あおみ労務事務所
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「経営」という言葉を辞書で引いてみますと、「計画に基づいて事業などを行うこと。又そのためのしくみ」 とあります。畢竟、経営とは「経営指針(経営理念、経営方針、経営計画)を作成し、それを誠実に実践していくこと」ではないでしょうか。
このページでは、その時々の経営にかかわる情報を取り上げ、発信していきます。
2007.06.30(Sat)
介護という仕事

国立長寿医療センター総長の大島伸一さんが、例のコムスンの不正に対して激怒していた。
その逆上に近い叫びを聞くと、大島さんの介護への一途な思いが伝わってくる。


介護はすばらしい仕事だ。人のお世話をすることはどれほど崇高なことであろう。美辞が並ぶが、いくら言葉で飾ろうと高齢者や障害者の介護がどれほどのことか、余分な説明を必要としない。

しかも、介護の仕事に対する報酬は驚くほど低いのが現実である。そんな仕事に従事している人たちの誇りをズタズタにしたのである。もうけた金で自家用ジェット機を乗り回すのは勝手である。

だが、お年寄りを食い物にし、若者を裏切り、日本という国の品性を汚し、どん底に落とした、その金がジェット機の一部にあてられているとなれば話は別だ。

後始末をどうするのか、職員のこと、利用者のことが心配とはよく言った。そんなことを言える資格がどこにあるのか、噴飯ものである。許してはいけないことだと思う。


ほとんど落語調の普段の大島節からは想像もできない憤然とした怒りが、大島さんの介護という仕事に対する純粋な眼を示している。

「私は介護という仕事が人を支え励まし、誇りある人生の結実に役立つことを信じています」という榎本憲一さんの“惜別の言葉”を引用したのもその表れだ。

コムスン(コミュニティ・メディカル・システム・ネットワークの略)は、もともと榎本憲一さん(2003年、74歳で逝去)が設立した会社なのである。

昨日、中小企業家の集まりの会で、「わが社が取り組む地域貢献」が議論された。その中に、「地域の人に迷惑が掛からないように意識する!」というのがあった。

企業というものは、その仕事をする上で無意識に近隣に迷惑を掛けているということがよくある。メーカーであれば、騒音、振動、悪臭といった日常茶飯に抱える課題があるものだ。

それを絶えず意識して企業活動することが、社会的責任ではないか?納税、雇用だけが社会貢献ではない。企業として地域に認知されるために、とりわけ法令順守が大切ではあるまいか。

大島さんから落語口調が戻ってくる日はいつになるだろうか?
穏やかな大島節が復活する日を待ちたい。



2007.06.23(Sat)
人材難と向き合う

 「未経験者歓迎、親切丁寧に教えます」

ハローワークや求人広告で人材募集をする際、中小企業にはこの文面は欠かせないと言われる。「技術があって性格も良い人材」の採用は、至難の業だからである。

実際、アルミ加工・販売を手掛けている小企業が、性格の良い即戦力を求めたところ、全く応募がなかった。社長は「そんな人材が来るわけがない」と、方針を“社内での育成”に転換。

求人広告に「未経験者歓迎」の一文を入れたところ、50人の応募。そして、約束どおり、親切丁寧な指導。その後、技術や財務、企業倫理を学ぶ教育制度も導入した。

こうした成功例は中小企業にとって稀なのか、指導・教育が全く行き届いていないのが現状ではないか?目の前の納期・生産に追われ、「教えている暇がない」という台詞もよく聞く。

教えないから仕事が身につかず、折角入社したのに失望して辞めていく社員たち。「指示待ち症候群」は中小企業に多いのだから、指導・教育なくして中小企業は成り立たないのだ。

それでは、どんな方法で指導・教育していくのか。町工場が大企業の真似はできぬだろう。中小企業独自の視点で何ができるか、経営者は本気で取り組まなければならない。

電気機械・医療向けバネを製造する企業では、次のような会議を実施し、将来の会社を支える人材が一緒に成長する場を作り上げている。

 「越後屋会議」  若手女性社員が職場の問題点を指摘する
 「竹の子会議」  1つのテーマにまっすぐ取り組む
 「秘密会議」    新製品の知恵を絞る

そして、他人が働きやすくなるために貢献した人、笑顔が最も輝いていた人などを毎月表彰。
「会社は社員が幸せな人生を送る場」と定義されている。

大企業に人材が流出している昨今、流出を防ぐためには、経営者の社員を育てる意欲・仕組みづくりが問われる。社員の帰属意識をいかに醸成させるか。手法は無限にあるのではないか!

                            (日経新聞・岐路に立つ中小企業をまとめました)



2007.06.16(Sat)
「すごい!」動物園

北海道・旭川の旭山動物園から、毎週メールが届く。依頼した覚えがないから、恐らく無差別に発信しているのだろうが、内容はともかく、そのメールの読みにくさには辟易している。

どうせ発信するものなら、もっと見やすいものを!と思うが、これではせっかくの努力もふいになるどころかむしろ逆効果、イメージダウンは必至である。

というわけで、旭山動物園に対しては、悪いイメージしか抱いていなかったが、実はこの動物園、「すごい!」動物園なのであった。

今朝の中日新聞・社説欄。編集局長の加藤幹敏さんが、旭山動物園の人気の秘密を、「見せ方の工夫」にあると断言している。その記述の“さわり”はこうだ。

「地面に突き出た透明のカプセル。下から恐る恐る頭を入れ、覗いてみる。その瞬間、地響きを立てて白い巨体が近づいてきた。ホッキョクグマだ。目の前に、口を大きく開けた顔が・・・」

「ガラス一枚隔てただけの、すぐそこをアザラシが泳ぐ。手を伸ばせば届きそうな、頭上の網にヒョウが眠っている。体温まで伝わってくるようだ」

「ペンギンの水槽には、透明のトンネルが中央に通されている。ここを歩くと、周りをペンギンたちが自由に泳ぎ回っている。その姿から、彼らは翼を持った鳥なのだ、ということがよく分かる。見上げれば、青空をペンギンが楽しそうに“飛んで”いた」

しかし、肝心なのは、こうした工夫が決して小手先のものでないということだ。
「すべては、野生の動物の“いのち”を感じてもらうため(小菅正夫園長)」

10年ほど前までは訪れる客も少なく、廃園の危機に瀕していた旭山動物園。客が入らず、「金喰い虫」と批判にさらされていた地方動物園が、10年の歳月でいかに“いのち”の芽を育んだのか。

調べていくと、旭山動物園は何と「奇跡の動物園」〜旭山動物園物語〜 としてドラマ化されているではないか。こうなれば、動物の“いのち”の声を聴きに、北の大地まで行ってみようか!

   ドラマスペシャル 奇跡の動物園は http://www.fujitv.co.jp/kiseki/index


 夕暮れ時のホッキョクグマ



2007.06.10(San)
恋愛心理学

毎週、日本テレビで放映される「恋のから騒ぎ」を楽しみにしている。司会の明石家さんまの軽妙な語りは、落語と比肩されるべく“芸”であって、実は「恋から」は、話芸の番組なのである。

昨夜は、恋愛心理学の話が飛び交っていた。そのひとつに、「彼女を自分のマンションに泊めるために効果のある会話」とでもいうのか、こんな話だ。

彼女をいきなり、マンションに誘うのは芸のないワザだが、しかしダイレクトに誘うのではなくて、「もし僕のマンションに泊まったら、朝どんな食事を作ってくれる?」と聞いてみたら・・・。

彼女がその男に少しは気があるのなら、朝食のことを考えているうちに、頭の中は男のマンションに泊まったような錯覚に陥るというのである。

つまり、朝食という何でもない日常を投げかけることで、彼女は頭の中に恋愛のストーリーを描き出し、それによって親密さが湧いてきて、今以上の関係ができあがるというのであった。

恐るべき“恋愛心理学”。物の本にも、こんなことが書いてある。
以下は、「恋愛心理学のワザ」から引用。

あなたは誰かをデートに誘いたいとき、どんな言葉で誘いますか?

「ねぇ、映画行かない?」
「よかったら、飲みにでも行こうか?」

こんな感じで誘うことが大半ではないでしょうか。でも、これでは成功の確率もほぼ 50%:50% 。
でも…。

話のついでに、
「ねぇ、休日ってまったり飲んだりして過ごす方?それともカラオケとかでガンガン発散する方?」

もっとシンプルに、
「飲むのとカラオケ、どっち派?」でも構いません。

すると相手は、「飲む方かな…?」 「う〜ん、カラオケ」 というように答えてくれるはず。
これによって、さらに話を進めることができます。

「じゃあ今度一度飲みに行こうよ」
「それなら、今度カラオケいこう」

これで、相手はカンタンに断れなくなるはずです。
要は、イエスかノーかではなく、二者択一で聞くことがポイントなのです。

     恋愛心理学のワザはこちらから   
http://www.love-psychology.com/index.html



2007.06.02(Sat)
囲碁・将棋を義務教育に

先週、女流棋士独立騒動を綴ったが、水曜日に大きな流れがあった。
女流棋士が、日本将棋連盟から念願の独立を果たしたのである。

女流棋士56人のうち独立派17人で構成される「日本女子プロ将棋協会」。
代表理事に中井広恵女流六段が選出された。

昨年12月、女流棋士会は、賛成多数で独立する方針を決めたが、その後、同連盟に残留を希望する女流棋士が続出。それでも、独立派は自立の道を貫き、今回の新法人設立にこぎつけた。

「いやぁ、よかった、よかった」と胸を撫で下ろしていたら、無関心ではいられない活字が飛び込んできた。「囲碁・将棋を義務教育に」。読み進めていくと、こんな論旨が述べられている。

 少年犯罪やいじめなど子どもを巡る社会現象の原因
              ↓
 子どもたち自身が深く物事を考える力、自分の感情を適切に制御できる力が失われたこと
              ↓
 問題解決の1アイデアとして、囲碁・将棋の活用
              ↓
 囲碁・将棋は、日本人の次の3つの基礎能力を高める 
  @手を読みながら勝負するゲームなので論理的な思考や大局的に物事を考える戦略的な
    思考を養える
  Aどんな状況でも情緒や精神状態の安定を保つことができる辛抱強い精神力と、短時間で
    最善の手を探索する集中力を養うのに適している
  B未知なる世界が多いので、新しいものを生み出す創造性を育てるのに役立つ
              ↓
 さらに、勝負の厳しさ=競争社会の厳しさを教えるとともに、負け癖=負けてもへこたれない
 精神力を身につけることができる
              ↓
 囲碁・将棋を義務教育の必修科目にすべき

「現実には指導者確保が難しい」と書かれているが、先週のこのページをご覧になって頂きたい。
女流棋士に指導者となってもらえばいいのでは?

並みの女流棋士の場合、「対局」収入は年間100万円未満が普通であるなら、義務教育の将棋の指導をしてもらうことで、教育界も棋士も一挙両得になる勘定だ。

これはなかなか面白いアイデアだ!
                            (中日新聞・インタビュー領空侵犯をまとめました)   



2007.05.26(Sat)
女流棋士独立騒動

  米長会長を再選  将棋連盟

今朝の新聞の片隅に載せられていた小さな見出し。
日本将棋連盟が棋士総会と理事会を開き、会長に米長邦雄永世棋聖を再選した、とある。

この日は理事選が同時に行われたが、新理事は米長会長を含め、何と男ばかり。日本将棋連盟といえば、いつも女流棋士の独立問題が俎上に載るが、男ばかりでどう片をつけるのか?

最初は「経費削減のため」とかで、連盟側も女流棋士の独立を促す意向だったものの、今年2月に総額1億円を目標にした寄付金の募集を始めると、態度が一変。「問題」は「騒動」となった。

ここからの日本将棋連盟の切り崩し工作は凄まじく、連盟に残留する者には「聞き手」や「イベント」などの仕事を今まで以上に回す、と約束して残留を強く迫ったのである。

並みの女流棋士の場合、「対局」収入は年間100万円未満が普通で、そのため、「聞き手」などの仕事は欠かせない貴重な収入源。その“餌”に釣られて、残留を希望する女流棋士が増加。

加えて、女流棋士の中でも意見が統一されておらず、見切り発車的な独立への危惧や、独立準備委員会のやり方に反発する声が上がったのも事実。

結局、56人の女流棋士の中で、39人が連盟残留を希望、独立派は17人。独立派の主な女流棋士は、中井広恵女流六段、石橋幸緒女流四段、藤森奈津子女流三段など。

タイトルホルダー4人はいずれも残留。独立派としては矢内理絵子女流名人を欠いたことが大きな痛手。彼女は最初準備委員会の一員だったが、騒動後、準備委員を辞任している。

ここで見逃してはならないのが、清水市代女流王位の存在だ。独立派の急先鋒・石橋幸緒女流四段は、彼女の愛弟子なのである。すでに手から離れているのか、自由に泳がせているのか?

師弟が袂を分かつという格好になったが、女流棋士界で人気、実力とも第一人者の彼女から、女流棋士独立騒動についてのコメントは一切発せられていない。

将棋連盟としては、彼女を理事にするくらいの心意気で対処したらどうなのかと思うが、悲しいかな、女流棋士は将棋連盟の正会員ではないのである。何という封建的な体質なのだろうか。

企業でも独立問題は日常茶飯である。残る者にも去る者にも恨みつらみがあるし、わだかまりもある。損得が絡む社会の中で、人ができるだけ傷つかないようにするにはどうしたらいいか?

「自分さえ良ければ」という考えは、慎まなければと思う。



2007.05.19(Sat)
麦飯石

  神秘な力を蓄えた不思議な石 麦飯石  原産地は美濃白川

名鉄三河線に乗っていたら、奇妙なポスターに出会った。
「麦飯石」って何だろう?読み方は、ムギメシイシか、それともバクハンイシ、バクハンセキ?

石には違いないが、そこら辺に落ちている“路傍の石”とは違うのだろうか?
石の原産地は山奥が相場だから、海沿いの町には用がないのかもしれない。

美濃白川が原産地とあるから、世界遺産・白川郷のあたりだろう。
合掌造りの集落を眺めたり、白川茶をすするのも、日々の疲れの癒しとなるだろう。

ということで、白川郷にやってきました、というワケはなく・・・。安易に現地へ飛んでいけるネットを彷徨っている。これじゃ、インターネット難民だネ。

さて、ネットをひも解いてみると、次のように記されている。

 「麦飯石」は、火成岩類中の花崗岩の一種である石英斑岩。
 粒状の大小と光沢の分布が、まるで麦飯のおにぎりのように見えるため、中国では古来より
 「麦飯石」(ばくはんせき)と呼ばれています。

「バクハンセキ」・・・か。読み方がわかったところで、それではどんな効果があるのだろうか?

 一番の特徴は、やはり“水にパワーを与える”ということ。
 大部分が水と言われる人間の体の命の源である“水”にパワーを与えてくれるのが麦飯石。

 貴重な自然の恵みであると同時に、手入れをすれば繰り返し使用できるというエコロジー面。
 麦飯石は、次代に適した資源なのです。

そうか、麦飯石は未来の大切な資源なんだ。ミネラル分をたっぷり含んでいるし、炭と同じように吸着力が高いので不純物を取り除いてくれるし、水質を調整したり、要は命にやさしい石なのだ。

こんな知識も、名鉄三河線の赤い電車がもたらしてくれた。電車の恩恵は数限りないが、車内のポスターもそのひとつ。かつての“通勤電車の恋”を、ふと思い出す午後である。

      麦飯石に関してはこちら  http://bakuhan.jp/



2007.05.13(San)
陶淵明願望

嵐山光三郎さんのエッセーに、「陶淵明願望」というのが出ていた。
「何のことやら」と読んでいくと、つまりこういうことだった。

陶淵明は、知事を辞して郷里に隠遁した田園詩人で、中国の六朝期(唐の少し前の時代)に、「帰りなんいざ、田園まさに蕪(あ)れなんとす」という詩句や「桃花源記」を残している。

若くして隠遁したことが、日本男子の憧れとなり、
会社経営者の多くが、「早く社長を辞めて田舎に隠れ住みたい」と思う願望を持つことから、この気持ちを「陶淵明願望」と呼ぶのだそうだ。

私とて経営者、この気持ちはよくわかる。しかし、隠遁してしまっては、すぐに老けてしまうだろうな。必要な人材ならば、都会が放っておかないだろうし、いずれも困ったことだ。

社会が必要とするかしないかの見極め方は、実は簡単なことである。“野に下る”、それだけでいい。野に下ろうが、人物ならば、三顧の礼でまた迎えられるのだから。

「陶淵明願望」を上手く叶えた人となると、元内閣総理大臣の顔が浮かぶ。今や陶芸家としても知る人ぞ知る細川護煕さん。 陶芸工房「不東庵」を拠点に、今や晴耕雨読の“活躍”をされている。

その細川さんとて、知る人は少ないが、先日の東京都知事選の石原対抗馬として、名が挙がったのである。まだまだ、“花”のある人物を放っておく都会ではない。

しかし、細川さんの陶芸家としての活躍は見事なもので、活動の拠点を今やパリまで伸ばしている。これではイッパシの活動家で、晴耕雨読とは言い難いのではないかと思ってしまう。

陶淵明も、田園に身を置いてから、その生き方に人気が出て、知事だったときよりも人が多く訪れるようになったと聞いた。非凡であるがゆえの悩みもあるのだろう。

さて、隠遁生活をいつになったらできるやら、そんなことを考えている初夏である。


       細川護煕さんへのインタビューはこちら

           
http://www.arslonga.jp/monthly/interview/interv025.html



2007.05.06(San)
お隣の給料大公開!

新聞のテレビ番組欄に、「お隣の給料大公開」。続けて、「学生時代に同級生だった4人の女性が集まり、自分の夫の給料が、4人の中で何番目に高いかを予想する」という宣伝文句。

小学校の教師、企業向け英会話講師のフィンランド人、システムエンジニア、建設会社課長の給料明細を暴露し、その高さを順位付けしようというのである。

「他所の家庭を覗き見したい日本人ならではの企画。べらぼうに高い年収の人が登場するのではないか?」と思っていたが、テレビには、ごく普通の家庭が登場していた。

給料(番組では手取り金額)という数字を俎上に載せて、各家庭の生活を炙り出し、そこから人としての価値観や生き方を探るまじめな取り組みに好感が持てるものだった。

とは言うものの、給料を比較されるから、その高低で優越感や劣等感が生まれていく。
“比較”の厄介なところは、「幸福感」とは異次元の「幸福度」をそこに示されるからだろう。

結果は次のようだった。ちなみに金額は、平成19年1月分の給料明細からの手取り額で、夫の平均年齢は45歳くらい。

小学校教師 485,276円
英会話講師のフィンランド人 428,652円
システムエンジニア 419,395円
建設会社課長 317,133円

手取り額でこのくらいだから、まぁまぁ高収入とみていいだろう。
読者の皆さん、この結果で一喜一憂してはいけませぬぞ、くれぐれも!



2007.04.28(Sat)
まちなみ参観日

中日新聞を読んでいたら、「まちなみ参観日」という文字が飛び込んできた。
積水ハウスの販売フェアの広告である。そして、こう続けられている。

 「一生に、出会う街。住宅はもちろん、共用部分の環境も、積水ハウスの品質です」

そうか、積水ハウスは今や、住宅という「個」だけを売っているのではなく、景観など街並みを含めた自然と共生する「街づくり」を売っているのだ。その一つに、「5本の樹」計画というのがある。

地域の気候風土に適した日本の在来樹種を植える際、日本の自然環境を守り育てた“里山”の知恵に学び、3本は鳥たちのために、2本は蝶のために植樹するというのが、「5本の樹」計画。

 この街は斜めに見ても好きな街

 この街を斜めに染めている夕日

少し前に作った川柳がよみがえる。そうか、人が故郷を好きなのは、街並みが好きなのだ。
少年少女の頃から目に焼きついている街並みが、自分の共有部分になっているからなのだ。

どういうわけか、この日の新聞には住宅の広告が多い。他にはこんなキャッチコピーがあった。

 「Kids Design Home 子供の知性と感性を育てる住まい。(ミサワホーム)」

 「ママと描こう。家族想いの家づくり。(セキスイハイム)」

コピーを比較すればよくわかるが、他のコピーは“個”の域から出ていない。これはキャッチフレーズの出来の良し悪しだけではなく、住宅会社としての生き方の違いなのだと思う。

キャッチコピーだけを鵜呑みにすることは出来ないが、そこに会社の経営理念を見る思いがする。



2007.04.14(Sat)
就職戦線異常あり!

「売り手市場」の就職戦線が到来し、学生たちは安閑と構えているのではないか、という気がする。事実、就職フェアなどで集まる学生の数は、昨年と比べて激減しているのだ。

この現象は、学生たちに“必死さ”がないことを物語る。労働力不足を背景に、「売り手市場」とマスコミから煽られ、就職先は山ほどあると高をくくっているのではないか?

そうは甘くないのが世の中である。確かに企業はパイを増やしているが、バブル時の教訓から採用基準を下げていない会社が、多く見受けられる。

バブル時にやり過ぎたせいだろう。バブルがはじけてリストラの嵐が吹き荒れたとき、どれだけ多くの犠牲者を出したか、企業家はその反省を忘れてはいない。

ならば、「売り手市場」はたぶんに虚実を含んでいて、“売り物”のない学生にとっての就職活動は、依然として厳しいものなのだ。

昨日分のメルマガ 『がんばれ社長!今日のポイント』 には、就職活動のクライマックス・「面接」についてのポイントが記されている。学生諸君!じっくり吟味しようではないか!


 
「就職活動真っ最中の方に」

面接の時の会話だけが面接試験ではありません。会話の前のお辞儀やあいさつ、椅子への座り方からカバンに資料をしまう時の手際の良さや、席を立ってお別れするときのお辞儀、後ろ姿を見せて去っていくときの歩き方などなど、すべてが評価されています。

服装身だしなみは妥当か、笑顔があるか、姿勢が良いか、ハキハキ話せるか、などで印象は大きく変わってきますから、その点において、男子学生より、女子学生のほうに一日の長があるのは多くの経営者が口にするところ。

簡単な会社説明を終えたあとに、こちらが「何かお聞きになりたいことはありますか?」と尋ねた際、「イエ、結構です」と即答する学生が半数近くいます。それは、「当社に興味がない」という信号と受け取り、自動的に印象欄に「C」とか「D」と書いてしまいます。

会社からの印象をアップしたいのであれば、質問の一つや二つ、用意しておきましょう。

 有給は何日ありますか?
 残業は多いですか?
 交通費は全額出ますか?

などと聞いてくる学生もいますが、学生の関心がその程度なのかと思うとこちらとしても失望します。また、何かの本に載ったのか学校からの指導なのかわかりませんが、

 社長はなぜこの会社を創業されたのですか?

という質問を連続して受けました。それも「またか」と思わせます。マニュアル的な質問ではなく、しっかりした質問、しかも個性的な質問をあなた自身で考えてください。たとえば、

 採用にあたって、学生のどこに一番注目されますか?
 新入社員に一番期待したいことはどのようなことですか?
 来年の新入社員は5年後、御社でどのような活躍をしていてほしいとお考えですか?

などはいかがでしょう。こうした質問を一つか二つ発する学生は、それだけで少なくとも印象度「B」以上を確保します。もちろん質問の仕方(口調)も大切です。

ある有名大学の学生で、尋問口調、詰問口調で聞いてくる学生がいましたが、その口調と表情から、こちらが取り調べを受けているような不快な気持ちになってしまい、「いろいろありますから、今はそれにお答えしません」と言ってしまいました。ムキになるこちらも大人げないとは思いますが、私の中で、彼はすでに「D」なのです。

 「A」・・・採用したい。こちらからアプローチすべき相手
 「B」・・・採用ラインに乗っているが、今後次第
 「C」・・・採用ラインには乗っていないが、今後次第
 「D」・・・採用する可能性はない



2007.04.07(Sat)
ワンダウンポジション

企業を経営する上で大切なことの一つは、社員の良好な人間関係をつくり上げることだ。
社員同士がギスギスした関係であれば、組織でいい仕事ができるわけがない。

そこで登場するのが、「ワンダウンポジション」という、コミュニケーションスキル。
文字通り、自分が一歩下がり、相手から教わるというポジションに立って接するのである。

人と話す場合、お互いが前へ前へと進んだのでは、衝突するだけで会話は成り立たない。
同様に、お互いが後退してしまったら、疎遠な関係ができるだけである。

コミュニケーションには、ダンスのような関係が必要なのだ。
男女が付かず離れず、程良い距離を保つのが会話のコツなのである。


さて、「ワンダウンポジション」。相手から一歩下がり、教わるポジションに立って接するのがコツで、相手にしっかりと敬意を示すことによって、無用な肩の力が抜け、本領を発揮しやすくなる。

暴走族などを担当したかつての警察官が、この「ワンダウンポジション」についての効用を次のように述べている。これは企業経営=良好な人間関係づくりにも使えるだろう。

「暴走族への尋問や警告であっても、“ごめん”と小声で話しかけ、穏やかに諭すことによって、相手はこちらの言葉に素直に耳を傾けてくれる。

丁寧な言葉で、声をひそめて話す気遣いを示せば、相手の顔を立てていることが暴走族にも伝わるからだ」

人への敬意・・・。相手が上司だろうが、部下だろうが、教わるという謙虚さを持ち合わせていれば、間違いを犯すことはあるまい。今の時代に欠けているのは、実は、こうした人への敬意ではないか?



2007.03.31(Sat)
減点型より加点型?

先日、川柳の句会で選者を経験させてもらった。
句会には“兼題”といって、前もって出される題がある。その日の“お題”は「賢い」。

 賢さが過ぎて見えない落とし穴

 猫でさえ賢くねだる生きるため
 
 「賢婦人」呼ばれて急に夫立て

事前投句を手元に手繰り寄せ、一瞬のうちに入選句を選んでいくのである。
こうした選者を経験することが、選句眼を養うことになる。

選は良い句を選ぶのではなくて、欠点のあるものを外していく作業とされる。
そして、欠点を見つける力が、自分が作句する際の大きな武器となっていくのだ。

句会に限らず、この手の減点型を採用している例は多いように思う。シンクロやフィギュアなど、競技の多くは減点方式だろうし、カラオケの点数は、減点をいかに少なくするかにかかっている。

ところで、社員に点数をつけるなら、減点型がいいか、加点方がいいか?

ミスが許されない職場なら、ミスに繋がる弱点が克服できる減点型がいいだろう。
クリエイティブが要求される職場なら、むしろ飛躍した発想が加味される加点型だろう。

しかし、社員を経営のパートナーと見るのなら・・・・・・。弱点は皆で補えばいいのであって、大切なのは、時代の扉を開けるほどの突飛な発想ではないか?

その昔、ドイツに数学しかできない生徒がいた。
他の学科ができないのでどの大学にも入れなかった。

ある先生がこの生徒の才能を見抜き推薦してくれたので、ようやく大学に入学できた。
その生徒が、後に相対性理論を完成させたアインシュタインであった。

今後の経営には、アインシュタインに見られるような加点型が重視されるだろう。
時代の扉を開けられるのは、平均点ではなくて、まばゆいほどに光り輝く“個性”なのである!



2007.03.25(San)
牛乳宅配なぜ増える?

新聞に、「牛乳宅配なぜ増える?」の見出し。
どうやら乳飲料の宅配件数が、ここへ来て軒並み増えているらしい。

年配の方々にはご案内の通りだが、昔は多くの家庭で、牛乳を取っていた。
新聞と同じように、牛乳販売店が早朝に瓶入りの牛乳を配達してくれた。

そうした宅配が減少してきたのは、1970年代後半以降。
スーパーなどでパック詰め牛乳が容易に、しかも安価で購入できるようになったからだ。

宅配のメリットは、売り手からすると安定収入が得られる点だろう。
月極めで契約するから、顧客が飲んでも飲まなくても売れていくからだ。

店頭販売ではそうはいかない。喉が乾く日は売れるが、乾かない日にはさっぱりである。
スポーツ新聞などはテキメンで、ドラゴンズが勝てば売れるが、負けた日には全く売れない。

しかし、宅配の買い手からすると、牛乳を飲まなくてもお金を払わなくてはならない点は厄介だ。
冬場になると飲む頻度がぐっと減り、大抵冷蔵庫に牛乳瓶が何本も並んでいる。

そんなことから牛乳の宅配は徐々に減少して行ったのだろうが、ここへ来て復活!
底だった15年前の1.5倍の約600万件に回復している。

それでは復活の原因は何だろうか?新聞から窺えるのは次の3つ。

@ 日常の買い物に不便を感じる中高年やその家族にターゲットを絞っている。
A 消費者の健康志向に応えた商品を提供している。
A 法人化した店や異業種から参入した企業が、顧客との対面販売をしている。

そうか、宅配が顧客先への「ご用聞き」も果たしているんだ。それも、提案型の御用聞き!
他の商品も扱って欲しいという声があれば、できるかぎり応えているのだろう。

牛乳宅配復活の影に、お客様へ足を運ぶことの大切さが知れる!



2007.03.17(Sat)
いい地域づくり、いい国家づくり!

我が家の次男の学習参考書「チャレンジ」に目を通していたら、野口健さんが登場していた。

野口さんはテレビのバラエティ番組でよく見る顔で、石原良純さん(俳優・気象予報士)ばりの顔をしているので記憶にあったが、どんな人なのかは知らなかった。

ところが、経歴を読むと、野口さんはすごい人なのだ。

「1973年8月21日、アメリカ・ボストン生まれ。16歳で登山を始め、1999年のエベレスト登頂で7大陸最高峰最年少登頂記録を25歳で達成」。

野口さんは、中学、高校時代はいわゆる落ちこぼれ。
先輩とケンカをして自宅謹慎。そんなとき父の助言により一人旅に出た。

たまたま入った書店で、梅村直己さんの著書「青春を山に賭けて」を偶然見つけた。
この本がきっかけで登山を始めた。そして、登山によって“本気になる”ことを知った。

今では、野口さんの登山は「清掃登山」となり、エベレストや富士山・富士樹海の清掃活動をはじめ、清掃登山の活動の輪は年々広がってきている。

今日、中小企業家の集会で、講師の方が「いい会社をつくる」だけじゃダメだ、と言われた。
いい会社づくりの先に、「いい地域づくり」があり、「いい国家づくり」がある、そこまで志を広げていくことが肝要なのだ、と。

野口さんの活動の輪が、「山登りによって本気になる」から発して、「清掃登山」に繋がったように、我々中小企業家も、「いい国づくり」に着地点を求めていかなければいけないのだろう。

そのためにも、「いい会社づくり」を確実に仕上げていかなければいけないのだ!



2007.03.11(San)
タケノコ生活復活!

「タケノコ生活」が半世紀を越えて復活した。

もともと「タケノコ生活」とは、終戦直後の1945年頃に流行語となった言葉。
戦後、都市部には戦災者や孤児、復員軍人などがあふれ、深刻な食糧不足に見舞われた。

そこで人々は自分の着物やコートなどを闇市で売ったり、近郊の農家でコメやイモと交換してもらったりして糊口をしのいだ。

衣類を脱いでは売るという生活を、タケノコの皮を1枚1枚むいていく様子になぞらえた言葉が「タケノコ生活」だった。「皮(衣類)をむくたびに涙が出る」という意味で、「タマネギ生活」とも呼ばれた。

それから半世紀、若者の間で「タケノコ生活」が復活した。
背景にあるのはネットオークションの普及。
自分の服やコレクションなどを売って小遣い稼ぎをしたり、生活費の足しにしたりする。

「はやりの服は2、3ヶ月もすると着なくなる。だから月に数着はオークションで売ってしまう」

「生活費が足りない時など、オークションは手軽な小遣い稼ぎの手段」

半世紀前と違うのは、今のタケノコ生活には切迫感も危機感もない。
根底には、生活を楽しみたいという若者の明るさが漂っているようだ。

さて、オークションと聞いて、落語の「猫の皿」(※)を思い出した。
果師(はたし)と呼ばれる商売人の狡猾さの、もうひとつ上をいく、田舎住まいの茶店の親爺らしからぬしたたかさのかけひきが面白い噺である。

ここにも、生きることを楽しむ不思議な明るさが漂っている。

 ※ 果師と呼ばれる道具屋が、掘り出し物さがしで地方を歩いていた。
    川のほとりの茶店で一服していると、猫の使っている皿が、高麗の梅鉢という逸品。
    悪計をめぐらした果師は、茶店の親爺から猫を三両で買いうけた。

    「ところで猫は食いつけた容器(もの)でないと食わないてェから、この皿もらってくよ」
    「その皿はかんべんしてください。絵高麗の梅鉢で三百両もするんですから」

    「へえ、そうかい。けど、なんでまたそんな高え皿で猫に飯を食わせたりするんだ」
    「これでおまんまを食べさせますとね、ときどき猫が三両で売れますんで」

                      (前半部分は日経新聞の記事を参照してまとめました)



2007.03.03(Sat)
人の行く裏に道あり

先週、三遊亭円楽さんが噺家としての引退を表明した。
その日はトリで「芝浜」を演じ、満員の観客から大きな拍手を受けていた。

しかし、本人の弁は「もうちょっとはっきりしゃべれると思ったら、だめですねえ。こんな噺をお客様の前でやるのは情けない」。おそらくこの日を引き際にしようと、最初から決めていたのだろう。

手元に、「円楽、親父を叱る」という円楽さんの本がある。
「自信を取り戻す父親のゲンコツ教育」と副題がつけられ、“父親論”が述べられている。

初版発行が昭和56年11月1日となっているから、四半世紀前のものだ。
この本の中にあった面白いエピソードを一つ紹介する。

昭和20年3月9日。この日東京上空は晴れ、B29の大編隊が東京を襲った。
東京大空襲である。B29の波状攻撃、油脂焼夷弾が夕立のように降ってくる。

下町の大方の連中が隅田公園に逃げたが、円楽さんの父君は南千住のガスタンクへ向かった。

「いいか、ベルトを縄でからげろ。身には何もつけるな。人の行かない所へ行こう」

「そんなとこ行ったら危険だよ、ガスに火が入ったらどうなるの」

「どうもこうもねえじゃないか。火が入りゃ、ドカーンと一発でこの世の終わりだ。みんな、一発で極楽にいっちまおう」

滅茶苦茶にみえるこの決断の裏には、実はちゃんと計算があった、と円楽さんは振り返る。
関東大震災のとき、難を逃れた人がほとんど本所・被服廠に集まり、逆にそこで死人の山をこさえたことを知っていたからこそできた芸当だった、と。

火は風を呼び、風がまた火を呼ぶ。そして人間が集まっているところに風が起き、火を呼ぶ。
誰もが待避する隅田公園の方が危ないのを肌で知っていた、というのである。

 人の行く裏に道あり花の山

そのためには緻密な計算がいることを、このエピソードは教えてくれる!



2007.02.24(Sat)
朝は夜より賢い?

ここ数日早朝に仕事をしている。
夜に中小企業家の集会が続いていて、帰りが深夜になるため、昨日の仕事を早朝に持ち越して、片付けているというわけだ。ところが、早朝の仕事は頭が冴えているせいか、これがやけに捗る。

夜型人間にとって、暗いうちに起きるのは少々辛いが、冬の星座を仰ぎ見るのもたまにはいい。
敬虔な祈りを捧げるというわけではないが、早暁というのはそんな気持ちにさせる。

そういえば、昔、「朝は夜より賢い」(邱永漢著)という経営の本を読んだことがある。
「経営の意思決定は、“朝”しなさい」という内容が盛り込まれ、邱さんによれば、夜考えることは過激すぎるか、悲観的になるから、明日から先のことについては、疲れをとってから朝考えればいいということだった。

朝は夜より賢い・・・か。それはそうだろう、生産性という意味においても。
昔、自衛隊が朝勤部隊と昼勤部隊との生産効率を比較したところ、1.5対1.0だったと聞いたことがあるが、早朝の生産性の高さは、ナカナカのものである。

この際、朝方にしようと思うが、深夜の酒の誘惑に勝てるだろうか?
明日からのことは、一晩眠ってから、朝考えることにしよう!



2007.02.11(San)
笑いが成功を呼び込む?

中日新聞サンデー版に連載されている「300文字小説」。
短い文章の中に、喜怒哀楽や人生の機微が詰められている。
同じページの隣に「人生の唄が聞こえる」があるが、300文字小説からも人生の唄が聞こえる。

今日の作品は、「聞き間違え」(題名も同じ)の滑稽譚だが、これが面白い。

 時は就職氷河期。かくいう私もなかなか決まらない。
 そんな時、やっとのことで一社の書類選考を通過。いよいよ面接日がやってきた。

 腹がキリキリするほど緊張していた私に、面接官の1人がこう質問した。

 「あなたのサユウノメハ?」

 ここは一つ、ハキハキとフレッシュさをアピールしなければ、と私は大声で答えた。

 「右1・0、左1・3です」

 決まった!心の中でガッツポーズを作っていたのも束の間、なぜか面接室は静まり返っている。
 そして次の瞬間、爆笑の波。ひとしきり笑われたあと、面接官が言い直した。

 「あなたの座右の銘は?」

 お蔭で、私は見事この会社に入社した。

学生時代、ラジオの深夜放送をよく聞いていたが、その頃の投稿を思い出した。
確か、「サッポロビール」の採用面接の際の話だった。

ある学生が面接時、面接官たちの質問に一切答えない。何を聞かれても知らぬ顔を通した。
1人の面接官が業を煮やし、学生の態度を罵倒した。
この学生、退席する際に一言。

 「男は黙ってサッポロビール!」

学生は、難なく採用面接に合格したのだった。

かつての宰相・田中角栄は、「笑いの中に真実がある!」と言ったが、笑いが取れれば自ずと、ビジネスも成就する!?



2007.02.03(Sat)
経営参画意識

テレビ(NHK教育)で落語を聞いていたら、眠ってしまった。
八代目橘家円蔵の落語・穴どろも、無粋な客の前では台無しである。

まぁ、テレビの視聴者が客かどうかは別として、テレビ落語というのはどうもつまらない。
語り手と聞き手の間にあるバリアが邪魔をするのか、噺がダイレクトに届かないのだろう。

そこへいくと寄席の落語はいい。話し手の発した言葉の風が客にすぐに突き当たる。
風の寒暖も勢いも湿度も、すべて直に伝わるのである。

そんなことを考えていたら、作家・堂門冬二さんの話を思い出した。こんな話だ。

江戸時代の近江商人で、蚊帳(かや)で有名な西川家。
二代目が考案した蚊帳の販売がすっかり定着してきて、五代目利助の代になって、すこしづつ経営が下向きになってきた。

五代目は「先祖代々のやり方を守ってきたのに、なぜだろう」と考えた。
思い当たったのは次のようなことだった。 

@経営の直接経費以外の費用が非常にかさんでいること(家屋の増改築、冠婚葬祭や寄付、交
  際費など)
A店員のほとんどが、店の優良性、安定性にズップリつかっていること

五代目は改善策を考えた。“三法(さんぽう)”や“三つ割銀(みつわりぎん)”と呼ばれる方法である。財政を三本化してその収入源も分け、本会計、経費以外の出資対応会計、予備積立会計に分けた。

三つ割銀は、画期的で「毎期決算の純益の三分の一を、従業員に分配する」というものだった。
つまり五代目は「ハングリー精神を失っている従業員を、ただ叱咤激励しても駄目だ。経営参画意識をもたせ、寄与度に応じた信賞必罰を明らかにすることが大切だ」と考えたのである。

店は新しい活力を生んだという。

落語の話が妙な方へ流れたが、話し手と聞き手を経営者と従業員に置き換えてみればいい。
語り手と聞き手の間にあるバリアを失くすことで、噺の面白さは直に伝わるはずだし、噺家への愛着も湧いていく。

経営も同じことで、経営者が従業員と同じ視線に立つことで、経営参画意識が生まれ、会社への帰属意識が高まるのではないか?要は、経営者がどう知恵を出すかである!



2007.01.27(Sat)
近視眼的マーケティング

 「ドリルを売るには穴を売れ」(佐藤義典著)

という書籍の刊行案内が青春出版社からあった。
マーケティングを少しでも齧った方なら、このタイトルからピーンと来るだろうが、おそらくこの本は、“自分が売っている商品とは何か”という商品の定義付けを問題提起しているのだと思う。

自分が売っている商品を「顧客の立場」から考えると、見えてくるときがある。

例えば、部屋の飾り付けのため穴を開けたいと考え、ドリルを探したが見つからなかったので、近所の金物屋へドリルを買いに行ったとする。この場合、金物屋の主人は「ドリルを売る」と考えるのではなく、「穴を売る」と考えるべきである。

「ドリルを売る」という発想は、売り手側の視点であって、近視眼的マーケティングなのだそうだ。
買い手側の視点に立てば、買い手がその商品に期待する効能や便益が知れて、商品の定義そのものが違ったものになる。

例えば口紅。物理的にはピンクの口紅だが、お客さまは美しさや美を買っているだろうし、ビタミンCのサプリメントを買う若い女性は、美しい肌を買っているのである。


現代の日本で興味ある事業定義をしている代表的な企業「セコム」。
セコムは警備から出発したものの、しかし、既にセコムの事業は警備ではない。
現在、セコムは事業の定義を「安心」としている。

先日、久しぶりにケーキ屋に寄り、ショートケーキを一箱買った。
別にケーキが食べたかったわけではない。ショートケーキの箱を下げて帰ると、子供たちが寄ってきてくれるからである。そのときのケーキは家族団欒の手段といえる。
子供たちと過ごすワクワクの時間といってもいい。

商売する上で近視眼的になることだけは避けねばならぬと思う。
モノを売っていると思っているうちは、お客さんの真のニーズはつかめない!



2007.01.20(Sat)
成功への道しるべ

火曜日、「成功への道しるべ」と題したファックスが届いた。
営業用のファックスのようだが、読むと中々いいことが書かれている。

 「何を達成したいのか、はっきりとした具体的な目標を決意することです」

これが、成功の大原則のようだが、確かにそうだ。
どこに行きたいかが分かっていなければ、何も始まらない。さらに

 「成功は積上げでなく、目標からの逆算です」

とも書かれている。そして、第二次世界大戦時の戦艦ビスマルク号撃沈への指令が克明に記されている。


第二次世界大戦時の、ドイツの、とほうもない巨大戦艦ビスマルクは、連合軍にとって恐るべき脅威だった。北海水域から公海に向かったという情報は、つかんだものの、イギリス軍には対抗できる軍艦も航空機もなく、首相チャーチルの幕僚達は、対応は避けるしかないと忠告していた。

しかし、チャーチルは成功の大原則を十分認識していた。

 「何を達成したいのか、はっきりした具体的な目標を決意すること」

チャーチルと艦隊司令官との、その時の電話でのやりとりの記録が、そのことを如実に物語っている。

 「指令官!君の任務はビスマルクを沈めることだ。それが君の唯一の任務だ。この任務に比べ
 れば、その他のことは一顧の価値もないといってよい」

 「はい、首相閣下」

 「君はビスマルクを沈めるために必要な、あらゆる手を、あますところなく打っているだろうね」

 「はい、首相閣下」

 「可能な手段だけでなく、困難が伴う、不可能と思われるような手段まで考えておくことだ。全世
 界の目が、我々の上に注がれている」

 「はい、首相閣下」

 「よろしい、君の任務は、ビスマルクを沈めることだ。では・・・・・・」

結局、壮烈な戦いの末、ビスマルクは撃沈された。



2007.01.14(San)
リーダーとしての心得

手元に、「川柳作句の心得(八ヶ条)」がある。
高名な川柳作家が指導用に考案したものか、初心者には大きな指針が与えられている。

こうしたものは、数多くの句会を重ねるうちに自然にでき上がるものだが、頭の中で漠然と思っているのと、成文化されているのとではずいぶん違う。

何でもそうだが、“やみくも”に創作していては上手くならない。
そこで、こうした「心得」が登場するのだが、作句の際、一つ一つに注意を払っていけば、句にポイントが絞りやすいし、何が足りないかが分かってくる。

実は、組織運営でも同じことが言える。この場合、最後は「人」だということ。
制度や組織を改革、改善してもそれを動かすのは結局のところ人。

ゆえに、企業のトップは限りない高度な倫理観と志が必要になってくる。
これがあれば、難しい判断を迫られたとき、必ず正しい道を進むことができる。

経営はつまるところ、リーダーの人間力にすべてかかってくる。
さて、いろいろな経営者の言を拾って、「リーダーとしての心得(五ヶ条)」を下のようにまとめてみたが、これら五ヶ条を常に点検していくことが「経営者の役割」と思うが、どうだろうか?


1 謙虚さ 常に謙虚さを持っているか? 傲慢になっていないか?
2   志 夢に向けて何か努力を続けているか? 具体的な目標を持っているか?
3 倫理観 人として正しいことを追求しているか? 言葉と行動が一致しているか?
4 知  恵 「なぜ」を繰り返して考えているか? まわりに相談しているか?
5 情  熱 自分を熱くする努力をしているか?生き生きとした表情になっているか?



2007.01.06(Sat)
墨磨職人

新年早々の話題が新聞に載っている。
「墨磨職人(すみすりしょくにん)」という電動式の自動墨すり機が市販されているというのだ。

墨すりのお手並みはというと、機械に付属しているすずりの部分に水をそそぎ、手持ちの墨をセットしてからスイッチオン。と、すずりの部分がぐるぐる回転して、墨をするいい匂いが漂ってくる。

こうして3、40分回しておくと、トロトロの墨の原液が完成。
あとは好みの濃度まで水を加えて使う。

習字を習った者には、自分で墨をするという行為がいかに大切かを知っている。
墨をすることで心を落ち着かせた分、いい字が書けるのである。

それを思うと、こんな機械が販売されていいの?という気持ちになる。
かつて、知り合いの住職が、蝋細工の飯粒が盛られた「おぶくさん」が売られているのを嘆いておられたが、それに似た感慨だ。

しかし、これも求める人がいるから販売されるわけで、どんな人が買うのだろうか?

「展覧会に出すような大作は、墨をするのに丸一日かかることもざら。とくに高齢者の書道愛好家には喜ばれていますね」

容器入りの墨汁とは、字の仕上がりが別物という。
習字を習った身には、それは理解できるのだが・・・・・・。



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