇用で一番常識的な働き方という考え方は、20年後には非常識になっているかもしれない。フリーターの存在は時代の先を行っている」

「ワークシェアリング(仕事の分かち合い)やアウトソーシング(業務の外部委託)がもっと進むと、会社に人が雇われるという常識が崩れる。人がいるところに会社や仕事がやって来る。
突き詰めて言えば雇用という概念がなくなる」

「映画を製作するときのように、決まった期間だけ人やお金が集まり、終わったらぱっと解散する。それを『オーディション型雇用』と呼んでいるが、正社員でいるとリストラや定年がある。フリーターのような立場なら本当の意味で一生涯の終身雇用が可能だ」

「大学や高校は、一面において社会人になるための予備的な訓練を受ける場。
何のために学校に行くのか、何のために働くのかについて教育をすべきだ」

「政府はフリーター対策でいろいろ手を打っているが、今の会社の枠組みを中心にしている。
会社にいるように福利厚生を受けられるようにして、税制や社会保障もフリーターに目配りした制度に作り替えて欲しい。そうすることによって雇用機会は創出される」


    
2005.10.15 (Sat)
小さな一歩

隣家の萩の花が散った。
一月近く目の前にあった花が終わり、秋はいよいよ深まっていく。
秋の花はどれも派手さがなく、楚々としたところがいい。
季節の流れに身を任せて、いつも淡い彩を織りなしていく。

“小さな努力”とか“小さな幸せ”というのが好きだ。
萩の花のようにひと時の生を季節の中に流して、やがて知らないうちに埋れていく・・・・そんな生き方がいいのかもしれない。

日経新聞・こころのサプリメントを読んでいる。
ピースマインド臨床心理士の三上道代さんが、“プラスαの一言”を提唱している。

人見知りが激しく、人間関係をうまく築けない大卒新入社員のA子さん。
同期とのアフター5も「1人浮いた状態になってきている」と感じていた。
このままでは会社に行きづらくなると不安が強まってきている。
社内での会話はあいさつと仕事関係以外にほとんどない。
たまに話しかけられても質問に答えるだけの状態。

三上さんは、小さな一歩を提案。
「おはようございます」のあいさつに「今日は天気がいいですね」といった言葉を一言添えることや、何か質問されたらそれに答えた上で「あなたはどう?」と相手に返すことなど。
そうしていくうちに会話が多くなり、周囲のAさんに対する印象や態度が変わっていった。

小さな第一歩が、現状を変えていく。
その一歩を踏み出すか否かで人生は全く違うものになってくる。
そうして小さな一歩は、大きな一歩となる。



2005.10.09 (San)
気がつけば・・・

松浦亜弥の新曲「気がつけば あなた」が気に入っている。
歌は、今春からお茶の間に流れているキリンビバレッジ「午後の紅茶」のCM曲。
サビの部分がいい。

 ♪気がつけば いつも 熱い愛に 身を寄せた 涙 溢れる 愛の色
   気がつけば そばに あなたが居た いつまでも 枯れない愛で 抱きしめて♪

あややを見ていると、少しだけ胸が熱くなる。

さて、こちらは月刊誌「Voice」。見出しの中に「気がつけば景気回復」とある。
日常生活での景気回復の実感は乏しいが、ここのところ公的機関への求人依頼が増えているから、確実に景気は回復傾向にあるのだろう。
失業率が減少し、有効求人倍率が増加しているのはうれしい。
あややが歌うように、幸せは日常の何気ない中にあるのだろう。


金曜日、S社のM君と一緒に刈谷労基署へ行った。
2年ほど前に被災したM君の傷が癒え、後遺症の等級決定のために同行したわけだが、驚くことにM君の勤続はすでに10年を過ぎていた。
高校を卒業して鹿児島から出てきたM君の勤続は、私の頭の中ではまだ数年を数えるだけだったが、他人の時間は思いのほか速いものだと知った。
“もう10年過ぎたんだね”と言ったら、“10年何やってたのかね”と苦笑いしながら応じた。
M君には地元で知り合った奥さんと子供が2人いて、幸せな家庭を築いているようだ。

気がつけば 幸せだった、というのがいい。
それを掴むには、やはり小さな努力の積み重ねしかない。
こつこつやることだ。
そうだよね、M君!

    午後の紅茶へは http://www.beverage.co.jp/product/cm/gogo/



2005.10.02 (San)
ほめニケーション

人間関係を円滑にするために、“コミュニケーション”の必要性がよく言われる。
ホウ・レン・ソウ(報・連・相)は、コミュニケーションを具体化したもので、報告、連絡、相談という行為を通じて意思疎通は図られていく。
また、いつしか“飲むニケーション”という言葉も生まれ、盃を交わすことで気持ちをほぐし、本音の会話からよりよい人間関係を作り上げようとしている。
さらに今日では、“ほめニケーション”が話題になっていると聞く。

「日本人は感情を出すのが苦手。“口でけなして心でほめる”を美徳としがち。
しかし、相手が察してくれるというやり方は通用しない。
ほめる気持ちも言葉に出さないと伝わらない」(話し方研究所・福田健会長)

人間関係を円滑にする“ほめニケーション”能力を磨くにはどうしたらいいのだろうか?
以下は、福田さんが提唱(?)する「ほめ上手になる10ヵ条」である。

 
ほめ上手になる10ヵ条

@ 相手の長所や美点に目を向ける
   長所を見抜く目と、よいところを認める度量が必要

A ほめ言葉に実感をこめる
   男性はほめることに慣れていない。照れずに、素直にほめよう

B 具体的にほめる
   漠然としたほめ言葉は、かえって相手を不安にさせる

C うまくいったその瞬間にほめる
   2,3日してからほめると、恩着せがましいと感じる人も

D 当たり前のことを実行している人をほめる
   時間を守るなど、わかっていてもできないことの重要さに気付く

E 相手の欠点をほめる
   欠点も視点を変えれば長所に。仕事が遅くてもじっくり型、など欠点を取り柄とみなす

F 結果だけでなく、プロセスもほめる
   結果だけだと要領のよい人ばかりが厚遇され職場の士気が落ちる

G 第三者を通して間接的にほめる
   激しい人、嫌な人と思っていた人が実はよく思ってくれていたとわかると、喜びは倍増する

H 電話やメモを使ってほめる
   面と向かってほめられない照れ屋におすすめ

I ほめた後に、次の目標を示す
   ほめた後、新たに目標を設定して激励するフォローも大事




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あおみ労務事務所 社会保険労務士 柴田比呂志
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